輸入車
更新日:2022.07.07 / 掲載日:2022.07.04
環境モデル特集/各ブランドから続々と出揃うニューモデル[最新環境モデル、選ぶならどれだ?]
写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2022年8月号の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2022年6月調べ。
エンジン車では不可能な走りの鋭さを見せるスーパースポーツ、従来のエンジン車とさほど変わらず自然に接することができユーティリティ性にも優れるSUVタイプ、そして、頃合いのいいサイズ感と自由なキャラクターに思わず心が揺さぶられるライフスタイル系と、気になるモデルを一挙にご紹介したいと思います!
【BEVの最高峰スーパースポーツの走りはどんな世界?】気になる最新モデルインプレッション Part.1
文●石井昌道、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。
「現時点でもガソリン車では到底不可能な走りを実現している」。それが、スーパースポーツBEVの実力といっていいだろう。低重心によるキレのあるハンドリングと豪快な加速は、脳裏に焼きつく走りなのだ!
高性能モデルのBEVはブランドイメージを牽引
環境性能に優れるBEVだが、魅力はそれだけではない。モーターはエンジンに比べて低回転から大トルクを発するから強烈な加速が味わえるとともに、シャシー性能でも高いポテンシャルがあるのだ。
重量物であるバッテリーは床下に敷き詰められるため低重心となり、前後重量配分では中央寄りでヨー慣性モーメントが低い=曲がるのが得意だ。エンジン車よりもタイヤの配置の自由度が高く、ホイールベースを長くとれることも有利。さらに、エンジンのように重量物をゴム類などのマウントで吊るすことがないため、揺動がシャシー性能に悪影響を及ぼすこともない。また、サスペンションも本来の仕事をきっちりこなし、優れた重量配分のポテンシャルを存分に引き出すことができるのだ。
これを究極まで追求しているのが、ポルシェが開発したJ1パフォーマンス・プラットフォームだ。BEVはバッテリーを床下に敷き詰めるため低全高を実現するのは少々不利だが、後席足もとは窪みをつけたフットガレージを設けるなどして、全高1400mm以下を実現。SUVなどを寄せつけない運動性能を身につけたのだ。ハイパフォーマンスモデルならば0-100km/h加速は脅威の3秒台で、ドライバーがブラックアウトしてもおかしくないほど。またハンドリングは、ドライならばいくら振りまわしてもタイヤを滑らせるのが難しいぐらいであり、高速クルージングでは圧倒的なフラットライドをみせつける。
タイカンとe-tron GTでは、前者はより運動性能重視で後者はグランドツアラー的な性格が強いというブランドイメージに合った棲み分けがなされている。バッテリーに革命が起きて軽量コンパクトになればまだまだ進化するだろうが、現時点でもエンジン車では到達不可能な走りを実現しているのだ。
PROFILE 自動車ジャーナリスト 石井昌道
内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動運転にも参加。幅広い視野と知見で的確な評論を行う人気レポーターだ。
[アウディ RS e-tron GT]スタイリッシュなデザインの高性能BEV
アウディBEVのフラッグシップとなるのがRS e-tron GT。スポーツカーのR8を彷彿とさせるデザインは、高性能BEVらしい存在感をアピールする。車両前後に配置された2基のモーターがそれぞれ前輪と後輪を駆動する4WD。前後のトルク配分は100対0〜0対100まで可変できるのもポイント。
アウディ RS e-tron GT ●全長×全幅×全高:4990×1965×1395mm ●ホイールベース:2900mm ●車両重量:2310kg ●最高出力:645ps ●最大トルク:84.6kgm ●新車価格:1799万円(RS e-tron GTのみ)
[ポルシェ タイカン]電動化高性能モデルの先駆けとなったタイカン
