新型車比較・ライバル車対決
更新日:2023.12.24 / 掲載日:2023.09.05

達人が推す200万円台の10車!「オーラ/クロストレック/ノア」ほか

だから私は推しました!!『買って満足! 200万円台までの“推し”グルマ』

クルマ選びの一丁目一番地はやはり価格。予算内でどれを買うべきか、できれば好みも反映させたい、いい買い物がしたい……。そこで、本誌(月刊自家用車)が誇るレギュラー執筆陣に車両本体価格200万円台までの一大ボリュームゾーンから“推し”を選んでもらった。ジャンルも理由も様々、バラエティに富む推しグルマたちがあなたの選択の一助になれば幸いだ。

月刊自家用車でおなじみの3人が“推す”!!

【2人推し!!】NISSAN ノート オーラ

コンパクトカーらしからぬプレミアム感を満喫

●価格:269万9400円〜304万1500円

《プロフィール》 e-POWER専用のプレミアムコンパクトカー。ノートをベースにしながら単なるタイプ違いとはせず、ボディ幅の拡大やパワートレーンの増強などを実施。素材感にこだわった内装や高級な装備&機能、走行性能にいたるまで、プレミアム感にこだわって仕立てられている。

音に包まれるような臨場感あふれる音響空間を形成するBOSEのシステムをステアリングスイッチ等とのセットオプションで用意。
オーラの走りをさらにグレードアップさせたNISMO。なお、オプションのレカロ製スポーツシート装着時には持込登録となる。

まるもの推し

G・FF ●価格:269万9400円

心地よい時間が過ごせて満足感高し
 ノートより4㎝拡大した全幅と豊かに張り出したフェンダーで、コンパクトカーでありながらプレミアムな雰囲気を醸し出すノート オーラ。インテリアにも上質な素材が贅沢に使われ、触感の良さや心地よさにこだわっており、家族の時間だけでなく自分ひとりの時間を大切にしたい人にも満足度が高い。オプションとなる国内初採用のBOSEパーソナルプラスサウンドシステムは、前席のヘッドレストにもスピーカーが備わるなど、音楽好きにはたまらない。小型エンジンを発電専用に搭載し、100%モーター走行となるe-POWERはノートより性能アップしており、なめらかな加速、キビキビとしたハンドリング、その気になればロケットのような加速力のすべてが手に入る。NISMO以外の装備は同等で、シートがファブリック(ツイード)なのかレザー(ブラックおよびエアリーグレー)なのかの違いのみ。

渡辺の推し

NISMO ●価格:298万1000円

お値段以上の内容向上が魅力
 ノート オーラはノートの上級モデルで、価格は約45万円高い。ただしノート オーラには、ノートがオプション設定しているLEDヘッドランプ、後方の並走車両を知らせるBSW、アルミホイールなどが標準装着され、これらは合計28万円に相当する。つまり価格差の45万円から28万円を引いた17万円で、ノート オーラはノートに比べて内外装を上級化して、モーターの動力性能や走行安定性も向上させた。従ってノート オーラは買い得度が強い。

 そしてノート オーラの中でも、特に買い得なグレードがスポーティ指向のNISMOだ。外観ではエアロパーツを装着して、内装も専用にデザインされた。サスペンションとタイヤのグレードアップで走行安定性も一層高められ、ドライブモードにも「NISMOモード」を採用している。これらの変更を施しながら、NISMOの価格はGと比べて約28万円の上乗せに抑えた。

【2人推し!!】TOYOTA アクア

お手本的なハイブリッド専用車

●価格:199万7000〜259万8000円

《プロフィール》 トヨタのお家芸であるハイブリッド技術を惜しみなく投入したHEV。もちろん燃費はクラストップ級だが、魅力はそれだけに留まらず、走行性能や居住性も抜かりなく磨かれ、かつ安全&運転支援機能などの先進的な装備が小さなボディに詰め込まれている。

