徹底分析中古車相場
更新日:2018.12.20 / 掲載日:2018.12.20
【スズキ エスクード】新型ジムニーもいいけど、50万円から探せるエスクードにも注目!
今年(2018年)、自動車業界を賑わせたクルマと言えばスズキ ジムニー。軽自動車ながらも本格的なクロカン性能を持ち、さらにファニーなルックスも功を奏して、クルマに関心が少ない人でも注目してしまう1台だろう。しかし、スズキにはもうひとつのクロカンが存在するのをご存知だろうか。その名はエスクード。初登場は1988年と古く、スズキのなかでも歴史あるモデルである。ジムニーにはリッターカー仕様も設定されるが、基本は軽自動車。それに対しエスクードは、ジムニーよりもひとまわり以上大きなサイズのSUVで、昨今のSUVフィーバーが起こるずっと前から連綿と生産されている、もうひとつの看板モデルだ。
現行型(4代目)のエスクードは2015年10月に発表されているが、今回紹介したいのは先代モデルのほう。というのも、現行型は乗用車と同じフルモノコックボディを持つライトなSUVなのに対し、先代エスクードはビルトインラダーフレームと呼ばれるオフロードに適したボディ構造を持つのがその理由だ。ジムニーのような本格派クロカンが気になる人なら、現行モデルよりも先代のほうがストライクゾーンに入るはず。また先代モデルの価格が大幅に下がっており、リーズナブルな価格で本格クロカンが手に入るとなれば、見逃す手はない。
スズキ エスクードってどんなクルマ?
ジムニーよりもひとまわり大きなクロスカントリーがエスクード。初代と2代目はラダーフレーム構造を持つ本格クロカンとして登場したが、3代目はラダーフレームとモノコックを組み合わせたビルトインラダーフレーム、4代目はフルモノコックを採用するなど、世代交代のたびに、より乗用車的なポジションにシフトしていった。今回のテーマである3代目が登場したのは2005年で、エッジを効かせたエクステリア、さらに広く快適なインテリアなどにより、オンロードでの快適性が従来から大きく進化している。またボディタイプは3ドアと5ドアを設定するから、一般的なSUVの感覚で気軽に使えるのもポイント。それでも、クロカンには不可欠のデフロック機構や副変速機などがちゃんと備わっているから、ジムニーの上位モデルとしての役割は健在だ。
スズキ エスクードの世代別中古車相場は?
2005年5月にデビューした先代エスクードは、曲線を多用した従来型から一転し、スポーティでモダンなスタイルに進化。エンジンは全車2.0L 直4が搭載され、5速MTまたは4速ATが組み合わされた。またボディタイプは当初5ドアでスタートしている。同年6月には2.7L V6モデルの「2.7XS」を追加。2006年6月には、全長4mを切るコンパクトな3ドアモデルも登場した。こちらには1.6L 直4エンジンが搭載されている。そして2007年5月、2.7Lモデルに価格を抑えた「2.7XG」も追加された。
デビューから3年後の2008年6月、エスクードは初の大掛かりなマイナーチェンジを受ける。エンジンは全面的に一新され、新開発の2.4L 直4と3.2L V6に置き換えられた。また、新デザインのフロントバンパー&フロントグリル、新デザイン18インチホイールを採用するなどエクステリアをリニューアルし、さらにクルーズコントロールの採用、自動ブレーキ機能を持つプリクラッシュセーフティのオプション設定など、デビュー時から大きな進化を遂げている。さらに2012年7月に最後の改良を受け、フロントまわりの意匠が一新されると同時に、シート表皮やドアトリムなど室内も改良された。それを踏まえ、年式別の中古車平均価格をチェックしてみたい。
年式 | 中古車平均価格 |
2005年式 | 62万円 |
2006年式 | 70万円 |
2007年式 | 42万円 |
2008年式 | 73万円 |
2009年式 | 91万円 |
2010年式 | 81万円 |
2011年式 | 105万円 |
2012年式 | 135万円 |
2013年式 | 148万円 |
2014年式 | 150万円 |
2015年式 | 160万円 |
2016年式 | 164万円 |
2017年式 | 178万円 |
100万円以下の予算で探せる2008年~2009年式が狙い目
先代エスクードは、2015年に現行型が登場した後も併売され、昨年までホームページに掲載されていた。12年にも及んだ長いモデルライフのわりに、中古車は同クラスのSUVと比べると数は多くない。そのなかでも比較的ボリュームがあるのは2009年以前と、最後の改良が行われた翌年の2013年式。いずれも相場はかなり下がっているが、今回オススメしたいのは2009年以前のモデル。平均価格は100万円を切っており、物件も充実していて探しやすい。なかでも、最初のマイナーチェンジを受けた2008年6月以降のモデルがオススメだ。これらは「2.4XE」を除いてクルーズコントロールが導入され、最上級グレードの「3.2XS」にはプリクラッシュセーフティもオプション設定されるなど、改良前と比べてグレードアップの度合いが大きい。
しかし2008年式とはいえ、すでに10年落ち。走行距離やコンディションなどが気になるところだ。走行距離の大半は5万~8万kmで、グレードは2.4Lモデルが中心となっている。しかし全体的に修復歴ありの個体や改造車などはかなり少ないから、安心して探せるクルマではある。販売店保証が付帯するケースもあるから、それを考慮して探すのも賢い方法だろう。
スズキ エスクードのグレード別中古車相場は?
先代エスクードのグレード構成は、エンジン別に見ると1.6L(3ドアのみ)、2.0L、2.4L、2.7L、3.4Lと豊富に設定される。また、同じエンジンでも装備によって仕様が異なるから、グレードは幅広い。さらに、スポーツ用品ブランド「サロモン」とコラボした「サロモンリミテッド」、電動サンルーフやダークシルバー塗装のホイールを装着した「クロスアドベンチャー」、ガンメタ塗装のホイールやシートにクオーレモジュレという特殊素材を用いた「ランドブリーズ」など、個性ある特別仕様車も数多く登場している。ここではこれらを交えて中古車平均価格を見ていこう。
ベストバイは「2.4XG」
幅広いエンジンラインアップを持つ先代エスクードだが、中古車市場に出まわるものは偏りがある。まず1.6Lの3ドアはほとんど流通していない。そして2008年のマイナーチェンジで登場した3.4Lモデルも探すのは極めて困難な状況。物件がもっとも豊富なのは初期の2.0Lモデルだが、走行距離などを考慮するとマイナーチェンジ後の2.4Lエンジン搭載車「2.4XG」が探しやすい。平均価格は2.0Lよりも20万円ほど高いものの、コンディションを重視したら大きな差は感じられない。
一方、各種の特別仕様車にも注目したい。ある程度予算を確保できるなら、高年式の「ランドブリーズ」または「クロスアドベンチャー」がオススメ。とくに、前者に採用されるクオーレモジュレという素材のシートは、夏には熱くなりすぎず、冬は冷たくなりにくい特徴がある。撥水加工されているから、アウトドアにはうってつけの仕様となっている。
スズキ エスクード中古車相場のまとめ
スズキ ジムニーは軽自動車ながらも、中古車相場は高値安定なのは有名な話。たとえば98年にデビューした先代ジムニーでも、中古車平均価格は96万円、今年登場した現行型では192万円とかなり高額だ。それに対し、エスクードは今回紹介したとおり、初期型なら50万円前後、マイナーチェンジ後でも100万円の予算でゆとりを持って探せるのが大きな魅力。またエスクードの骨太な設計は、ここ最近登場したSUVにはない個性がある。人とは違うクルマ選びをしたいユーザーにぴったりの1台と言っていい。