全長5mの大柄なボディを持ちながら、ポルシェの名に恥じないダイナミクスを持つ4ドアスポーツモデルがタイカン。4WDのほか、リアモーターのみの後輪駆動モデルも設定する。標準バッテリー仕様は326馬力を発揮し、最高速度は時速230km。パフォーマンスバッテリープラス仕様も選べる。
ポルシェ タイカン ●全長×全幅×全高:4963×1966×1394mm ●ホイールベース:2900mm ●車両重量:2130kg ●最高出力:326㎰ ●最大トルク:36.4kgm ●新車価格:1226万円〜2507万円(タイカン全グレード)
【1台ですべてこなせる万能選手の魅力とは?】気になる最新モデルインプレッション Part.2
文●石井昌道、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。
設計時のパッケージ構成に有利なSUVは、必然的に実用性も高くなる。バッテリーの拡大も可能であり、それゆえ現在では人気が高いモデルたちだ。エンジン車との価格差もかなり縮まってきているから、ぜひチェックしてみてほしい。
従来のエンジン車と変わらぬ感覚で乗れる
前述のように、バッテリーを床下に敷き詰めるBEVは背の高いSUVならばパッケージングが楽であり、ボディサイズが大きいほどバッテリー容量の拡大も望める。だから中・大型SUVは航続距離が長く、利便性の高さが魅力。ちょっとした悪路ならば楽々走れる走破性もある。ルックスやファッション性にも優れる万能選手であり、これ一台あればすべてこなせるのだ。
ここにあげたジャーマン・プレミアム3の3台は、いずれもエンジン車とプラットフォームを共有するモデルであり、BEVだからといって特別に先進感をアピールしすぎてはいないというのも、安心して手を出しやすい秘訣だろう。普通に運転するだけなら、従来のエンジン車とさほど変わらず自然に接することができるからだ。そのうえでBEVならではのパワートレインやシャシーの魅力がある。
航続距離はどれも400km以上(WLTCモード)。実電費を7割と見積もっても300km近くは走れるわけで、高速道路を3時間ほどは走り続けられる計算だ。そこで休憩して30分間の急速充電をすれば、よくある出力40kWの充電器で約100km走行分、徐々に増えつつある90kWなら200km走行分以上の電力が得られる。遠くまで出かけるといっても、一日に400km以上走るというケースはあまりないだろうから、これぐらいのバッテリー容量・航続距離があれば、それなりに実用的だといえる。
プレミアムブランドでは、エンジン車との車両価格差は気にならない程度に収まるようになってきた。ランニングコストが抑えられることも考えればさらに手を出しやすい。自身のガレージで普通充電ができることはほぼ必須ではあるが、それさえクリアしているのであれば、BEVの新たなカーライフに飛び込むのに心配はいらないだろう。
[BMW iX3]X3がベースのミドルクラスBEV
第5世代のBMW eDriveテクノロジーを最初に導入したBEV。見た目は内燃機関のX3に似ているが、キドニーグリルデザイン、リアスポイラーなど細部が異なっている。リアには286馬力/40.8kgmのモーターが搭載され、一充電走行距離は508km(WLTC)を実現するなど、実用性は高い。
BMW iX3 Mスポーツ ●全長×全幅×全高:4740×1890×1670mm ●ホイールベース:2865mm ●車両重量:2200kg ●最高出力:286㎰ ●最大トルク:40.8kgm ●新車価格:862万円(iX3 Mスポーツのみ)
[メルセデスEQ EQC]専用デザインが存在感をアピール
ライバルのBMW iX3に対し、メルセデスのこちらは専用のボディを持つのが特徴。80kWhのバッテリー容量を持ち、前後アクスルにモーターを組み合わせる。システムトータル出力で408馬力/78.0kgmを発揮し、0-100km/h加速は5.1秒。航続距離400km(WLTC)に留まるが、それを補うほどの加速は痛快。
メルセデスEQ EQC 400 4MATIC ●全長×全幅×全高:4775×1925×1625mm ●ホイールベース:2875mm ●車両重量:2520kg ●最高出力:408ps/4160rpm ●最大トルク:78.0kgm/0-3560rpm ●新車価格:960万円(EQC 400 4MATICのみ)