走りをさらにグレードアップしたGRスポーツは、とがった速さではなく上質感や乗り心地を含めた総合力の向上を狙っている。
従来とは異なる積層構造を持つバイポーラ型ニッケル水素電池を初搭載。性能とコストのバランスに優れ、走りにも貢献している。

川島の推し

GRスポーツ ●価格:259万5000円

同乗者も実感できる乗り心地が美点
 生活用途で頻繁に用いるが、たまの長距離ドライブにも運転疲れしにくく心地良く過ごせるモデルとして選択した。専用のサスチューンやタイヤなどの特徴やGRスポーツというグレード名を見るとスポーツ派マニア向けモデルのように思えるが、軽量小型車を意識させない安定性に優れたハンドリングや刺激的な揺れを抑えた乗り心地など良質なフットワークはドライバーにも同乗者にも適応したものだ。

 パワートレーン周りは標準系と大差ないが電動と内燃機の力をうまく融合し、滑らかでコントロール性に優れたドライバビリティを実現。高速でも余力がある。ヤリスと並び世界最高水準の実用燃費も長距離適性のひとつである。

 運転席イージーリターン機構やトヨタチームメイトのOP装着も可能であり、アクアの実用性をそのまま継承しているのも見所。タウン&ツーリングの有力モデルだ。

渡辺の推し

G・FF ●価格:223万円

ヤリス以上の汎用性で割安感あり
 トヨタはハイブリッドに力を入れるメーカーで、その中でも特に買い得な車種がアクアだ。ヤリスハイブリッドに比べてボディがひとまわり大きく、後席の足下空間も広いから4名で快適に乗車できる。インパネ周辺の内装も上質だ。Bグレードを除くと、バイポーラ型ニッケル水素電池が採用され、モーターの動力性能にも余裕がある。WLTCモード燃費は、ヤリスハイブリッドに少し劣るが、売れ筋のGやZが33.6㎞/ℓだから十分に優れた数値といえる。

 さらに価格も割安だ。買い得グレードのGは、衝突被害軽減ブレーキ、パーキングサポートブレーキ、運転支援機能、LEDヘッドランプ、100V・1500Wの電源コンセント、ディスプレイオーディオなどを標準装着して価格を223万円に抑えた。居住性や走りの満足度も考慮すると、買い得度を強めている。

【2人推し!!】MAZDA マツダ2

クラス唯一のディーゼルが魅力

●価格:152万9000〜254万1000円

《プロフィール》 マツダのエントリーモデルだが、ブランドイメージの統一もあって上位クラスと同様な志向でまとめられている。グレードラインナップが独特で、1.5ℓのガソリンとディーゼルを設定し、FF車は複数のグレードで6MT車が選べる。これも他車にはない特徴だ。

国内の乗用車ではマツダのみが力を注いでいるディーゼルエンジン(SKYACTIV-D)は豊かなトルクで走りの質感向上に貢献する。
BDとはデザインを施していないスケートボードの板を指す「Blank Deck」の略。OPを含めたカラーの組み合わせは198通りに及ぶ。

川島の推し

XD BD・FF ●価格:199万1000円

ディーゼルをカジュアルに楽しむ
 高速長距離ツーリングに的を絞っての選択であり、最大の要点がディーゼルである。マツダ2のXD系が搭載するディーゼルは1.5ℓながら25.5㎏-mの最大トルクを1500〜2500回転で発生。ガソリンNAエンジンなら2.5ℓ級に相当するトルクであり、電動車を除いた1.5ℓコンパクトクラスでは圧倒的。ミッションは6速ATを採用し、狭い回転域でリズミカルに変速するシフト制御は操る手応えと余力感を高水準で両立している。

 エンジンで選ぶならXD系の全グレードが対象になり、ファントゥドライブにこだわるならスポーツ+を選ぶのが本筋のようにも思えるが、標準サス仕様でも一般的にはかなりスポーツ寄りなのがマツダ車。外観の好みにもよるが、カジュアルに楽しむならスポーツ+よりも安価で、MCでの売り物となる着せ替え感覚のカスタマイズが楽しめるBDをイチオシとした。

