新型車比較・ライバル車対決
更新日:2021.08.21 / 掲載日:2021.08.04

新型アクア vs ノート vs フィット【実力コンパクト先取り対決】

華やかさは控えめながらも、実のある進化を果たした新型アクア。実用車として大きく飛躍したことにより、ライバル勢との比較が気になる人も多いはずだ。各モデルの気になるポイントを中心に違いを確認してみよう。

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icon TOYOTA 新型アクア

価格帯:198万~258万8000円

最新装備&機能を武器に超激戦区に殴り込み

ヤリス譲りの走りに加えて、コンパクトクラスに求められる実用性能も巧みに融合。スタイルこそ従来型のキープコンセプト路線だが、中身に関しては想像以上の進化を果たしている。控えめな風貌からは想像できないほどの高い性能が詰まったモデルだ。

icon NISSAN ノート

価格帯:202万9500~244万5300円

良質さを武器に快進撃を続けるプレミアムコンパクト

改良されたe-POWERとプレミアムキャラを武器に好調な販売実績を記録中。他車では必須の運転支援機能がOP装備となるなど、残念な一面もあるが、唯一無二の電動走行感や上質キャビンはその弱点をカバーして余りある。アクア登場後にどれほどの影響を受けるかが焦点だ。

icon HONDA フィット(ハイブリッド車)

価格帯:199万7600~259万1600円

5つのキャラから選べるコンパクト界の優等生

現行型は実用キャラを前面出しで勝負。ガソリン車も設定されているが、新型アクアのライバルになるのはハイブリッド車になる。ベーシックからスポーティ、プレミアム系まで、個性が異なる5つのスタイルモデルを選択することが可能だ。

ユーティリティや実用性はフィットがやや有利

 まだ新型アクアの実車は確認できていないため断言はできないが、寸法諸元や内装機能、デザインから推測する限りでは、キャビン機能でベストなのはフィットだろう。フィットは見晴らしや開放感も含めた居住性と多様な積載性の実現を狙って開発。ファミリー&レジャー用途での使い勝手のよさが最大のセールスポイントだ。

 キャビン実用性は新型アクアの売りのひとつだが、あくまでもヤリスと比べた場合の話。キャビン周りだけでなく、骨格設計やシート機能からして、キャビンの実用性向上を図ったフィットとは方向性が異なる。

 ノートについては後席の寛ぎも考慮したキャビン設計が特徴。アクアはキャビン後半部の絞り込みがきつく、サイドウインドウ形状からすれば、アクアの後席がノートより開放的とは考えにくい。荷室に関しては寸法に大きな差はなく、共に同クラスとしては標準的。後席格納機能も含めて、クラス相応と考えていい。

アクアとノートはプレミアム感にも注目

 ノート視点では、やはりプレミアム感の多寡が注目すべきポイント。アクアの実車は見ていないため内外装の質感に関しては割愛するが、ノートは静粛性や乗り心地の質感、パワーフィールでクラスを超えた出来を持つ。回生協調電子制御ブレーキを採用しないなど、ハード的には多少ちぐはぐな印象を受けるものの、シリーズ式を活かした走りの磨き込みとプレミアム感へのこだわりは運転すればすぐに理解できる。走りの質感はフィット以上でクラス上の印象さえ感じるほどだ。

 アクアは静粛性などの走りの質感向上を新型の特徴の一つに掲げているが、ヤリスから相当上げてこないとノートを凌駕するのは難しいだろう。アクアはヤリス譲りの軽快な運転感覚と優れた高速安定性を示し、コンパクトカーらしさを備えた汎用性の高い走りを見せることが想像できるが、プレミアム感とか走りの質感はクラス超えとまでは考えにくい。

 快適性とプレミアム感を重視するならばノートが一歩リードした格好になるが、上級モデルからの買い替えを狙うダウンサイザーにすれば、どちらも十分満足できると予想される。

燃費性能はアクア! トップクラスの実力を持つ

 以前ほど重要視されないまでも、ハイブリッドである限り避けられないのが燃費性能。WLTCモード燃費の数値を勘案すれば、大体のところは推測できる。

 FF車のWLTC総合モードの燃費を比べると、フィットe:HEVホームが28.6km/L、ノートXが28.4km/L、新型アクアGは33.6km/Lと、アクアの数字はフィットとノートに対して約17%ほど優れる。リアルワールドの走行ではもう少し燃費は落ちるだろうが、この優劣の関係は変わらないだろう。

