カーライフ
更新日:2026.04.10 / 掲載日:2026.04.10
注目のEV6モデルをイッキ乗り! 実車を乗り比べてわかった特徴とは…?

文と写真⚫︎ユニット・コンパス ※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
自身もホンダ eのオーナーであり、さまざまな電気自動車をテストドライブしている編集部の大塚。普段は生活のパートナーとして7日間じっくり試乗していますが、今回は特別編です。複数メーカーの最新EVモデルが一堂に集結したイベントで、それぞれの魅力や個性を比較しながら、国産EVのいまを探ります。今回も、テーマはもちろん「徹底的にユーザー目線」で!
前回の記事はこちら▼
メーカー合同EV試乗会レポート! 編集部・大塚が6ブランドのEVを乗り比べる

今回は国産メーカーの各EVが試乗できるイベントに、編集部・大塚が参加! 会場にはスズキ、ホンダ、マツダ、三菱自動車、レクサス、日産の車両が集結。
会場となったのは、日産の「GRANDRIVE(グランドライブ)」。ここは普段、クルマの性能や安全性、走行フィールなどを検証する施設。そんな環境で各モデルを走らせることができるのも、この試乗会ならではの魅力です。
EV化が進むなか、各メーカーは独自の思想と技術を武器に、それぞれ異なるアプローチでEVモデルを展開しています。ひと口にEVといっても、電気のみで走行するバッテリー式電気自動車「BEV(Battery Electric Vehicle)」、外部充電に対応し電気とエンジンの両方で走行可能な「PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)」、さらにエンジンで発電しモーターのみで駆動するシリーズハイブリッドなど、技術的背景も走りのキャラクターも大きく異なるモデルが存在します。
そして、こうした違いを同一環境で乗り比べ、その差を肌で感じ取れる機会は決して多くはありません。そうした意味でも今回の試乗会は、単なる体験イベントにとどまらず、国産EVの現在地をリアルに把握できる貴重な場となりました。

限られた試乗時間ではありますが、編集部・大塚が実際にステアリングを握ったモデルにフォーカスし、ユーザー目線でのリアルな印象とともに、それぞれの個性や魅力を掘り下げていきます!
【スズキ eビターラ】サイズ感が素晴らしい、スズキ初のBEV

スズキ eビターラは、スズキ初となる量産バッテリー電気自動車(BEV)で、コンパクトSUVの使い勝手の良さが魅力のグローバルEV戦略車の第一弾。先進的なEV性能と、SUVとしての実用性・走破性の両立を目指すと同時に、デザインは「ハイテク&アドベンチャー」をテーマに、多面体的な造形と大径タイヤを採用。SUVらしい力強さとEVの先進性を融合させたスタイルとなっています。
プラットフォームには、EV専用に新開発された「HEARTECT-e(ハーテクトe)」を採用し、軽量構造や高電圧保護に加え、床下へのバッテリー配置によって低重心化と広い室内空間を両立。駆動方式に2WDと4WDが設定されているのも特徴で、4WDモデルには電動4WDシステム「ALLGRIP-e」を採用。前後に配置された2基のeAxleを電子制御することで、路面状況に応じた最適なトルク配分と高い走破性を実現しています。

また、「NORMAL」「ECO」「SPORT」の3種類のドライブモードを備え、走行状況に応じた制御が可能。バッテリーは49kWhと61kWhの2種類が用意され、航続距離は約433km~520km(WLTCモード)と、日常利用から長距離移動まで対応可能な性能を備えています。
ボディはコンパクトSUVとして設計され、日常使いとレジャーの両立を想定しています。グレードは49kWhバッテリーの「X(2WD)」、61kWhバッテリーの「Z(2WD)」および「Z(4WD)」の構成です。
車両本体価格(税込)
X(2WD):約399万3000円
Z(2WD):約448万8000円
Z(4WD):約492万8000円
編集部 大塚「実際に乗ってみると、このサイズ感はかなりいいですね。とても扱いやすく、すぐに馴染める印象です。ステアリング形状も好みで、握りやすく、メーターの見やすさも嬉しいポイントです。取りまわしも非常に自然! 乗り始めから構える必要がないのも好印象でした。アクセルの反応もとても素直で、加速は終始なめらか。走らせていて気持ちよさをしっかり感じられます。2WDと4WDの両方に試乗しました。ロケーションもあると思いますが、個人的には2WDで十分だと感じました。FFでありながらトルクステアはほとんど気にならず、とても扱いやすいです。いわゆるEV特有のギクシャクした挙動もなく、全体として非常にバランスよくまとまっているクルマだと思いました」
プラスαの解説
重心が低く抑えられたEV専用プラットフォームで、発進時や加速時の安定性、そして操舵時のロールの少なさといった基本性能が高められています。パワートレインには、モーターとインバーター、トランスアクスルを一体化した高効率ユニット「eAxle」を採用。これによりコンパクト化とエネルギー効率の向上が図られ、その結果としてアクセル操作に対する応答性が高まり、「素直な加速フィール」につながっています。


