中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.16 / 掲載日:2013.08.23
日産 スカイライン クーペ(2007年10月~2008年12月)中古車購入チェックポイント
日産 スカイライン クーペ (2007年10月~2008年12月) 中古車購入チェックポイント
DBA-CKV36
参考車両:370GT タイプSP 5AT
初年度登録2008年10月
追加装備:<メーカーオプション> HDD ナビゲーションシステム、バックビューモニター、サイドブラインドモニター、ステアリングスイッチ、ETC ユニット、本木目フィニッシャー、フォーブ内装専用本革シート
<ドレスアップ>インフィニティエンブレム (2008年10月)
■全体のチェックポイント
参考車両は、2007年10月に発売した、いわゆるV36初期型の5速AT車。スポーティ装備と上質装備を合わせた最上級グレードだ。車体まわりと内装を念入りにチェックし、装備機器も問題がないか確認。大切なのは、本来の走りが発揮できるかどうか。走行機構の状態や整備状況なども必ず確認したい。
外観だけでなく車体内側の骨格部もチェックする
1.車体のバランスを見る
1.車体のバランスを見る
まずは、外見に異常がないか探ってみる。車体の姿勢(傾き)にも注意。前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどのバランスをチェック。細部では、ボンネットやフロントガラスなどの飛び石傷にも注意したい。
2.ドアと周辺を調べる
ドアは、外板だけでなく内側も修理跡がないかチェック。修理や交換でドアを外していないか、ヒンジのネジも見るが、立て付け調整などでネジを回すこともあるので、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など、関連部もチェックする。
3.縁と奥も覗いてチェック
3.縁と奥も覗いてチェック
バンパーは、ずれていないか、角や下側に損傷がないかチェック。
フェンダーは、ホイールアーチの縁(タイヤを囲っている部分)あたりも、損傷や修理跡がないか見る。奥を覗いて、タイヤハウス内もチェック。内側にあるライナー(泥よけカバー)の状態も調べる。
4.下側に要チェックポイント
車体側面は、下部に装着しているサイドシルスポイラーも、傷や破損がないか、修理や交換していないかチェック。それよりも重要なのは、覆われているサイドシル(車体の梁)のほうだ。床下側を覗いて、損傷、腐食、修理/交換跡がないかチェック。ドア開口部側(サイドシルの上側)も調べよう。
5.車体内側の鉄板も調べる
5.車体内側の鉄板も調べる
フロントフェンダーは、エンジンルーム側も、腐食(錆)や修理跡などがないか見る。同時に、車体内側のパネルや前部のラジエターサポートなども必ずチェックする。
6.関連部も慎重にチェック
6.関連部も慎重にチェック
後部も、バンパー、トランクリッド、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。デュアルエキゾーストのマフラーエンドも、損傷がないか見る。後方から強い衝撃を受けると広範囲に波及することもあるので、ピラーやルーフなども慎重にチェックする。
7.トランクリッドを開閉してみる
トランクリッドは、開閉具合をチェック。全開状態でしっかり止まっているかチェック。トランクリッドの内側に修理跡がないか、ヒンジ取り付け部に異常がないかチェック。開口部のパネルも、修理/交換の形跡がないか調べる。
走行機構および関連機能などが正常か確認する
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時の表示/警告灯類の点灯、車両情報ディスプレイの表示、警報ブザーなどにも注意。インテリジェントキーやエンジンスイッチの切り替え具合などもチェック。わからないことは販売店スタッフに聞いてみよう。
2.オートマチックのチェック
初期V36クーペのATは、マニュアルモード付5速AT。セレクトレバーの動き具合とシフトの具合をチェック。可能なら試乗して、オートマチック動作をチェック。
セレクトレバーおよびパドルシフトによるマニュアルモード、走行状況に応じて自動シフトする「Dモード」のアダプティブシフトコントロール、シフトダウン時にエンジン回転とギヤを同期する「DSモード」のダウンシフトも、走行時の作動状態をチェック。SNOWやVDC OFF のスイッチなども操作し、各機能が正常か確認したい。
しかし、異常を判断するのは難しいので、販売店ですべての機能をチェックしてもらうほうがいい。
3.整備状態を確かめる
3.整備状態を確かめる
フェンダーは、膨らんでいるホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)を傷付けることも多い。傷や凹みなどがないか。フェンダーに歪みがないか確認。
鉄板を内側に折り込んでいる縁の部分に修理跡などがないかもチェック。さらに奥を覗いて、タイヤハウス内の状態も確認。フロントフェンダーは、内側に設置しているライナー(泥よけ)の取り付け状態に注意。同様に、バンパー側の状態も見てみよう。
4.タイヤとホイールをチェック
4.タイヤとホイールをチェック
タイヤは、スリップサインを目安に残り溝の深さを点検。傷、異物の刺さり、ひび割れなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る偏摩耗を起こしていれば、車体の歪みやサスペンションの異常にも注意。
アルミホイールは、傷や破損などがないかチェック。リムの縁の欠損や曲がりなどにも注意。過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れには要注意。
5.足まわりと関連機能をチェック
「タイプSP」は、スポーツチューンドサスペンション、アルミキャリパー対向ピストンブレーキ、4輪アクティブステア4WASを装備。サスペンションは、ダンパーの劣化や抜けに注意し、作動状態を確認。ブレーキは、パッドやディスクの摩耗を点検し、ブレーキの効き具合を確認。前・後輪のタイヤ切れ角を制御する4WAS、ブレーキとエンジンを制御する車両安定機構VDCなど、関連機能も不具合がないか販売店でチェックしてもらおう。
6.床下の様子も探ってみる
6.床下の様子も探ってみる
