新車値引き情報
更新日:2024.02.06 / 掲載日:2024.01.26

X氏の値引き大作戦 一番お得なSUVを探せ!勝者は「CX-5」24.6万円引き!

猛攻撃! ハリアーが55万円 危うし!! “マツダ乗り”の夢 大逆転!!! 下取り25万円UP

【プロローグ】 これまで乗ってきたノートe-POWERニスモは「私の車歴で初めて2回目の車検を通した」くらい気に入っている。しかし、最近になってエアコンのコンプレッサーを交換したり、各所からきしみ音やガタツキが出たり、と不調が出始めた。どうやら5年半で12万kmという、過走行が負担になっているようだ。

 そこで妻に買い替えを相談したところ「自分のお小遣いが減っても大丈夫ならいいんじゃない?」とのお許し(?)が出た。勢いをつけるため、以前から憧れていたX氏に応募したところ、見事に採用! 「これは天啓だ!」と大興奮(笑)。正直、作戦会議の前日はよく眠れなかった(爆)。

 松本さんからX氏流のノウハウとテクニックをしっかり伝授してもらったあと、今回の交渉のためにノートを購入し、スケジュールや作戦を整理して記載。交渉予定の販売店の所在地や連絡先などをまとめ、漏れていることがないか、何度も確認。

 さらに妻の気持ちが変わらないように、いたるところに候補車のカタログを置いてサブリミナル効果を狙う(笑)。

 重ねて、ご機嫌取りにリフレッシュ旅行(群馬県・バスケ観戦一泊)にも連れ出した。

 これで準備万端! 叩いた石橋が崩れないうちに渡り切りましょう(笑)。

【10月28日(土)】 まずは三菱に出向いて、狙いのアウトランダーに試乗。担当となったセールスさんは話しているうちに地元の後輩であることが判明。年齢が少し離れているため、お互いあまり知らなかったが、子どもの頃の思い出や近所のラーメン屋さんの話で盛り上がる。

「下取りのノートは知人に譲るかもしれないから、査定額と値引き額ははっきり分けてくださいね。付属品はフロアマットのみで、メンテパックやボディコーティングはいらないです」

「わかりました。で、値引きなんですが……最近はちょっと厳しくなっちゃって……」

 あれ!? 雲行きが怪しい。

「実は、Xさんから事前にご連絡をいただいた時点で、在庫のPグレードを“優先商談権利”として押さえておきました。ご希望のGグレードより少し高くてマイチェン前のモデルですが、装備は充実しています」

 そこで、Pグレードに変更して見積もりの作成を依頼すると、車両本体値引きは10万円だが、付属品22万6000円から10万3000円引きを提示してきた。こちらからはなにもいわなかったが車庫証明費用と納車費用はカット済み。

「車庫証明手続きは私がサービスでやります!」

「これが最終条件じゃないよね? 次の週末には決めたいと思っているので、さらなる頑張りを期待してるよ!」

 なお、下取り額は50万円。
 続いてホンダへ。ZR-Vの値引きは13万円。支払い総額は400万円を超えてしまった。

「う~ん……めちゃ高いね」

「いくらになったら決めてくれますか?」

「上の数字が4ではお話しにならないです。それに妻にも相談しないといけないので、即答はできません」

「わかりました。400万円は切りますよ」

「下取りはいくらですか?」

「ZR-Vは納車まで9~10か月かかります。下取り車は現在の査定で50万円ですが、納車の際に再査定となります」

 次はトヨタA店。狙いはハリアー。試乗後、商談開始。担当は女性セールスさんだった。

「値引きを頑張ってくれないと、私のお小遣いがなくなっちゃうんです」(笑)

「奥様にお見せできるような見積もりを作成します!」

 おおっ、頼もしい。いきなり30万円、いや40万円引きの大台に乗るかも……。

 ところが、提示してきた値引きは車両本体と付属品から合計19万7000円で、20万円台にも届かない。

「これが限界です。ローンを組んでいただければ、もう少しなんとかできるのですが……」

 さっきの力強さはどこへやら、急に頼りなくなった。納期は半年以上かかるそうだ。

 本日の最後は日産店。今乗っているノートとその前のセレナはこの店舗から購入しており、担当セールスさんとは長い付き合いになる。

 開口一番「他社はどうですか?」と探りを入れてきた。「けっこう頑張ってくれていますよ」というと、奥に引っ込む。かなり長い時間待たされたので大いに期待したが、エクストレイルの値引きは車両本体から5万5000円、付属品(15万6000円)から1万5000円引き。渋い、渋すぎる……。

「正直、この条件では商談のテーブルにも乗ってません。とりあえず引き上げます」

「お待ちください!」

 しばらくして奥から店長さんを引っ張ってきた。

店長「エクストレイルは本当に値引きが厳しくて……でも、Xさんには何台も買っていただいているので本部に掛け合って上乗せをさせていただきました」

 しかし、提示してきた車両本体値引きの上乗せ額は、たったの4万8000円。

「今日は帰ります。週末には決めようと思っているので出し惜しみはしないでくださいね」

 一日の疲れがドッと出た。


対抗、期待するも渋い、渋すぎる 本命、店長決裁でも僅か5万円!?

