中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.20 / 掲載日:2005.03.24
トヨタ ハリアー 中古車購入チェックポイント(2005年03月)
トヨタ ハリアー 中古車購入チェックポイント
■全体のチェックポイント
1.車体の全体から異常を読みとる
車両からやや離れた位置から、全体を見てみよう。ナンバープレートは曲がっていないか?左右のヘッドライトの色は同じか?バンパーはずれていないか?車体の切れ目の隙間(チリ)は均等か?部分的に艶がないとか、色がくすんでいたり他の部分と違って見えたら、補修したり修理していると考えられる。さらに、車体に映る周囲の景色を見てみよう。歪みや凹み、あるいは波打っているのを見つけることがある。塗装表面が肌荒れ状態になっている場合も、事故を起こして板金塗装するなどした修理跡かもしれない。正面、左右、上下から、見る角度を変えてみると異常を見つけやすい。
2.ダメージの跡が残って見つけやすい
2.ダメージの跡が残って見つけやすい
ボンネットを開けて、フロントグリルの後ろにあるラジエターサポート(エンジンルームの一番前で左右に渡してある部品)を見てみよう。車体前部をぶつけると、簡単にダメージを受けるので、修正あるいは交換することが多い。左右のフェンダーとの接合部も、不自然なところはないか点検しよう。
3.ボンネットを交換した理由を探る
3.ボンネットを交換した理由を探る
事故などでボンネットにダメージを負うと、新しいボンネットと交換することも少なくない。ボンネットを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジを脱着した形跡があったら要注意。事故の修理でボンネットを交換した可能性が高い。まれにエンジンの修理などのためにボンネットを脱着することもあるが、その場合は整備記録簿に記録が残っているはずだ。
4.フェンダーで判断
4.フェンダーで判断
フェンダーを固定しているネジの頭の塗装に傷が付いていれば、工具を使ってネジを脱着した跡、つまりフェンダーを交換あるいは修理している。フェンダーに手を加えても事故車(修復歴車)扱いにはならないが、フェンダーが無傷なら大きな事故は起こしていないと判断できる。
5.エンジンルーム内を観察する
5.エンジンルーム内を観察する
ボンネットを開けて、エンジンルーム内各部の塗装の様子を観察しよう。車体と左右のフェンダーをはじめ、ラジエターを支えているラジエターサポートの色を周辺と比べてみる。色の違いがポイントだ。一部だけ色合いが異なっていれば、修理した可能性がある。周囲と比べて異常にきれいな部分も、修理した跡かもしれない。また、エンジン関係の部品やオイル漏れなどもチェックしよう。その際には、事前に整備手帳などで点検整備記録をチェックしておくと、コンディションが推察できる。
6.側面のダメージを推測する
車体側面のドア部分に損傷を受けると、ドア自体を交換してしまうことも多い。交換の際は、ドアを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジを脱着するので、ネジの状態をチェックしよう。前後左右ドアのネジを見比べて、特定のドアだけネジの頭に傷が多ければ脱着したことが疑える。ただし、新車組み立て時やドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着しているように見えても必ずしもドアを交換しているとはいえない。
7.スペアタイヤの下もチェック
7.スペアタイヤの下もチェック
ラゲッジスペースの床内に収納されているスペアタイヤを外してみよう。床部にダメージを受けた痕跡の歪みなどを見つけこともある。塗装が周囲と違っていたり、防音防振材(写真の濃いグレーの部分)の状態などに異常(剥がれていたり波打っていたり)があれば、後部を修理しているかもしれない。また、水が溜まったような跡や錆が発生している場合は、車体が歪んで雨水などが浸入したことが原因のこともある。
8.支え金具と周辺を観察する
8.支え金具と周辺を観察する
リアゲートは面積が大きく、後部をぶつけるとダメージを受けやすい。ドアを支えている金具(ヒンジ)と周辺をチェックしよう。まずは、ドアがしっかり閉まるかどうか、確かめてみる。ずれているせいで、スムーズにロックできないこともある。ヒンジを固定しているネジを脱着した形跡も探ってみよう。ネジの脱着が修理や交換したかどうかの目安となる。また、ヒンジが接している車体部周辺の鉄板に歪みが残っている場合は、ダメージが大きかったと推測できる。
9.開口部の溶接部を見る
