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更新日:2021.07.14 / 掲載日:2021.07.08

NISSANの魅力大研究【4】“技術の日産”が誇るキラーテクノロジー

動的質感を高めるパワートレーン系からドライバーの負担やリスクを低減させる安全&運転支援系まで、ここでは日産が開発した数々の独自技術の中から、とくに覚えておきたいものを紹介しよう。

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【注目技術1】VCターボ

可変構造を組み込むことで理想的な実行圧縮比を実現

 2016年のパリモーターショーにて、インフィニティの新技術として発表されたVCターボエンジン。世界初の可変圧縮比技術を採用したこのエンジンは、2Lターボエンジンのパワーと、ディーゼルエンジンに匹敵する高トルクと効率性を併せ持つとアナウンスされていた。

 最大の特徴である可変圧縮比技術の狙いは、実効圧縮比の一定化にある。圧縮比は、排気量と上死点での燃焼室容量の比率で決まるが、自然吸気で運用する際は、吸気は負圧になる。一方、ターボで過給する場合は正圧となるため、同じ圧縮比でも吸気状況によって燃焼室内の圧力は変化してしまう。

 実効圧縮比は燃焼の安定や熱効率に影響するので、理想値で安定させるのが好ましい。

 その問題を改善するために、VCターボはリンク機構を用いてピストンストローク全体を上下に移動させることで燃焼室容量を可変にすることができる。運転状況に応じて容積比の圧縮比は8:1~14:1で制御される。

 低負荷域の効率を犠牲にせずに従来のダウンサイジングターボ以上の高過給を可能とするシステムを備えるVCターボエンジンは、動力性能と燃費の両立において、大きな性能向上が期待できるエンジンといえる。

低燃費と高効率を狙って開発されたVCターボエンジンだが、過給圧を細かくコントロールできる電動ウェイストゲートの採用により、レスポンスの良い出力特性を併せ持つことも特徴の1つ。

クランクシャフトを回転させる独自構造により、ピストンとクランクシャフトの距離をコントロール。圧縮比を8:1から14:1の間で制御することで、回転全域で理想の燃焼を実現できることが最大の特徴。

VCターボは次世代e-POWERの発電用エンジンに採用されるほか、今後デビューする多くの新型に搭載される可能性が高い。先日の上海モーターショーで発表された中国仕様のエクストレイルにも1.5LVCターボが採用されている。

【注目技術2】e-POWER

VCターボと組み合わせた新世代e-POWERが登場間近

先代ノートに採用されて以来、瞬く間に日産の看板技術の一つに登りつめたe-POWER。システムとしては、エンジンを発電機として用いて、そこから供給される電力により電動モーターを駆動する、いわゆるシリーズ式ハイブリッドである。

 ハイブリッド車として見ると、実用燃費でのアドバンテージは少ないが、代を経る毎に軽量小型化などの改良が加えられてきていることが特徴。現行ノート&ノート オーラでは、ドライブフィールや乗り味の質感向上を狙う武器として、積極的に純電動駆動のメリットをアピールしているほどだ。

 今年の2月に欧州導入を発表した新型キャシュカイに、発電専用に設計したVCターボエンジンを搭載するe-POWERの採用が告知されている。これが上級(重量級)クラス向けになるかはまだ不明だが、e-POWERの性能向上に大きく寄与するのは間違いないだろう。

欧州で発表された新型キャシュカイには、VCターボを搭載した新世代e-POWERが搭載される。このシステムが国内仕様のエクストレイルに採用される可能性が高い。

ガソリンエンジンと発電機、インバーター、大出力モーターで構成されるe-POWER。モーター駆動で走る仕組みは、限りなくBEVに近い。実際、e-POWERのシステムにはリーフの開発で得た多くの技術や知見が注がれている。

ノート/オーラの4WD車のリヤモーターは、50kW/100Nmを発揮する大出力タイプを採用。独自の前後輪駆動制御技術を用いることで、オンロードでの動的質感向上にも貢献している。

【注目技術3】プロパイロット

最新仕様はナビ機能との親和性も大きく向上

 日産プロパイロットの呼称でまとめているが、世代によって機能が異なっている。セレナに採用された初期型では雨天時の使用制限もあったが、世代が新しくなるほどに解消され、制御精度も向上している。また、ノート&ノート オーラに採用されている最新型は、ニッサンコネクトナビの地図情報と連動してカーブやジャンクションをスムーズに曲がれるように速度制御も行う。

 こういった機能の先にあり、自動運転化を進めたのが、スカイラインに採用されているプロパイロット2.0だ。複数カメラの採用や詳細3D地図データ情報、高精度な走行状況検知など、通常のプロパイロットとはシステムそのものが異なっており、高速道路のハンズオフ走行やルートガイドの出口誘導などの機能まで実現している。

  • プロパイロット2.0は、画角の異なる三眼カメラを用い、測距精度の向上や検知範囲を拡大。さらに専用の3D詳細地図データを活用することで、ハンズオフ運転まで対応している。スカイラインのほか、まもなく登場するアリアにもプロパイロット2.0は搭載されている。

  • プロパイロットは新型モデルの投入に合わせて、採用モデルを拡大中。登録車のみならず、軽自動車のデイズとルークスにも搭載グレードを設定している。

【注目技術4】e-4ORCE

車体制御まで対応する最先端の前後輪駆動制御

 e-4ORCEは、前後輪に独立した電動駆動系を採用した4輪駆動システム。予約受注を開始したばかりのアリアの4WD車に採用されている。後輪にも前輪と同等の高出力型駆動モーターを採用することで、走行状況に最適な前後のトルク配分や、トルク変動の少ない加減速を実現するほか、減速時には前後別にモーター回生を用いることで沈み込みを減少、フラットな車体姿勢を実現できる機能も備えている。ノート&ノート オーラの4WD車にもe-4ORCEの開発で得た知見の一部が採用されている。

 アリアの前後のモーター出力は未発表だが、ツインモーターの出力面のメリットを活かした高性能化もアピールポイント。ちなみにアリアの最高性能車のパワースペックは290kW(394PS)/600Nm(61.2kg・m)に達する。

  • 4つのタイヤのトルクを個別に制御することで、高度な車体制御を可能とするe-4ORCE。採用第1号車はアリアになるが、現行ノート/オーラの4WDシステムには、一部の技術と知見が先行投入されている。

  • モーター駆動力は路面状況や走行シーンに応じて0:100~100:0までリアルタイム可変するほか、減速時には回生ブレーキと油圧ブレーキを組み合わせた統合制御も行う。

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●文:川島茂夫

提供元:月刊自家用車

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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