渡辺の推し

XD BD・FF ●価格:199万1000円

実用一辺倒ではない魅力を安価に
 コンパクトカーは、小型/普通車では価格が最も安いカテゴリーだから、実用志向の車種が多い。ところがマツダ2は、走行性能や運転の楽しさを重視している。外観はボンネットを長く見せるデザインで、車内に入るとインパネなどを上質に仕上げた。運転姿勢も自然な印象だ。後席や荷室の広さは最小限度に割り切ったが、ドライバーや助手席に座る同乗者の満足度は高い。

 推奨グレードは、直列4気筒1.5ℓクリーンディーゼルターボを搭載するXD BDだ。ディーゼルは2.5ℓガソリンエンジンに匹敵する駆動力を発揮して、WLTCモード燃費も21.6㎞/ℓに達する。軽油は価格が安く、燃料代も節約できる。XD BDは、実用装備を充実させて、価格は200万円以下だ。スマートブレーキサポートなどのセットオプション(6万6000円)も割安だから、積極的に装着したい。

【2人推し!!】SUZUKI スイフトスポーツ

コーナリングも高速ツーリングも楽しめる

●価格:202万8400〜209万9900円

《プロフィール》 その名の通り、スズキのグローバルコンパクトカー・スイフトのスポーツバージョン。ベース車のユーティリティはそのままに、ターボエンジンや専用の足回りを搭載し、ドライビングの楽しさを高めている。1グレード設定で、6MTか6ATかを選択できるのもポイント。

軽量なボディに1.4ℓターボ、モンロー製ストラット&ショックアブソーバーなどを組み合わせ、ライントレース性の高い走りを実現。
ショートストローク&クロスレシオの6速MTでダイレクトな運転感覚を楽しめる。もちろん6速ATでも走りの素性の良さは味わえる。

まるもの推し

標準仕様・6MT ●価格:202万8400円

買い物や通勤もこなす身近なスポーツモデル
 欧州で走りを磨き、市街地での取り回しから高速道路を使ったロングドライブまで、ベーシックモデルでも「走りがいい」コンパクトカーとして定評のあるスイフト。そこからさらに、1000㎏を切る軽量化ボディにトルクフルなターボエンジンを搭載し、手足のように操る楽しさを手に入れているのがスイフトスポーツだ。コーナリングの体感速度はスーパーカーにも負けず劣らず。家族がATしか運転できなければ6速AT(209万9900円)もあるから大丈夫。前席はセミバケットタイプだが、タイトすぎずカーブなどでしっかりと身体を支えてくれる。収納スペースも豊富に揃い、後席は6:4分割で倒してラゲッジスペースを拡大することもできる。2ペダルでも十分に走る歓びを感じつつ、日常での買い物や通勤などにも便利に使える、毎日に身近でも本格的なスポーツモデルだ。

渡辺の推し

標準仕様・6MT ●価格:202万8400円

内容充実、コスパで見ても優秀だ
 クルマ好きの間で根強い人気を得ている車種がスイフトスポーツだ。スイフトの素性の良さを生かしながら、さまざまな性能をバランス良く向上させた。エンジンは直列4気筒1.4ℓターボで、動力性能は2.3ℓのノーマルエンジンに相当する。サスペンションには、有名ブランドとされるモンローのパーツが使われ、峠道では良く曲がって高速道路における走行安定性も優れている。さらにエアロパーツの装着によって外観もカッコ良く仕上げた。
 内容をこれだけ充実させて、6速MTの価格は209万9900円だ。1.2ℓのノーマルエンジンを搭載するスイフトRSの5速MT仕様が179万3000円だから、約30万円の上乗せで、内外装から走行性能まで大幅に充実させた。そのためにスイフトスポーツは販売も好調で、スイフト全体の約50%を占めている。

