新車試乗レポート
更新日:2018.11.14 / 掲載日:2013.03.21

ランドローバー レンジローバー 試乗レポート(2013年03月)

ランドローバー レンジローバー

新型レンジローバーが日本にもついに導入された。デザイン面の進化もさることながら、今回の目玉はSUV初となるアルミモノコックボディ。これにより燃費、走りなど全方位的な進化を遂げている。

アルミテクノロジーを駆使し進化を遂げたSUVの王様

 レンジローバーがフルモデルチェンジした。特徴は精悍なマスク。ヘッドライトは流行のLEDランプでかなりイマドキ感を醸し出す・・・。なんてのは、序の口。じつはこのクルマ、目に見えないところがすごいことになっている。

 目に見えないところとはフレームのこと。人体で言う骨の部分。いわゆる基本骨格だ。それがなんと新型はSUV初となるアルミニウム製モノコック構造を採用した。これまでもボディパネルにアルミを多用してきたレンジローバーではあるが、今回は中身からオールアルミとなった。

 その恩恵は、いわずもがなボディ剛性のアップと軽量化。コーナーリング時に発生するねじれ剛性をアップすると同時に、従来のスチール製モノコックフレームよりも180kg軽くした。大人ひとり60kg換算で考えると、これまではひとりで乗っていてもプラス3人乗っていたこととなる。もっといえば、その他装備関係も手が入ったことで完成車を従来モデルと比較すると300kg以上軽くなったとか。もはやその差は歴然かと思われる・・・。

 彼らがこうしたアルミ骨格に成功したのは、ほかならぬジャガーのノウハウが関係する。ご存知のようにフラッグシップのXJシリーズは2003年からオールアルミフレームを採用してきた。よってサプライヤーは同じ。長年共同研究してきた結果生まれた新しいアルミ合金シートが各部に使われる。これはアルミのなかでもより軽い素材となるそうだ。また、成形技術の向上で接合部数を削減しているのも、軽量化に役立つらしい。

 なんて話はともかく、かなり凝って造られている。簡単に言うと、お金がかかっているということだ。

ランドローバー レンジローバー

 パワートレーンは5L V8とそれにスーパーチャージャーを搭載したふたつが用意される。ギヤボックスがZF製の6速から8速ATにスイッチした以外ここでのニュースはない。スーパーチャージドされた510馬力は健在。いやいや、軽量化されたことでパワーウエイトレシオはグッと上がり、走りはさらに磨きがかかった。

 具体的には出だしが違う。これまでは大きなエンジンが大きなボディを動かすという感じで、アクセルオンに対しボンネットを持ち上げて走り出した。が、新型はスッと前へ出る。それはジャガーXJに代表されるラグジュアリーサルーン的。もっさりした感覚は微塵もない。

 また、その感覚をさらに際立たせるのがクルマのあらゆる挙動。コーナリングでは外側のサスペンションが沈み込まず、強めのブレーキでも前がダイブすることはない。電子制御されたエアサスペンションがしっかりクルマを水平方向に保ってくれる。コレはかなり感動もんだ。

 このほかでは、走行中の静粛性が目に見えて高まった。もちろん、これまでもほかのSUVを圧倒していたが、今回はそれを上まわる。どうやらコンピューターによる徹底的な解析で、低周波のうねり音を抑制したらしい。サスペンションを通じてキャビンに侵入するロードロイズを極力抑え込んだのだ。

 室内での醍醐味はインパネの意匠。従来よりもスイッチ類を半減させた。操作系をモニター内にまとめ、デザインの自由度を高めた。

 といった内容の新型レンジ。乗ればなるほど、たちどころにそのすごさがわかる。まさに王者の風格。そもそもプライスの高いクルマであることは十分承知だが、これで採算とれるのか?と思えるほど開発費がかかっている。

文●九島辰也 写真●GooWORLD
問い合わせ ランドローバーコール 0120-18-5568

Detail Check

ランドローバー レンジローバー(エクステリア)

  • ランドローバー レンジローバー(ヘッドライト)

  • 最近流行のLEDライトをヘッドライトユニットに内蔵する。日没後違った顔を見せるのがたまらない。妖艶な趣さえ感じる。

  • コックピット

    ランドローバー レンジローバー(コックピット)

  • コックピット

    従来型に比べスイッチを半減させたインパネまわり。センターのモニターで操作するものが増えた。これはインパネのデザイン性をより高めるための工夫。ドライブセレクター、テレインレスポンスの操作はセンターコンソールで行なう。

  • インテリア

    ランドローバー レンジローバー(インテリア)

  • インテリア

    ルーフ高を20mm下げながら座面を上げてコマンドポジションをキープしたキャビン。ボディサイズが極端に大きくされたわけではないが、レッグスペースやニースペースなども広がった。

  • ラゲッジスペース

    ランドローバー レンジローバー(ラゲッジスペース)

  • ラゲッジスペース

    カーゴスペースも抜かりはない。フラットでスクエアな空間がそこにある。リヤシートを倒せばさらに使い勝手は向上する。

  • エンジン

    ランドローバー レンジローバー(エンジン)

  • エンジン

    パワートレーンはキャリーオーバーだが、トランスミッションを6速から8速ATにすることで静粛性と省燃費を稼いだ。

主要諸元:ランドローバー レンジローバー 5.0V8 スーパーチャージド ヴォーグ(8速AT)

全長×全幅×全高5005×1985×1865mm
ホイールベース2920mm
トレッド前/後1690/1685mm
車両重量2520kg
エンジンV8DOHCスーパーチャージャー
総排気量4999cc
最高出力510ps/6500rpm
最大トルク63.8kg m/2500rpm
サスペンション前/後ストラット/ダブルウィッシュボーン
ブレーキ前後Vディスク
タイヤサイズ前後275/45R21

全国メーカー希望小売価格(発表・発売 2013年1月・2013年3月)

レンジローバー 5.0V8 ヴォーグ(8速AT)1230万円
レンジローバー 5.0V8 スーパーチャージド ヴォーグ(8速AT)1490万円
レンジローバー オートバイオグラフィ(8速AT)1670万円

Body Color

 □フジ・ホワイト パルティック・ブルー シベリアン・シルバー バロッサ
 エイントリー・グリーン マリアナ・ブラック ルクソール ナラ・ブロンズ
 フィレンツェ・レッド ハバナ ※ほか5色

オフロード性能もしっかり向上させた!

ランドローバー レンジローバー

 今度の水深は900mmとなった。これまでより+200mm深い川を渡れる。そのためサイドにあったエアベントはデザインを残しながらその機能をエンジンルーム内へ移動した。このこだわりもまたすごい。まぁ、実際に川を渡ることはないだろうが、昨今のゲリラ豪雨でその恩恵は得られるかもしれない。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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