新車試乗レポート
更新日:2018.11.06 / 掲載日:2018.10.27
AUDI A8 試乗インプレッション
アウディセダンの旗艦モデルとして君臨するA8。10月に発売開始されたばかりの第4世代モデルの走りは? 8年ぶりにフルモデルチェンジしたA7スポーツバックと合わせて試乗した。
●文:川島茂夫 ●写真:土屋幸一
AUDI A8[モデルチェンジ]
AUDIA8[モデルチェンジ]
●発売日:’18年10月15日
●価格:1140万~1640万円
●輸入元:アウディ・ジャパン
●問い合わせ先:0120-598-106
主要諸元(A8 55TFSI quattro)
●全長×全幅×全高(mm):5170×1945×1470●ホイールベース(mm):3000●車両重量(kg):2040●駆動方式:4WD●パワートレーン:2994ccV6DOHCターボ(340PS/51.0kg・m)●トランスミッション:8AT●JC08モード燃費(km/L):10.5●燃料タンク容量(L):82[プレミアム]●最小回転半径(m):5.8●タイヤサイズ:255/45R19●価格:1140万円 ※オプションを含まず
フラッグシップの名に恥じない上質なツーリング性能
アウディのセダンラインナップの頂点モデルであり、VIPカー用途にも供されるモデルだが、同時にアウディの先進技術とクワトロ(4WD)技術を象徴するモデルでもある。
落ち着きある雰囲気で寛いだ居住空間など最上級セダンに相応なインテリア。試乗車は標準ボディだが、ロングキャビン仕様も設定されている。後席で過ごせばVIP気分も上々だが、それに負けずに魅力的なのがドライバーシートである。
サイズと重量を感じさせるどっしりとしたフットワークは沈み込みを抑えたチューニング。操舵追従のいいラインコントロール性は高速はもちろん、山岳路でもクワトロの見所のひとつ。付け加えるなら方向安定性を優先した特性が、FFから発展したアウディらしさでもある。大トルクと8速ATは静かな走りも一気呵成の加速も得意。上質なツーリング性能をドライバーに提供してくれる。
先進安全&運転支援機能の充実も見所だが、車線維持支援自動操舵など運転支援機能の解除をコントロールパネルで行うなど、運転支援機能オンを標準状態とするのも自動運転化に対するアウディの意気込みが感じられた。
全長5170mmのボディながら、アルミニウムやカーボンファイバーなどの軽量素材を組み合わせ、車重は2040kgにとどまっている。ルーフラインからリヤエンドまでのシルエットはクーペを彷彿とさせる。ロングキャビン仕様のA8Lは全長、ホイールベースともに130mm長くなる。
キャビン空間の余裕を感じさせる水平基調のインパネ。操作系はボタンではなく、タッチ式のスクリーンを上下2面に採用し、洗練されたデザイン。
量産車として世界初の搭載となるレーザースキャナーをはじめ、最大23ものセンサー類を装備。
前後席ともにゆったりとくつろげる広々としたキャビン。フロントシートは電動調整機能とメモリー機能付。
AUDI A7 スポーツバック [モデルチェンジ]
●発売日:’18年9月6日●価格:988万~1066万円
主要諸元(A7スポーツバック)
●パワートレーン:2994ccV6DOHCターボ(340PS/51.0kg・m)
AWSが優れたハンドリングを発揮する
VIPカー用途も見据えたセダンの王道を歩むA8に対してドライバー視点の魅力に重点を置いたモデルが同車である。パワートレーンやAWS(後輪操舵システム)など試乗したA8と共通のスペックも多いが、ドライブフィールに打てば響くような感覚を与えている。ただし、高速域での安心感と御しやすさを主とするアウディらしさはそのまま。ちなみにAWSは操舵初期から定常円旋回の挙動の繋がりのよさを主眼とし、サイズや重量を感じさせないラインコントロール性を実現。同乗者にも伝わる安心感が何よりである。
ファストバックスタイルながらロングキャビンプロポーションで後席の居住性や荷室容量も悪くない。このサイズがあればこそとも言えるが、プレミアムセダンからの乗り換えでも不便はない。ある時はラグジュアリークーペの如く、またある時はプレミアムセダンの如く楽しめるモデルである。
提供元:月刊自家用車