アウトドア・キャンプ・車中泊
更新日:2021.12.06 / 掲載日:2021.11.26

【ハイエース購入ガイド】街で見かけるちょっとレトロなカスタマイズカーの正体

文●大音安弘 写真●フレックス

 近年、様々な商品で昭和レトロがちょっとしたブームとなっている。クルマに関しても、ネオクラシックやヤングタイマーと呼ばれる80年代~90年代のモデルに熱い視線が注がれているのだが、価格高騰や維持費の高さなどから、ちょっと手を出しにくいのも正直なところ。その夢を叶えるべく、フレックスが提案するカスタムカーシリーズが「Renoca」だ。

Renoca コーストライン

 「Renoca」は、新車または中古車を懐かしさのあるデザインに作り変えたリノベーションカーのこと。建築の世界で盛んに行われている、大規模な改装によって付加価値をつける手法をクルマに取り入れ、単に中古車を整備するだけでなく、懐かしくも新鮮なビジュアルを与えることで、ユーザーに個性的な自分だけのカーライフを楽しんで貰おうとするものだ。そのデザインは、ネオクラシックとして評価が高まっている「日産ラシーン」などのコンセプターである坂井直樹氏(慶應義塾大学教授)をはじめ、最前線で活躍する国内外のカーデザイナーの協力による本格的なものなので、完成度の高さも特筆すべきところだ。また新車だけではないので、大掛かりなカスタムを受けているにも関わらず、現実的な価格である点も強みのひとつ。さらにカラーや装備などのカスタム内容を複数ある選択の中からオーダーすることも可能なので、自分だけの1台を作り上げることもできる。

 現在のラインアップには、トヨタSUVである2代目ランドクルーザープラドやランドクルーザー80、トヨタのビジネスバン「プロボックス(現行型)」などをベースとした数タイプを用意。もちろん、フレックスの看板商品であるハイエースも含まれている。これらをベースとするのは、耐久性の高さもひとつ。元々頑丈で壊れにくい車種をベースとすることで、長く愛せるクルマに仕上げているのだ。今回は、ハイエースの「Renoca」についてより詳細に見ていこう。

ハイエースのRenocaはアメリカン・バンをイメージ

 ハイエースのRenocaは、2004年から現在まで長く販売されている現行型をベースに作られている。そのバリエーションは、大きく分けて「コーストライン」と「コーストライン・ナロー」の2種類となる。「コーストライン」シリーズのデザインは、60年代~90年代に愛されたアメリカン製バンをモチーフとしたもので、クラシカルなフロントマスクデザインに、アメリカンカジュアルな豊かな色彩のボディカラーを組み合わせたもの。だから、ボディカラーについては、ポップな色も豊富で、2トーン仕様だって選べるし、カラーコードを用意することでオリジナルのボディカラーにすることだって可能。まさに自分色のハイエースが手にできるシステムなのだ。ユニークなのは、ヘッドライトが縦型角目4灯式と丸目2灯式が選べるところ。デザインのモチーフは、アメ車のシェビーバンからヒントを得たようだが、なんと80年代に活躍した3代目ハイエースも同様のヘッドライトデザインを採用していた。だから、現行型のスタイルとも親和性が非常に高い。アメ車風味だけど、実にハイエースらしい姿に仕上げられているのだ。このデザインの類似性には、当時のハイエースが、ミニバンの元祖であるアメ車バンを意識していたことを伺わせる部分でもある。

Renoca コーストライン

 主力となる「コーストライン」のボディタイプは、ワゴン「GL」ロングボディ・ミドルルーフ仕様とバン「スーパーGL」ロングボディのふたつに分かれる。ワゴンの場合は、オリジナルシートアレンジVer.1が標準。サードシートを対面式とした10人乗り仕様で、純正シートの全てにブラックレザー調カバーを装着。全面フローリング加工に加え、充電用USBソケットやサイドテーブルなどを装備する。後席エリアをベッド化できるため、車中泊にも対応する。5人乗りとなるバン仕様では、ベッドキットが装着されるので、こちらも車中泊や趣味のベースキャンプとしての活用が可能だ。

Renoca コーストライン・ナロー

 もうひとつのコーストラインである「コーストライン・ナロー」は、コーストラインのスタイルの魅力を備えつつ、特に日常での使いやすさを追求したモデルだ。その秘密は、ベース車にコンパクトなミドルルーフの標準ボディをチョイスしたこと。その結果、バンとしての積載性の高さと、最小回転半径5.0mという取り回しの良さを併せ持つのが大きな特徴となる。因みに、5ナンバーサイズのミニバンであるトヨタ・ノアの最小回転半径が5.5mと知れば、その扱いやすさも想像しやすいだろう。ボディは、5人乗りのバン仕様なので、荷室部に車内収納可能なフルフラットベッドを採用。ベッド展開時も、ベッド部が跳ね上げ可能なので、フロア部との間の空間をラゲッジスペースとして活用できる。

Renocaの主なカスタムポイント

 主なカスタムポイントについて紹介すると、ボディカラー、ヘッドライトデザイン、サイドミラーカラー、バンパーの仕上げ、ホイールデザイン、シートカバーのデザイン、家具やフロアの色、さらに装着するオプションとなっている。価格については、ベース車の価格と選択した仕様により1台ずつ異なるので、手頃なベース車が見つかれば、予算を抑えることもできるというわけだ。

 フレックスのWEBサイトには、コンプリートカーとして仕上げられた「Renoca」も掲載されており、気に入った仕様があれば、フルオーダーせずに、即購入できる体制も整えられている。近づく冬休みに向けて、愛車にRenocaを選ぶのも魅力的な選択のひとつといえそうだ。もちろん、じっくりと検討し、細やかな部分まで自分好みに仕上げたいという人は、Renoca専用サイトを活用すれば、仕様のシミュレーションも行えるようになっており、フレックスの店舗を通じて、自分だけの1台をオーダーすることもできる。

取材協力 FLEX<フレックス>【ランドクルーザー・ハイエース専門店】

FLEX<フレックス>

 創業54年の老舗で、ランドクルーザーやハイエースを中心に魅力的な中古車を販売。全国に43店舗を展開し、2020年販売実績は6,115台 (ランクル含む)、年間カスタム実績5,400台以上 (ランクル含む)、数多くのファンにハイエースの楽しさを提供している。

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大音安弘(おおと やすひろ)

ライタープロフィール

大音安弘(おおと やすひろ)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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