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更新日:2022.05.30 / 掲載日:2022.05.30

三菱・アウトランダー比較ガイド【注目10車vs対抗車・6】

“推し”ポイントで徹底比較!! 注目10モデル vs 対抗車

年度も替わり、2022年モデルの全容が見えてきた。そこで今回は今注目の10車をピックアップ。それぞれの長所である“推し”ポイントを、そのポイントに対抗しうるライバル車との比較を交えて解説。そのクルマの良さを具体的に浮かび上がらせてみよう。

●文:川島茂夫

今回の注目10モデル!!
1 TOYOTA RAV4
2 SUBARU フォレスター
3 HONDA ヴェゼル
4 TOYOTA ヤリス クロス
5 SUBARU レガシィ アウトバック
6 MITSUBISHI アウトランダー
7 TOYOTA ノア/ヴォクシー
8 SUBARU WRX S4
9 NISSAN ノート オーラ
10 TOYOTA アクア

注目10モデル【6】MITSUBISHI アウトランダー

●価格:462万1100〜532万700円

プラットフォームは次期エクストレイルと共有。先代はガソリン車とPHEV車を選ぶことができたが、2021年10月に登場した現行型は、全モデルPHEV車のみのラインナップに変更している。S-AWCなどの最新駆動制御技術や3列シート車が設定されるなど、電動駆動を主体としながらも、アウトドアレジャー適性が高いことも武器にしている。

電動駆動が主体でも
卓越した運動性能は健在

 パジェロでオフローダーブームを牽引したミツビシの現行フラッグシップモデルがアウトランダーだ。ミドルSUVらしい走行性能やユーティリティがセールスポイントとなるが、同車を際立つ存在とするのは、パワートレーンと4WD技術の先進性にある。
 ハイブリッドシステムは純電動駆動のシリーズ式をベースに高速巡航専用にパラレル式として制御される直動機構を加えていることが特徴。また、前輪駆動系と独立した後輪駆動を組み合わせた電動4WDシステムを採用している。
 外部充電機構は普通充電及び急速充電に対応。20‌kWhの駆動用バッテリーを搭載し、WLTCモードのEV航続距離は83㎞。日常用途レベルならば、ほぼEVとして使える計算が成り立つ。
 さらに前後のモーター出力も注目点。シャシーは前輪駆動に重きをおいた設計だが、モーターの最大出力は後輪用が上回る。最大トルクは前輪用が勝るが、大きな後輪駆動容量を持つことは、悪路踏破性でも運動性能でも大きな長所といえるだろう。
 さらにミツビシSUVの看板でもあるS-AWCもしっかりと備えている。速度、グリップ力、操舵や加減速操作等に応じて前後左右輪の伝達トルクを制御し、状況に最適な走行状態を保ち続けるS-AWCのおかげで、2tを超える重量級ながらも挙動の落ち着きやラインコントロール性の良さを実感できる。SUVらしからぬ動きは、走り自慢のスポーツカーも顔負けといってもいいほどだ。
 本質はレジャー用途向けミドルSUVだが、一足先のEV時代を体験できることで、他のSUVとは異なる魅力を体感できる。レジャー&アウトドア適性の高さだけで選ぶにはコスパ的には厳しいが、パワートレーンやシャシー性能の先進性まで含めた唯一無二の部分も考えれば、むしろ割安ともいっていいモデルだろう。

アウトランダーの【推し】!!/抜群のプレミアム感

走りは上質かつ軽快で乗員も快適
オンロード性能もトップレベル

 ミドル級SUVゆえに重質な味わいを想像するが、サイズや重量をあまり意識しない、ストレスを感じさせない走りが持ち味。乗員快適性を含めた扱いやすさを狙った味付けといってもいい。サスチューンも細かな揺れやトルク変動の影響が抑えられ、据わりよく滑らか。高速までトルクフルなパワーを発揮することや、どのような状況でも自然で扱いやすい操縦性もあって、街中/高速/山岳を柔軟にこなしてくれる。

フロントモーター出力は85kw/255Nm、リヤモーター出力は100kW/195Nm。駆動用バッテリーは20kWhの大容量タイプを搭載している。高速走行時はエンジン駆動も併用する。
インパネは力強い水平基調のデザイン。サードシート仕様の設定もあるなど、多人数乗車にも対応可能。上質感に富んだシート素材&パネルで、上級モデルらしいキャビン空間も魅力。

【推し】の対抗/LEXUS NX

卓越したツアラー性能が光る、プレミアムSUV
 ツインモーターがもたらす動力性能と安定性に優れたハンドリングが売りという点ではアウトランダーと近いキャラを持つが、NXはさらに高速ツアラーという魅力が加わる。細かな振動の抑制や静粛性などはNXの方が一枚上手といえるだろう。

アウトランダーの【推し】!!/圧倒的な動力性能

走るステージを選ばない
万能ぶりが頼もしい

 道路状況に応じた駆動力を前後に分配することで、理想的な車両運動性や最適な駆動力配分と駆動力制御を実現。一般道レベルの走りでも滑らかな力強さを実感できるほどだ。その卓越した走りはサーキットやラフロードでも強く実感できる。S-AWCもよく効いており、縦横無尽のコンロール性を示してくれる。SUVとは思えぬ運動性が発揮されるのは、前後独立駆動が可能な「電動4WD」ということが大きい。

S-AWCがもたらす巧みな駆動制御はアウトランダーの大きな武器。路面状況を選ばず、優れた機動性と安定した走破性を実現している。
前後駆動力配分と左右駆動力配分を同時に行うことで、常時4輪を統合制御するS-AWC。あらゆる路面で安定した走行性能とリニアなハンドリングを実現する。

【推し】の対抗/TOYOTA RAV4 PHV

EV走行の実用性はそれなりに優秀
 純電動走行領域を拡大しているため、フロントモーターの出力アップが施されているが、EV走行以外はRAV4のハイブリッド車と大きく変わらない。パラレル式にしては電動特有の力感や即応性は優れているが、操安性はアウトランダーにはやや及ばない。

アウトランダーの【推し】!!/給電能力の充実

災害時/停電時のバックアップとして十分な性能を持つ
 AC100V/15Aの供給が可能な給電システムを全グレードに標準装備しているので、ちょっとした家電製品の使用も可能。ハイブリッド用バッテリー容量は一般家庭の3日分以上の電力量に相当する20kWh。停電時のバックアップにも十分使える。

クルマに蓄えた電気を家で使う「V2H(Vehicle to Home)」にも対応。ガソリン満タンで最大約12日分の電力量を供給することができる。

【推し】の対抗/TOYOTA アクア

制約はあるが、十分頼れる性能はある
 駆動用バッテリー容量は約1kWhと小さく、発電のためエンジン稼働が前提になるが、安価に非常時に備えられることは魅力だ。

アクセサリーにはコードを取り出す際のウインドウのすき間をふさぐアタッチメントも用意される。

アウトランダーの対抗車一覧

LEXUS NX

●価格:455万〜738万円

’21年秋にフルモデルチェンジを実施。最新TNGA技術の投入により、全方位で大進化。

TOYOTA RAV4 PHV

●価格:469万〜539万円

駆動バッテリー&モーターが強化されたRAV4シリーズの最高峰モデル。刺激的な走りも人気。

TOYOTA アクア

●価格:198万〜259万8000円

高効率バッテリーの実力はクラス平均以上。非常時電源としても面白い存在だ。

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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