スズキ eビターラ Z(2WD)
| 全長 | 4275mm |
| 全幅 | 1800mm |
| 全高 | 1640mm |
| ホイールベース | 2700mm |
| 車両重量 | 1790kg |
| 乗車定員 | 5名 |
| 駆動方式 | 2WD(FF) |
| バッテリー総電力量 | 非公表 |
| バッテリー種類 | リチウムイオン電池 |
| モーター最高出力 | 128kW |
| モーター最大トルク | 193N・m |
| 一充電走行距離(モーター) | 最大520km(WLTCモード) |
| タイヤサイズ 前後 | 225/55R18 |
【ホンダ N-ONE e:】気軽さと乗りやすさではダントツ

ホンダ N-ONE e:は、ホンダ の軽自動車「N-ONE」をベースに電動化したBEVで、「日常のパートナー」というコンセプトのもと開発されています。既存のN-ONEが持つ丸みを帯びた親しみやすいデザインと優れたパッケージングを継承しながら、電動化によって静粛性や応答性、スムーズな加速を実現しています。軽自動車規格に最適化された設計のもと、日常利用における快適性と効率性の両立が図られているわけです。
最大の特徴は、ホンダが長年培ってきた「M・M思想(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)」をEVとして再構築している点にあります。床下にバッテリーを配置することで、限られたボディサイズの中でも大人4人が快適に過ごせる室内空間を確保し、日常使いにおける高い実用性を実現しています。これは、「毎日使うためのちょうどよさ」を重視した設計で、航続距離はWLTCモードで約295㎞で、通勤や買い物といった日々の移動を十分にカバーする性能を持っています。

さらに、内外装にはリサイクル素材を積極的に使用するなど、環境負荷の低減にも配慮。単なる電動化にとどまらず、持続可能性を意識した設計がなされている点も特徴です。
走行面では、モーター駆動による滑らかで静かな加速フィールを備え、都市部での扱いやすさと快適性を高い次元で両立しています。見切りや取りまわしの良さといった軽自動車としての基本性能も高くなっています。N-ONE e:は、電動車としてのポテンシャルに加え、「日常に自然に溶け込むEV」としてのキャラクターが丁寧に磨き上げられたモデルなのです。
車両本体価格(税込)
e:G:269万9400円
e:L:319万8800円
編集部 大塚「まず、EVになってもデザインがN-ONEらしさを保っている点に嬉しさを感じます。このクルマは街中で乗ると本当にいいですね。コンパクトで、とにかく扱いやすい。体に馴染む感覚もあり、乗ってすぐにこれいいなと思わせてくれます。ホンダ N-VAN e: と比べるとコーナリングも自然で、アクセルを踏んだ分だけスッと前に出る感覚がとても気持ちいいです。この素直な加速フィールはクセになりますね。静かさも相まって、運転していて純粋に楽しい。近距離中心のEV軽としての完成度は非常に高く、日常で使うならこれでいいと素直に思える一台でした」
プラスαの解説
デザインは、従来のN-ONEの魅力を引き継ぎつつ、EVならではのクリーンさと先進性を融合。フロントには7セグメント表示をモチーフとしたライト表現が採用されるなど、細部にも新しさが感じられる仕上がりになっています。
グレード構成はシンプルな2種類。上級グレードのLには視認性に優れたナビディスプレイが備わる一方で、ベーシックなGでもBluetooth接続に対応しています。そのため、スマートフォンを活用するユーザーにとっては、どちらのグレードも選びやすいバランスの取れた構成となっています。


