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更新日:2022.03.22 / 掲載日:2021.09.25
新型アクアの魅力大解剖【詳細解説編】
エクステリア
●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久
基本はキープコンセプト。先代譲りの空力性能も踏襲
従来型(先代)アクアの外観は高速燃費を考慮した設計が特徴だった。具体的にはキャビンスペースの確保しながらも、全高を低く後半を絞り込んだロングキャビンプロポーションを採用したことで、空気抵抗係数の低減を狙っていた。プリウスほどではないが、コンパクトカーとしては、かなり先鋭的な空力設計と言えるだろう。
新型もこの個性的な設計を踏襲している。全高こそ30mm高くなったが、後半部を絞り込んだ従来型同じ空力重視のロングキャビンプロポーションを継承している。
新型は前後のデザイン意匠や、ボリューム感のあるリヤフェンダー周り、ルーフスポイラー形状の変更に加えて、後部の絞り込み感も多少控えめになったが、スタイリング面ではキープコンセプトを貫いている。ベストセラーだった従来型のイメージを弄りたくなかったという意図もあるだろうが、その主目的は卓越した空力性能を狙った結果だろう。
寸法面での注目はホイールベースだ。従来型に対して50mm長くなりクラス最大級となった。このゆとりは主にキャビン実用性に当てられており、新型が居住性や荷室の実用性に気を使って開発されていることを指し示している。
Z(2WD)





立体的なグリルやランプシグニチャーを組み合わせることで精悍さをプラス。一体感のあるカタマリ感を表現するサイドビューも印象に残る。

ホイールは4タイプ用意されるが、最上級グレードのZとGにはメーカーOPで切削光輝+ダークメタリック塗装の16インチアルミホイールが用意される。
■主要諸元 ●全長×全幅×全高(mm):4050×1505×1485 ●ホイールベース(mm):2600 ●車両重量(kg):1130 ●パワーユニット:1490cc直3DOHC(91PS/12.2kg・m)+モーター(フロント:58kW/141Nm) ●WLTCモード燃料消費率 (総合モード):33.6km/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)リーデイングトレーリング(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)トーションビーム式(R)●タイヤ:185/65R15
G(4WD)



■主要諸元 ●全長×全幅×全高(mm):4050×1695×1485 ●ホイールベース(mm):2600 ●車両重量(kg):1220 ●パワーユニット:1490cc直3DOHC(91PS/12.2kg・m)+前後モーター(フロント:59kW/141Nm、リヤ:4.7kW/52Nm) ●WLTCモード燃料消費率 (総合モード):30.0km/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)リーディングトレーリング(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)ダブルウィッシュボーン式(R)●タイヤ:185/65R15
先代アクア


同じロングキャビンプロポーションを採用しながらも、メリハリが効いた新型に比べると、従来型は大人しいイメージが強い。
モデリスタからカスタマイズモデルも発売
トヨタ系カスタマイズアイテムを展開するモデリスタから、洗練された加飾パーツでスタイルを引き締めた「モデリスタ エアロキット」と、5つのメッキガーニッシュで華やかさを高めた「クールシャインキット」という、2つのエアロスタイルキットが発売されている。
モデリスタ エアロセット


クールシャインキット


インテリア
後席の居心地は向上したがアレンジは平凡なまま
従来型からホイールベースが延長されたとはいえ、居住スペースの拡大への影響は限定的。シートに収まった際の居心地の良さは、シート自体の設計はもちろんだが、新型の要点の一つである天井やリヤピラーの圧迫感低減なども含めた、全体的な座り心地改善の効果が大きいと言えるだろう。
一方、シートアレンジなどは平凡なまま。後席格納はシングルフォールディングの一般的なタイプで、レジャーで便利という積極的な工夫は見当たらない。ことさら積載性を売りにするモデルではないことは変わっていない。
インパネはセンターメーターを廃止して、オーソドックスなメーター配置に変更された。インテリア全般のデザインや加飾は、従来型と比較すると先進感より落ち着きのある雰囲気を優先したイメージ。よく言えば上級クラス的、悪く言えば守旧的な印象も感じる。
内装の造り込みは従来型と比べると質感を向上させているが、1クラス上の精度感とか高級感というほどのレベルには達していない。相対的なプレミアム感は従来型からアップしているのは間違いないが、先駆けてフルモデルチェンジを受けたライバル勢と比べると、平凡に思える部分がある。
Z



シートはブラックを基調としたファブリック/上級ファブリック/ハーフレーザーの3タイプを用意。Zは上級ファブリックを採用する。


後席シートバックはシンプルな前倒式のため段差が生じてしまうが、アジャスタブルデッキボードを用いることでフラット床面も実現可能。

アジャスタブルデッキボードの下面は小物収納に便利なサブトランクとしても活用できる。FF車はOPになるがぜひとも備えたい装備。




G



Zと同様に上級ファブリックシートを装着するが、内装パネル仕様やディプレイオーディオのモニターサイズ(7インチ)、カラーヘッドディスプレイが装着不可になることが差別点。
先代アクア


【新型アクア選び】ぜひとも装備したい注目装備はこれだ!
運転を楽にする利便装備は選ぶ価値あり
全グレードにトヨタセーフティセンスが装着されるため、どのグレードも実用面は十分。ここはアクアの強みといえるだろう。 その他の装備類の中で注目したいのが、ディスプレイオーディオ(DA)の仕様と駐車支援機能のトヨタチームメイトの2つ。DA単体ではナビはアプリナビになるため、できればT-Conecctナビを装着したい。またトヨタチームメイトはOPだが、かなり使える機能なので余力があれば最優先したい装備の一つになる。

【トヨタチームメイト(アドバンストパーク)】割高感は否めないが便利すぎるイチオシ装備




DAはグレード別に10.5インチと7インチを用意。操作方法や表示画面が大きく異なるので、Gを選ぶ場合はOP(3万8500円)で10.5インチにアップグレードすることをオススメしたい。
DAよりナビキットの方が使い勝手は明らかに上