床下を覗いて、車体パネルや補強部材など鉄板部、マフラーやサスペンションなどの部品類、カバー類も、損傷がないか、修理や交換していないかチェック。
オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化や破損などにも注意。錆は、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、範囲と腐食状況を確認したい。
7.きちんと点検・整備して納車してもらう
エンジンの不調やATの不具合などを判断するのは非常に難しい。車両の購入を決めるなら、エンジンやATはもちろん、ブレーキ、サスペンション、ステアリング、デファレンシャルなどを含めた走行機構および各関連機能なども、正しく点検・整備してもらうようにしよう。
室内の状態と装備機器の機能をチェックする
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れ、染み、傷、破れなどがないかチェック。床や天井も調べるほか、ボックスなどは内部も見る。ボックスリッドやエアコンルーバーなどは、可動部の破損にも注意。
参考車両は、オプション装備のフォーブ/本木目加飾+専用本革シートも、丹念にチェックしたいところだ。
2.装備機器の作動を確認
2.装備機器の作動を確認
パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な部分のほか、インテリジェントキーによる各部の作動、フルオートエアコン、オーディオ、運転席/助手席電動シートなども、機能が正常か確認。「タイプSP」は、前席ヒーターやステアリング/ドアミラー連動ドライビングポジションメモリーシステムなどの具合もチェック。
3.後席やトランク内も見る
前席だけでなく、後席へも乗り込んで、室内一帯を慎重にチェック。さらに、トランクルーム内も、傷みや破損などがないかチェック。トランクルーム内レバー式のリアシート一体可倒式トランクスルーの具合なども試してみる。
4.追加装備の機能も確認
4.追加装備の機能も確認
参考車両はセットメーカーオプションを装備しているので、HDDナビゲーションシステム、バックビューモニター、サイドブラインドモニター、ステアリングスイッチ、ETC ユニットなどの各機能と作動具合をチェックしたい。
5.販売店で細部まで点検してもらう
メーカーオプションや後付けなど、追加装備の有無は車両を見る際に確認しておく。装備機器の作動具合は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、どこかに不具合などがないかは販売店で調べてもらおう。
■最初に車両の現状を確認する
中古車両の現物を見て「年式・仕様・グレード」を確認。標準装備の他に、メーカーオプション(新車時の注文装備)や後から加えた装備などが付いていないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●隣接している外板パネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●ドアの開口部などにマスキング(塗装する部分の周辺にスプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、マスキング跡。なんらかの理由で周辺を塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内は、外装色とは異なっていることがある。●スペアタイヤ収納部などは、塗装の飛沫が付着しているように見える場合もあるので、新車時の塗装か、新しく塗装したのか判断する必要がある。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●無塗装ネジの場合は判断しにくいので、関連部のネジと見比べる。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修正跡や修理跡がないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(鉄板接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●鉄板の接合部などに塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、パネルの接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●12代目V36型へとモデルチェンジし、2006年11月にスカイラインシリーズの「スカイライン セダン」を発売。追って2007年10月に「スカイライン クーペ」を発売。クーペは、新開発3.7L エンジンを搭載し、マニュアルモード付5速ATと6速MT を設定している。仕様グレードの「370GT」は、手動チルトメーター&チルト/テレスコピックステアリング(他のグレードは電動)、ジャカード織物/合成皮革シート、18インチホイールが標準装備のスタンダードタイプ。「370GT タイプP」は、本革シート・前席ヒーター付、ドライビングポジション&ステアリング/ドアミラー自動調整システムなどを装備し、370GT に高級感を加えたタイプ。「370GT タイプS」は、スポーツフロントバンパー、スポーツサイドシルスポイラー、4 輪アクティブステア、チューンドサスペンション、4 輪アルミキャリパー対向ピストンブレーキ、ビスカスLSD、19インチホイール、マグネシウム製パドルシフト(AT車)、アルミペダル、本革巻パーキングブレーキレバー(MT車)などを組み込んだスポーティタイプ。「370GT タイプSP」は、タイプS の装備にタイプP の装備を加えた上級タイプとなっている。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
370GT | DBA-CKV36 | 5AT-M | FR |
370GT タイプP | DBA-CKV36 | 5AT-M | FR |
370GT タイプS | DBA-CKV36 | 5AT-M | FR |
DBA-CKV36 | 6MT | FR | |
370GT タイプSP | DBA-CKV36 | 5AT-M | FR |
DBA-CKV36 | 6MT | FR |
●2008年12月の一部改良でAT 車はマニュアルモード付7速ATを採用。2010年1月にはマイナーチェンジし、装備なども一部変更している。