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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.30
マツダCX-5絶好調! SUV新世紀 ディーゼル時代がやってくるぜぃ!
新世代のSUV大研究!

CX-5絶好調!ディーゼル時代がやってくるぜい!SUV新世紀
【本記事は2012年5月にベストカーに掲載された記事となります。】4月上旬時点で受注台数1万2000台という数字を記録するマツダCX-5。そのうち約75%がディーゼルというから驚く。2.2Lターボでトルクは42.8kgm。比較的大きなボディだが、大きさを感じさせないパワー感だ。“これからはディーゼル”といわせる新世代のSUVについて大研究といこう!
PART1 CX-5 ガソリンVSディーゼルは?

注目のディーゼルは売れゆきが示すように驚くべき出来のよさ。後処理装置なしでユーロ6をクリアする実力派
PART1 CX-5 ガソリンVSディーゼルは?バカ売れしているCX-5だが、驚いたのはそのうち約75%がディーゼルだということ。ガソリンよりトルクフルで燃費もいい、クリーンディーゼルゆえにエコカー減税が100%受けられるなど、いろいろあろうが、CX-5そのものの出来が並レベルだったらバカ売れはしまい。そこで今回はディーゼル、ガソリンの走りをロングドライブでバッチリと検証してみた。まずは注目のエンジン。気になるのはやっぱりディーゼル。このディーゼル、ハッキリいってすばらしい出来だ。タイムラグなしに一発で始動するのは当然だとしても、ディーゼルのウィークポイントだったゴロゴロ音や振動もごくわずかで、実にスムーズなアイドリング。知らずにエンジンをかけたらディーゼルだとは気づかないレベル。加速時も不快なNVの発生などなし。このあたりからして世界一静粛なディーゼルだといってもいいだろう。そして強力なパワーだ。わずか2000回転でランエボ、インプSTI並みのビッグトルク42.8kgmを発生し、4500回転で発生する175psも強烈。これまでの、2.2Lディーゼルとしては世界一レベルだが、ワシが感動したのはフィールのよさ。吹け上がりのスムーズさ、高回転の伸びがすばらいいのである。それだけに6速ATをマニュアルモードで加速させた時、力強く息の長い加速が続き、すこぶる気持ちがいい。動力性能にかけてはいうまでもなし。高速道路では余裕の追い越しだし、その気になってアクセル全開にすればスピードリミッター作動もそう時間はかからない。それほど強力な加速、てことだな。ワインディングの上りでも軽いアクセルでグイグイと加速し、実に気持ちよかった。

SKYACTIVテクノロジーが生かされるガソリンも気持ちいいフィーリング。特にワインディングではサスペンションとともに評価が高い
いっぽうのガソリン。実はディーゼルに乗ってしまった後だっただけに初めの頃は「エッ、こんなもん?」といったイマイチの印象だった。パワーもフィールもありきたり、といった感じだったのだ。が、待てよ、とディーゼルでインプットされたフィールをキッチリとカットし、新鮮な気持ちになってみるとこれもどうして、なかなかいいではないか。低中速のトルク感、扱いやすさ、パワーそのものも2Lクラスのベンチマークといえるノア/ヴォクシーの3ZR-FAEと遜色なし。高回転域でのザラついたサウンドはやや気になったものの、不足なしの出来ばえと評価できる。動力性能も1510kg(4WD)のCX-5を2名乗車で走らせるのに、カッタるい、と思わせる場面はあまりなかった。しかし、ディーゼルとガソリン、同じ場面で直接比較してみると、その差がかなり大きいのも事実。ディーゼルのアドバンテージはなんと言っても強力なパワー。2Lガソリンモデルが倍以上の排気量になったレベルだから、それは大差だ。いっぽうのガソリンのアドバンテージはNVの少なさ、リニアなパワー感、高回転の伸びのよさであり、この部分ではまだまだディーゼルに勝るのだ。とはいえ、ディーゼルに乗ってしまうと“買うならディーゼル”と思わせるほど魅力的なモデルだったことも確かだった。
走りにも差

