残価率とは、車の価値がどれくらい残っているかを数字で表したものであり、車を売却したときの買取価格に直結するポイントです。車の査定額を提示されたら、所有車の残価率の算出もできます。

愛車を手放すときには、少しでも高く買取ってくれる業者を選びたいと考える方が大半でしょう。この記事では、ハイブリッド車の残価の算出方法や、残価の高いハイブリッド車の特徴について解説します。

ハイブリッド車の買取価格には残価率が関係している

ハイブリッド車が高い残価率をキープできている理由には、環境性能や燃費性能の高さが関係しています。環境に優しく経済的なハイブリッド車は、新車市場だけでなく中古車市場においても高い人気を集めています。

残価率は、市場での需要の高さが直結しているため、買取価格にも大きく影響しています。

ハイブリッド車の残価率とは?

ハイブリッド車の残価率とは?
残価率とは、ハイブリッド車を売却する際に車の価値がどのくらい残っているかを数字で表したものです。

車の価値は新車購入した時点から時間が経つにつれて徐々に下がっていくのが一般的ですが、下がり具合は車種や中古車市場での需要などによって大きく異なります。

ハイブリッド車とガソリン車では、同じ車種・グレードであってもハイブリッド車の方が残価率は高い傾向があります。これは、燃費性能に優れていることや税制優遇が受けられることが主な理由です。

残価率を知っておくことは、将来自分の車を売却する際に損をしてしまわないようにするためにとても重要です。

残価率を算出する方法

残価率を算出する方法
ハイブリッド車の残価率を算出するための式は、以下になります。

買取価格÷新車販売価格×100=残価率

この残価率の数値が高いほど、そのハイブリッド車は価値が下がりにくいということを表しています。

例えば、新車価格200万円で購入したハイブリッド車の買取価格が100万円だった場合、計算式に当てはめると以下のようになります。

1,000,000÷2,000,000×100=50

この場合、残価率は50%であることが分かります。

需要が高く、一部の新車価格を上回る金額で売買されている車(トヨタ・アルファードやランドクルーザーなど)は、残価率が100%を超えているということです。

よりお得に車選びをしたい方は、この残価率も参考にしてみると良いでしょう。

7年落ちのハイブリッド車の残価率は?
ハイブリッド車でも、7年落ちの場合は残価率7%程度と少ししかありません。7年は新車登録から3回目の車検のタイミングでもあり、車を手放すか乗り潰すかのターニングポイントです。
もし、「残価をもう少し残した状態で車の売却をしたい」と考えている場合は、早めのタイミングで売却することを検討してみましょう。基本的には年式が浅いほど残価は高くなります。
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ハイブリッド車の残価率が高い理由

ハイブリッド車の残価率が高い理由
ハイブリッド車は、同じ車種・グレードであってもガソリン車に比べて残価率が高い傾向があります。

それは、燃費が良く維持費が安いことや、税制優遇が受けられることなど、ハイブリッド車ならではの魅力が多く、市場での需要も高いことが主な理由です。

ここからは、ハイブリッド車の残価率が高い理由について詳しく紹介します。

燃費が良く維持費が安い

ハイブリッド車はモーターを搭載していることで、ガソリン車よりも燃費性能が高くガソリン代が安くつく傾向があります。

ガソリン代は近年高騰しており、通勤や通学など普段から車を使用する方にとっては大打撃です。ハイブリッド車の方が車両本体価格も高く、差額分のもとは取れるのか不安に感じている方も多いでしょう。

しかし、今後もさらにガソリン代の動きが分からない現状であることがハイブリッド車の人気につながり、結果的にハイブリッド車の残価率の高い要因のひとつになっています。

環境問題に良い車を選んでいることは、将来的にも良いでしょう。

税制優遇が受けられる

政府は環境問題に良い影響のある車の普及と促進を狙っています。そのため、ハイブリッド車のような環境に良い車を乗っている人は、税制優遇が受けられるようになっています。

特に本来自動車は、初回登録年度から13年経過すると自動車重量税や自動車税が増税される仕組みです。しかし、ハイブリッド車の場合は13年経過しても増税の対象にはなりません。

先述したガソリン代のことも加味すると、ハイブリッド車の方がトータルコストはずっと抑えられているでしょう。

このように、税制優遇が受けられることもハイブリッド車の残価率が高い理由のひとつです。

バッテリーの性能が向上している

ハイブリッド車のバッテリーは2種類あり、駆動用のバッテリーは交換するとなると数十万円もする大容量のものが内蔵されています。

一昔前までは、ハイブリッド車とガソリン車の差額の元を取れる前にバッテリーが劣化してしまい、交換や別の車への乗り換えを余儀なくされていたことから、ハイブリッド車である「お得感」はあまりありませんでした。

近年、ハイブリッド車のバッテリーは走行距離10万kmが寿命の目安といわれているほど長持ちするようになり、バッテリーの性能の向上が伺えます。メーカー保証もついており、安心してハイブリッド車に乗れるようになったことも残価率が高い理由です。