ホンダ N-ONE e:L
| 全長 | 3395mm |
| 全幅 | 1475mm |
| 全高 | 1545mm |
| ホイールベース | 2520mm |
| 車両重量 | 1030kg |
| 乗車定員 | 4名 |
| 駆動方式 | 2WD(FF) |
| バッテリー総電力量 | 非公表 |
| バッテリー種類 | リチウムイオン電池 |
| モーター最高出力 | 47kW(64ps) |
| モーター最大トルク | 162N・m(16.5kgf・m) |
| 一充電走行距離(モーター) | 最大295km(WLTCモード) |
| タイヤサイズ 前後 | 155/65R14 |
【マツダ MX-30 Rotary-EV】ロータリーエンジンが発電を担う

マツダ MX-30 Rotary-EVは、マツダが展開する電動化モデルの一つで、ブランドの精神的な象徴でもあるロータリーエンジンを発電専用として搭載したシリーズ式プラグインハイブリッド車。電動車としての走行性能と航続距離の両立を目指し、駆動はあくまでモーターが担い、エンジンは発電に専念する構成を採用。EVならではの滑らかで静かな走行特性を維持しながら、長距離移動にも対応します。

発電用に搭載されるロータリーエンジンは、小型・軽量で振動が少ないという特性を持っています。この特性を活かし、モーターや発電機と一体化されたコンパクトな電動ユニットとして搭載されており、室内空間を損なうことなく効率的なパッケージングが図られているのです。バッテリー容量は17.8kWhで、満充電時には約107kmのEV走行が可能。日常の多くのシーンをバッテリーのみでまかないつつ、残量が低下した場合にはロータリーエンジンによる発電で走行を継続できるため、充電環境に左右されにくい点も強みとなっています。
車体はMX-30シリーズ共通のパッケージを採用し、観音開き式のフリースタイルドアによって乗降性とデザイン性を両立。インテリアには環境配慮素材を使用するなど、持続可能性への取り組みも特徴の一つです。
ラインアップは基本グレード「ROTARY-EV」を中心に、装備差による複数のバリエーションを展開。さらに特別仕様車「Retro Sports Edition」も設定されています。
車両本体価格(税込)
Rotary-EV(435万6000円)
Modern Confidence(490万6000円)
Natural Monotone(490万6000円)
Retro Sports Edition(494万2300円)
編集部 大塚「走りはかなりEVらしいですね。非常に滑らかで、違和感はほとんどありません。ロータリーで発電するという独創的な仕組みもやはり興味深く、マツダらしいアプローチだと感じました。先日もこの連載で試乗しましたが、実際にどのような使い方がベストなのかは、もう少し乗り込んでみたくなるクルマです。サスペンションの特性も非常に好印象で、しなやかさと安定感のバランスがよく取れています。また、ステアリングが細めに仕立てられている点も、個人的にはどこか安心感があり、好ましく感じています」
プラスαの解説
給電能力に注目すると、満充電時のバッテリー(17.8kWh)のみでも一般家庭でおよそ1~1.5日分の電力供給が可能とされています。さらに燃料満タンの状態では、発電を組み合わせることで約7~10日分の電力をカバーできる点も大きな特徴。蓄電池としての機能に加え、発電機としての役割も兼ね備えることで、アウトドア用途や災害時の非常用電源としても高い実用性を備えています。
また、ロータリーエンジンは往復運動を持たない構造のため振動が少なく、回転バランスにも優れています。この特性は発電用途との相性が良く、安定した電力供給に寄与します。


マツダ MX-30 Rotary-EV
| 全長 | 4395mm |
| 全幅 | 1795mm |
| 全高 | 1595mm |
| ホイールベース | 2655mm |
| 車両重量 | 1780kg |
| 乗車定員 | 5名 |
| 駆動方式 | 2WD(FF) |
| バッテリー総電力量 | 17.8kWh |
| バッテリー種類 | リチウムイオン電池 |
| モーター最高出力 | 125kW(170ps) |
| モーター最大トルク | 260N・m(26.5kgf・m) |
| 一充電走行距離(モーター) | 107km(WLTCモード) |
| 発電用エンジン | 830cc 水冷1ローター |
| 発電用エンジン最高出力 | 53kW(72ps) |
| タイヤサイズ 前後 | 215/55R18 |
【三菱 アウトランダーPHEV】優れた4WDテクノロジーにびっくり

