カーショップばんび 小鹿自動車(株)

作業実績
112件
レビュー
  • エンジン関連修理・整備
  • BMW 他 BMW

2024年11月22日 13:26BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

こんにちは!
今回はエンジン警告灯が点灯しラフアイドル&メーターにDS表示が出て変速タイミングが遅く、燃費が悪いミニの修理の様子をご案内します
こちらのお客様はSNSにて当社を検索、作業ご依頼をいただいたご新規様でございます
数ある工場より当社での作業ご依頼、まことにありがとうございます

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

こちらのお車、よそのお店でご購入された直後からこのような状態に・・・
で、販売店では修理対応不可と・・・保証もなしと・・・
あまりに悲惨な緊急入庫となっております
私の経験上、R系ミニが好きでお乗りになっているオーナー様方には大変申し訳ないのですが故障が多いことで有名な車です
SNSで故障事例を調べると結構出てきます
可愛い見た目と裏腹に金額的に可愛くない故障の仕方をしてくれるんです…
なので現状販売だとしても、せめて売る前に試運転するとか、故障診断機で前チェックしておくとか、現車の点検をしておいて
お車の状態をお客様にお伝えする
やれることはいくらでもあると思うんですけどね
そこまでお客様に対しての優しさはなかったようです
当社だったら、事前にチェック&整備でやっているんですけどね
だって、車って買う時がカーライフで1番テンション高いじゃないですか
そこがダダ下がりになるような売り方じゃ車屋としてそもそも地に足がついてないと思うんですよね
じゃあ当社はどうなの?と思う方は当社作業実績の究極納車整備の様子をぜひご覧くださいませ
とまあ、今回は故障診断および修理の様子の一部始終をメカニック視点のなるべくリアルタイムでご案内します

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

まずはエンジン警告灯の部分から
原因はこちらのラムダセンサーという、排気ガスの状態をチェックしている部品がエラーを出していることによります
排気ガスの状態がよくないということは、エンジンの燃焼がよくないということ
その原因を追究する必要があります
例えこのラムダセンサーだけを変えても、エンジンの燃焼が良くなければまた警告灯は点灯しますし、エンジンも不調です
また、交換したラムダセンサーが壊れる可能性もあります

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

原因その1
スパークプラグの不良
ミニのスパークプラグは交換目安4万km毎です
交換目安距離を大幅に超えています
状態から見ても、恐らく新車当時のものではないのかなと
スパークプラグが不良ですと、ガソリンへの点火が弱くなり燃焼が悪くなります
するとガソリンの燃え残りが発生するのでラムダセンサーが異常検知してエンジン警告灯が点灯する場合があります

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

原因その2
スパークプラグホールへのエンジンオイルの過度な漏れ
スパークプラグの取り付け部分は、タペットカバーというエンジンの蓋の役割を果たす部分の内側についており、そこからエンジンオイルが入らないようにゴムパッキンで守られています
このパッキンが経年劣化で役割を果たさなくなるとエンジンオイルが漏れてきます
すると漏れたエンジンオイルがスパークプラグの電極部に付着し、点火状態を悪くさせてしまいます
するとどうなるかというと、まあ前述したとおりですね!

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

そんなわけでゴムパッキン交換の為にタペットカバーを外します
タイミングチェーンテンショナは・・・恐らく新車当時のままかな?という汚れ具合
このチェーンテンショナですが、起因するトラブルがあります
年式が上がるにつれて対策部品になっていますので、できれば不具合が出る前に後期モデルのものに交換しておきたいところです
このチェーンテンショナがうまく働かなくなると、タイミングチェーンという部品の張りが保てなくなっていき、タイミングチェーンが伸びてきます
伸びきると、今度は遊んだチェーンが樹脂製タイミングチェーンガイドを破壊します
すると一気にコマずれし、タイミング不良によるエンジン不調に陥ってしまうのです
痛い出費になる前にできる対策はおすすめです

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

ひとまずエンジンの燃焼状態が健康に近づいたであろう状態で一度試運転してみます!
当初ラフアイドルでエンジン不調がはっきりわかりましたが、もう走りはスムーズ!
大丈夫かな?
とも思ったのですが、たまのアイドリング中に、ド・・・ドッ・・・とわずかにシートを伝って不整脈のような症状が出ているのに気付きました
再度の診断にて、スパークプラグの火付け役であるイグニッションコイルが1本、まもなく寿命ということが判明しました
交換時期を過ぎたスパークプラグは点火しづらいため、点火を頑張ろうとイグニッションコイルに負担がかかってしまい、寿命が極端に短くなるのです

