新車値引き情報
更新日:2023.11.25 / 掲載日:2023.11.25

X氏の値引き大作戦 ランクルプラドが蘇った!? まさかの1台を63万円引きでゲット

X氏史上、最大のハプニング! 受注停止中のSUVが蘇った!! 即決を迫られるも……大反撃!!!

【プロローグ1】 それは1本の電話から始まりました。

 令和5年6月、トヨタA店の営業マン氏からの着電。「Xさん、お待たせしました。新型アルファード/ヴェルファイアがついに発売です!」。

 この店には現在所有しているエスクァイアのメンテナンスをお願いしていますが、事前に「新型アル/ヴェルが出たら、すぐに知らせてください」と申し出ておいたのです。

 エスクァイアの買い替えと思うかもしれませんが……そうではありません。増車です。

 以前から「家族5人が揃ってゆったりと遠出できる豪華なミニバンが欲しい!」と考えていました。それにぴったりなのが言わずと知れたアル/ヴェルです。贅沢は承知の上で、我が家の“ロングドライブ専用車”として購入することにしました。つまり“ミニバン2台持ち”となるわけです。

 いざ商談へ。じっくり検討した結果、最終的に選んだのはヴェルファイアZプレミア(ターボ車)。早速、見積もりを出してもらいました。

「Xさん、すみません。新型アル/ヴェルはいっさい値引きができないんです。会社から『絶対に値引きするな!』と、きつくいわれています」

「え~、655万円もするクルマが値引きゼロって、なんなの? いままで何台も新車を買ってきているけど、そんなの聞いたことないよ。いくら発売ほやほやの新型だって、せめて二桁は引いてくれないと買う気にはなれませんね」

「Xさん、10万円引きなんて、とても無理です。新型は注文が殺到しているので抽選で販売しているディーラーもあるくらいですからね。早く契約していただかないと、納車が何年も先になってしまいますよ」

 経営の違う、ほかのトヨタとも商談して競合に持ち込みたかったが、時間的な余裕がありません。この場で契約すれば、初期生産分が確保してもらえるとのこと……とはいっても、「値引きゼロ」で購入してしまっては、長年、月刊自家用車を愛読してきたかいがありません。

 ここから粘りました。

 その結果、「Xさんには負けました」といって「車両本体とメーカーオプション5万8300円/付属品28万8750円から7万円引き」をしぶしぶ承諾してくれました。ちなみに、ボディコーティングとメンテナンスパックは必要性を感じないので付けていません。また、納車費用はカットです。

【プロローグ2】 それから2か月が経過。ヴェルファイアの納車は来年3月頃なので、いまだにエスクァイアを通勤から遊びまでフル活用しています。

 まだまだ元気に走ってくれていますが、走行距離が14万kmともなると、さすがに老朽化は隠せません。ヴェルファイアが届いたらエスクァイアは妻の専用車として使うつもりだったのですが、早めに買い替えたほうがよさそうです。

 折しも、月刊自家用車の最新号を読んでいたら「半導体不足の影響で新車の納期が遅れに遅れている。車検切れの1年前になったら買い替えに動いたほうがいい」と書いてあるのを発見しました。うちのエスクァイアがちょうどそれにあたるではありませんか! 

 妻と相談した結果「ヴェルファイアの契約をしたばかりだけど、将来を考えるとエスクァイアも買い替えたほうがいい」との結論になりました。

 となったら長年の夢だったX氏に名乗りを上げてみよう。ヴェルファイアのときは「一刻も早く契約しないとチャンスを逃す」という緊急事態だったのでX氏への応募はパスしましたが、今回は余裕があるので、じっくりとクルマ選び&値引き交渉ができます。

 早速、編集部宛に次のようなメールを送りました。

松本様 X氏ご担当者様 
 私は小学校1年生から現在(45歳)まで貴誌を愛読しています。父がトヨタ・クレスタを購入したときは、小学生の私が姉妹車のマークⅡ派となり、付属品サービスをプッシュしてOKを取り付けた記憶があります。
 先日、ヴェルファイアを7万円引きで購入しましたが、もう1台、妻用に新車を購入することにしました。これまでX氏シリーズで得た、あらゆるテクニックを駆使して最大値引きを獲得したいと思っています。貴誌の誌面を飾ることが小さい頃からの夢でした。なにとぞ、よろしくお願いします。

 すると、しばらくして連絡が入りました。電話で審査を受けた結果、採用決定!