[アウディ e-tron]ラグジュアリーを強調したSUV
アウディBEVであるSUVが「e-tron」で、同社のe-tronシリーズの先鞭をつけたモデル。SUVボディを持ち、通常モデルとクーペ 調のスポーツバックが存在する。「50クワトロ」では、71kWhのバッテリーを搭載し、前後アクスルにモーターを搭載。システム最高出力は313馬力、航続距離は335km(WLTC)を実現。
アウディ eトロン 50 クワトロ ●全長×全幅×全高:4900×1935×1630mm ●ホイールベース:2930mm ●車両重量:2400kg ●最高出力:313㎰ ●最大トルク:55.1kgm ●新車価格:935万円~1437万円(eトロン 全グレード)
【個性あふれるライフスタイル系BEV】気になる最新モデルインプレッション Part.3
文●石井昌道、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。
もっと肩の力を抜いてBEVと暮らしてみたい。そんな思いにドンピシャとはまるのが、ライフスタイル系BEV。ブランドごとのセンスが光る、今後の注目株が揃う。
手頃&手軽に乗れるBEVをチョイス
BEVのニューモデルが続々と登場していることでバリエーションも増え続けている。今では軽自動車から超高級車、ハイパフォーマンスカーまで出揃っているが、個性が際立つライフスタイル系モデルにも注目したい。
ボルボは北欧らしいイメージが魅力であり、それはルックスだけではなく環境対応への意識にも表れている。2025年には販売台数の半数をBEV、残りをPHEVにすると表明。C40リチャージは初のBEVでカーボン・ニュートラルへ向けたマイルストーン。意気込みが表れており、日本でも想像を超える人気となっている。インテリアも北欧らしい洒落たものだがリサイクル材を多く使用し、レザーフリーにするなどここでも環境意識が高い。
フィアット500eはまさに個性の塊だ。1970年代のヌォーヴァ500をオマージュした愛らしいルックスは、レイアウトの自由度が高いBEVでさらに理想的なフォルムとなった。軽量ゆえにキビキビと走るのもキャラクターに合っている。
ヒョンデ・アイオニック5のスタイリングは目を見張るものがある。直線と四角を多用し幾何学的なデザインに、こういう表現があったのかと驚かされる。走りも驚くほど高いレベルだ。
プジョーe-2008は、近年のプジョーのデザイン性の高さと身近なBEVの組み合わせが魅力。エンジン車も用意されるが、ランニングコストまで含めれば費用はほとんど変わらないパワー・オブ・チョイスというコンセプトがユニークだ。
BEVはアーリーアダプターに支えられてきたが、もはや特別な存在ではなく、自分のライフスタイルや好みに合わせて選ぶ時代が訪れたといえる。個性的なモデルならば、愛着が湧いて末永く付き合っていきたくなるはずだ。
[ボルボ C40 RECHARGE]カジュアルに乗れるボルボのBEV
コンパクトSUVのボディを持つBEVがボルボ C40リチャージ。こちらはXC40リチャージのクーペ 版ともいえるモデルで、床下に78kWhという大容量バッテリーを搭載。ツインモーター仕様では、その名のとおり前後にモーターを備え、合計408馬力を発揮する。航続距離は485km(WLTC)を実現。
ボルボ C40 リチャージツイン(電気式CVT) ●全長×全幅×全高:4440×1875×1595mm ●ホイールベース:2700mm ●車両重量:2160kg ●最高出力:408㎰ ●最大トルク:67.3kgm ●新車価格:599万円〜699万円(全グレード)
[プジョー e-2008]小さくて元気なデザインが魅力
PSAグループ最新プラットフォーム(e-CMP)を採用したBEVがe-2008。デザインは内燃機関モデルとほぼ共通で、50kWhのバッテリーを搭載。航続距離は380km(JC08)と、小さいながらも優秀な値を実現する。ラゲッジも434Lを確保するから実用性は十分だ。
プジョー e-2008 GT ●全長×全幅×全高:4305×1770×1550mm ●ホイールベース:2610mm ●車両重量:1600kg ●最高出力:136㎰/5500rpm ●最大トルク:26.5kgm/300-3674rpm ●新車価格:467万9000円〜509万8000円(全グレード)