定期的なメンテナンスを行っておけばこういう部品も延命できます
今回はお客様へ事情をお知らせし、不良箇所のコイルのみ追加にて交換となりました

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

原因その3?
いかんせんこの車のラムダセンサー
反応が敏感すぎます!
実は過去にエンジン警告灯絡みの対策プログラム書き換えのリコールがあったのですが、その後もエンジンのコンピュータの新しいバージョンがメーカーの方から出されています
この辺りの詳細な事情はメーカーさんやディーラーさんでないとわかりませんが、リコール時のプログラムに問題ないならバージョンを上げたプログラムを開発する理由がそもそもありません
ひょっとしたらラムダセンサーが異常検知までの閾値が広くなっていないかな?
と淡い希望を抱いてエンジンコンピュータのバージョンをアップしておきます

その後試運転にて、エンジン警告灯の再発がないこと
故障診断機データ確認においてラムダセンサーの数値に異常がないことを確認
アイドリングも不整脈はなくなり、調子が良いです!

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

エンジンの部分が終わりまして、続いてメーターがDS表示になり、いつまでも変速しない感じ
ギヤを引っ張っている感じだという故障の修理です
実はちょっと珍しい故障の仕方をしています
調べた限り国内で修理した実績を見つけられず
海外でも症例は出てきてますが本当にわずかで、決定的な情報はありませんでした
私も初めて遭遇するトラブルです

内部故障であればミッション警告灯がつくはずなのですが・・・
故障コードにあるEGSステップトロニック
つまりはシフトレバーのユニットです
DS表示になるパターンは2つ
一つはスポーツプログラムに入っていることを意味します
シフトレバーD位置から、更に左に押し倒すことでスポーツプログラムに入り、「マニュアル変速」モードになります

もう一つはスポーツモード
こちらのお車にはスポーツモードはついていません
スポーツモードはオプション品であり、スイッチを取り付けて車両プログラムを書き換え
スイッチをオンにするとスポーツモードに切り替わります
この場合、シフトはD位置のまま、変速タイミングが変わります

こちらのお車の不具合は、ただのD位置なのにメーターが時々DSになり、変速タイミングが急に変わってギクシャクしたり、変速タイミングが遅くなるというトラブル
偽スポーツモードになってますね…

EGSステップトロニック交換後試運転
メーター表示は本来のD表示なのですが…
ん!?故障診断機も眺めながらの運転だったのですが
故障コードが消せないし、なんなら違う故障コードが出てきました
なんかおかしいぞ

そこで複合的な故障も視野に入れてイチから点検
制御や回路などを確認し、現在の症状も加味して色々推察
結論として、どうもATのコントロールユニットへ向かう信号がなにかおかしいのでは?
オシロスコープという回路テスターをつないで電圧点検
ATコントロールユニットはやはり問題ないので
指示する側、つまり交換したEGS側に異常があるようです

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

粘り強く点検したところ、症状がおかしい時にアース側でノイズが発生している事が判明
脱着時にカプラの様子も確認済み
そうなるとあとはもう配線しか・・・

一旦フロアを全部外さないといけないだろうか
そう思いながら観察すると、センターコンソール取り付けステーと配線の隙間にほとんど余裕がない事に気が付きました…というか潰されてる??
わずかな違和感ですが、見ればすぐわかるはず!
ステーをいったん避けて、配線を覆うテープを剥がして原因判明
ATコントロールユニットのアース線が潰れて断線気味!

こういうのって、挟まった状態でかなり長い時間をかけて走行中の振動などで中身の銅線が擦り切れて断線するのです
よくDIYとかでナビを付けたけどナビ裏配線ぐちゃぐちゃって車はこういうのが原因で数年後に意味不明なトラブルが発生します

観察して、配線の純正取り回し状態がそもそも良くなく、配線自体も長さに余裕がないうえに経年劣化で被覆が硬化、そんな状態で走行中の振動やセンターコンソールドリンクホルダーに置いた飲み物の出し入れやシフトレバーの動きなんかでセンターコンソールが微妙に動くなどで狭いスペースで配線が擦れて断線する感じになるのかなと思われました
疑いを持って更に他の配線のテープを剥がすと・・・なんと5本も6本も色んな配線が断線気味で、被服が白く変色したり折れ曲がったりしてるではないですか!
とにかくそういう目に見えて怪しい線は補修しましたが・・・
絶対かなり前からおかしかったよねコレ
ちょっとこれは・・・狭いスペースに数十本と配線の数が非常に多く、ひょっとしたらテスターをかけながら地道に補修していかないとわからないような見落としもあるかも
またなんかトラブルが起きそうな予感です

