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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.30
SUV戦国時代に突入!マツダCX-5で幕開け。
SUV戦国記PART1

1997cc 155ps/6000rpm 20.0kgm/4000rpm JC08モード燃費16.0km/L
【本記事は2012年3月にベストカーに掲載された記事となります。】21世紀に入ったばかりの頃は、日本ではなかなか人気が定着しなかったSUVも今や当たり前の存在となっている。各メーカーとも最低1車種はラインアップし、個性を競っている。販売面では長らく日産X-トレイルがナンバーワンSUVに君臨してきたが、弟分のジュークがその座を奪取するなど、下克上的な面も出てきていることからもわかるとおり、SUV戦国時代に突入! SUVの現在とこれからに迫るSUV戦国記はまず、CX-5試乗で幕開け。SUV戦国記PART1 ブランニューSUVマツダCX-5に速攻試乗その実力やいかに?2月16日、マツダからブランニューSUVのCX-5が正式デビュー。日産X-トレイルを凌駕すべく開発された渾身の1台。CX-5は2Lガソリン(155ps/20.0kgm)と2.2Lクリーンディーゼル(175ps/42.8kgm)をラインアップ。今回はガソリンモデルに乗る機会を得たので、BC編集部イチハラがユーザー目線で、CX-5をチェックしてみる。
マツダの新デザインテーマである『魂動(こどう)』を採用。

CX-5は前傾姿勢、張り出した前後フェンダー、なだらかなラインを描くルーフ、傾斜のきついリアゲートなどなど、これまでのSUVにはない躍動感のある魂動デザインを採用
まず、本企画のタイトル写真を見てもらいたい。CX-5とチーターの競演だ。でもなぜCX-5の横にチーターがいるのか?CX-5はマツダの新デザインテーマである『魂動(こどう)』を市販車として初採用。前傾姿勢ながらAピラーを後方に配置し、ヘッドランプは上方を睨み上げるようなデザインとすることで今まさに獲物に飛びかかろうとするチーターの躍動感を表現。リアタイヤからCピラーにかけての造形などにより、チーターが後ろ脚に体重をのせた姿勢、さらにリアフェンダーをボディサイドに溶け込ませ、連続した面とすることで俊敏なチーターの無駄のないカラダをそれぞれ表現するなど、CX-5のデザインはチーターの躍動美がモチーフとなっている。後方に向けてなだらかなラインを描くルーフと、傾斜のきついリアゲートにより、SUVにありがちな重ったるさは皆無。CX-5は視覚的にスポーティムードを猛烈にアピール。こんなSUVは今までなかった。
重さを感じさせない

低速からトルクが出る2LのSKYACTIV-Gにより街中での走りは軽快そのもの。車重が1440~1510kgもあるクルマとは思えない
それでは試乗。走り出してすぐにオヤッといい意味での違和感を覚える。試乗したのは売れ筋となる20Sで車重はFFで1440kg、4WDで1510kgなのだが、重さを感じさせないどころか、軽いのだ。ハーフスロットルを機敏にセッティングして、悪くいえば小手先で軽快感を演出しているのではなく、踏んだ瞬間にスムーズにトルクが盛り上がりス~ッと加速。
4-2-1のエキゾーストシステムの採用