【29日(日)】 昨日は久しぶりの商談で「ちょっと力んでいたかも?」と反省し、気持ちをリセットして挑むことにする。

 まずはトヨタB店へ。セールスさんは物静かで、どことなく元プロ野球選手の斎藤佑樹さんが年齢を重ねた雰囲気だ。
 ハリアーの値引きは10万円。

「この値引きだと、お昼が日の丸弁当になってしまいます。もう一度頑張ってください」

 いったん奥に引っ込んで戻ってきたが、なんとなく涙目っぽくなってる……店長に発破をかけられたのかな?

 車両本体値引きは10万円のままだが、付属品(約38万円)から19万5000円引き。これで値引きの合計は29万5000円。支払い総額は440万円。ちなみに下取り額は「現時点で50万円」とのこと。

 続いてマツダA店へ。顔見知りのセールスさんと商談開始。優しい表情のクマさんって雰囲気の人だ。

 このお店はドリンクに添えてマンスリースイーツと称し、お菓子が出てくるおもてなし。カフェっぽいので、妻を連れて来てたら、店内の雰囲気で「即、決定!」となったかも(笑)。

 提示してきたCX-5の見積書に値引きの記載はなし。

「私の持ち分は3万円引きで、店長決裁でも5万円引きです。でも、これではご納得いただけないでしょうね。どのくらいなら決めていただけますか?」

「お買得感がないと妻を説得できません。セールスさんは以前からマイチェン情報などを知らせに我が家まで来てくれましたよね。すごく熱心なので好感を持っています。だから駆け引きなしでズバリと希望をいいます。総額の10%オフ(46万円引き)です」

(食い気味に)「無理です! でも、私のことを買っていただけているので少しでも近づける努力はしたいと思います。車両本体と付属品から合計15万円引きはいけると思います。下取り車は現時点で50万円に届くかどうかっていう査定額ですが、強引にいけば60万円くらいにはもっていけるかも……」

 口ぶりから推察すると、まだ上乗せが取れそうだ。

「マツダは過去のクルマ選びでいつもあと一歩で敗退しています。今回、初めて“マツダ乗り”になれるかどうかはセールスさんにかかっていますよ。最有力候補なので一緒に店長さんを説得しましょう!」

「わかりました! 次回のご来店をお待ちしています」

 力のこもった表情になったのを確認して店を出た。

 その足で買い取り専門店へ。「Xさんには以前もご利用いただいているのでギリギリの価格を提示させてもらいます。いますぐ引き渡していただければ70万円で買い取りますよ」

 帰宅後、妻と相談。その結果、狙いをCX-5とハリアーに絞ることにした。

【11月3日(金・祝日)】 妻と一緒にトヨタC店へ。担当セールスさんは穏やかで好感が持てる。ただし、どことなく、うちの会社の幹部に似ていて、ちょっと緊張する(笑)。

「ハリアーの納車は来年の6~7月頃になります。下取り車の査定額はその時期を見越して40万円です。他店も見てまわっているんですか?」

「このクラスのSUVは各社とも力を入れてるので魅力的なモデルが多いですね。見積りを比べて『一番お得だな』と感じるクルマにしたいと思っています。ぜひ最初から目一杯頑張ってください。率直にいうと、他のトヨタにも行っています」

「わかりました、負けたくないので頑張ります!」

 優しい笑顔を浮かべつつ燃えたぎるオーラを残して奥へ引っ込む。そして、提示してきた値引き条件は車両本体から20万円、付属品(約38万円)から15万円の合計35万円。さらに下取り額は50万円にアップ。さすが、うちの会社の幹部似(笑)。いきなり心が揺らぐ。

「遅くとも来週には決めるつもりです。もうひと頑張り、お願いします!」

 すると、車両本体から25万円引き、付属品から30万円引きの合計55万円引きが飛び出した。メチャクチャ心が揺らぐ。本命のマツダを食う勢いだ。

「正直、限界です」

「ありがとうございます! これで最有力候補に浮上しましたよ。だけど高い買い物なので、じっくり検討させてください。結果にかかわらず、かならず連絡します」

 続いてマツダB店へ。先日のマツダA店より規模が小さく、サブディーラーのような雰囲気で、スタッフも少ない。応対してくれたのは女性セールスさんだが、いかにもベテランといった印象で信頼感がある。こちらの要望をしっかりと反映した見積書を作ってくれた。しかも、なにもいわずとも納車費用はカットしてある。

「CX-5のお値引きは20万円と端数となります。それから今ご契約をいただければボディコーティング、もしくはETCがサービスで付けられます」

 ただし、下取り車の話となると、とたんに歯切れが悪くなった。あれこれとウンチクを連発するだけではっきりした査定額を提示してこない。結局「45~50万円くらい」と、お茶を濁されてしまった。ちなみに、妻は長い話に飽きて、最後はウトウトしていました(笑)。

