新車試乗レポート
更新日:2020.04.23 / 掲載日:2018.07.26

MAZDA アテンザ 試乗インプレッション

●文:川島茂夫●写真:奥隅圭之

マツダのフラッグシップモデルであるアテンザが、フルモデルチェンジに匹敵するほどのマイナーチェンジを行った。シャシーやボディ、エンジンまで全域でレベルアップされた新型アテンザセダン、ワゴンの走りを公道で試乗した。マツダが送り出す最新の旗艦モデルの走りはどう進化したのか?

icon アテンザセダン

●発売日:6月21日●価格帯:282万9600~419万400円●販売店:マツダ全店●問い合わせ先:0120-386919

主要諸元(25SLPackage)
●全長×全幅×全高(mm):4865×1840×1450●ホイールベース(mm):2830●車両重量(kg):1540●駆動方式:FF●パワートレーン:2488cc直4DOHC(190PS/25.7kg・m)●トランスミッション:6AT●WLTCモード燃費(km/L):14.2●燃料タンク容量(L):62[レギュラー]●最小回転半径(m):5.6

パワートレーンは最新仕様にバージョンアップ


 国内展開するマツダ車のフラッグシップとなるモデルがアテンザだが、同時に「魂動デザイン」の象徴的な存在でもある。このMCはそういったアテンザの位置付けに則したものだ。
 まず内外装のプレミアム感の向上だ。基本造形を大きく変更しないで風格を高めているのが印象的だ。スタイル優先で後席の頭上圧迫感や乗降時の頭抜けなど実用面のセダン・セオリーからやや外れた部分は見受けられるが、抑え気味にしたアクセントや素材感の演出が大人っぽい落ち着きと良質な印象を高めてた。
 走行性能面では従来からラインナップしていた全パワートレーンに改良を加えている。いずれも他モデルですでに導入されているが、アテンザも最新仕様にバージョンアップされたわけだ。
 試乗モデルはガソリン2・5Lとディーゼルの2車。ディーゼル車は出力/トルクの向上の他にアクセル操作に対するトルク特性を見直しが図られている。浅いアクセル開度での余力感は相変わらずだが、踏み込み時のトルク追従がよく加速感が伸びやかになっている。ドライブフィールがガソリン車的になったとも言える。
 ガソリン車は大改良である。低負荷巡航中の燃費向上を狙い気筒休止機構が導入された。2~4気筒の切り換えに違和感がないか気になる部分だが、状況的には小まめに切り換えているはずなのに、神経を尖らせて違和感を探っても、どこで切り替わったかは不明。
 動力性能全般では従来と大きく印象は変わらない。踏み込み直後のトルク感が多少高まり、回転を抑え気味にしたATの変速制御もあり、力感は高まっているが、穏やかかつ伸びやかなドライブフィールが見所である。
 フレームの強化などシャシーにも改良が加えられたが、最近のマツダが目指す走りを基準にすると、ちょっと古臭い感もある。GVCや操安の方向性は自然体の運転で綺麗に走る、言わば無意識の心地よさ。もちろん、アテンザも同志向で改良が加えられているが、マツダ車相対では操舵初期の反応の鋭さや細かな挙動の揺れ残りなど、以前の操る手応えを求めていた頃の名残が感じられる。
 安全&運転支援も最新仕様に変更され、内外装や走行性能など全体をアップデートしてる。ただ、いずれの改良も新たな魅力を加えるというタイプではなく、大まかには従来からのアテンザの魅力あるいは適応用途やターゲットユーザー層は変わっていない。大人っぽい洒落た雰囲気と距離を感じさせない走りが変わらぬ魅力である。

  • “MatureElegance”を称するしっとりとした美しさを狙ったイメージ。新型は前後バンパーまわりを形状変更し、より落ち着いた雰囲気を高めている。

  • 左右への広がりを感じさせるデザインはそのままに、トリムに新素材を配し、さらに送風口やコンソールまわりの形状変更など、細かな改良が加わった。

  • フロントシートにベンチレーションシステムを採用。シートと体の広範囲で、不快な熱や湿度を取り除き、暑い季節に快適な運転環境を提供する。

  • 190PS/25.7kg・mを発揮する2.5Lガソリンエンジンは、低負荷時に2気筒をストップさせる、気筒休止システムを追加した。

  • マイナーチェンジによって、17/19インチアルミホイールもより大口径感のあるデザインに変わり、引き締まった足元が大人っぽい質感を高めている。

先進安全・運転支援

安全支援システムの充実も抜かりはなく、夜間歩行者認知機能に対応したことをはじめ、最新のi-ACTIVSENSEが採用された。

icon アテンザワゴン

  • アテンザワゴンのエクステリアも前後バンパー形状の変更を中心とするブラッシュアップを実施した。

定員乗車時で506L、最大で1648Lの容量を確保。リヤシートの背もたれはリモコンレバーでリヤゲート側から簡単に倒せる。




提供元:月刊自家用車



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グーネットマガジン編集部

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