新車試乗レポート
更新日:2018.11.26 / 掲載日:2018.08.27

【試乗レポート・日産】日産は技術の力でクルマをもっと便利で安全で楽しくする

文と写真●ユニット・コンパス

 家族連れで賑わう夏のテーマパークにずらりと並んだ日産の最新モデル。子供達は水遊びに夢中だが、集まったプレスはずらりと並んだクルマに目を輝かせている。マーチからGT-Rまで選び放題。ある意味クルマ好きにはテーマパークのような状況だ。
 日産が主催したプレス向けの試乗イベントは、ほんの僅かずつの時間ではあるが日産車の現行モデルのなかから好きなクルマを試乗し、その体験を通じて現在日産が取り組んでいる「ニッサン インテリジェント モビリティ」を肌で感じてもらおうというというのがその主旨だという。

 レポーターが乗ることができたのは、「リーフ」、「ニューモビリティコンセプト」、「デイズ ルークス」、そしてノートシリーズの「ノート e-POWER AUTECH SPORTS SPEC」。さらに、自動ブレーキ機能である「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」と駐車時のハンドル操作をアシストする「プロパイロット パーキング」をそれぞれ体験するプログラムも用意されていた。

技術によるクルマの進化、それを象徴するのがリーフだ

リーフ

 イベントのテーマとなっている「ニッサン インテリジェント モビリティ」とは、技術の進化によってクルマを未来に導くという取り組み。
 これらは、自信を持てるドライビングにつながる「Intelligent (インテリジェント ドライビング)」、走りの気持ちよさを高める「Intelligent (インテリジェント パワー)」、繋がる便利さを提供する「Intelligent Integration(インテリジェント インテグレーション)」という3本の柱で成り立っている。
 これらがいまの日産車に共通するコンセプトでもある。

 最初に試乗した新型リーフは最新の電気自動車ということもあり、まさに「ニッサン インテリジェント モビリティ」を象徴する存在となる。
 ただ単にエンジンがモーターに置き換わっただけでなく、アクセルペダルの踏み加減だけで発進から完全停止まで(もちろん車速や状況にはよるものの)ワンペダルで行えてしまうというのは、従来のクルマではありえない新しい体験だ。
 新型リーフを試乗するのはこれで3回目だが、慣れてくるとワンペダルでスイスイと街中を走れるようになるし、あらゆるシーンでエンジン音がないという静粛性の高さ、そしてモーターならではの加速感は、クルマとして非常に魅力的であることを再確認した。ユーザーの生活パターンにフィットするのであれば新型リーフは「いま買える電気自動車」のなかでトップクラスに魅力的だろう。
 また、後述する「プロパイロット パーキング」といった、先進技術を装備しているという意味で、ただ電気自動車というだけでなく、「クルマが進化している」ことを強く感じさせてくれるというのもリーフという存在だ。

カーシェアリングが発達すれば我々の移動はもっと自由になる

 続いて試乗したのは、「ニューモビリティコンセプト」。これは国が提唱している「超小型モビリティ」の要件を満たして開発された、クルマよりもコンパクトで小まわりが効く2人乗りの車両だ。動力はバッテリーとモーターで、つまり電気自動車であり、環境にやさしい地域の手軽な移動手段として企画された。
 「ニューモビリティコンセプト」は、現在横浜市とのコラボレーションとして、「チョイモビヨコハマ」と名付けられたラウンドトリップ型カーシェアリングの実証実験に使われている。Webを通じて登録しておけば、運転免許証を車両にタッチすることで利用可能になる。料金は1日最大3000円で、市内には専用の無料駐車場も用意されている。観光都市でもある横浜市ならではのサービスだ。
 最高速度は約80km/hとのことだが、あいにく今回の試乗はドイツ村の敷地内に限られており、最高速度も20km/hに制限されていたため、走りについてのコメントは難しいが、「歩くにはちょっと」という距離を移動する手段として、このような超小型モビリティが気軽に利用できるようになれば便利だろう。近年注目を集めている「MaaS(マース)」のような移動サービスに活用されることが期待される。

