新車試乗レポート[2020.06.25 UP]

【試乗レポート トヨタ ハリアー】デザインを磨き上げた人気SUV

トヨタ ハリアー トヨタ ハリアー

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス

 ハリアーが4世代目へと進化した。ご対面は6月頭のサーキット。そこでナンバープレートの付いていないプロトタイプをテストドライブした。ただそいつはプロトタイプと言う名の完成車。コロナ禍の影響で発表イベントが行われなかったりと、新車のスケジュールにも影響は大きくあるようだ。

 それはともかく、さっそく新型を見てみよう。

この記事の目次

トレンドを取り入れたクーペライクなスタイリング
TNGAプラットフォームの採用でハードウェアは大幅にレベルアップ
どちらのパワートレインでも走行フィールはスムーズで上質感が漂う

関連情報

ボディタイプ:SUV・クロカン 国産車 新車

トレンドを取り入れたクーペライクなスタイリング

新型ハリアーはクーペライクなボディラインが魅力 新型ハリアーはクーペライクなボディラインが魅力

 新しくなったハリアーだが、デザインはキープコンセプトで登場した。いいも悪いも「これがフルモデルチェンジ?」と言う声が聞こえてきそうなくらいの出来栄えだ。ただ、モデルチェンジするたびに何も大胆にデザインを変える必要はない。特に人気のあるモデルはそうで、手を入れたことで逆に人気を下げることにもなりかねない。日本車の中にそんな失敗をしたモデルを何台も見てきた。きっと大きく変更しないと担当役員から「新鮮さがない!」とかなんとか言われちゃうんだろう。

 その点、ヨーロッパのメーカーはある意味ずる賢くて、売れているものに手を入れない。「伝統」や「ヘリテージ」と言うワードを賢く使ってデザインのキープコンセプトを正当化する。保守王道といったところだろう。大胆に変更して売れなければ、「デザインに迷いがある」なんてメディアに評価されてしまう。

 そんなハリアーだが、実際はしっかりデザインのトレンドを取り入れている。サイドのキャラクターラインの前方を面で、後方をエッジの効いたラインで表現しているのがそれだ。また、クーペライクなボディラインもそう。SUVクーペがじわじわと人気を集める今日、ハリアーはそれを匂わすフォルムを描いている。都会的なハリアーにはピッタリだ。個人的にはもっと大胆に絞り込んでもよかったとも思えるが。

2本のL字ライン発光を採用したライトでワイド感を表現 2本のL字ライン発光を採用したライトでワイド感を表現

クーペのようななだらかなルーフラインが新型の特徴 クーペのようななだらかなルーフラインが新型の特徴

左右がつながった薄型のリヤコンビネーションランプ 左右がつながった薄型のリヤコンビネーションランプ

TNGAプラットフォームの採用でハードウェアは大幅にレベルアップ

パワートレインは2Lのガソリンと2.5Lハイブリッド。FWDに加えて4WDも用意される パワートレインは2Lのガソリンと2.5Lハイブリッド。FWDに加えて4WDも用意される

 ハードウエアの目玉は、TMGAプラットフォーム(GA-K)の採用に尽きる。先代を開発していた2011、2012年あたりではまだ市販車に採用されていなかった技術だ。その意味では今回ハリアーは晴れて新世代トヨタ車の仲間入りを果たしたことになる。これで高剛性ボディが築かれサスペンションのセッティングが自由になれば、より走りを磨くことがたやすくなる。

 では次にパワートレーンだが、ここはこれまでのRAV4とほとんどを共有する。2リッター直4のガソリン仕様と、2.5リッター直4+モーターのハイブリッド仕様だ。出力も同じだし、ギアボックスもそう。FWDと4WDがあるのもそうで、細かく言えばトルクベクタリングAWDシステムだけ用意されないくらいとなる。

丸みを帯びたセンターコンソールは「馬の鞍」から着想されている 丸みを帯びたセンターコンソールは「馬の鞍」から着想されている

包み込まれるような大きく、ゆったりとしたフロントシート 包み込まれるような大きく、ゆったりとしたフロントシート

室内にはクリアブルーのイルミネーションが各所に施される 室内にはクリアブルーのイルミネーションが各所に施される

ラゲッジスペースにはゴルフバック3個を収納可能 ラゲッジスペースにはゴルフバック3個を収納可能

床下収納にアクセスしやすいスライド式デッキボックスを採用 床下収納にアクセスしやすいスライド式デッキボックスを採用

どちらのパワートレインでも走行フィールはスムーズで上質感が漂う

ボディカラーには新色のプレシャスブラックパールを採用 ボディカラーには新色のプレシャスブラックパールを採用

 さて試乗。はじめにハイブリッドを乗って、その後ガソリンエンジンを動かした。そこで感じたのは、両パワートレーンともこのクルマにマッチしていること。どちらかが目立って相性が良かったり、一方が走りに精彩を欠くことはない。もちろん、ハイブリッドとガソリンではコーナー出口の立ち上がりやストレートでキャラの違いがにじみ出るが、どちらもハリアーにうまく調和する。共にスポーティな走り味で、力強さもあり、軽快さもある。同じタイミングでRAV4 PHVを試乗した分、正直軽快さが際立ったというのもあるだろう。強いて言えば、ガソリン車の方が、ドライバーは意図してエンジンの回転数を上げ、高い回転域でパワーの出方をコントロールする必要がある。

 要するに、加速はアクセルに対しリニアで、自然なフィーリング。特にハイブリッドのモーターアシストに違和感がないのが気持ちよかった。ここがギクシャクするのがこれまでのパターンだ。ハリアーの開発チームや走り味を決める“匠”がRAV4チームと近いというのもいい方向に働いた結果だろう。縦割りではなく、経験値が見事に横方向に共有されている感じがする。

 というのが乗った印象だ。言い忘れたが、新型ハリアーはインテリアも見応えがある。馬の鞍からインスパイアされたコンソールは上品だし、ドアトリムもシートの仕上がりも悪くない。このクラスにはない高級感だ。というか、ハリアーはクラスレスなのかもしれない。コンパクトカーからクラウンまでヒエラルキーを構築してきたトヨタには珍しいポジションのクルマである。

 ボディカラーは全7色。プレシャスブラックパールなど渋いカラーを用意する。“黒”の種類を増やしたのはマーケットをよく勉強した結果。街中で見る先代は、黒か白ばかりである。艶のあるブラックだとスーツにも似合いそうだ。NYあたりのビジネスエグゼクティブ気分を演出できる。

 自粛解除に際してプライベートスペースが確保されるクルマの優位性が語られる昨今、新型ハリアーはクールな相棒として人気が高まりそうな予感がする。

トヨタ ハリアー ハイブリッド Z(CVT)データ

■全長×全幅×全高:4740×1855×1660mm
■ホイールベース:2690mm
■トレッド前/後:1605/1625mm
■車両重量:1680kg
■エンジン:直4DOHC+モーター
■総排気量:2487cc
■エンジン最高出力:178ps/5700rpm
■エンジン最大トルク:22.5kgm/3600-5200rpm
■モーター最高出力:120ps
■モーター最大トルク:12.3kgm
■サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン
■ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
■タイヤ前後:235/45R20

  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

グーネット SNS公式アカウント