デミオ、アクセラでは採用できなかった4-2-1のエキゾーストシステムを初採用。それにより低速域からモリモリとトルクを発生。それから音もいい!高速走行時の加速感もまったく不満なしの俊足SUV
高速道路を走行してもこの感覚は変わらず、80km/hの低速走行からアクセルを踏み込めばストレスなく加速してくれる。CX-5の2LのSKYACTIV-Gは155ps/20.0kgmと、別段驚くスペックではないが、初採用となった4-2-1のエキゾーストシステムの採用によりアクセラよりも低速トルクの出がスムーズになっているのがその要因だという。ハンドリングはステアリングを切り込んだ時のノーズの入りがいいので、ストップ&ゴーが連続する街中を運転するだけでもスポーティ感を堪能できる。SUVの場合、ミニバンほどではないが全高があるためコーナーを攻めた時にロールが大きくなり、それがドライバーに不安を抱かせる要因になっているが、CX-5は背の低いクルマに乗っているようなロール感なのだ。この点について技術者に聞いたところ、実際はしっかりとロールさせているが、それをドライバーに感じさせないようロールスピードなどを研究・開発したという。このあたりは、スポーツドライビングのツボを心得たマツダらしいこだわり。それから歯切れのいいシフトフィールのSKYACTIV-ATの存在は大きい。ロックアップ領域が広く、小気味よくシフトできて気持ちいい。ブリッパー付きだから、常に最適な回転数をアジャストしてくれるのでシフトダウンが楽しくなる。 っぽうブレーキは、タッチ、効きともよく、ガツンとブレーキをかけた時でもノーズダイブが少なくスタビリティが高い。最近のSUVは快適志向が強いため、音を消す方向にあるなか、CX-5はサウンドチューニングで五感に響く音を積極的に室内に入れていると感じた。 乗り心地は、柔らかめの日本車に乗り慣れた人にはやや硬く感じられるかもしれないが、慣れればフラットな乗り心地がクセになるハズ。 注目の燃費は今回走行距離が短かったので計測しなかったが、「航続距離について。ガソリンタンク容量はFFが56L、4WDが58LだからFF、4WDとも高速道路のみの走行なら1000km、いっぽう一般道7割、高速3割の走行ならどちらも600km走ることができる。600kmというのは一般的なドライバーの1カ月の平均走行距離だから、満タンにしておけば給油は1カ月に1回ですむ」(田中英明主査談)ミドルクラスのSUVとしては充分な燃費といえ、ライバルに対しアドバンテージとなる。
大きさを感じさせない車幅

CX-5は全長4540×全幅1840×1705mmのワイド&ショートフォルム。幅は広いが、ギュッと引き締まった塊感がある。運転していると幅広さは感じない
で、CX-5に興味がある人が最も気になるひとつと思われる1840mmの車幅だが、正直いうとデカい。アクセラを運転するようにはいかないが、運転していると不思議なくらい大きさを感じさせないのも事実。ディーラーなどで試乗してみれば、この言葉が嘘じゃないとわかってもらえるハズ。
クラストップの快適性

デザインは横基調で、視認部と操作部を分離。ドラポジはスポーティカーのようで、スポーツ心をくすぐる
実はこのCX-5は、走りの気持ちよさだけが魅力じゃない。スポーティ&シックなインテリアはデザイン、素材にこだわった仕上げを見せ、1840mmの全幅を生かした広々とした室内はクラストップの快適性。
安全面にもこだわり

サイドカメラは助手席側のミラーに装着され155°の広角タイプ。その映像をミラーに映し出す
そして、安全面、使い勝手にもこだわりを見せている。サイドモニター、バックガイドモニター自体は珍しくないが、CX-5ではサイドモニターの映像をルームミラーの左端に映し出すことができる。視線移動が少なく安全性に優れている。
170cmを超える長尺モノも楽々収納できるリアシート

CX-5のリアシートは4-2-4の独立可倒タイプだから、このとおり長尺モノも積載可。リアシートはラゲッジサイドにあるレバーで簡単収納できる
いっぽうラゲッジはリアシートを使用している時でも大きな容量を誇るが、4-2-4の独立分割可倒のカラクリリアシートにより自在に活用できる。170cmを超える長尺モノも楽々収納できる。見ても走ってもスポーティ、安全性への配慮、使い勝手、快適性の向上などなど、数多くのこだわりがCX-5の魅力だ。これで価格はガソリンで205万円からというのは買い得感抜群。今回はガソリンのみの試乗で、258万円から購入できる注目のディーゼルの試乗はまたの機会となるが、CX-5は驚き満載のSUVだった!