長年の夢だったX氏に挑戦 すんなり決定と思いきや……

【8月19日(土)】 トヨタB店のWebサイトにアクセスしてヴォクシーのカタログを請求すると、すぐに営業マンが売り込みをかけてきました。

 この店は自宅から一番近いトヨタの店舗ですが、訪問するのは初めて。応対してくれたのは30代前半の営業さん。全身にやる気がみなぎっている……というか「売るぞ!」というギラギラ感を発散しています(笑)。

「ノアはファミリーカー的な雰囲気があって親しみやすいけど、やっぱり選ぶならヴォクシーですね。とくに精悍なマスクが気に入っています」

「わかりました! 見積もりを出しましょう」

 どうせ買うならとあれやこれやと装備を追加したら、メーカーオプションの合計額が84万7000円にもなってしまいました。さらに付属品30万6350円を加えると、諸費用を含めた総額は約522万円!

「高っ!」

「おかげさまでノア/ヴォクシーは発売以来、好調な売れ行きです。とくにハイブリッド車は人気が高いので注文から納車まで10か月ほどかかります」

「大丈夫です。下取り車のエスクァイアは車検が1年以上残っているので、とりたてて納車を急いでいません」

「実は、会社から『安売りするな』といわれているので、あまり値引きはできないんですが、Xさんはトヨタ車のオーナーなので最初から思い切った数字をご提示します。車両本体から22万円、付属品から10万円の合計32万円引きにします」

「まだ高っ! 買うとなったらもっと引けますよね?」

「店長に相談しますので、いま決めていただけますか?」

「クルマ選びを始めたばかりなので、ここで即決はできません。とりあえず持ち帰ります」

 参考までにエスクァイアを査定してもらいましたが、下取り額は85万円。この程度なら買い取り専門店のほうがかなり高くなりそうです。ともあれ、納車の時期が確定した時点で、複数の買い取り専門店と比較して高いほうに売却することにします。

 続いて三菱へ。相手は誠実そうなベテラン営業マン氏。

「ヴォクシーを商談中ですが、デリカD:5にも大きな魅力を感じています。問題は支払い条件なんですよね。思い切った値引きを期待していますよ」

「わかりました! これでどうでしょうか?」

▼デリカD:5
 値引き32万5450円 支払い総額520万円(付属品75万8890円を含む)

 モデル末期だけに(いきなり50万円引きが飛び出すかも?)と期待していましたが、意外におとなしい。営業さんは(もう少しいけますよ)的な雰囲気を出していましたがノリはいまひとつで話が弾みません。

【8月24日(木)】 ホンダカーズに乗り込みました。いかにも“中堅”という感じの営業さんが「いらっしゃいませ!」と、さわやかな笑顔で出迎えてくれました。

▼ステップワゴン
 値引き19万1110円 支払い総額440万円(付属品73万7880円を含む)

「う~ん……思っていたより高いなぁ。付属品をもう少し削るかなあ」

「Xさん、付属品を削ると、値引きも下げなければならなくなりますよ」

「ヴォクシーも検討しています。支払い条件が勝負の分かれ目になりますよ」

「……はあ……」

 あれ!? ここは「じゃ、頑張ります!」と徹底抗戦を期待したのですが、早くも白旗モードです。ちなみに、エスクァイアの下取り査定額は75万円。

 次はスズキへ。対象はランディ。担当は若い女性の営業さん。今年入社したばかりの新人で、とにかく初々しい。

「ランディって以前はスズキがOEM(相手先ブランド)販売する日産セレナでしたよね。でも、いまはトヨタに変わったんですね」

「はい、そうです」

「本命はヴォクシーですが、ブランドにはこだわらないので支払い条件しだいではランディを選んでもいいと思っています」

「承知いたしました。では、見積もりをお作りします」

 20分ほど待たされる。

「お待たせしました。ランディの見積もりを作るのが初めてなので時間がかかってしまいました。実は、この店舗では新型ランディを1台も売ったことがないんですよ」

 正直でよろしい……と思ったが、なんだか頼りない。

 案の定、値引き条件は11万円弱。もちろん上乗せを迫りましたが、終始ギクシャクした感じでいっこうに話が進みません。結局、交渉を断念しました。


50万円……勝負はここからだ! 60万円……満を持して奥様参戦!!

【8月25日(金)】 日産を訪問。アポなしの飛び込みですが、ベテランの女性営業さんがテキパキと対応。いかにもやり手といった印象です。

 かつては日産党だったので展示車のステアリングを握ってみると、他の候補車よりしっくりきます。

▼セレナ
 値引き11万5393円 支払い総額460万円(付属品41万5583円を含む)

「えっ、値引きはこれだけですか?」

「決めていただけるなら、もっと頑張ります」

 本気で攻めれば大幅な上乗せが取れそうな予感がします。なお、下取り額は80万円。

 次はエスクァイアを購入したトヨタA店に出向きました。事前にアポをとっておいたので、すぐに個室の商談スペースに案内してくれます。

 担当は体育会系で、いつでもファイト満々。私のお気に入りの営業マンです。

「こちらでヴェルファイアを購入したばかりですが、エスクァイアも14万kmを超えたので買い替えようという気になりました。実は、近所のトヨタB店でヴォクシーを見せてもらったついでに見積もりも出してもらったんですが、最初からかなり頑張ってくれましたよ」

「わかりました。Xさんにはたいへんお世話になっているので、他店に負けないように頑張ります! 今回もぜひこちらでお願いします」

▼ヴォクシー
 値引き42万80円 支払い総額480万円(メーカーオプション84万7000円/付属品30万6350円を含む)

 おっ、やってくれました。いきなり40万円超!