一旦ここでお客様のご都合によりタイムアップ

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

さらにその後、やはりトラブルが発生
いったんお車をお返ししてますが、再度入庫
今度は時間があるので配線図等を確認しながら再度電圧等くまなく診断
やはり見落としがありましたね!
で、システム的にはマニュアル変速モードのギヤアップ、もしくはダウン信号がなんらかの理由で入力されることにより変速制御がDSになるのと同時に、シフトレバーそのものはマニュアル変速モードじゃない普通のDレンジにあるという矛盾があるためにEGSステップトロニックが異常を検知しているのではないか?という結論に至りました
EGSへのシフトアップ等を制御する配線はATのコントロールユニットまで全部で4本
そのうち、ATコントロールユニット21番からEGSへ伸びるUP DOWN信号ライン 灰/青
及び22番からEGSへ伸びるUP DOWN信号ライン 灰/白
この二本も電圧異常が出ていました
両ユニットカプラ間を配線バイパス修理をして、正常な電圧になったことを確認しました

にも関わらず、まだ故障コードは消えません
もう全ての配線も点検済み、電圧がおかしい配線は直して正常になっている
ステップトロニックも新品
ATコントロールユニットは問題なし
あと制御に関わるもの何ある!?

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

この辺りから更に色々点検したのですが、あまりに複雑すぎて多分理解できる人がいないので割愛します(笑)
で、いましたね、最後の原因
このシフト位置を知らせるLED基盤!
ただのインジケータだろうし、正常にシフト位置で光っていたので正直関係ないだろうとばかり思ってました
なんですが、間違いなくコイツが最後の犯人でした
このインジケータはEGSともつながっています
EGSとつながるユニットは、もうあとこのインジケータしかないということで、こちらをテストで入れ替えて故障コードが消えました
いやいや、これスイッチじゃないじゃん(笑)
なんなら故障発生時の診断フローチャートにすら出てきませんし、特殊な故障です

つまり、シフト周りのあらゆる配線がトラブルを起こした結果、シフト周りの各ユニットに内蔵されてる基盤がおかしくなって全滅状態というのが事の顛末だったようです
あまりに激しくDとDSが切り替わりすぎて、LEDインジケータ基盤の回路が時折不成立になる状態
光るのは正しく光るんですが、LEDなので12Vじゃなく6Vで点灯します
ここでの異常な電圧もEGSに入力されてしまうので、EGSユニットの異常検知と判断して故障コードが残ってしまう
ということです
配線トラブルが起きた場合、配線だけに留まらない可能性もある要注意トラブルでした

BMW R56 MINI ミニ エンジン 警告灯 点灯 メーター DS スポーツモード 誤作動 523A EGS 故障 診断 修理 リアルタイムトラブルシュートの様子です

これらの作業を全て終えて、トドメの試運転
エンジンの調子も良く、かつメーターにDSの表示もされることもなくなり変速も正常
AUTELのフォルトツリーもオールグリーンで現在お車のコンピュータが異常を検知するようなトラブルは今のところ全て解決したことになります
いやぁ!悩まされましたね!個人的には直ってスッキリしました(笑)

とはいえ、お車を見てみたところ交換しておきたい消耗品も出てきてますので、そちらもメンテナンスされていくことをおすすめいたします

このように、修理作業を行いながら不意にトラブルが発生するなど、一概にいつまでに必ず作業が終わると言い切れないケースもございますので、その際はご理解いただけるとありがたいですね!
こちらのお客様はとてもご理解のある方で、おかげで私としても助かった部分もございました
修理のご利用、まことにありがとうございました!

対象車両情報

メーカー・ブランドBMW車種他 BMW
型式その他

参考になったらイイね!とシェア!

店舗情報

カーショップばんび 小鹿自動車(株)
認証工場:1-7183号

カーショップばんび 小鹿自動車(株)は弘前市にある整備工場です。お気軽にお問い合わせください!

作業実績:
112件
レビュー:
13件
  • ★
  • ★
  • ★
  • ★
  • ★
  • 4.99
営業時間
火水木金土日 9:00~18:00
定休日
月曜日
住所
〒036-8062 青森県弘前市青山1-10-5
アクセス
撫牛子駅より車で7分です。
1級整備士
1人
2級整備士
1人
創業年
平成 22(2010)年
  • 無料電話お気軽にお電話下さい!
    0078-6058-5838
  • 無料でお問合せ・お見積り

カーショップばんび 小鹿自動車(株)

認証工場:1-7183号

カーショップばんび 小鹿自動車(株)は弘前市にある整備工場です。お気軽にお問い合わせください!

レビュー
  • ★
  • ★
  • ★
  • ★
  • ★
  • 4.99
作業実績
112
営業時間
火水木金土日 9:00~18:00
定休日
月曜日

住所
〒036-8062
青森県弘前市青山1-10-5
無料電話
0078-6058-5838

この店舗の新着作業実績

この店舗の作業実績を検索

車種

メニュー

この店舗の新着レビュー

スケジュールにあわせてかんたんネット予約