 夕方、トヨタB店のセールスさんから電話が入る。

「他のトヨタが凄い条件を出してきました。B店さんも最終的な条件をお願いします」

 翌日の訪問を約束した。


トヨタで攻めて同士討ちで決着! 妻「私のお願い、聞いてよね♪」

【5日(日)】 今日も妻が同行。ハリアーが急浮上してきたが、やはり本命はCX-5。逆転を狙ってマツダA店へ乗り込んだ。

「Xさん、お待ちしていました。状況はいかがですか?」

「トヨタが無茶苦茶いい条件を出してきました。マツダは土俵際、徳俵まで追い詰められてますよ。いずれにしても今日決めるつもりなので、目一杯の条件を出してください」

(真剣な表情で)「正直、いくらなら決めてくれますか?」

「実は、他のマツダでも商談していますが、コーティングの無料サービス込みで、おおよそ25万円引きでした。でも、CX-5を選ぶなら以前から付き合いのあるこちらから買いたいと思っています」

「ありがとうございます!」

「他のマツダの条件をお伝えしたからにはそれを上回る条件を出してくださいね。後出しジャンケンなのに負けちゃうっていうのはなしですよ(笑)。それから同じ条件というのもなしです。同じ数字なのにこちらで決めちゃったら、先に出したお店に失礼ですからね」

「わかりました」

「トヨタだけでなく、他のマツダも参戦してきて、その上、店長さんを説得するわけだから、セールスさんもたいへんですよね。でも、私が“マツダ乗り”になれるかどうかの瀬戸際なんでよろしくお願いします!」

「では、店長に掛け合ってきます。少々お時間をください」

 しばらくして戻ってきたが、表情は浮かない。見れば、ひたいに脂汗を滲ませている。ただし、眼差しは鋭い。

「総額から24万5000円引きまで取れました。下取りは65万円まで上乗せします」

「う~ん……もうひと押し、欲しいですね」

「実は、いま店長が下取り額を70万円に上乗せすべく、本部に掛け合っています。OKが出たら決めてください!」

「頑張ってくれたのはよくわかりました。お昼ご飯を食べながら検討させてください」

「Xさん、絶対に戻って来てくださいね!」

 こんどは潤んだ瞳で見つめてきた。あの鋭い眼差しとのギャップにキュンとくる(笑)。

 昨日、訪問を約束したトヨタB店に乗り込む。トヨタC店の条件を伝えて、

「後出しジャンケンなので、トヨタC店を上回る条件を出してください」

「わかりました。店長と相談させてください」

 しばらくして戻ってきた。

「値引き額を34万5000円にします。下取りは60万円までやります。納車までこの金額で大丈夫です」

 セールスさんの目が赤い。店長さんとどんなやり取りをしたのか心配になる……。

 しかし、トヨタC店の条件には及ばないため「今回はゴメンなさい」となってしまった。

 お昼を食べながら妻と相談。

 ハリアーは納車まで10か月もかかるが、CX-5は1~2か月でOKなので、お正月を新車で迎えられる。それに下取り額は10万円も高くなる。この差が決め手となってCX-5に決定!

 マツダA店へ。

「前回の見積もりでは値引きと下取りを差し引いた支払い総額は429万7000円でしたね。端数を切ってキリよく425万円になるなら、いまこの場で決めますよ!」

(脂汗を浮かべながら)「掛け合ってきます」

 戻ってきて、

「Xさん、値引きは24万5000円のままですが、下取りを75万円にアップします!」

 おおっ、希望の425万円を下回った。これで決定……と思いきや、妻が最後の一撃!

「ナンバーロックボルトとホイールロックナット、それに革調車検証ケースをプレゼントしてください」

「……もう限界の限界まできているんで……」

「え~、主人のお願いばかり聞いて、私のお願いは聞いてくれないんですか?」

(顔面蒼白)「奥様のお願いとあっては聞かないわけにはいきませんが、さすがに全部は無理です。ナンバーロックボルトと車検証ケースはサービスでお付けします。これ以上は、もうホントに無理です」

「ありがとうございます! 長い付き合いになりそうですね。今後もよろしく!」

 これにて成約。注文書には車両本体値引きの計上はなし、かわりに付属品74万3958円から24万5801円引きと記入。これとは別にナンバーロックボルトと革調車検証ケース(合計7920円相当)を無料サービス。下取り額は75万円で、支払い総額は424万8157円となっていた。

 後日、自動車保険をマツダA店で加入することにしたところ、ホイールロックナットだけでなく、社外品(スカッフプレートなど)の取り付け工賃まで無料サービスにしてくれた。

購入データ
MAZDA CX-5
XDレトロスポーツエディション
From千葉県
トータル値引き 24.6万円
値引き採点 5
車両本体値引きの記載はなしだが、付属品(74万3958円)から24万5801円引き。下取り額は1~2か月後の引き渡しで75万円。中古車相場からすると10万円程度の高取りと考えていい。


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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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