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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.27

マツダCX-3鮮烈なり!! ディーゼル+i-ACTIV AWDは雪道を制する!?

デザインだけで「欲しい!」

i-ACTIV AWDはセンシング面でパワステのアシスト量を監視していること、制御面では目標トルクをすばやく正確に立ち上げるため、後輪に常に1~5%ほどのスタンバイトルクを伝達していることなどがユニーク。マツダのシャシー作りに共通する考え方だが、スペックより味つけが肝腎というコンセプトで開発された4WDシステムといえるだろう

i-ACTIV AWDはセンシング面でパワステのアシスト量を監視していること、制御面では目標トルクをすばやく正確に立ち上げるため、後輪に常に1~5%ほどのスタンバイトルクを伝達していることなどがユニーク。マツダのシャシー作りに共通する考え方だが、スペックより味つけが肝腎というコンセプトで開発された4WDシステムといえるだろう

【本記事は2015年3月にベストカーに掲載された記事となります。】私事で恐縮ですが、昨年末にデミオXDが納車されたボクとしては、いま一番気になるクルマがCX-3だ。まず、なんといってもスタイリングがいい。デミオと共通プラットフォームで2570mmというホイールベースは同じなのだが、約20cmちょい伸ばした全長によって全体のイメージが驚くほどスリークに変貌。コロッとして可愛い系のデミオに対して、精悍でスポーティなイメージが強調されている。横長になったライト周り、ウェストラインとグリーンハウスの比率、ブラックの樹脂パネルでトリミングされたホイールアーチやサイドスカートなど、ディテールの処理も実に巧み。CX-5以来、マツダは“魂動デザイン”というテーマでブランドアイデンティティを統一してきたワケだが、そのなかではサイズ感やフォルムのバランスでベストな仕上がりだと思う。まぁ、ルノーサンク&トゥインゴ、フォードKaと乗り継いだコンパクトハッチバック好きのボクとしては、質感の高いデミオのデザインもすごく気に入ってるのだが、純粋な「カッコよさ」という点ではCX-3には兜を脱がざるを得ない。ボクにとっては、ほんっとーに久しぶりにデザインだけで「欲しい!」と思う国産車の登場というのが正直な感想です。

CX-3、雪上で試乗

で、今回はデビュー前のCX-3を雪上で試乗するというイベントだったのだが、実車との御対面でも期待は裏切られなかった。デミオと2台並べてみると、なんか「BセグとCセグ?」というくらいサイズ感が違う。口惜しいけどデザインの“質感”や車格がワンランク上なのだ。いっぽう、CX-5と並べてみるとひと回り小さい感じが「そうそう、このくらいがジャストなんだよねぇ」となる。ボクの個人的な好みかもしれないトリムへのつながりなどにCX-3オリジナルな部分はあるものの、そんなに大きく違う印象はない。また、70mm拡大された車幅にけど、あらゆる点で日本で使うクロスオーバーSUVとして理想的なバランスにまとまってる。ただし、ドアを開けてドライバーズシートに収まると、デミオのオーナーとしては見慣れた雰囲気となる。インパネの造形は基本的にデミオと共通。パネルの加飾やドアついても、第一印象としてはほとんど意識せずだった。やや高めにセットされたドラポジによって、クルマの取り回し感覚はデミオと大差なし。CX-5より明らかにコンパクトで、狭い道や車庫入れでもそれほど苦労せず扱える気軽さがある。ラゲッジルームはデミオのユーザーとしては複雑な心境だ。羨ましいのは、バックドアや荷室スペースが小綺麗に内装トリム材でカバーされていること。デミオは最上級モデルでもリアガラス内側がスポット溶接痕のある鉄板ムキ出しで軽自動車なみ。バックドアの閉まり音などもふくめて、ここはCX-3のほうが圧倒的に高級感がある。ただし、そのかわりただでさえ広くない荷室スペースが、CX-3ではさらに狭く浅くなってしまった。ちょっと大きな荷物を積もうと思ったら、後席バックレストを畳まないとダメ。やっぱり、カッコよさと実用性は両立し難いのかもしれません。走りで注目されるのは、エンジンがCX-3専用にチューンされていることだ。1.5L SKYACTIVディーゼルの最高出力はデミオと同じ105psながら、最大トルクをデミオのAT比2.0kgmアップの27.5kgmに強化。しかも、デミオと違ってMT/AT同スペック。これは基本的には車重増(おそらく100kg程度)をカバーするための処置だと思うが、実際に走らせてみるとパワーフィールにも明らかな違いがある。もともと、SKYACTIV ディーゼルは高回転域まで軽快に吹き上がるのが売りだが、CX-3はその特性がいっそう顕著。3000rpmあたりからの加速感が「ややっ?」と思うくらい力強い。雪上試乗ということで、用意されたCX-3はもちろんAWD車(6AT)だから、車重は1300kg以上はあるのだが、加速感はボクがふだん乗ってるデミオXD(1130kg)にヒケをとらない力強さ。予想以上のパワフルさに正直ちょっと驚いてしまいました。

商売が上手!