 さらにアクアに有利な点はバイポーラ型電池の採用だ。理屈では大電力の充放電の効率向上は負荷変動が大きい状況で有利。充電電力を上げられれば回生効率の向上も期待できるというわけだ。

 運転支援機能は渋滞走行時に停止維持から復帰スイッチ操作で再発進追従走行ができるかどうかで、使い勝手に大きな差が生まれる。アクアのアドバンテージは駐車支援やカラーHUDの設定。その他の主な装備ではBSMがフィットのみ設定されず、ノートはプロパイロットが最上級グレード限定のOPなのが泣き所だ。

 各車ごとに一長一短はあるが、アクアには実践力の高い装備が備わっている。いずれも実用コンパクトとして申し分がないが、グレード展開も含めて、先行する実力ライバルをリードしているといってもいいだろう。

キャビン&ユーティリティ比較

icon 新型アクア

プレミアム感と実用性を融合した新パッケージを採用

中央にモニターを配するオーソドックスなレイアウト。ヤリスより後席機能は強化されたが、比較3車の中では秀でているとは言い難い。

際立って広いわけではないが、普段使うには十分な広さが確保されている。荷室床面は脱着可能なボードを装着することも可能だ。

icon ノート

1ランク上を感じさせる、上質感溢れるキャビン空間

フル液晶タイプのメーターの採用や質感十分の内装素材を多用するなど、プレミアムを意識したキャビン空間が印象的。

普段使いには十分な広さ。後席格納はシンプルな前倒式だが、アクア同様にボードを活用することでフラットな床面にすることも可能だ。

icon フィット

歴代モデルの美点は健在。多彩なシートアレンジも見所

センタータンクレイアウトがもたらす広々キャビンが魅力。撮影車両は上級加飾やレザーシートが標準となる最上級仕様のリュクス。

後席は4:6の分割可倒式。防汚床面などは採用されないが、余裕十分の左右幅に加えて、天井までの高さも申し分がない。

パワートレーン比較

icon 新型アクア

新開発バッテリーの採用で総合性能が大きく向上

搭載されるパワーユニットはTHS IIの最新仕様。THS IIの泣き所となる高速走行時の燃費の落ち込みはありそうだが、バイポーラ型ニッケル水素電池の採用で改善も期待できそう。

icon ノート

電動走行がもたらす爽快な走りはアドバンテージ

モーター駆動を主体とするe-POWERには、リーフ譲りの先端技術も注がれる。モーターは85kW/280Nmを発揮。重みのある乗り心地も含めて、コンパクトクラスとして十分すぎるほどの高性能が楽しめる。

icon フィット

直動機構の採用により、高速走行も得意

98PS/13.0kg・m(エンジン)+80kW/253Nm(モーター)を発揮するe:HEVは、もともとは上位モデルに搭載されていた上級ハイブリッド。エンジン直動機構を備えることで、ハイブリッド車が苦手な高速走行をまったく苦にしない強みを持つ。

装備&機能比較

icon 新型アクア

安全&運転支援機能が大幅にアップデート

カメラ&レーダー波で障害物検知を行うトヨタセーフティセンスも、最新世代にアップデート。全グレードにACC+LTAまで装着するなど装着設定も優秀だ。

新型車を中心に普及を進めているディスプレイオーディオは、最新仕様となるタッチ操作式の10.5インチタイプも設定している。

icon ノート

目玉のプロパイロットがオプションなのが残念

ナビ連動機能まで対応する最新プロパイロットが用意されるが、上位グレードのセットOPになる。標準装備が当たり前のライバル勢に比べると価格的に少々厳しい。

キャビンの雰囲気にフィットする専用ナビゲーションはメーカーOPで選択可能。通信連携機能を備える最先端ユニットだけに是非とも欲しい装備だ。

icon フィット

充実のホンダセンシングが標準装備なのはかなり魅力

ACCやLKA、標識認識表示になど多彩な機能を備えるホンダセンシングが全グレードに標準装備。装備関連のコスパの良さもフィットの魅力の一つ。

自動地図更新サービス対応ナビを備えるホンダコネクトディスプレイは、メーカーOPとして用意。モニターは9インチワイドになる。

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●文:川島 茂夫/月刊自家用車編集部

提供元:月刊自家用車

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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