[ヒョンデ アイオニック 5]欧州で大ヒットを記録したヒョンデ
日本にも再導入され話題となっているヒョンデは、昨年欧州で販売実績を伸ばしている。そんなヒョンデのBEVがアイオニック5。斬新なデザインのエクステリアが注目点。床下には58kWh(上級モデルでは72.6kWh)のバッテリーを搭載し、航続距離は618km(WLTC)。
ヒョンデ アイオニック5 ラウンジ AWD(電気式CVT) ●全長×全幅×全高:4635×1890×1645mm ●ホイールベース:3000mm ●車両重量:2100kg ●最高出力:305ps/2800-8600rpm ●最大トルク:61.7kgm/0-4000rpm ●新車価格:479万円〜589万円(全グレード)
[フィアット 500e]新型500は電気自動車!?
日本でも人気だったフィアット500の新型が登場。今回は500eという名称のBEVとしてデビューすることになった。バッテリー容量は42kWhで、航続距離は335km(WLTC)と、このサイズとしては十分以上の性能を持つ。モーターによるパワフルな走りも大きな魅力だろう。
フィアット 500e アイコン ●全長×全幅×全高:3630×1685×1530mm ●ホイールベース:2320mm ●車両重量:1330kg ●最高出力:118㎰/4,000rpm ●最大トルク:22.4kgm/2000rpm ●新車価格:450万円〜495万円(全グレード)
[メルセデス・ベンツ]内燃機関から電動化へメルセデスの次世代電池研究施設
文●ユニット・コンパス 写真●メルセデス・ベンツ
現代の自動車の基礎を作り上げたメルセデス。その中心となったのが内燃機関、つまりエンジン。そしてメルセデスは、その歴史を象徴するような本社工場に次世代電池の研究施設を作った。
歴史ある本社工場中心に建設された研究施設
自動車業界をリードしてきたメルセデスは、グループを挙げて「ELECTRIC ONLY」戦略を推進している。
そこでメルセデスは、本社工場に次世代バッテリーとバッテリーセルの研究開発を行う「eCampus」を建造し、2023年から本格稼働させる予定だ。この施設は、新世代バッテリーを試験するためのさまざまな試験施設を備え、電動化技術の拠点としての役割を担う。
メルセデス・ベンツ・グループAG取締役会会長のオラ・ケレニウス氏は、この施設について次のように語った。「『eCampus』は、伝統あるシュトゥットガルト・ウンターテュルクハイムの未来を象徴しています。この地は、自動車とメルセデス・ベンツのサクセスストーリーを象徴する場所です。高度な訓練を受け、意欲に満ちた従業員とともに、私たちは新しい電気自動車時代への移行を形づくります」。
内燃機関を極めたメルセデスがバッテリーの時代でどのような進化を遂げるのか注目だ。
[BMW]メタバース空間を使って最新BEVを世界に公開
文●ユニット・コンパス 写真●BMW
IT技術の進化によってコミュニケーションの世界はさらに進化を続けている。BMWは、独自のメタバース「JOYTOPIA」を使って新型電気自動車をユーザーにお披露目した。
新型BEV「iX1」をいち早く体験できる
ニューノーマルの世界となり、新たなるコミュニケーションの形として注目されているのが、インターネット上に作り出される3Dの仮想空間メタバース。ここでユーザーは、アバターと呼ばれる分身を通じ、誰とも直接接触することなく、イベントや他者との対話を楽しめる。
BMWは、2021年に「JOYTOPIA」というプラットフォームを立ち上げ、新たなるユーザー体験の場としている。ローンチ時には英国の人気バンドであるコールドプレイのコンサートも開催した。BMWに興味がある人なら、誰でも無料で国境を越えて集まれる場所だ。
この6月、BMWは「JOYTOPIA」を使って新型BEVのお披露目イベントを実施した。登場したのは、X1のEV版となる「iX1」。第5世代の電動化テクノロジーを搭載、欧州で最初に発売されるモデルは前後タイヤをそれぞれモーターで駆動する4WDモデルで、最高出力は313馬力。最大後続可能距離は438km(WLTPモード)と実用的。日本導入も期待される。
[電動化のユーズドカー中古車市場の今を探る]そろそろ電動化モデルに乗ってみる?
