ショックアッパーマウントの劣化で異音。よっぽどの段差じゃないと発生しません。問診の大切さを再認識です。フォルクスワーゲン・ポロ｜車検・点検・修理のグーネットピット

「前から変なスゴイ音がするんです～」と点検ご依頼。お車はフォルクスワーゲン：ポロ。お恥ずかしながら、ご入庫頂くのは２回目で、原因の見当が全く付きませんでした。同乗にて試運転頂いても「今は全くしません」。が、「毎朝の出勤時は必ずなんです～それもスゴイ音・・」との事。
四柱リフトで、下廻りから揺すってみる等しても明確な箇所が？？。何かヒントにならないかと、詳しくお聞きしながら状況を整理すると、その音がでる状況は「踏切」でした。
ご自宅からすぐの場所で、一旦停止から線路を横切る時なのでしたね。
工場の近くに踏み切りはありません。ので、似たような段差スポット（私の中で）で再現のチャレンジ。道路にあるマンホールのクボミや、少々の段差を通過しても出ません。段差スポットも速度が３０㌔以上だと出ません。
では踏切通過を想像し、速度２０㌔以下で段差スポットを通過。すると「ドゴッ」・・って何だこの音～？が出ました。これはビックリします。何度か試して、ニュアンスがわかりました。

上の画像は作業中です。ワイパーアーム、カウルトップパネルを取り外した状態。
〇印部分が、フロントストラット（ショックアブソーバー）のアッパー部分で、ボンネットを開けただけでは、アッパー部分は直接目視できません。
リフトアップでタイヤを浮かせ、足を上下に動かすとアッパー部分に隙間が感じられます。スタビライザーが効いてるので、ケッコウな力を要しますが、人力と、走行中の応力は比べられない程の差があります。
車を着地状態から、リフトアップ（足廻りフリー）させた時の、アッパーマウントの上側ストッパ（皿）の動きを、簡単な動画でご紹介しています↓↓

ここに隙間が生じた場合、上下に動くと打撃音になるイメージが出来ますね。
ショックアブソーバーの減衰能力も、若干落ちてる感じがありました。ので、理想は足廻りパーツの丸っと取替がお勧めではあります。が、今回はご予算の関係もあり、「毎朝のドゴッ」が治れば～という事に。
作業は、フロントショックアブソーバーの、アッパーマウント廻りを取替です。

アッパーマウントのゴム潰れ具合は、比較すると差が明確です。
挟み込む構造なので、取付状態でのムッチリ感が必要なのですね。
試運転は、段差スポットで確認、ＯＫです。
経過観察頂いており１ケ月以上が経過しました。問題無い模様でホッとしています。
正直、今回は、
詳しく問診が出来なかったら、辿り着けませんでした。
毎朝・・といっても、寒いとかだけでなく、お住まいと道路状況まで、考慮が必要なのだと、再認識致しました。