カーライフ
更新日:2021.02.13 / 掲載日:2021.02.13
【グー連載コラム】永福ランプのマニアック車パトロール隊(2021年2月)
【今回のマニアック車】 ホンダ シティ(初代モデル)

カブリオレやターボはたまに見かけるが、素の初代シティは超希少! なにせ40年前のフツーの小型車なのだから。目撃した個体は実にキレイで、大切にされているようだった。
「素の初代シティはめずらしい!」
初代シティが発表されたのは81年。私が免許を取った翌年だから、まさに青春ど真ん中だった。
サークルの同級生が初代シティに乗っていて、私も運転させてもらったことがあるが、特に楽しいとかうれしいとかは思わなかった。一方、数年後に乗ったターボ2はハチャメチャなじゃじゃ馬で楽しかった。
初代シティは発売からすでに40年近く経っているが、近年見かけるのは、カブリオレかターボばかり。初代シティでとんがっていたのは、あとから追加されたカブリオレとターボとターボ2(ブルドッグ)で、それらはいまだにかなりの数が生き残り、大切にされている。だが、私が楽しくもうれしくもないと感じた素のグレードは、ほとんど見かけない。
ところが!
先日近所で、カブリオレでもターボでもない、素の初代シティが走っているのを目撃したのだ!
「うおおおお、素の初代シティじゃんかあぁぁぁぁぁ!」
私はコーフンした。かつて楽しくもうれしくもないと感じたクルマだが、今はものすごく希少。そのいかにも「素」な風情が、とっても可憐で清々しく見えた。
当時は「トールボーイ」と呼ばれた初代シティだが、今や全然背が高くない。そして小さい! カブリオレやターボみたいなオーバーフェンダーも付いていないので、今の軽よりはるかに小さく見える。
そんな初代シティをグーネットで検索してみると、16台がヒットした。そのうち12台がカブリオレで、3台がターボ。248万円という、新車当時の2倍以上のプライスを付けた個体もあった。
そんななか、たったの1台だが、素の初代シティもあったのですよ!思わず頬ずりしたくなりました。
お値段は89万円。うーん、意外と高いな……。やっぱり私のように、「うおおおお、素の初代シティだ!」と、目ざとくコーフンするカーマニアがいるからだろうか。
経歴
1981年 「トールボーイ」誕生
コンパクトカーのスタンダードにもなりえた秀逸で得意な背の高いスタイリングをまとって誕生。走りの楽しさも相まって、一世を風靡した。
1983年 「ターボ2」を追加
前年から販売されていた「ターボ」に代わって登場した「ターボ2」は、大型フェンダーなどを装着。「ブルドッグ」という愛称で人気に。
1984年 「カブリオレ」を追加
独自のキュートなデザインをさらに魅力的でカジュアルにしたのがオープンモデルの「カブリオレ」だ。12色ものボディカラーが用意された。
1985年 「ハイパーシフト」追加
4速MTの2から4速に副変速機をつけた7段変速式の特別なトランスミッション採用グレードを追加。現在の中古車市場では激レア仕様となっている。
1986年 2代目へモデルチェンジ
「トールボーイ」として鮮烈な印象を残したシティはモデルチェンジを敢行。2代目は薄さを強調したデザインで、それほど話題にならなかった。
マニアック指数 99点

グーネット掲載車価格帯 70万から248万円
今も高値を維持している人気のカブリオレやターボでも十分マニアックだが、素のモデルはあまりにも希少につき、さらにマニアック! 超ロングストロークのコンバックスエンジンは1.2Lの67馬力。軽量につき動力性能に不足はなかった。
ピピーッ! 取り締まります
ピピーッ! 取り締まります
自動車評論家 永福ランプ
かつて(今も)清水草一、以前はMJブロンディ、そして現在は永福ランプと名乗る。カーマニアを自称し、街中を走るマニアック車を見つけ出すことに老後の楽しみを見つけた。
(掲載されている内容はグー本誌2021年3月号の内容です)※中古車価格はグーネット 2021年1月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。