ワゴンＲ　Ｄレンジに入れると異音　エンジン回転部干渉｜車検・点検・修理のグーネットピット

車が停車（エンジンは稼動してる）している時、Ｄレンジに入れると凄い音がする
２、３日前から急になったとの事

早速、音の感じを試してみるとスゴく金属が擦れる音が鳴り響きます。
Ｄレンジに入れた時だけで、Ｒレンジではなりません。
ボンネットを開けて、他の整備士さんと点検すると音の発生源がわかりました。
エアコンコンプレッサのプーリー回転部分と、ホーンが干渉しています。

エンジンはエンジンマウントというゴムの塊で車体と繋がっています。
車体に振動を伝えない様にする役割の他に、走行しようとする事で発生する捻りの
力に打ち勝つ仕事もしています。
Ｄレンジに入れるとエンジン上側が後ろ側へ傾斜し、エンジンマウントを軸にしてし下側が
前に出てくる動きをする為、エアコンプーリーとホーンが干渉していました。
よく見ると、ナンバープレートに変形があります。

バンパーに割れや正面から見た傷は無いのですが、ナンバーが曲がっている事から
ぶつかっている筈です。
お客様に確認すると、「雪の塊には少し当たった記憶はある」との事です。
目立っての外傷になっていないので気にしていなかったと。
まずはこの状況は良くないので、応急でも処置をします。
リフトアップして、エンジン右下のベルトカバーを取り外します。

エアコンコンプレッサ周辺を確認します。

ホーンを覆う形でベルトへの水分？を付着防止カバーなのか不明ですが、削れています。
こちらは取り外します。
ホーンステーはハンドパワーで曲げて、クリアランスを確保します。

次にエアコンコンプレッサ側のプーリーとベルトの状態も確認し、機能上は問題無い
ものと判断します。

カバー？たるものは再使用できない模様なので、取り外したままです。
不具合はベルトに水が付着して鳴きが発生する事位しか思い当たりませんので
お客様にご説明し、とりあえずは注文もしないことになりました。

エンジンの上側から確認すると、ホーンとエアコンコンプレッサの間にしっかりと隙間が出来ました。
Ｄレンジに入れても普通です。

樹脂バンパーの凄い所は、押されても戻る事です。この時期は特に雪や氷の塊に当たると
目立つ傷は出来ないですが、内部にダメージが出ている事があります。
今回は中央よりも右側をぶつけての件でしたが、左側はエアコンコンデンサやラジエターがあるので
もっと大きな損傷になっていたかもしれません。
この時期の雪の塊は硬いので、「雪だから大丈夫」ではありませんね。