新車試乗レポート
更新日:2022.03.16 / 掲載日:2022.02.17
新型アルト 試乗インプレッション
昨年末に発表された9代目となる軽セダンの新型アルト。マイルドハイブリッドシステムの採用やスズキセーフティサポートの全車標準装備が特徴だ。そんな「アルトちゃん」の試乗インプレッションをまるも亜希子さんがお届けします。
●文:まるも亜希子 ●写真:奥隅圭之

SUZUKI 新型 アルト
●価格帯:94万3800〜137万9400円
●販売店:SUZUKI全店
●問い合わせ先:0120-402-253

剛性感が高まった進化したハンドリング。あらゆるシチュエーションでリラックスして運転できる!
ターボ車!? と思うほど、
どんな領域でもパワフルな走り
経済性と実用性を徹底的に磨くという、軽自動車本来の魅力を追求して1979年に誕生したアルト。40年以上が経過し、軽の売れ筋がハイトワゴンやスライドドア車に移り変わる中、新型アルトは今一度、原点に戻って「毎日乗りたくなる」軽を目指したという。デザインはガラリと変身した先代のイメージを踏襲しつつ、やや丸みを帯びて愛着の沸く印象に。ツートーンなど、新色2色を含む計12パターンのカラーも用意する。
そして大きく進化したのが、アルト初のマイルドハイブリッド搭載。減速時のエネルギーを利用して発電し、充電した電力で加速時にアシストすることで、軽快な走りと低燃費を両立。WLTCモードで27.7㎞/ℓを達成した。エネチャージ搭載グレードもあり、燃費はWLTCモード25.2㎞/ℓとなっている。また、デュアルカメラブレーキサポートや前後の誤発進抑制機能をはじめとする、8つの先進安全装備を全車に標準装備。標識認識機能、全方位モニター用カメラ、ヘッドアップディスプレイもオプションで設定され、高額なナビを買わなくてもディスプレイオーディオでバックカメラが使えるようになっている。
運転席に座ってみると、まず感じるのはたっぷりとゆとりのある頭上空間。Aピラーの傾斜がゆるくなったデザインの効果もあり、左右の視界が開けて見晴らしの良さを実感。ドア開口部も20㎜拡大し、乗り降りがしやすくなっている。後席も頭上にスペースがたっぷりあり、大人2人が並んで腰掛けてもリラックスできると感じた。収納では、紙パック飲料も置けるドリンクホルダーや、サッと出し入れしやすいインパネトレイ、USBで充電したままスマホを置くのに便利なポケットなど、使いやすさ抜群。荷室も後席を倒さなくても日常の買い物程度なら十分。後席を倒せば奥行きが1225㎜に広がり、大きな荷物もOK。
そして走り出すと、出足から元気でパワフル。まるでターボがついているのかと思うほど、低速から高速域まで余裕がある。また、カーブや交差点でもグラリとしない剛性感、安定感がアップし、高速道路で車線変更をした際などもガッシリとした感覚があり、ノイズは少々大きめな場面があるものの、常にリラックスして運転できることにも感心。これは、新プラットフォーム「ハーテクト」の第一弾だった先代から、他モデルで培ったノウハウをフィードバックして、この新型アルトで2巡目に入った効果もあるのだと開発者談。まさに、身近で頼れるベーシック軽のエリートが新型アルトだ。



















主要諸元&装備
HYBRID X(FF)主要諸元
全長×全幅×全高:3395×1475×1525㎜、ホイールベース:2460㎜、車両重量:710㎏、パワートレーン:657㏄直3DOHCマイルドハイブリッド(49PS/5.9㎏・m)+モーター(1.9kW/40Nm)、WLTCモード燃費:27.7㎞/ℓ、乗車定員:4名、サスペンション前/後:マクファーソンストラット/トーションビーム式、ブレーキ前/後:ディスク/リーディング・トレーリング、タイヤサイズ:155/65R14
HYBRID X(FF)主要装備
デュアルカメラブレーキサポート、誤発進抑制機能、後退時ブレーキサポート、後方誤発進抑制機能、リヤパーキングセンサー、車線逸脱警報、LEDヘッドランプ、マイルドハイブリッド、キーレスプッシュスタートシステム、フルオートエアコン、USB電源ソケット、メッキフロントバンパーガーニッシュ、14インチアルミホイール、自発光メーター、マルチインフォメーションディスプレイほか
ボディカラー バリエーション
※2トーンはHYBRID X、HYBRID S、Lアップグレードパッケージ装着車に設定。