文●ユニット・コンパス
※中古車参考価格はグーネット2022年6月調べ。
各メーカーが電動化モデルを数多くリリースしている昨今、中古車市場も徐々に拡大している。今回は、今探せる電動化モデル(EV/PHEV)のユーズドカーをチェックしてみよう!
選択肢は少ないが物件数が増えているEV
[BMW i3]中古車を探すなら2016年式以降
ひと昔前まで、電気自動車(EV)といえば特殊な存在だったが、今では街で見かける頻度も増えてきた。また、各メーカーが次々と新型モデルをリリースしており、内燃機関車のエンディングが近くなっていることを感じさせる。いずれEVの世界がやってくるなら、早めに乗って慣れておきたいという人も多いはず。
そこで最初に注目するのがBMW i3。2014年デビューだから、輸入車のEVとしては古参モデルといえよう。このi3、CFRP製の骨格にアルミ製ドライブモジュールを組み合わせており、設計もほかのコンパクトカーとは一線を画すもの。また、航続距離を伸ばすため発電用エンジンを搭載したレンジエクステンダー仕様も存在する。
中古車市場に流通する物件は多くないが、現在では100万円台後半の予算からねらえる。ただし、2016年の改良で大容量バッテリーが搭載され、航続距離が70%ほど増えた。こちらは最低250万円以上するが、利便性を考慮すると改良型を積極的に選びたいところだ。
中古車参考価格帯:150万円~430万円(14年~22年 全グレード)
年式別中古車物件ボリューム
2014年式:15%
2015年式:26%
2016年式:12%
2017年式:15%
2018年式:14%
2019年式:13%
2020年式:5%
中古車でEVを買う際の注意点は?
まず一番に注意したいのがバッテリーの劣化具合。一見低走行で状態がよさそうでも、バッテリーが劣化して航続距離が短くなっているケースがある。たとえば日産リーフなどは劣化具合が表示されるのでわかるが、輸入車の場合わからないことも多い。購入の際は販売スタッフに確認しておくことが重要だ。
[ジャガー I-PACE]スポーツ性を備えたジャガーのピュアEV
SUVとクーペのフォルムを掛け合わせたような独特のデザインが特徴のIペイス。前後の車軸にモーターを搭載し、400馬力を発揮。そのためスポーツカー的な走りも見せてくれる。航続距離はWLTCモード438kmを実現。新車時価格は1000万円以上の高額車だが、現在は600万円台後半の予算から探せる。ただし物件数が少なく、中古車として探しにくいのが難点だ。
中古車参考価格帯:650万円~740万円(18年~22年 全グレード)
年式別中古車物件ボリューム
2019年式:40%
2020年式:60%
[テスラ モデルS]高性能EVの先駆けとなったプレミアムセダン
登場から10年近くが経過し、価格が大きく下がったテスラ モデルS。ボディサイズは現行型BMW 5シリーズと同程度で、ラグジュアリーな内外装が特徴。床下にバッテリーを搭載し、強力なモーターと組み合わせることで内燃機関車では味わえないパワフルな走りを実現する。販売期間が長いが、物件数はそれほど多くない。しかし新車時の半額以下の予算でねらえるのは魅力だろう。
中古車参考価格帯:390万円~1000万円(14年~20年 全グレード)
年式別中古車物件ボリューム
2014年式:16%
2015年式:19%
2016年式:35%
2017年式:14%
2018年式:16%
使いやすさを重視するならPHEV
[MINI クロスオーバー クーパー S E]電動化モデルに乗るならMINIはいかが?