ハイブリッド車で残価率が高い車種は何ですか?
トヨタのライズやホンダのヴェゼルなど、SUVタイプの自動車は国内に限らず海外でも、とても人気があります。そのため、世界的に需要が高く、残価率も高めであることがポイントです。
海外に販売ルートをもっている買取業者からすれば、国内であまり高い値段で売れなくても、海外に向けえて高値で売却できるため、他店との差別化ができます。

残価率の高いハイブリッド車の特徴

ハイブリッド車の残価率が高い理由
ハイブリッド車と大きく括っても、実際の残価率は車種やグレード、車の状態によって大きく異なります。

残価が高いと判断されるには、国内だけでなく海外でも人気のモデルであったり、使用状態が良く走行歴が浅かったりすることがポイントです。また、ボディカラーも残価に影響を与えます。

ここからは、残価率の高いハイブリッド車の特徴について解説します。

国内外問わず人気が高い

SUVなど国内だけでなく世界的に人気の高いモデルは、需要が高く残価率も高く評価されます。なぜなら、国内での市場価値がそこまで高くなくても、海外に向けて販売して高値で売れるなら、海外の相場に合わせた価格での買取が可能であるためです。

特にトヨタのランドクルーザーや、スズキのジムニーシエラなどは新車の納期が間に合わないほど国内外から高い人気を誇っていました。新型販売直後には、新車の定価を上回る価格で中古車市場に流れています。

海外でも根強い人気のあるモデルは、数年後に値崩れする心配がないのです。

低走行であまり使用感がない

中古車を選ぶ方の理由の多くは「なるべく安く車を購入したい」という思いですが、自分の予算の中でより状態の良い物を選びたいと考えるのは当たり前のことです。

中古車市場でも、あまりにも年季の入った自動車よりもある程度状態の良い車の方が需要が高い傾向があります。走行距離が多いとエンジン部品の経年劣化が進んでいたり、シートのクッション性がへたってきていたりするでしょう。

状態の良くない車を引いてしまうと、後のメンテナンス費用が高くついてしまう恐れもあります。そのため、走行距離が短く、あまり使用感が無い車は残価率が高いです。

部品の劣化が少ない

車の部品の状態が良いことは、直接的に残価率の高さにつながります。買取ってから整備にコストがかかる車よりも、あらかじめ状態の良い車の方が高く評価されるのは自然なことでしょう。

しかし、残価率を上げたいからという理由で、自分のお金を使って状態を整えてから買取に出すことはおすすめできません。無料でのメンテナンスが受けられるものを利用する程度に留めておきましょう。

また、直前のメンテナンスだけでなく、日頃どのようにして使用されていたのか、定期的に点検を受けていたかなども見られているポイントです。

ボディカラーが人気色である

特に普通車の場合は、ブラックとホワイトパールがどの車種にも共通して人気の高いカラーです。特にホワイトパールは車種によってオプション扱いとなっており、需要がとても高いです。

また、ラパンのピンクやジムニーのカーキなど、車種ごとのテーマカラーも人気が高い傾向があります。

いくら個人的に気に入っているカラーでも、中古車市場的には派手な色味より無難なカラーが残価も高く設定されます。リセールバリューを気にして車を購入するなら、ボディカラーは万人受けする色味を選んでおくのがおすすめです。

軽自動車の残価率が高いのは本当ですか?
軽自動車の残価率は、安定したニーズの高さとメンテナンス費用が普通車に比べてかからないことから需要が高く、その点が残価率が高いことにつながっています。軽自動車は通勤や通学などの日々の個人の足としておすすめです。
軽自動車は日本独自の基準であり、海外には「軽自動車」という基準はありません。そのため需要が高いのは日本国内でのことを表しています。

ハイブリッド車をお得に売却するポイント

ハイブリッド車をお得に売却するポイント
ハイブリッド車を売却する際には、少しでも高い値をつけてくれる業者を選びたいと考える方が大半でしょう。金銭面でも満足できる売却を実現させるには、複数の見積もりを取ったり、売却前に無駄な費用をかけないようにしたりすることが重要です。

ここからは、ハイブリッド車をお得に売却するためのポイントについて、解説します。

現行モデルのうちに売却する

自動車は同じ車種でも数年おきに「モデルチェンジ」が行われ、新しいモデルが販売されるとそれまで現行モデルとして販売されていた自動車は型落ちモデルになります。

なかなか次のモデルチェンジを読み取るのは困難ですが、お得にこれまで使用していた車を売却するにはとても重要なポイントです。

なお、モデルチェンジには「フルチェンジ」と「マイナーチェンジ」の2種類があります。フルモデルチェンジが入るとデザインは大きく異なりますが、大胆に変わる分「前回のモデルの方が良かった」とあえて全モデルの車両を中古車市場から探し出す人も多いです。

バッテリー交換をする前に売却する

売却を決めた車にお金を払ってバッテリーを交換しておくことは、おすすめできません。もちろんバッテリーの状態は車の残価に大きく影響しますが、それでもバッテリー交換にかけた金額分の査定額アップは期待できないことがおすすめしない理由です。