三菱 アウトランダーPHEVは、三菱自動車の電動化技術を代表するプラグインハイブリッドSUVで、独自の電動四輪駆動技術「S-AWC(Super All Wheel Control)」を核としたモデルです。
前後にモーターを配置したツインモーター4WDを採用し、駆動力と制動力を統合的に制御することで、高い操縦安定性と悪路走破性を実現しています。路面状況やドライバーの操作に応じて最適なトルク配分が常に行われ、幅広いシーンで安定した走行性能を発揮します。

PHEVシステムは、走行状況に応じてEV走行、シリーズ走行、パラレル走行を自動的に切り替え、効率と滑らかさを両立。発進や低速域ではモーターのみで静かに走行し、加速時やバッテリー残量が低下するとエンジンによる発電(シリーズ走行)で電力を補います。さらに高速巡航時にはエンジンが駆動にも関与するパラレル走行へ移行し、効率を高めます。これらはすべて自動制御されるため、状況に応じた最適な走行状態が維持されます。
車体はSUVとしてのサイズと居住性を確保し、5人乗りおよび7人乗りを設定。長距離移動や多人数乗車にも対応したシートアレンジを採用し、快適装備も充実しています。
アウトランダーPHEVは、電動化による効率性と高度な車両制御技術を融合し、日常から悪路、長距離移動まで幅広い用途に対応する実用性を備えたEVです。ラインアップは全車4WDが基本で、装備や上質感の違いによって段階的にグレードが構成されています。
車両本体価格(税込)
M(5人乗り):529万4300円
G(5人乗り):591万300円
G(7人乗り):600万1600円
P(5人乗り):634万4800円
P(7人乗り):643万6100円
P Executive Package(5人乗り):662万5300円
P Executive Package(7人乗り):671万6600円
BLACK Edition(特別仕様車・5人乗り):673万5300円
BLACK Edition(特別仕様車・7人乗り):682万6600円
編集部 大塚「安定感はかなり高いですね。車格もあるので安心感があります。なのに身のこなしは非常にしなやか。そして何より4つのタイヤそれぞれを最適にコントロールするS-AWCが凄い! 曲がりやすいし、神がかった走りですね。これがディフェンダーの半額とは……ちょっと欲しくなりますね。路面にしっかり接地している感じがあって、全体的に落ち着いた走りです。ただ、その安定感の裏返しとして、クルマの重さは、やはり感じられます。特に加減速時には、それを意識する場面もありました」
プラスαの解説
走行シーンに応じて特性を最適化する7つのドライブモードも、このクルマの高い走破性と走りの質に大きく貢献しています。NORMALやECOといった日常走行向けのモードに加え、POWERによる力強い加速、TARMACでの高い操縦性、さらにGRAVEL・SNOW・MUDといった滑りやすい路面や悪路に対応したモードも用意されています。
これにより、アクセルレスポンスやトルク配分、車両挙動が状況に応じて最適化され、多様な環境でも安定した走行が可能です。その結果、オフロード走行においても不安を感じにくく、安心してアウトドアレジャーを楽しめる一台に仕上がっています。


三菱 アウトランダーPHEV P(7人乗り)
| 全長 | 4720mm |
| 全幅 | 1860mm |
| 全高 | 1750mm |
| ホイールベース | 2705mm |
| 車両重量 | 約2160kg |
| 乗車定員 | 7名 |
| 駆動方式 | 4WD |
| バッテリー総電力量 | 22.7kWh |
| バッテリー種類 | リチウムイオン電池 |
| モーター最高出力 | 前85kW/後100kW |
| モーター最大トルク | 前255N・m/後195N・m |
| 一充電走行距離(モーター) | 約102km(WLTCモード) |
| エンジン | 2.4L 直4 |
| エンジン最高出力 | 98kW |
| タイヤサイズ 前後 | 255/45R20 |
【レクサス RZ550e F SPORT】SUVのカタチをしたスポーツカー!?

