オートバイの ハンドリングに 違和感。センターロックという症状でステムベアリングの交換です。｜車検・点検・修理のグーネットピット

「直線だとまだ感じずらいけど、コーナー入り口で、フロントの追従（セルフステア）が遅れてる？？気がする」オートバイのハンドリングに違和感です。
セルフステアとは、ブレーキで減速、から、コーナーに向けて車体を寝かせるアクションの際、速度と車体傾斜具合に応じ、自然に付くステアリング舵角です。
速度が遅いとそのスッが良くわかりやすいかと。
今回の場合は、その自然なスッが無く、・・・コックンといった、少し溜めのある動きで、何とも言えない気持ち悪いフィーリングでありました。
タイヤの空気圧やら、ケーブル、ホース類のモロモロをチェック。悪く無さそうです。
タイヤが着地状態ですとわかりずらいのですが、ハンドルをユックリ左右に動かすと、真ん中当たりで、僅かにヒッカカリを感じます。
症状と一連の状況動画がこちら↓↓
https://youtube.com/shorts/8aJlqOlFLAc
ステムに力を加えない状態（フロントスタンドでは無く）で、前輪を浮かせます。
エンジンスライダーが付いてましたので、その根本を利用します。リジッドラック（ウマ）の土台に、リヤ用レーシングスタンドフックを溶接した丸棒を使っております。
前輪が浮くと症状が良くわかります。ステアリングをゆっくり左右に動かすと、真ん中当たりでコッキンと。ステムシャフトにキャスター角度があるので、パーツの重さ（自重）で、センターに戻ろうとする力が発生。動画でご紹介していますが、見てても気持ち悪い感じですよね。（ちなみに、ガタ付は感じられません）
センターロックという症状になります。
ステムベアリング交換に向けて、ステム（通称：三つ又）を単体にします。
ハンドル廻り、フロントフォークなどなど、取外し。

ロアー（下）ベアリングのアウターレースに、打跡の様な凹みがポツポツと。（拡大画は冒頭で）
指でナゾルと、ポツポツはボール接触位置の模様。ボールには傷が確認できます。
原因はコレです。が、消耗品の部類ではあります。
ステアリングステムにハンドルセンター付近で加わる力は、車重の他、ウイリーやフロントアップ（前輪が浮く）着地、ブレーキング時の荷重とフォークの押さえ込みなど、かなり大きいです。
それに耐えながら、スムーズにステアリング操作も要求される、スゴイ仕事をしているベアリングなんですよね。
定期的なグリスアップを行う事や、ボールの位置をズラす事で、多少、回避できる可能性はありますが、今回のですと、難しいかも？ではあります。
取替は、
ベアリング２ケ（上下）と、シール２ケ、ステムナットも新調。簡易的ですが、ステムシャフトに曲がりが無いか？もチェックしておきます。
折り返しで、フロントフォークまで取り付いた所で確認。
ゆっくり左右に動かすと、スムーズっす！

組み戻しが完了し試運転。気持ちエエ～です。
コーナー入口の挙動は勿論グーです。し、直線を走ってる際の安定感も向上し、乗ってラクです。
オートバイは直進走行時、細かくハンドルが動いて、倒れない様に補正しています。その妨げにもなってたって事も感じれました。（疲れ具合に影響しますね）
今回の整備は、グレードアップでは無く、正常復帰した内容です。
オートバイの体感は、４輪に比べてダイレクトなので、メンテナンスって大事ですね。
余談ですが、
立ちゴケだけでも、ステムにダメージが残る事もあります。ハンドルがフルロック状態で地面に着地すると、力の逃げ場が無く、相当の衝撃が加わるそうです。
この症状を放置すると、走行中のジャダーを誘発する可能性が高くなります。ハンドルがブルブル震えて収集が付かなくなる現象で、４輪とは違って、オートバイの場合は危険度が高いです。
乗ってって、なにかアレ～？ハンドル取られやすいかも～？って気になった時は、ステムベアリングの点検も、行うべき所であります。