新車試乗レポート
更新日:2018.10.19 / 掲載日:2018.02.24
新型レジェンド雪上大運動会

レジェンドが2月10日にマイナーチェンジを実施し、よりアグレッシブにそしてエレガントに進化した。また、注目の3モータースポーツハイブリッドの走りも大幅向上。今回は北海道・鷹栖にある本田技術研究所のテストコースでその魅力を一足早く体感することができた。
レジェンドに搭載されるパワートレーンは、駆動力配分による運動性向上、トルクベクタリングのために開発されたハイブリッドシステムでスポーツハイブリッドSH-AWDと呼ばれる。拡大解釈すれば如何様にも操縦特性を作れるシステムである。今回の試乗ではマイナーチェンジ前後のモデルを乗り比べたが、性能向上というより操縦性の考え方の変化のほうが強く印象に残った。
オンロードでは際立つ切れのよさを示す旧型も雪上では滑って反応し切れず、遅れて大きく方向を変える。同様の状況で新型は操舵初期から素直に回頭し、回頭量も操舵量と一致する。オーバーステアに移行した時の振り出し量が大きくなる分だけ、旧型はグリップ回復にも時間が掛かり、重い車重を痛感させられるが、新型はスリップしてもコーナリングラインに応じた方向性を維持し、減速によりグリップを取り戻すのを待てばよく、回復するのも早い。サイズや車重を旧型ほど意識しないで済む。
旧型よりも長いストロークをゆったり使うサスチューニングにより乗り心地もかなり改善されている。一般路面でのファントゥドライブ評価は分からないが、自然体で馴染みのいい操安性や乗り心地の改善を見る限り、正統派高性能高級セダンの魅力は高まっている。
レジェンドはマイナーチェンジでフロントはグリルやバンパーを一新し、よりロー&ワイドで力強い印象となった。
リヤはツインフィニッシャーの採用で、スポーティな走りを予感させる。
インパネはシルバー加飾を変更するとともに、内装カラーを追加した。
3モータースポーツハイブリッドシステム SPORT HYBRID SH-AWDとは?

レジェンドおよびNSXにも搭載されるホンダ自慢の技術。フロントにエンジンと1基のモーター。リヤには、左右の後輪を別々に駆動できる2基のモーターを搭載。走行状況・路面状況に応じて、四輪駆動/前輪駆動/後輪駆動などの駆動方式をシームレスに切り替え、各輪から発生する駆動力の大小も自在に、瞬時に制御する。これにより雪道はもちろん、様々な場面で走行安定性や旋回性能の向上に寄与する革新的な駆動システムだ。
●発売(最新改良)日:’14年11月10日(’18年2月10日)
●価格:707万4000円(税込)
■レジェンド主要諸元(ハイブリッドEX)
●全長×全幅×全高(mm): 5030×1890×1480
●ホイールベース(mm):2850
●車両重量(kg):1990
●駆動方式:4WD
●パワートレーン:3471ccV6SOHC(314PS/37.8kg・m)+モーター(前35kW/148N・m 後37kW/73N・m)
●トランスミッション:7AMT
●JC08モード燃費(km/L):16.4
●燃料タンク(L):57(プレミアム)
●最小回転半径(m):6.0
●タイヤサイズ:245/40R19
●価格:707万4000円(OP含まず)