レクサス RZ550e F SPORTは、レクサス が展開するバッテリー電気自動車専用モデル「RZ」の高性能仕様で、同ブランドの電動化技術と車両制御技術を統合したモデル。
EV専用プラットフォーム(e-TNGA)を採用し、大容量バッテリーを車体下部に配置することで低重心化を実現。これにより、優れた操縦安定性と上質な乗り心地を高次元で両立しています。
駆動方式は前後モーターによる四輪駆動で、「DIRECT4」と呼ばれる駆動力制御システムにより前後トルク配分をリアルタイムに最適化。加速時や旋回時、さらには減速時に至るまで緻密に制御することで車両の姿勢変化を抑え、ドライバーの意図に忠実な挙動を実現しています。
安全性能においては、最新の運転支援システム「Lexus Safety System +」を搭載。プリクラッシュセーフティやレーダークルーズコントロール、レーン維持支援などを統合制御することで、ドライバーの負担軽減と事故回避性能の向上が図られています。また、低重心かつ高剛性なボディ構造と前後モーターによる安定した駆動力制御が相まって、高速走行時や悪条件下でも高い安定性を確保しているのも特徴です。

F SPORT仕様では、専用のサスペンション設定や内外装デザインが与えられ、走行性能とスポーティなキャラクターをさらに強化。インテリアにおいても質感と機能性が高い次元で両立されており、プレミアムEVとしての位置付けが明確にされています。
車両本体価格(税込)
RZ350e “version L”(FWD):790万円
RZ500e “version L”(AWD):850万円
RZ550e “F SPORT”(AWD):950万円
編集部 大塚「加速、安定感ともに非常にハイレベルで、完成度の高さを強く感じます。操作に対する反応も正確で、クルマ全体の動きがきれいに揃っている印象です。ステアリング形状によって前方の視界が広く確保されている点は好印象です。見てのとおり、片手でのズボラ運転は無理ですね(笑)。オルガン式アクセルペダルの操作性も良好で、細かなコントロールがしやすいと感じました。なお、マニュアル操作風の制御モードについては、今回は試す機会がありませんでした」
プラスαの解説
インタラクティブマニュアルドライブは、モーター出力を段階的に制御することで擬似的なシフト操作を再現し、EVでありながらドライバーが積極的にクルマを操る楽しさを高める機能。また、ステアバイワイヤシステムの採用により、路面状況や走行状態に応じた操舵特性の最適化が可能となっています。さらに、空力性能の最適化やF SPORT専用サスペンションのチューニングと相まって、応答性の高いダイレクトな走りと優れた運動性能を実現しています。


レクサス RZ550e F SPORT
| 全長 | 4805mm |
| 全幅 | 1895mm |
| 全高 | 1635mm |
| ホイールベース | 2850mm |
| 車両重量 | 2120kg |
| 乗車定員 | 5名 |
| 駆動方式 | 4WD |
| バッテリー総電力量 | 非公表 |
| バッテリー種類 | リチウムイオン電池 |
| モーター最高出力 | 前167kW(227PS)/後167kW(227PS) |
| モーター最大トルク | 前268N・m(27.3kgf・m)/後268N・m(27.3kgf・m) |
| 一充電走行距離(モーター) | 582km(WLTCモード) |
| タイヤサイズ 前後 | タイヤサイズ 前後 235/50R20・255/45R20 |
【日産 リーフ】先駆者らしい完成度の高さ

日産 リーフは、2010年に世界初の量産型バッテリー電気自動車として登場し、その後の電動車普及を牽引してきたモデル。3代目へと進化し、従来の実績を基盤としながら、性能および商品性を全面的に刷新。従来モデルで確立された実用性を維持しつつ、航続距離、快適性、デジタル機能などの各要素が強化された進化は、まさにこれまでの知見が存分に反映されています。
車体はEV専用設計で、バッテリーを車体下部に配置することで低重心化を実現。これにより、走行安定性と室内空間を両立。パワートレインはモーターによる前輪駆動を基本構成として、EV特有の滑らかな加速性能と高い応答性を備えています。アクセル操作に対するリニアなトルク発生は、市街地から高速域まで走行フィールも快適。バッテリー性能についても大幅な進化が図られており、従来モデルと比較して長距離移動への適応性が向上しています。

