ハイエース　高速でブレーキ時　ブルブルする　ブレーキディスクローター交換｜車検・点検・修理のグーネットピット

時速でいうと８０㎞を越えたぐらいからのブレーキで車体がブルブルと震えてハンドルにも
振動が伝わる不具合です。
前ブレーキのディスクローターが熱で歪んでいる可能性が大きいのですが、
ブレーキペダルへのキックバックはあまり感じ無い状態です。

車種ごとで足廻りとブレーキの構造が異なるので一概に言えませんが、ディスクブレーキ
を使用している車種でローターに歪みが生じた場合に、ハンドルが小刻みに振れるのか
ブレーキペダルが小刻みに押し戻されるのかのどちらかの症状となります。

今回整備を行うハイエースですが、
走行距離も２０万㌔に近い事を考えて、現在ハブベアリングのガタ付きはありませんが、
同時に取替を行う事にさせて頂きました。
ディスクローターがハブの内側に取り付く方式の為、同時取替が今後の事
を考慮すると作業が重複し結果的に出費を抑える事に繋がるご提案です。
左右の取替とし作業に移ります。
ブレーキパーツを取り外します（画像は右前輪）

ハブごと車体からそっくり取り外します。
（画像は左前輪です）

ホイールハブ、ブレーキディスクローター、ハブベアリングの状態です。
ここから、ディスクローターを内側から止めているボルトを緩めて取り外します。

次にＡＢＳセンサ用のリングを取り外します。再使用するので丁寧に
プーラーを用いて引き抜きます。

交換する事にしている為、ハブベアリングを分解してみます。
ベアリングの状態は案の定でした。
グリースも油感が薄く、ベリングのローラーに熱で焼けた変色があります。
徐々に変質し硬度が低下する為、取替のタイミングとしては良かったと思われます。

ハブベアリングの外側に位置するインナーレースはがっちりと圧入されている為、
サンダーでギリギリまで薄く削りタガネなどで割って抜きます。

後は、折り返しの組付けになります。
プレスを使って、ハブにハブベアリングを圧入し、ＡＢＳリングも圧入
ブレーキディスクローターをボルトで取付けます。

ハブの締め付けなど、トルク締めにて組付けていきます。
特にベアリングを締め付けるハブナットは、締め具合が緩くても硬すぎてもベアリングの
寿命を縮ませる原因になります。

ほぼ１日掛かりの整備となりましたが、左右とも取替完了。
ハブの内側にブレーキローターが付く方式は手間も費用もかかりますが、考え
様によっては非常に堅牢な作りと言えます。
２ｔや４ｔ車クラスのトラックやバスも同様の方式で、制動する（止まる）場合の応力を
考えると、ナルホドと思います。