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更新日:2018.11.22 / 掲載日:2018.11.22

新グレードも登場! 新型三菱デリカD:5は迫力デザインで存在感大幅アップ!

デリカ D:5 D-Premium

文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス

 誕生50周年という節目の年に、12年ぶりの大幅デザイン変更を伴う新型となったデリカD:5。正式発表はもう少し先(2018年度内を予定)だが、11月21日より予約注文の受付がはじまるのと同じタイミングで概要が公開されたので紹介しよう。

フロントマスクに「ダイナミックシールド」デザインを採用

 スタイリングは、ますます個性的になった。なかでも明らかに新型だと主張しているのがフロントデザインだ。「ダイナミックシールド」という、車体側面から伸びた面がフロント部分を左右から包み込むような最新の三菱車に共通するデザインテイストを採用したのに加え、縦型のヘッドライトと特大サイズのグリルが個性を強調。まるでモーターショーに展示されるコンセプトカーのように強烈な印象を残す大胆な顔つきで、インパクトは大きい。

 ちなみにライトは縦型レンズの中にLED5灯のロービームとLED4灯のハイビームが組み込んで個性を放つ。低い位置としたのは、対向車への眩しさを軽減する意味もあるそうだ。そしてボンネットフード脇の高い位置にあるのはポジションランプで、逆にウインカーはヘッドライトよりもさらに低い位置に組み込まれているのもおもしろい。

 リヤスタイルはテールランプとガーニッシュを連続された一体感あるデザインで、これは三菱によると「安定感やワイド感を表現している」とのこと。直線的な意匠は、シャープな印象を受ける。

都会的なイメージで作られた新グレード「URBANGEAR」

URBANGEAR G-Power Package

 また、新ラインアップとして「URBANGEAR(アーバンギア)」も設定。こちらはいわゆる“エアロ仕様”で、さらにギラギラとしたメッキグリルを組み合わせてより個性を際立たせたモデルだ。より上級で都会的な雰囲気を求めるユーザーがターゲットである。

ついに採用された自動ブレーキはセンサーも高性能

 ところで新型のデリカD:5を真横から見たときに、既視感を覚える人がいるかもしれない。ピラーの形状やフロントドア以降のパッケージングは従来モデルと同じだからだ。じつは、今回の新型はフルモデルチェンジではなく大規模なマイナーチェンジ。車体そのものや基本メカニズムは従来モデルを継承しているのである。
 しかしながら、新型として従来モデルに対して大幅に近代化した部分はいくつもある。たとえば先進安全装備だ。
 従来モデルは自動ブレーキをはじめとする先進安全装備の採用がなく、それが昨今のクルマ選びとしては競争力を落とす理由となっていたのは否めない。しかし新型はミリ波レーダー、カメラ、そして赤外線センサーと贅沢に3つも“目”を持った衝突被害軽減ブレーキ(作動速度は対車両で約5~180km/h、対歩行者は約5~65km/h)をはじめ、車線からはみ出しそうになると知らせる車線逸脱警報システムや斜め後方の車両の存在を伝える後側方車両検知システム、バックの際に接近するクルマを知らせる後退時車両検知警報システムなどの先進安全システムを採用。12年分の進化をしっかり感じさせる。クルーズコントロールも、停止保持機能付きの追従型へと機能が大幅に向上した。

