新車試乗レポート
更新日:2018.11.28 / 掲載日:2008.12.12
スズキ ワゴンR 試乗レポート(2008年12月)
スズキ ワゴンR 試乗レポート
試乗
【フルモデルチェンジ】
発表・発売/2008年9月25日
文●竹岡圭 写真●柳田由人
■王者の名に恥じない資質、風格を進化させた新型
平成5年、マルチワゴンという新カテゴリーを作り上げた初代ワゴンRがデビュー。その後、販売台数7年連続+5年連続第1位・・・と言うか、事実上15年間No.1王者として君臨してきた。そんな王者が4代目に進化するにあたって選んだ手法は、荷物+人から人+荷物へのクルマになるということだったのだ。
■ドライビング/ユーティリティ
パッと見ると相変わらずワゴンRのスタイルなのだが、窓が3枚ずつ並ぶ伝統の6ライトデザインから脱却し、左右2枚ずつの4ライトとなった。これはクルマのダウンサイジング化の流れを受け、大きなクルマから乗り替えても納得できる室内空間を確保するため、Bピラーと後席シートの位置を下げたことに起因している。さらに乗降性の面からドアの大きさを拡大するなど、「人」を重視した設計となっている。
それに合わせて操作系も進化。最大のビッグニュースは、コラムシフトからインパネシフトへ変更されたことだろう。もちろんパワートレーンもたくましさが増している。NAは基本的には同じだが、ヘッドまわりを効率よく冷やす手法を取り入れた。これにより、数値には表れないものの、トルク感がアップしている。
そのパワーを受け止める足まわりもオールニューだ。とはいえ、スズキは前後シャシーを時間差でアップデートするのが伝統なので、リヤのシャシーはパレットの流用。だが、フロントはまったくの新開発。剛性感の高まったボディと相まって、クルマの味わいがガラリと変わった!微振動の少ないドッシリした重心感、ステアリングを切ってみれば背の高いクルマに乗っている感じがせず、スラロームを繰り返しても揺り返しもない。オマケに乗り心地もイイと、オールマイティ性がメチャクチャ高いのである。さすが、王者の風格はバッチリだ。
■インテリア/エクステリア写真[1]
サイドウォークスルーの邪魔にならない、出っ張りの小さいインパネシフトは、こだわりポイントのひとつ。全体の質感もグッと高くなった。
背もたれ部分は基本的に先代と共通だが、座面はガラリと変更され、ベンチシートながら包み込み感があるものを採用。
スライド量も増え、前後の乗車間距離は140mmも拡大。余裕で足が組めるほど広いシートベルトのキャッチも自立式に。
■インテリア/エクステリア写真[2]
そこはパレットに譲ったとばかり、ラゲッジは先代より若干狭くなった。しかし日常生活では十二分の広さは確保している。
組み合わされるのは5MT、4AT、CVTの3種。先代ではほぼ1グレードのみで展開されていたCVTを拡大採用している。
数値的にはホイールベースを40mm伸ばし、室内長は105mm拡大。これからのマルチワゴンのパッケージングの提言だろう。
ワゴンR・FXリミテッド(CVT)主要諸元
全長×全幅×全高 | 3395×1475×1660mm |
---|---|
ホイールベース | 2400mm |
トレッド前/後 | 1295/1290mm |
車両重量 | 850kg |
エンジン | 直3DOHC |
総排気量 | 658cc |
最高出力 | 54ps/6500rpm |
最大トルク | 6.4kg m/3500rpm |
10・15モード燃費 | 23.0km/L |
サスペンション前/後 | ストラット/トレーリングリンク |
ブレーキ前/後 | ディスク/L&Tドラム |
タイヤ前後 | 155/65R14 |
全国メーカー希望小売り価格
スズキ ワゴンR | 90万8250~146万6850円 |
---|