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更新日:2024.02.07 / 掲載日:2023.11.02
自在に運べる未来トラック・トヨタ「IMV0」
Japan Mobility Show 2023 注目出展モデルガイド
新しい名称になって初開催となるジャパンモビリティショー2023。例年通り、各メーカーの最新モデルや技術がお披露目されるが、その中でも特に躍進が目立つのが電動車たちだ。各メーカーからBEVやPHEVが多数展示される。ここでは注目すべきモデルの情報を、いち早くお届けしよう。
●文:横田 晃/月刊自家用車編集部
TOYOTA IMV 0 《Japan Premiere》
働くクルマ「IMV」シリーズの最新スタディモデルを披露
載せるモノは自由自在
細かなニーズにも対応可能
かつてのトラックの多くは、エンジンとタイヤがついたフレームにキャビンが載っただけの、いわゆる裸シャシーの状態でメーカーから出荷されることが多かった。
購入したユーザーが、自身の使い方に合った荷台を架装メーカーに注文して装着し(実際にはディーラーが代行したが)、初めてトラックとしての用を足せるようになる。荷姿によってニーズが異なる荷台の仕様をユーザーが選ぶシステムは、プロユースのトラックにおいては合理的ではあった。
現在でも大型トラックはその方式が多い。メーカーから出荷された裸シャシーが仮ナンバーを付け、架装メーカーまで回送されるシーンを見たことがあるだろう。一方、小型トラックでは様々な仕様の荷台が最初から用意され、装着された状態での販売が普通だ。
小型トラックが荷台付きで販売されるスタイルを最初に始めたのは、ほかでもないトヨタ。1954年に発売したSKB型トラックで、のちにトヨエースと命名されて小口物流の主役へと躍り出る。
今回のショーに出展されるIMV0は、そのトヨタが提案する、先祖帰りの裸シャシーのような小型トラックのコンセプト。IMVはInnovative International Malti-purpose Vehicleの略という。
じつはトヨタでは、世界180か国以上での現地生産販売を前提に、その地域のニーズに合ったモデルを効率的に供給できるシステムを構築。ユーザーの関与で完成するモビリティIMVのコンセプトで、ピックアップトラック3車種とSUVを展開している。今回のコンセプトカーは、その原点として0(ゼロ)を付与した、ニーズに合わせて多様に変身できるトラックのコンセプトだ。
裸の状態で全長5300㎜、全幅1785㎜は小型ではないが、グローバルカーとしては売れ筋のサイズ感だ。形ばかりに装着されたフラットなデッキ部には、ボルトとナットでさまざまなアタッチメントを装着することができ、あらゆるニーズに応える。
普通の平ボディのトラックとして活躍するのはもちろん、移動販売車やキャンピングカーへの発展も、誰もが思いつく使い方だろう。
会場の展示では、観客からカスタマイズ荷台のアイデアを募集し、VR空間で画像として仕上げた上で、発案者のスマホにメールで送るといったパフォーマンスも予定されている。
白地のキャンバスに自分だけの絵を描くように、クルマを楽しもうという提案だ。