EVは興味あるけど、航続距離や出先での充電が心配……という人もいるはず。そこでオススメしたいのが、PHEVだ。モーターのほかに内燃機関も搭載し、電気が減ればエンジンでの走行も可能。遠出の頻度が多いならPHEVを選ぼう。EVは専用モデルが多いのに対し、PHEVは既存の車種をベースに開発されていることが多く、選べる数もEVより豊富である。
今回注目するのは、MINIクロスオーバーのPHEV。1.5L直3ターボに、88馬力のモーターを組み合わせている。後席床下にはリチウムイオン電池が置かれ、最大53kmの距離を電気のみで走行可能。MINIクロスオーバーがベースとなるため、後席へのアクセスも良好でファミリーカーとしての実用性も十分。
中古車物件も数が多く、探しやすい。平均価格は350万円と、新車時よりも100万円以上安くなっている。なかには200万円台の予算から探せる物件も存在。大半が走行距離3万km未満なのも魅力である。
中古車参考価格帯:270万円~540万円(17年~22年 PHEV全グレード)
年式別中古車物件ボリューム
2017年式:42%
2018年式:32%
2019年式:17%
2020年式:9%
【メルセデス・ベンツ GLC 350 e 4MATIC】新車時の半額で買える人気SUVのPHEV
メルセデスのGLCは、人気の高いミドルクラスSUV。4.7m弱のボディサイズは、快適性と取りまわしのよさを両立している。各種パワートレインが選べるが、PHEVでは2L直4ターボにモーターを組み合わせ、電気のみで46.8kmを走行可能。中古車市場をみると、ほかのグレードと比べて物件数は少ない。ただし新車のおよそ半額である400万円台の予算から購入可能なのは魅力的だ。
中古車参考価格帯:400万円~800万円(16年~22年 PHEV全グレード)
年式別中古車物件ボリューム
2016年式:31%
2017年式:23%
2018年式:23%
2019年式:23%
【BMW 330e(先代)】価格が手頃になった先代のPHEV
先代3シリーズにはアクティブハイブリッドとPHEV(330e)が存在したが、今回紹介するのは後者。2016年に追加され、2L直4ターボにモーターを組み合わせる。「Mスポーツ」、「ラグジュアリー」など多くの仕様が存在したが、中古車の大半は「Mスポーツ」。すでに新型が登場しているため、先代の相場は大きくダウン。現在は100万円台後半の予算から探せる。物件数も比較的豊富だ。
中古車参考価格帯:170万円~300万円(16年~18年 PHEV全グレード)
年式別中古車物件ボリューム
2016年式:43%
2017年式:52%
2018年式:5%
【BMW 740e】大幅に価格が下がった最上級サルーン
7シリーズをベースとするPHEVが「740e iパフォーマンス」。2L直4ターボに、8速ATと一体化された高出力モーターを組み合わせ、トータルで326馬力を発揮する。また、電気のみで42km走行可能(JC08モード)。デビュー当時の新車価格はおよそ1200万円超だったが、現在はその半額で購入可能。300万円台の物件も目立ち、現実的な価格で入手できる。物件数もそれなりに流通する。
中古車参考価格帯:340万円~530万円(16年~22年 PHEV全グレード)
年式別中古車物件ボリューム
2016年式:30%
2017年式:44%
2018年式:17%
2019年式:9%