査定は人の目で行われるため、パッと見た瞬間の印象はとても重要です。車内のゴミを捨てておいたり、窓ガラスを拭いておいたりするなどお金をかけずにできる範囲のことを行っておきましょう。

ハイブリッド車をお得に売却するには、直前にお金をかけないことがポイントです。

需要が高くなるタイミングに売却する

1年を通して、中古車市場が活発になる時期は、ボーナス商戦の7月・12月、新生活に備える3月や中古車販売店の決算月である6月です。中古車販売店はこの時期にあわせて在庫を増やしたいと考えているため、他の時期に買取に出すよりも高値がつきやすいでしょう。

ポイントは中古車市場が盛んになる少し前に買取に出すことです。在庫を揃えた状態で決算月や3月を迎えたいと考えていることから、その月の1~2週間前に査定を受けてみることをおすすめします。

業者によっては買取強化キャンペーンが行われている可能性もあるため、お得な情報は見逃さないようにしましょう。

車検を通す前に売却する

車検もバッテリー交換と同様、お金を払って車検を通しておく必要はありません。車検には自動車重量税や自賠責保険など、「次回の車検までの期間分の税金」をまとめて支払う必要があり、売却しようとしている車の先2年分の税金まで肩代わりすることになってしまいます。

もし車検前に車の売却を悩まれている場合は、車検費用を新しい車の購入資金に充てているほうが良いでしょう。日常的に車を使用している方は、新しい車を購入してから手元にくるまでの間に車検が切れてしまわないかも必ず確認しておくことが重要です。

売却先は慎重に選ぶ

ハイブリッド車を売却する際、どこの買取業者を選ぶか決めるときには慎重に行いましょう。同じ車でも買取価格は買取業者によって異なるため、より高値での買取を狙うなら1つの店舗で即決してしまうのではなく、なるべく複数の店舗をまわってみるのがおすすめです。

なお、買取業者によって発生する手数料も異なります。査定額が高くても手数料などが発生する買取業者なら、手数料ゼロ円で査定額が高くない買取業者のほうが、手元に入る金額は多い可能性もあります。気持ち良く取引を行うためにも、従業員の対応も要チェックです。

ハイブリッド車ならではの魅力

ハイブリッド車ならではの魅力
ハイブリッド車には、ガソリン車に無い良さがいくつもあります。

ガソリン車とハイブリッド車の大きな違いは、モーターの搭載の有無です。このモーター走行によって、高い燃費性能や静粛性を発揮しています。

また、電力を車に蓄えられることから、ポータブル電源要らずなこともポイントです。

ここからは、ハイブリッド車ならではの魅力について紹介します。

静粛性に優れ乗り心地が良い

ハイブリッド車はエンジンでなくモーターで走行することから、走行時のエンジン音が気にならないことが大きな魅力です。ミニバンなど車内空間の広い車でも運転席から3列目まで会話が自然と楽しめます。高速で走行するときにはよりエンジン音を感じがちですが、音楽や動画も快適に満喫できるでしょう。

また、小さなお子さんがいる家族にも静粛性の高い車が適しています。ハイブリッド車なら、チャイルドシートの中で眠ってしまったお子さんを大きなエンジン音で起こしてしまう心配も不要です。モーター走行のできるハイブリッド車は、静粛性が魅力です。

もしものときの備えになる

一部のハイブリッド車には、車内にコンセントの差込口が設置されているモデルがあります。このような車は、万が一被災したときにも電力供給減として使用できることが大きなメリットです。

災害時の備えとしてはもちろん、普段のプール帰りに濡れた髪を車内でドライヤーしたり、キャンプをしに行ったときにもポータブル電源として使用できたりと大活躍できます。

車種にもよりますが、ガソリンを満タンにしている状態だと、数日分の電気を蓄えることが可能です。災害時の対策としての使用も視野に入れておきたい場合は、コンセントの差込口の有無なども事前に調べておきましょう。

ガソリン車よりも低燃費

ハイブリッド車はエンジンとモーターの2馬力で駆動するため、エンジンだけで走行するガソリン車よりも断然、燃費性能に優れています。特に停止している状態から発進する動き、高速での走行など、より多くのガソリンを必要とする動きを重点的にモーターはカバーしています。

近年ではガソリン代の高騰が続いていることから、日常的に車を使用する方にとっては維持費(ガソリン代)も家計を圧迫する原因となっているでしょう。ハイブリッド車は車体価格こそガソリン車よりも高いですが、車の使用頻度が高い人ほどトータルコストではハイブリッド車の方が得になります。

まとめ

①残価率とは、車の価値がどのくらい残っているかを数値化したもの
②残価率を算出するための式は「買取価格÷新車販売価格×100=残価率」である
③ハイブリッド車の残価率が高い理由には、燃費性能や環境性能の高さ、バッテリーの性能の向上が挙げられる
④残価率の高いハイブリッド車は、国内外から高い人気があって車の状態も良い
⑤ハイブリッド車をお得に売却するなら、売却時期や買取業者を慎重に選ぶことが重要

※本記事は公開時点の情報になります。
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