 先日のトヨタB店に比べて10万円も安くなったので、気持ちがぐっと傾きます。

 ところが、ここで突然ハプニング! 話はまったく予期せぬ方向に進み始めました。

「ところで、Xさんはランドクルーザープラドに興味をお持ちでしたよね」

 たしかに以前、点検に来たとき、買い替えを勧められて「次はランクルプラドかな」ともらしたことがありました。しかし、そのときは「すみません、残念ながらプラドは受注停止となってしまいました」といわれて、買い替え話は瞬時に消え去ってしまったのです。

「あれ? プラドは現在、販売していないんですよね。クルマ雑誌には『2024年に発展型のランドクルーザー250に切り替わる。現行プラドは入手困難』って書いてあったけど……」

「それがですね、突然、メーカーが『台数限定で受注を受け付ける』っていってきたんです。私たちも『もうプラドは終売した』と思っていたので、正直、びっくりしています。ともかく、いますぐオーダーしていただければ購入することができますよ」

「え~、ほんと? 正直、プラドはあきらめていたんです」

「現行モデルは12月が最終生産となります。割り当て台数はわずかしかないので、この機を逃すともう二度とプラドの新車は買えません」

「最後のチャンスっていわれると、とたんに欲しくなるなあ……どうしようか……」

 思いもよらないプラドの参入で優柔不断な私は迷いに迷う。

「う~ん……とりあえず見積もりをお願いします」

「しばらくお待ちください」

 10分ほどで戻ってきました。

「これでいかがでしょうか? Xさんにはぜひともプラドに乗っていただきたいので、頑張らせていただきました」

▼ランドクルーザープラド(TX-Lパッケージ)
 値引き約51万円 支払い総額489万円(メーカーオプショ ン69万4100円/付属品7万7000円を含む)

 見積もりの値引き欄を見て、即座に決定! いかに優柔不断でも50万円引きなら決断できます(笑)。リセール価値の強さも含めてここはプラドでしょ! 営業さんはそんな私の顔色を見て畳み掛けてきました。

「決めてください! いますぐならプラドの販売枠を1台確保できますよ」

 しかし、ここですんなりサインしてしまってはX氏の名折れ。平静を装って反撃に出ます。

「支払い総額が470万円ぴったりになるなら決めます」

「え、そこまではちょっと……う~ん……とりあえず上司に相談させてください」

 ここでメーカーオプション6万6000円を追加して、逆に付属品を4万円ほど削る。

「これでぎりぎりの最終条件を出してください」

 営業さん、再び奥に引っ込む。こんどは数十分待たされた。

▼ランドクルーザープラド
 値引き約60万円 支払い総額482万円(メーカーオプション76万100円/付属品3万7440円を含む)

「これが限界です!」

「妻の許可が必要なので、いちど電話をさせてください」

「わかりました。では、私は10分ほど席を外します」

 個室の商談スペースから妻に電話を入れました。

「プラドに決めようと思う」

「え、なに? なんなの、プラドって……」

 これまで経緯を説明し、ラインで見積書を送りました。

「どうせなら480万円にできないのかな? それから持ち込みのドライブレコーダーの取り付けをサービスしてもらえるなら決めてもいいよ」

「よし、わかった」

 営業さんが戻ってきた。

「妻は『ヴォクシーが、なんで突然プラドに変わるの?』ってびっくりしていました(笑)。でも、支払い総額480万円でドラレコの無料取り付けをしてくれるなら賛成してくれるそうです。まあ、この期に及んであまり無理をいっても困ると思うので、付属品はサイドステップカバー(1万1440円)とETCセットアップ(2750円)だけに絞ります」

(こわばった表情で)「では、もう一度相談してまいります」

 再び数十分が経過。

「許可がおりました!」

 これにてプラドに決定です。

 注文書には車両本体とメーカーオプション62万9540円/付属品4万190円(ドラレコ取り付け工賃2万6000円を含む)から62万9540円引きとなっていました。

購入データ
TOYOTA ランドクルーザープラド
TX Lパッケージ
From滋賀県
トータル値引き 63.0万円
値引き採点 5
モデル末期ながら「一時的に受注停止を解除しての台数限定販売」だったため“言い値”で購入している例も目立つ。X氏が獲得した63万円引き(値引き率12.3%)は文句なしのウルトラC!


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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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