【2人推し!!】SUBARU クロストレック

侮れないオフロード性能でタウンからレジャーまで

●価格:266万2000〜328万9000円

《プロフィール》 スバルXVの後継車で、インプレッサと兄弟車となるコンパクトSUV。SGPはフルインナーパネル式となり、アイサイトはステレオカメラ+広角単眼カメラの3カメラタイプとなるなど、改名とともに大幅に刷新。全車2ℓのe-BOXERで、FF/4WDが選べる。

1.6ℓ車はなくなり、パワートレーンはハイブリッドの2ℓe-BOXERに統一された。コンパクトな車体に十分な動力性能を持つ。
クラストップレベルの最低地上高を確保して電子制御式4輪制御のX-MODEを備えるなど、悪路対応力が高いのもSUVとしての魅力。

川島の推し

ツーリング・4WD ●価格:288万2000円

ツーリング性能が高く行動範囲が拡がる
 タウン&ツーリングにラフロードも加えて選んだ。同価格帯でも悪路踏破性に優れるミドルSUVは選べるのだが、パワートレーンやグレード設定を考えるともう1ランク上の価格帯のほうがウェルバランス。これらに対してクロストレックはベーシックグレードでも他の中間グレード相応であり、アイサイトの機能も充実している。パワートレーンは全車共通スペックのe-BOXER。それほどパワフルなパワートレーンではないが、軽めの車重もあり山岳路や高速道路でも扱いやすい。

 最低地上高は悪路対応力の高いミドルSUVと同等の200㎜に設定。4WDには悪路制御モードも備える。オンロードでの操安性や乗り心地に悪路対応の反動はほとんどなく、良質なツーリング性能を備えたコンパクトカーの印象。街も高速、山岳路や未舗装の林道も含めたツーリング性能が見所だ。

渡辺の推し

ツーリング・4WD ●価格:288万2000円

インプレッサとの実質価格差はわずか12万円
 クロストレックは、インプレッサをベースに開発されたSUVだ。外装パーツを充実させて、最低地上高も200㎜に拡大した。ホイールベースは2670㎜と長く、後席の足下空間にも余裕があるから、4名で快適に乗車できる。その一方で全長は4480㎜に収まり、最小回転半径も5.4mだから、混雑した街中でも運転しやすい。エンジンは水平対向4気筒2ℓのe-BOXERで、動力性能にも余裕がある。

 しかもツーリング・4WDの価格は288万2000円で、2ℓエンジンと4WDの搭載、実用装備の充実を考えると割安だ。またクロストレックとインプレッサで直接比較できるグレードはないが、装備の違いを補正して計算すると、クロストレックのSUV風の外観と最低地上高の拡大に費やされた価格換算額は約12万円になる。この金額でインプレッサがクロストレックに変身したと考えれば買い得感も強まる。

【2人推し!!】TOYOTA カローラ クロス

実用性能が高く、価格にお得感あり

●価格:199万9000〜319万9000円

《プロフィール》 カローラの名に恥じないコスパの高さを誇る。1.8ℓのNAとハイブリッドがラインナップし、4WDは後輪を電気モーターで駆動するE-Fourを採用。リヤサスはFF車がトーションバー式なのに対し、4WD車はモーターユニット搭載のスペース確保のため独立懸架に。

SUVのアップライトなフォルムは積載性向上に大きく寄与する。ギミック的な仕組みではなく、寸法や形状が使いやすいタイプだ。
2代目プリウス以来、トヨタが磨き上げてきたハイブリッドシステムは、燃費もドライバビリティも信頼性も文句なしだ。

川島の推し

ハイブリッドG・FF ●価格:259万円

同乗者にもやさしい足回りで家族向け
 パワーと燃費と走りのバランスがいいのがカローラ系のハイブリッド車。現行プリウスの2ℓ車と比較すると1世代古いタイプだが、今でも燃費性能ではクラス最高峰だ。

 その中からSUVのカローラ クロスを選んだのだが、走りだけに注目するならカローラ系でもやや質に劣る。他のカローラ系FFモデルとリヤサスが異なるため、しっとりとした滑らかな乗り心地では不利。それでも同車を推すのは、SUVパッケージにより室内高に余裕を持たせたキャビンとカローラ系ではファミリーユース寄りのサスチューニングによる。

