「車がブルブルいうんです」の原因は失火。Ｎｏ３シリンダが圧縮不足でした。スズキ：パレットＳＷ｜車検・点検・修理のグーネットピット

「信号待ちとか特に揺れが酷いんです。走行はできるんですが・・」と点検のご依頼です。お車はスズキ：パレットＳＷ。エンジンはＫ６Ａのターボ車になります。
W様からのお話からだと、エンジンマウントか？と想像してました。が、症状確認でエンジン始動。アイドリングが落ち着くとエンジンはブルブル振れてます。不具合理由はエンジンの不調でした。
信号待ちで特に感じるのは、Ｄレンジで負荷が掛かってるから余計に～ですね。この感じ的に、エンジンの燃焼室、３気筒の内１つが休んでる感じです。
エアークリーナーボックスを取外し、簡易的なパワーバランス。スキャンツールで対応できる車種もありますが、原始的なイグニッションコイルを引っこ抜きで。
強制的に点火をカットするので、エンジンの具合が変わります。この変わり具合で、どれからの見当が付きます。今回はＮｏ３シリンダに変化がありませんでした。
リーク音（パチパチ）からすると、ＩＧコイルに問題は無い模様なので、スパークプラグか？、エンジン本体？か、インジェクターからの燃料？か・・・、当たりかと。

エンジン本体側は大丈夫？を確認するため、燃焼室の圧縮圧力を測定します。
スパークプラグを取り外すと、状態は良くありません。が、まずは圧縮です。
圧縮ゲージは、スパークプラグの取付穴に装着します。そしてクランキング（スターターモーターで）し、ゲージの上がりを見ます。動画でご紹介する為２人で行ってますが、ネジ山に取り付けてるので、一人でできます。
結果は、冒頭の画像。Ｎｏ３シリンダの測定値は２Ｋ弱でした。

Ｎｏ１と２は、１１Ｋ以上で良好です。
このゲージで８Ｋ以下だと、まともに燃焼（着火）しません。なので、この圧縮不足が失火の原因となります。点検の様子を一連で。
こちら↓↓

「走行は出来るんですが・・」については、ターボチャージャーの過給圧が、圧縮不足の補助的役割をしていたんでは？と予想。
W様へ結果をご報告。お見積りはエンジンの交換作業（中古、リビルト）でのご提案で。
年式や走行距離を考慮し、代替え案も検討となりました。
圧縮不足になる原因は多岐にわたります。バルブの沈みでクリアランス不足（突っ張り）や、バルブ傘割れ、ピストンの溶けや欠け、や、ピストンの溝にカーボン蓄積でリングの張り阻害、などなど。
メカニカル的な所で、普段のメンテでは防げない内容も、正直あります。
オーナーさんができる事としては、
定期的なエンジンオイル交換や、消耗部品の交換、と、アクセルを踏める時はキビキビと～を心掛けるだけでも、エンジンの調子を維持するには、大きい事と思います。