リアゲートを開くと、開口部は左右両側共に鉄板が横から回り込んで、溶接で固定されているのが見える。追突をはじめ、後部が変形するようなダメージを受けて修理した車両の場合は、溶接部分が均一に揃っていないし、車体の左右で違っている。また、板金塗装をしていれば、周囲と色の雰囲気が違って見えることもある。さらに確かめるには、鉄板の継ぎ目に盛って隙間を埋めているシール材を爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(爪で押すとプチッと表面が割れる)ようなら、修理の際に新しいシールを盛ったということがわかる。
10.車体の床下もチェック
10.車体の床下もチェック
床下は、意外なところにダメージを受けているのを発見することがある。フレーム部(車体の骨格部分)の歪みや凹み、部分的な変形がないか観察しよう。傷や錆を見つけたら、どの程度のダメージかを念入りにチェック。さらに、マフラーなどの床下の部品類も、傷や凹み、交換した形跡がないかどうかも探ってみよう。外観はきれいに修理しても、走行に影響がない見えない部分は、そのまま手を付けていない(修理や部品交換していない)ことがあるので、事故跡を見付けることがある。
11.色と隙間を見る
11.色と隙間を見る
車体の外板パネルの修理や交換を行う場合は、パネルを塗装する。しかし、色合わせは難しく、塗装したパネルと周囲のパネルの色が調和しないこともある。パネルの継ぎ目の部分を境に隣り合うパネルの色調が合っているか観察しよう。また、パネル同士の隙間を「チリ」と呼ぶが、チリの間隔が均等に開いていなければ、どちらかの鉄板を修正または交換している可能性がある。
ハリアーのコンディションはここで見極める!
1.試走してチェック
1.試走してチェック
オートマチックトランスミッションは、セレクトレバーをNからDへ、NからRへと、各ポジションに入れてみて、作動の具合いを試してみる。各ギヤへの切り替え時のショックは大きくないか、アクセルを踏むのと連動してスムーズに発進や加速ができるか、できるかぎり試走して確かめよう。
2.エンジンの調子をチェック
2.エンジンの調子をチェック
エンジンをかけてみよう。異音が聞こえり、大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。キーを捻ると、モーターが勢いよく回って容易にエンジンが始動するだろうか。モーターの回転が弱かったり始動がもたつく場合は、バッテリーが弱っていたり、エンジンの調整が必要かもしれない。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、スムーズに回転が上下するかどうかも試してみよう。
3.点検記録簿の内容と時期を見る
3.点検記録簿の内容と時期を見る
整備手帳などに記入された点検整備記録に目を通して、定期的にメンテナンスを受けているかどうかもチェックしよう。記録簿以外にも、ガソリンスタンドやパーツショップでオイル交換などをすると、記録シールを貼ったりカードを記録簿にはさむこともある。車体や車検証ケース内も探ってみよう。いずれにしても、詳細な記録が残っている車両は走行距離が伸びていてもコンディションがよく、機能部分には大きな問題を抱えていないと推測できる。
4.シートの状態をチェック
4.シートの状態をチェック
ファブリック(布製)シートは、汚れは目立ちにくいが座面は意外に汚れている。汚れや染みは、たいていはカーケア用品などで目立たなくすることもできるが、傷やタバコの焼けこげなどが気になれば、補修やシートを交換する必要があるかもしれない。また、床が高く、着座位置が高い車両のシートは、乗り降りする時に体重を預けるのでドア側のサイドパット(シート座面横の盛り上がった部分)に負担がかかっている。特に頻繁に乗り降りしている場合は、走行距離の割にヘタっていることが多い。
■今回の車両のプロフィール
1997年12月から2003年1月まで販売された初代ハリアー。トヨタは独自にSUS(スポーツユーティリティサルーン)と呼ぶようにSUV(スポーツユーティリティビークル)らしくない高級なクルマだ。車体各部の構成はまさにセダンで、乗り心地や快適性、静粛性なども高級セダンの味付けになっている。駆動方式は4WD(4輪駆動)とFF(前輪駆動)。4速オートマチックでハンドル部でギアチェンジできるステアマチックを備え、3リッターV6と2.2リッター直4エンジンがある。2000年のマイナーチェンジで2.2エンジンはが2.4にスケールアップされている。さらに、ヨーロッパ仕様のサスペンショを組み込んだiRバージョンもある。