SUV新世紀
エンジン以外の走りの部分においても操安や乗り心地で差がある。ガソリンがいいな、と感じる部分はハンドリングがより軽快であること。CX-5は上質な人馬一体感をアピールし、操安性能にかけては肝いりだけにガソリンもディーゼルにもハンドリングのよさはワシも認めるところだ。が、ディーゼルより約100kg(主にエンジン重量の差)は軽いガソリンはやっぱりメリット大。乗り比べればけっこうわかる。そのいっぽうで、高速安定性においてはディーゼルがいい。これは逆に車重増が幸いしてワンダリングや横風安定性能が高まることにある。ただしそれは高速道路でメリットを感じる程度であり、ガソリンだって文句なしの高速安定性を誇る。設定されたタイヤサイズによる差もけっこうある。ガソリンは17インチのみだが、ディーゼルの上級グレードは19インチを覆く。扁平率では65%と55%の差だ。ガソリンの17インチ、ディーゼルの19インチを乗り比べると乗り心地ではガソリンがよりいい感じ。街乗りも高速道路もソフトタッチで質感も高い。ディーゼルは街乗りでゴツゴツ感がやや気になる。しかし高速道路では引き締まった重厚な乗り心地となり、これはこれで悪くない。乗り心地以上の差を感じたのはステアリングやコーナリングフィールだ。特に横Gが強めのコーナリングの時、19インチディーゼルはステアリングの保舵力がかなり強くなる。走り好きなら攻めているフィールが明確で好まれるかもしれないが、お年寄りや女性にとってはちょっときつい保舵力。操舵、コーナリングの反応はやっぱり19インチがいい。上質なスポーティ車に乗っている気分にさせられよう。
価格

ディーゼル、ガソリン、どっちが魅力的かだが、その差はやたら大きかった。価格は2Lのガソリン車のメイングレード20S(4WD)が241万円、いっぽうのディーゼルはXD(4WD)が279万円、ディーゼルが38万円高いが、その圧倒的なパフォーマンスと燃費を考えると、ディーゼルの魅力はガソリンを上回る。ただ、予算的に厳しければ、FFの20Sという手もある。これなら実に220万円からある。
実測 ガンガン走ってどうだ? ガソリン/ディーゼル実燃費

CX-5絶好調!ディーゼル時代がやってくるぜい!SUV新世紀
実測 ガンガン走ってどうだ? ガソリン/ディーゼル実燃費今回の試乗コースは、鹿児島空港から往路が霧島のワインディングロード、宮崎自動車道の高原IC経由で九州自動車道、指宿スカイラインを通る約150kmのコース。復路は指宿から開聞岳を通り、知覧経由で指宿スカイライン、九州自動車道、鹿児島空港までの約80km。往路はCX-5 XD 4WD。オプションの19インチアルミを装着した仕様。まずは霧島周辺のワインディングに向かう。道は細く登り中心のコース。走行するクルマも多く、燃費には比較的厳しい状況だった。この区間の36.5kmでも燃費は10.6km/L。空いている区間でのアクセルの踏み込み量は多く、低速車に連なりゆっくり走行する場面も多く、それを考えるとまずますのデータといえそう。第2の区間計測は高速中心。高原ICから指宿スカイラインまでの34.2km。中間加速の伸びなどを試すために、アクセルを全開にすることもあったが、比較的流れに沿った走行で実に16.1kmを記録した。最後の区間は多少の渋滞を含むやや混雑した一般路と指宿スカイラインの大きな高速ワインディングが続く複合コース。このコースは普段の遠乗りのドライブコースの設定に近いが、速度域はやや高く、日常的な走り方であれば、さらにいいデータが期待できると思われた。73.1kmにおよぶロングランコースで、燃費は12.3km/Lとなった。往路を合計(計測していない区間もある)すると、143.8kmで平均燃費は12.5km/Lとなった。10・15モードは19.0km/Lで、達成率は66%と全開走行が多いテスト走行時としては立派な数字といえるし、2.2Lクラスとして充分以上。復路はCX-520Sのガソリン車。指宿をスタートし一般路を主体とした24.7kmが最初の区間で、ここではごくごく一般的なタウンスピードで10.2km/Lというもので、2LクラスSUVとしてはまずます。第2の計測区間は完全にテストモードでワインディングの登り下りを継続的に試し、スピードもエンジン回転も高いレンジで走行した24.6km。この区間では9.3km/Lまで下げるが、全体としては立派。第3区間もほぼ同様にテスト中心で高速路では加減速を繰り返し30.1kmを走行し、9.9km/L。合計では79.4km走行し、平均燃費は9.8km/L。10・15モード燃費は17.0km/Lのため達成率は57%。これも今回のテスト走行、2L SUVということを考えると充分リーズナブルと思えるが、ディーゼルの燃費のよさは特筆できる。(編集部)