ディーゼル車のトランスミッションを8速に進化

 また、ディーゼルエンジンには化学反応で排出ガスをよりクリーンにする尿素SCRシステムを組み合わせた。それによって従来モデルに対して2kgmのトルクアップも実現し、さらには6速だったATを8速化したことで動力性能もアップしている。この8速AT搭載というのは地味ながらかなり魅力的なアイテムで、走りを語る上ではかなり注目すべきポイント。その理由は単に加速がスムーズになるのと実燃費が向上するだけにとどまらず、運転フィーリングのよさにある。
 ミニバンの多くは燃費を重視してトランスミッションは無段階変速機(CVT)を組み込んでいるが、そのウィークポイントは加速度の高まりとエンジン回転の高まりが不一致となり加速感が不自然なこと。いっぽうでATならその関係が自然で、リニアな感覚なのだ。ATを搭載する国産ミニバンは極めて少ないから、その部分でもデリカD:5は注目すべき存在と言える。もちろん、積極的に操作してくれといわんばかりの、国産ミニバンの中でもっとも大きなパドルも従来同様に備わるから頼もしい。
 4WDシステムもミニバンとしては異例だ。ミニバンながらセレクターによって制御を切り替えでき、後輪へ積極的にトルクを配分して悪路走破性や直進安定性を高める「ロック」モードも従来通り設定。基本的には従来モデルと同じシステムだが、新型では新たにヨーレイトコントロールが組み込まれ、旋回時の動きがスムーズになっている。いずれにせよ、ここまで駆動系に凝ったミニバンは他には見当たらないというレベルだ。

デリカ D:5 D-Premium

 なかには、従来モデルよりも最低地上高が低くなったことでデリカの最大の個性ともえる高い悪路走破性への影響を気にする人もいるかもしれない。しかし、高さが変化した理由は、従来は計測外としていたエンジン下のアンダーカバーが樹脂製から丈夫な金属製へ変わったことで計測値に含めるようになったから。つまり計測するポイントが変わったことに起因しているのだ。実質的な高さはほぼ同じなので、心配しなくていいだろう。

インパネデザインの変更で洗練されたイメージに

デリカ D:5 D-Premium

 室内に関しては、広さとシートアレンジの自由度の高さに定評のあった居住性は従来型を継承。3列目も広く、また3列目ロングスライドによってシートを畳むことなく広い荷室を用意できるのも便利である。2列目シートも形状も、従来通り2人掛けのセパレートシートと、3人が座れるベンチシートを選択可能だ。
 いっぽうで大きく変わったのが、全面刷新されたインパネ。従来型では物足りなかった上質感は大幅に引き上げられた。さらにはスターターがプッシュボタン化され、パーキングブレーキは信号待ちなどでブレーキペダルから足を離しても停止状態を保持するホールド機能つきの電動式とするなど、操作系の近代化がはかられたのは注目すべきポイントである。空調操作もダイヤル式からプッシュ式となり、エアコンは左右独立温度制御式にアップグレード。いっぽうで4WDのモード切り替えは操作性にこだわって従来ながらの大型ダイヤルとするなど、守るべき部分はしっかりと守ったという印象を受ける。

ガソリン車は従来モデルとして併売

 ところで興味深いのは、新型デリカD:5ではパワートレインの一本化がはかられたことだ。エンジンはディーゼルのみでガソリンの設定はなし。駆動方式もFFはなく、4WDだけとなっている。現在のところガソリンやFFは「追加予定もない」という。 そのため、新型発売後もガソリンエンジン車は従来モデルを継続販売。ガソリン車は4WDだけでなくFFも選べる体制が整っている(ディーゼル+FFモデルは新型も従来型も選べない)。
 果たして、大胆な顔つきが世間にどう受け入れられ支持されるかが興味深い今回の改良。正式発売はもう少し先だが、それに先立って来年1月に開催される東京オートサロンではお披露目を兼ねて新型が展示されるという。判断するのは、実物を見てからでも遅くないだろう。


三菱 デリカD:5(8速AT)


全長×全幅×全高4790×1795×1870mm
ホイールベース2850mm
トレッド前/後1540/1540mm
エンジン直4DOHCディーゼルターボ
総排気量2267cc
最高出力148ps
最大トルク36.7kgm
サスペンション前/後ストラット/マルチリンク
ブレーキ前/後Vディスク/ディスク
タイヤ前後225/55R18

デリカD:5:385万円~425万円(全グレード)

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グーネットマガジン編集部

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