新型車比較・ライバル車対決
更新日:2020.04.23 / 掲載日:2018.02.28
注目SUVライバル対決 バトル2
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TOYOTA ハリアー
●発表(最新改良):’13年11月13日(’17年6月8日)
プリクラッシュセーフティシステムを世界初導入するなど「先進性で独自のブランドイメージを築いてきた」というハリアー。現行型は国内専用車として開発されていて、キーワードは「高級・進化・新規」の3点だ。昨年6月にターボモデルを追加している。 -
MAZDA CX-8
●発表(最新改良):’17年9月14日(一)
昨年の12月に発売された3列シートのクロスオーバーSUV。「スカイアクティブ」と「魂動」を全面採用、パワーユニットは全車ディーゼルターボ。発売後、約1か月での受注台数は1万2042台。月間販売計画は1200台なのでほぼ10倍、その人気ぶりがうかがえる。
注目ポイントはココ!
1:実は異なる“スペシャリティ”の方向性
2:HV&ターボVSディーゼルというメインパワーユニットの違い
上級国産SUV
特別感としっかり感「楽しみ」の異なる2車
ハリアーは外観から分かるようにスペシャリティなルックスが特徴だ。パッケージングや室内機能はこれまでのハリアーのコンセプトを引き継いでおり「上級ワゴン」に等しい設計。外観ほどエキセントリックなコンセプトではなく、スタイリングを除けば同カテゴリーの中心に位置するタイプ。
CX-8は国内向け最大級のSUVだが、3列シートのロングキャビンを採用した結果。プレミアム自慢のためのパッケージングではない。車体骨格も含めてフロント周りはCX-5と共通設計であり、CX-5のストレッチキャビンバリエーションと考えてもいい。延長されたキャビンを利してサードシートを設置。プラス2名を実用面のアドバンテージとした実用型SUVでもある。
内外装のデザインや加飾はハリアーが昨今のプレミアムカーらしい派手やかな仕立て。相対的にCX-8が地味に見えるが、居心地の印象は違っている。
CX-8のセカンドシートはベンチシートとキャプテンシートが用意され、最上級グレードはキャプテンのみ。ハリアーはベンチシートのみの設定だ。
中央にスペースを置いて左右が完全に独立したキャプテンシートは座り心地だけでなく、空間の印象でもプレミアム感を高める。 シートの造作はハリアーが高級感があるが、居心地の高級感はCX-8。ふつうなら乗車定員減がハンデになるキャプテンシートだがサードシートがあれば問題なし。 メインパワートレーンはハイブリッドとターボVSディーゼルターボの図式。かちっとしたドライブフィールではハリアーターボやCX-8のディーゼルが良好。低中速域の加速と燃費ではハリアーハイブリッドが優等生。ただし高速長距離燃費ではCX-8も負けていない。フィールの違いもあるので一概には言えないが、高速長距離中心ならCX-8がメリット大。
フットワークはちょっと硬めだがCX-8が質感高い味わい。相対的にハリアーは細かな揺れ返し等が目立つ。その緩さを好むユーザーもいると思うが、腰の据わった落ち着きならCX-8である。
両車とも全車速型ACCや半自動操舵型LKAなどを採用するが、ハリアーは全車標準、CX-8のベースグレードはACCがOP、LKAは設定されない。予算を絞った車種選定では留意が必要だ。
室内の雰囲気や良質な高速ツアラーとしてはCX-8、今風のプレミアム感やスペシャリティな趣、ハイブリッドの燃費性能でハリアーという選び分けが基本。意外と楽しみ方が異なる2車である。
ルーフよりキツめにウインドウラインを下げて、スペシャリティなデザインを保ちつつ、後席頭上空間をかせいでいることがわかる。
ハリアー。CVTと組み合わせる2.0L、2.0Lターボと2.5Lハイブリッドを用意。制御の巧みさか2.0L NAでも非力さはさほど感じられない。
CX-8。全グレード、マツダお得意の2.2Lクリーンディーゼル+6ATを搭載。静粛性にこだわり、前席・3列目の会話は高速道路でも楽々。
ハリアー。パッド表皮や加飾で上手く「上級」を演出したインテリア。シートの造りは割と薄く、疲れるわけではないが包まれる感じはない。
CX-8。本杢パネルやナッパレザー(一部グレード)を採用した室内。7インチのセンターディスプレイは大画面ナビに慣れていると小さく感じるかも。
◆実力採点◆

ハリアーは最低地上高も少なく、ラフロードでは不利なロングノーズ。SUV的スポーツワゴンとも言える。CX-8はよりレジャーワゴンらしい設計。ストレッチキャビンの良さを4名乗車の寛ぎにも向けた点は高く評価できる。
おすすめグレード
ハリアー
ターボ プログレス(4WD)
ハリアーで最も魅力的なのはハイブリッド車だが、雰囲気を楽しむならターボにしてグレードを上げるのも手。また、操安性やパワーフィールの小気味よさはターボ車が上。おすすめグレード
XD プロアクティブ
(4WD・6人乗り)
LパッケージならセカンドシートもVIP向け的だが、日常/レジャー用途向けにはそこまで必要ないだろう。実用性とプレミアム感、価格のバランスがいいのがプロアクティブだ。
提供元:月刊自家用車