CX-5 CX-5でも冬の北海道の一般道を試す。最初にi-ACTIV AWDが搭載されたフルSKYACTIV車だけに安定感も抜群だ

CX-5 CX-5でも冬の北海道の一般道を試す。最初にi-ACTIV AWDが搭載されたフルSKYACTIV車だけに安定感も抜群だ

ハンドリング感覚については、車重とサイズの違いがストレートに反映されているように感じた。雪道でしかもスタッドレスタイヤ装着だから、乗り心地や操安性などがすべてマイルドになっていることは割り引いて考えなくちゃいけないけれど、素直な操舵感とかしっとり重厚な乗り心地など、全体的に「こりゃもうBセグというよりCセグプレミアムの足だよね」という印象。静粛性もこのクラスのベストといっていい。静粛性といえば、CX-3に採用された新技術として、ディーゼル特有のノック音を軽減するための“ナチュラルサウンドスムーザー”があるが、最初はてっきりコレがついていると思ったほど。実は、かなり精密な加工を要する部品ゆえオプション設定で、今回のテスト車には間に合わなかったそうなのだが、そんな早トチリをするほどに室内に到達するエンジン音は小さくなったように感じられた。それにしても、最初に240万~300万円という価格設定を聞いた時には「ちょっと高すぎでは?」と思ったCX-3だが、実際に乗ってみたら「ウーン、高いけど欲しい」と評価せざるを得ない仕上がり。いや、最近のマツダって、ずいぶんと商売が上手くなったなぁと感心した試乗でした。

マツダ「i-ACTIV AWD」の真価を問う!!

マツダ「i-ACTIV AWD」の真価を問う!!

マツダ「i-ACTIV AWD」の真価を問う!!

マツダ「i-ACTIV AWD」の真価を問う!!今回の雪上試乗会は、マツダの最新4輪駆動技術“i-ACTIV AWD”を体験するのがテーマ。さまざまなシチュエーションでその実力を試してみた。まず、そのメカニズムだが、リアデフ直前に電制クラッチを配置したオンデマンド型という分類。まぁ、率直にいって4WDシステムとしては今最もポピュラーなタイプで新しさはない。では、どこが売りなのかといえば、制御ロジックの巧みさ。開発チーフの八木康氏に言わせると「電制クラッチはどこのサプライヤーのものでもそう大きな違いはありません。違うのは、路面状況や車両姿勢のセンシング精度と、それに基づいてどういう前後トルク配分にするかという制御の賢さです」とのこと。実は’12年2月登場のCX-5にすでに導入されていたが、昨年末にアテンザにも4WDを設定し、新世代マツダ車にすべて導入されたことで新たに“i-ACTIV AWD”のネーミングをつけたということだ。

スローペースが重要

アテンザワゴン 目指したのは、走破性&操安性と燃費の両立 ワインディングのアテンザワゴン。路面が削れてややアイスバーン状態になっていても安心してアクセルを踏めた

アテンザワゴン 目指したのは、走破性&操安性と燃費の両立 ワインディングのアテンザワゴン。路面が削れてややアイスバーン状態になっていても安心してアクセルを踏めた

まずアテンザワゴンでテストコースのワインディングをフリー走行した時の印象は「乗りやすいけどまぁふつうだよね」という感じで鮮烈ではなかった。続いてアクセラスポーツでジムカーナコースを周回する設定だが、ここでは助手席に座ったマツダ操安部隊の虫谷泰典氏から「最初はゆっくり走ってみてください」との指示。結果的にはこれが重要なポイントでした。なぜスローペースが重要かというと、この種の4WDシステム駆動輪が滑り始める最初の過渡領域が最も肝腎だから。4WDシステムにフォーカスするなら、ゆっくりな速度のほうが本質がよく見えてくるのだ。で、アクセラスポーツでそっとパイロンを巻くようなコーナリングを試すと、素直なタイミングで上手にアンダーを抑制するように後輪トルクが増減することが体感できる。ステアリングでもアクセルでも、微妙なライン修正にクルマがきちんと反応してくれる、しかも雪上で。ガンガン攻めてると意外に見落としちゃう優れた特性が、こういうスロー走行シチュエーションのほうがよく理解できるワケ。これがわかりやすかったのがアクセラでのステアリングを切った状態からの坂道発進。20%勾配の雪道でまったくスリップの予兆すら見せず、スッと動き出すスマートな挙動は4WD性能で定評があるライバルSUVを凌いでました。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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