 ちなみにカローラ系でフットワークが最もスポーティなのは5ドアHB、セダンは穏やか志向で、ワゴンはその中間というキャラ付け。キャビンの実用性やボディ形状よりフットワークの好みを優先させるならクロス以外の他ボディから選んでもいいだろう。

渡辺の推し

ハイブリッドS・FF ●価格:275万円

約25万円上乗せのHEVが狙い目
 カローラクロスは、全長4500㎜以下のSUVでは最大級の荷室を備える。荷室長に余裕があり、リヤゲートの角度も立てたから背の高い荷物も積みやすい。後席の頭上と足下の空間も広く、ボディの小さなヤリスクロスに比べると、ファミリーカーとしても使いやすい。

 買い得グレードは、ハイブリッドS・2WDだ。衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、オートエアコンの左右独立温度調節機能、ルーフレール、アルミホイールなどを標準装着して価格は275万円。ガソリンエンジンを搭載するSに比べると価格は35万円高いが、購入時に納める税額は約10万円安い。従って実質価格差は約25万円に縮まる。レギュラーガソリン価格が1ℓ当たり160円とすれば、5万㎞を走ると実質価格差を燃料代の節約で取り戻せる。ハイブリッドは加速感も滑らかでノイズも小さくなるから買い得だ。

【2人推し!!】TOYOTA ノア

ファミリー&レジャー用途の大本命!

●価格:267万〜389万円

《プロフィール》 Mサイズミニバンの代表選手。’22年1月デビューの現行型はプラットフォームを刷新し、ガソリン車にはダイナミックフォースエンジンを搭載。多くのグレードで7人/8人乗りが同価格で選べる。先進安全&運転支援機能のアップデートもアピールポイントだ。

先代までは価格も一致していたノア/ヴォクシーだが、同じ販売店で買えるようになり、ヴォクシー(写真)がやや高い設定に。
新世代プラットフォームの恩恵のひとつが先進安全&運転支援機能だ。最新仕様のトヨタセーフティセンス等が搭載されているのも魅力。

川島の推し

2.0G・FF ●価格:297万円

実用域の走りはガソリン車で不満なし
 ファミリー&レジャーの本命と言えば1BOX型ミニバンだが、今や2ℓ級でも300万円以上が主力価格帯。ハイブリッド車には手が届かず、標準ガソリン系から選ぶことになる。ちなみにミニバン御三家のひとつのステップワゴンは標準ガソリン系でも300万円未満のモデルはない。

 すると、ノアかセレナかの選択になるが走りで選ぶならノアを勧めたい。ノアが搭載する高熱効率の新世代エンジンはパワースペックは標準的だが、中庸域のドライバビリティの仕立てが上手。回転数を抑えながらの加速や巡航がスペック以上の余力感を生み出す。高速急加速などの高負荷域ではスペックなりの速さだが、実用域では2ℓ超級と錯覚するほど。高速操安性を重視しながら実用域の快適性をバランスさせたフットワークのまとめ方もミニバンの適応用途相応。現実用途でのコスパの高さがノアの見所だ。

渡辺の推し

2.0G・FF ●価格:297万円

エアロなしのノアはコスト優秀だ
 ノアは販売が好調なミドルサイズのミニバンだ。姉妹車のヴォクシーは、エアロパーツを装着したグレードのみを用意するから、価格がすべて300万円を超える。その点でノアには標準ボディもあり、200万円台から選べる。多人数で快適に乗車できる広い室内を備えながら、価格も割安だ。しかも3列目のシートは、レバーを引くだけで持ち上がり、サイドウインドウ側へ押し付けると自動的にロックする。使い勝手を向上させるユニークな工夫も盛り込んだ。

 300万円未満の買い得グレードは、標準ボディに直列4気筒2ℓのノーマルエンジンを搭載するGだ。衝突被害軽減ブレーキ、LEDヘッドランプ、左側スライドドアの電動機能、アルミホイール、ディスプレイオーディオ、通信機能などを標準装着して価格を297万円に抑えた。オプション装備も豊富に用意している。

【2人推し!!】TOYOTA シエンタ

コンパクトで扱いやすいサイズの7人乗り!