デイズルークスの安全性能が進化

デイズルークス

 2018年5月に改良を受けた「デイズルークス」にも試乗した。変更のハイライトになるのが、自動ブレーキ機能の強化。従来のレーザーレーダー方式からカメラ方式に変更。これによって、車両に対しては約10km/hから80km/hの範囲で、歩行者についても約10km/hから60km/hの車速域でシステムが作動するようになった。また、「踏み間違い衝突防止アシスト機能」もカメラ式になったことで、歩行者を検知できるようになっている。さらに、前進だけでなく後退時の障害物を検知する機能も追加された。
 乗った印象としては、新世代になったライバルに対して基礎設計の古さを感じざるを得なかったが、スーパーハイトワゴン系の軽自動車は、生活の道具として老若男女問わず多くのユーザーから人気のジャンルだけに、安全性能のレベルアップには拍手を送りたい。

想像以上に刺激的だったオーテック仕様のノートeパワー

ノート e-POWER AUTECH SPORTS SPEC

「ノート e-POWER AUTECH SPORTS SPEC」は、なかなか印象的なクルマだった。
 こちらはノートeパワーをベースに、オーテックが内外装と走りを磨き上げたプレミアムスポーツモデルという位置付け。試乗車のボディカラーは、オーテック専用色であるオーロラフレアブルーパールで、深みのある色合いはなかなかに魅力的。それに加え、イメージカラーであるブルーがボディ各所に取り入れられている。

 オーテックがこのクルマで目指したのは、スポーティな走りとゆるぎない走行安定性の両立。そのためにボディには補強が加えられ、サスペンションやホイールも専用品だ。

 ブルーがあしらわれたコックピットに収まり、発進しようとして驚いた。スッとアクセルを踏んだだけなのに想像以上に出足が速い。資料を見返すとコンピュータープログラムも専用で、俊敏なレスポンスと加速感を実現しているという。シックな見た目に反してこのチューニングは結構過激だ。もともとのノートeパワーもモーターならではのスムーズかつ伸びやかな加速を見せるが、オーテック版のそれはスムーズさはそのままに、まるで早まわしのように速度が上がっていく。足腰がしっかりしていているため不安はまったくないが、メーカーが提供する世界観として若干ハード過ぎる印象を覚えたのは事実だ。これだけ高い性能が実現できるのであれば、日常的なスピード域ではもっと大人っぽい振る舞いに躾けてくれたほうが、大人のスポーツモデルとして魅力が増すように思えた。逆に言えば、それくらい加速感は鮮烈だ。

実用的なスピードと使い勝手を実現したリーフの自動駐車機能

ボタンを押し続けるだけで、自動的に駐車する「プロパイロット パーキング」

 技術が進化することでクルマが楽しく、便利で、ワクワクするものになるという「ニッサン インテリジェント モビリティ」。ある意味でそれをもっともわかりやすく示すプログラムだったのが、指一本で駐車ができる「プロパイロット パーキング」だったのかもしれない。
 駐車をサポートする機能は各社から登場しているが、この手の装備はどうしても準備や作動に時間と手間がかかり、「これなら自分でやるよ」と感じさせてしまうものが多かった。ところがリーフの「プロパイロット パーキング」は、わずか3ステップと操作が簡単なだけでなく、操作開始から終了までの時間が比較的短く、駐車方法も、縦列、並列、頭からと多彩。4つのカメラと12個のソナーの情報から車両周囲の情報を検知し、アクセル、ブレーキ、ステアリングに加えシフトの切り替えまでも自動で行う。終了時には自動的に「P」に入り、パーキングブレーキまでかけてくれる親切さだ。
 「プロパイロット パーキング」は、車両システムが高度に電動化されたリーフならではの機能ではあるが、今後はもっと広い車種にこの機能が普及していくのだろう。このように、人間が苦手とすることをクルマがサポートしてくれれば、イライラや不安からドライバーは解放され、運転がもっと楽しくなる。もちろん、事故はいまよりもずっと少なくなる。

  • フロントグリルエンブレムにカメラが組み込まれている

  • ドアミラー下部に埋め込まれたカメラ。これら画像を合成、画像認識技術によって状況判断を行なっている

技術の進化によって、未来的な技術が現実のものに

 ここ数年でクルマは飛躍的に進化した。とくに自動ブレーキや自動駐車システムといった、20年前には遠い未来の話だと思われていた技術が、一部の特別なクルマにではなく、我々一般ユーザーにも手が届くものとして用意されるようになったのは本当に素晴らしいことだ。
 新しい技術によって、クルマはもっと面白く、使いやすく、安全なものに進化する。日産が言いたいことは、きっとそういうことなのだろう。

日産 リーフのカタログ情報はこちら

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グーネットマガジン編集部

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