軽トラック　ベルト鳴き　プーリー腐食でベルト削れ｜車検・点検・修理のグーネットピット

今回の作業ご紹介は、主に農作業で使用されている軽トラックの異音です。

異音の原因となっているのはファンベルトの鳴きで、ベルトの張力が緩くなる事
で起きるベルトのスリップ音です。「キャー」という悲鳴のような感じです。
ベルトの張力が緩くなる原因はプーリーが錆びつく事で少しずつベルトを削る為、調整しても
表面が削れるので、張力が通常よりも早くなくなります。ベルトはゴム製で消耗部品ではあると
はいっても「半年前に新品ベルトに交換したのに」や、「ベルトを取替てから千㌔も走ってないのに」
などのベルト鳴きが発生する頻度が度を超えて再発します。
その都度調整を繰り返すと、ベルトが薄くなり裂けたり切れたりする可能性も考えられます。
その為、今回は錆付いたプーリーも同時交換する事にしました。

車体をリフトアップし状態を確認していきます。
全体を確認すると写真左上の矢印の部分に黒い粉のようなものが確認できます。
これがベルトの削れカスですが、『なぜ』削れてしまったのか・・
普段から使用している車でしたらなかなかこうはならないと思いますが
ご依頼のお車は一定の期間のみに使用する事や更に保管場所が土の上との事
もあり湿度が高く腐食が進行しやすい条件が揃っていました。
エンジンが回転していない時に、プーリーのベルトに接触していない所が錆ます。
薄い錆の場合にはエンジンを始動し回転すると、ベルトで擦れる事で取れますが、
錆が深いと、イメージはヤスリでベルトが負けて削れていきます。

オルタネーター・ウォーターポンプのプーリーを新品に取替ます。
特にオルタネータはチャージ（充電）を要求される状態では負荷がかかっており、回転
させるにも重く、よりベルトが削れます。
プーリーの新旧を比較するとベルトがハマる溝部分のザラザラ感の違いがわかります。
ちなみに使用されるベルトはVベルトではなく、平型のリブベルトで筋状になっています。

上の画像ですが、クランクプーリーは今回ご予算の関係で取替は見送ります。
ですが、クランク側はベルトを引っ張る役割なので少しでも錆を落したい為清掃します。
※（危険なのであまりお勧めは致しません）
エンジンを始動しクランクプーリー回転時にワイヤーブラシを
『ぎゃーーーっつ』っとあてがいできる限りの清掃です。
ケッコウ錆は無くなりました。

腐食をできる限り進めない為としてフッ素オイルを塗ってみます。
絶対に腐食しない保障はできないので、サービスで・・・です。

新品プーリー、新品ベルトを組み付け作業終了です。

通常だと車からオルタネータを降ろして作業するのですが、そのままの車載状態
で進めることができ、その分お客様のご負担を少なくすることができました。