●価格:195万〜310万8000円

《プロフィール》 現行型デビューは’22年8月。先代のエグいデザインと打って変わって親しみやすいデザインとなり、中身もTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)の採用で一気に現代的になった。多くのグレードにやや安価な5人乗りも用意されている。

トヨタの新世代基準であるTNGAにより、軽量高剛性なボディを獲得。同時に先進安全&運転支援機能への対応を果たしている。
高効率な1.5ℓダイナミックフォースエンジンを搭載し、燃費と動力性能を両立。ハイブリッド(写真)はさらに高性能となる。

まるもの推し

ハイブリッドZ(7人)・FF ●価格:291万円

デザイン、走り、機能、すべてがフレンドリー
 家族みんなで愛着が持てそうな、「シカクマル」の要素を散りばめたデザインとなったシエンタは、コンパクトカー感覚で3列シート7人乗りのミニバンとして使える便利な一台。室内もほっこり癒し系のお部屋感覚で、車内で過ごす時間が多い人にもオススメ。先代よりスライドドアの開口部が広がり、乗り降りがラクになったほか、頭上のゆとりも拡大している。1.5ℓのガソリンとハイブリッドがあり、ハイブリッドは走行中の静かさや乗り心地の良さ、燃費でも優位。

 ディスプレイオーディオは全車標準装備だが、ハンズフリーのデュアルパワースライドドアや、消臭・撥水撥油機能付きシート、運転席アームレストといった快適・便利装備が充実するのがハイブリッドZ。オプションでコネクテッド機能をつければ、さまざまなカーライフサポートが受けられるのも嬉しいところだ。

渡辺の推し

1.5G(7人)・FF ●価格:234万円

ガソリン車でも燃費が優秀! 多人数乗車にも対応
 全長が4260㎜のコンパクトミニバンで、全高も1700㎜以下に抑えながら(2WD)、広い室内を備える。薄型燃料タンクの採用で床を低く抑えたから、3列目シートに座っても膝の持ち上がる窮屈な姿勢になりにくい。コンパクトミニバンでありながら大人の多人数乗車も可能だ。

 エンジンは直列3気筒1.5ℓのノーマルタイプとハイブリッドを用意する。シエンタはコンパクトクラスだから、ガソリンエンジンでも7人乗りのWLTCモード燃費が18.3㎞/ℓと優れている。そこで推しグレードもガソリンエンジンのG・7人乗りとした。衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットモニター、パーキングサポートブレーキ、ドライブレコーダー、LEDヘッドランプなどを標準装着して、価格は234万円だから買い得度が高い。

【2人推し!!】MAZDA ロードスター

世界に誇る国産2シーターオープンスポーツ

●価格:268万9500〜398万8600円

《プロフィール》 永きにわたってマツダのアイコンとなっている、ライトウェイトFRオープンスポーツ。1.5ℓのソフトトップのほか、2ℓを搭載するリトラクタブルハードトップモデルの「RF」もラインナップ。なお、現行モデルは注文受付が終了し、在庫のみの販売となっている。

排気量はRFより小さいものの、軽量さによってロードスター本来のフィールを楽しめるソフトトップ。写真は特別仕様車「990S」。
現行型で採用されたKPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)後輪ブレーキへのわずかな入力で車体姿勢を安定させる。

川島の推し

990S ●価格:295万9000円

ロードスターの原点を感じられるモデル
 マニア限定というわけでもないが、オープンカーで2シーターという実用性や汎用性の低さを考えれば、スポーツ性に前のめりなマニアでないと手を出しにくい。ということで選んだのが990Sだ。動的な性能面の最上位モデルではないのだが、ロードスターの原点が感じられるモデルだ。

