カリカリ音　ノッキング　燃焼室カーボン蓄積　スバル・ステラ｜車検・点検・修理のグーネットピット

今回の作業は本来の修理ではありません。以前スズキ・パレットで
ご紹介した事例と同じになります。
エンジンに若干の負荷が掛かった状態で、アクセルを若干踏み込むと
カリカリ音が発生します。
車両はスバル・ステラ、走行は８万㌔程度。
カリカリ音の状態はこちら↓↓（動画後半が良くわかります）

ご依頼は、
「特にエアコン使った走行中に音が出る。エアコンベルトが悪いのか？」
といった内容なのですが、ベルトの劣化具合と張りは良好。
走行点検すると、ノッキングの可能性と判断です。
普段の走行状況は「アクセルを踏み込まない」安全なドライビングです。
ミッションがＣＶＴなので、エンジンが吹けあがる機会が少ない模様です。
このことから、
燃焼室の状態を確認する為スパークプラグを外し、ピストントップの状況を
見ます。
冒頭の画像で、カーボン（煤）がタップリで、炭の層になってる感じです。
（ペンライトで覗いても、ハッキリわかりました）
外したスパークプラグは良好でした。

念の為、燃焼室の圧縮も測定。
圧縮が低下し燃焼条件が元から悪ければ、今から行う作業が無駄に
なる可能性が出ますので。
結果は、若干低下（９Ｋ程度の箇所有）しているのですが、燃えない
レベルでは無いのでひとまずはＯＫとします。
（一般的な車はこのゲージで６Ｋ程度の場合は着火しません。一部
　９Ｋでも着火しない車両も有⇒ヤマハのスクーターなど）
この事から、ノッキングの原因は、燃焼室（ピストンヘッド等）に蓄積
したカーボンが火種となってる可能性があります。
以上の事を踏まえて、お客様にご連絡です。
「本来は、最低でもシリンダーヘッドを外してのカーボン除去清掃に
なります。ピストンのリング部分に蓄積したカーボンまでだと、ＯＨ
に近い分解が必要となります。リビルトエンジンへの交換とさほど料金
が変わらなくなる場合も出てきます。（消耗に応じて）
燃焼室の簡易清掃は良い方向にはいきますが、あくまでダメ元の処置
になるので、治るとはいいきれませんが・・・・」
と、こればかりは、私も自信がありません。

諸々をご理解頂き、クリーナーの「漬けおき」を行っていきます。
「エンジンチューンアップ：ＮＸ５０００」で強力です。
ゴム関連などへのダメージは若干心配な所もありますが・・・、
作業後にエンジンオイルを交換する事で対応し、背に腹は代えられ
ないと言える洗浄力です。
泡状で出てきますが、液体に落ち着いた状況で燃焼室一杯にします。
バルブ周辺やスキッシュエリアにも届けの意味で。

時折、クランクを回して（メガネレンチで）充填。一晩漬けておきました。
洗浄液は液体のまま溜まっています。ますは、バキュームで吸いとります。
エアブローで清掃しますが、ウェスで押さえないと巻き散らばりますので。
パーツクリーナーも流し込みながら清掃していきます。
清掃後ピストンヘッドの状態を見ると、
「Ａ」の打刻が見える程になりました。
目視でも確認できます。

スパークプラグを装着する前にエンジンオイルを２～３滴注入。
ピストンリング周辺も油膜が無くなってるので、圧縮圧が上がらない状況を
少しでも助ける為です。
折り返しで組付け、試運転。
状況はこちら↓↓

ノッキング音は聞こえないレベルまでになり、お客様からも「聞こえない」と
言って頂けました。
正直、ホッとしております。
その他、燃焼室の状態が良くなった事が起因しているのか、若干パワー感も
上がった気がしており、なお良しです。