 硬さで抑え込むのではなく、軽さと柔らかさで往なし上手なコントロール感覚を生み出しているのが同車の特徴。各輪の荷重の掛かり方やそれに伴う挙動などを直に操っているような感覚がある。ライトウェイトスポーツの神髄というかすべてをドライバーの手の内でコントロールする醍醐味を求めたファントゥドライブが特徴だ。

 車重が990㎏とはいえ、NA仕様1.5ℓのパワーでは6速MTを駆使してもさしたる加速は得られないが、フットワーク共々性能を引き出す楽しみに溢れている。

渡辺の推し

990S ●価格:295万9000円

専用セッティングで楽しさを追求
 300万円未満で購入できる走りの楽しいスポーツカーとしては、ロードスターが挙げられる。2人乗りの純粋なスポーツカーで、オープンドライブを楽しめることも特徴だ。ロードスターには、電動開閉式ハードトップと直列4気筒2ℓエンジンを搭載するRFもあるが、価格は350万円を上まわる。その意味で本命は、1.5ℓエンジンを搭載するソフトトップだ。車両重量はハードトップに比べて約100㎏軽く、運転感覚も軽快だ。1.5ℓエンジンの搭載により、パワーをフルに引き出して走る楽しさも味わえる。

 グレードは6速MT専用の990Sを推奨したい。リヤスタビライザーは装着されないが、足回りは990S専用にセッティングされ、ブレンボ製フロントブレーキも装着される。ドライバーのコントロール領域を広げて、運転する楽しさを徹底的に追求している。

【2人推し!!】SUZUKI ジムニー シエラ

マニア垂涎、クラス唯一の本格クロカン

●価格:186万3400〜208万4500円
モノコック構造のクロスオーバーSUVとは異なり、本格クロカンの証、ラダーフレームを採用。たとえボディが凹もうがお構いなしだ。
102PS/13.3㎏・mの直4・K15B型エンジンを搭載。高速走行を含めたオフロード以外での快適性向上にも寄与している。

川島の推し

JC・4AT ●価格:208万4500円

マニアックなオフロード性能で一点突破
 今回選んだモデルの中でも最もマニアックな選択だろう。「働くクルマ」的な面白さはあるにしてもオフロード性能以外はすべて水準以下なのだ。強いて言えばキャビンは2座スポーツカーに比べれば実用的だが、2名乗車基準でないとちょっと厳しい。また、ACCやLKAは設定されず、運転支援機能もウイークポイントだ。

 ただ、乗用車としての出来を云々すれば水準以下だが、あくまでも現在の基準であり、ひと昔前に比べれば快適性も安心感も大幅に向上。パーソナルユースの普段使いならば目立った問題はない。

 悪路踏破性はSUVトップクラス。ラフロード常用用途にも対応できる頑強なシャシー。未舗装林道ツーリングはもちろん、オフロードランドでマニアックなハードクロカンを楽しむにもいい。スポーツ系で言う「R」にも匹敵する趣味性の濃さが大きな魅力である。

まるもの推し

JC・4AT ●価格:208万4500円

軽ジムニーより一般用途にも使いやすい
 屈強なラダーフレームや、長いストロークを確保する3リンクリジッドサスといった、悪路走破性に重きを置いた基本構造を受け継ぎつつ、室内の機能性や装備を最新仕様にアップデートした現行のジムニーシエラ。ホイールベースとボディシェルはジムニーと共通のため、室内の広さなどは変わらないが、乗って走ってみるとその差は歴然。とくに高速道路での安定性やオンロードでの乗り心地、静粛性がアップしているのがシエラの特徴で、ファミリーにもオススメできる。1.5ℓエンジンはパワーも十分で、5速MTはもちろん4速ATでもオフロードでの頼もしい走りが手に入る。

 雪道や未舗装路を走ることが多い人には、日常の使い勝手と扱いやすさ、本格4WD性能を高次元で融合している貴重な一台。グレードのJCとJLでは安全装備や内装の加飾が異なり、満足度が高いのはJCだ。

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内外出版/月刊自家用車

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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