また、インフォテインメントシステムにはGoogle機能を統合したシステムを採用、ナビゲーションや車両操作のデジタル化が進められています。加えてサスペンションの改良により、乗り心地および操縦安定性の向上が図られています。
ラインアップはバッテリー容量の異なる「B5」、「B7」をもとに、装備グレードとAUTECH仕様を組み合わせた構成で、実用性重視から上質仕様まで幅広く選べます。
車両本体価格(税込)
B5 S:438万9000円
B5 X:473万8800円
B5 G:564万8500円
B7 X:518万8700円
B7 G:599万9400円
AUTECH(B5):616万2200円
AUTECH(B7):651万3100円
編集部 大塚「やっぱり完成度は高いですね。乗り出してすぐに感じるこのまとまり感。すごく自然に、そして本当にラクに運転できます。加速も滑らかで、全体のバランスがよく取れている印象です。長く作り続けてきたクルマだな、という感じで本命感がします(笑)。また、この航続距離ならばロングドライブも安心ですね。価格と内容を含め、すでにEVを買った人が納得できる内容ではないでしょうか」
プラスαの解説
3代目リーフでは、モーターと回生ブレーキの制御、さらにエネルギーマネジメントを統合することで、効率性と扱いやすさを高いレベルで両立。特に「e-Pedal」は、アクセルオフ時の回生トルクを精密に制御し、減速度を一貫して立ち上げることで、加減速を単一ペダルで操作できるよう設計されています。またバッテリー性能の向上およびエネルギーマネジメントの進化により航続距離も大幅にアップし、最大702kmという数値を発揮。長距離移動への適応性を一段と高めています。現行EV市場における新たな基準となるモデルといえるでしょう。


日産 リーフ B7 X
| 全長 | 4360mm |
| 全幅 | 1810mm |
| 全高 | 1550mm |
| ホイールベース | 2690mm |
| 車両重量 | 1880kg |
| 乗車定員 | 5名 |
| 駆動方式 | 2WD(FF) |
| バッテリー総電力量 | 非公表 |
| バッテリー種類 | リチウムイオン電池 |
| モーター最高出力 | 160kW(218PS) |
| モーター最大トルク | 355N・m(36.2kgf・m) |
| 一充電走行距離(モーター) | 最大702km(WLTCモード) |
| タイヤサイズ 前後 | 215/55R18 |
【まとめ】

編集部 大塚「今回いろいろな電動車を一気に乗り比べてみて、一番印象に残ったのは、『同じ電動車でもここまで違うのか』という点でした。例えば、スズキ eビターラはとにかくバランスが良くて扱いやすいですし、日産 リーフは長く作り続けられてきた安心感があります。一方で、マツダ MX-30 Rotary-EVのように仕組みそのものがユニークなクルマもあって、単純な比較では語れない面白さがありますね。正直に言うと、“どれが一番いいか”というより、“どう使うか”で選ぶのが今のEVなのだと感じました。EVって、以前は特別な存在という印象がありましたが、今はもう普通に比較して選べる段階に来ている、そんな印象です。参考になることの多いイベントでした」
プラスαの解説
この試乗で明確になったのは、EVがひとつの方向に進化しているわけではないという点。まず、日産 リーフ やスズキ eビターラのようなバッテリー電気自動車(BEV)は、モーターのみで駆動するシンプルな構造を持っています。この構造は、応答性の高さや滑らかな加速、静粛性といった特性につながっています。一方で、三菱 アウトランダーPHEV はエンジンとモーターを組み合わせることで、航続距離と走行安定性の両立。とくに電動四輪駆動は、路面状況に応じた駆動力の制御が可能で、安定性という明確な強みを示しています。一方で、マツダ MX-30 Rotary-EVのようなシリーズ式の電動化は、エンジンを発電専用とすることで、走行自体は電動車の特性を維持しつつ、エネルギー供給の柔軟性を確保しています。そして、レクサス RZ550e F SPORTのようなモデルでは、前後モーターのトルク配分を電子制御することで、パフォーマンスや安全面で車両の挙動を高い精度でコントロールする方向へ進化しています。
重要なのは、これらの違いが単なるスペック差ではないという点。街乗り中心で使うのか、長距離移動を重視するのか、あるいは安定性や安心感を重視するのか。こうした使い方によって、最適な在り方は大きく変わってきます。現在のEVは、急速充電によりおよそ30分でバッテリーの約80%まで充電できる水準に達しており、充電インフラも今後さらに拡充していくことが見込まれています。その結果、電動車は「性能の優劣」で評価するものではなく、用途や価値観に応じて最適解を選ぶ時代へと移行しつつあります。今回の試乗会は、その変化を実体験させてくれました!

リポータープロフィール:自他共に認めるクルマ好き、キャンプ好き、ウインタースポーツ好きにして、気になることは徹底的に調べるのがモットー。今回は企画を成立させるために、ローンを駆使して自らEVを購入。これからEVにまつわる諸問題に体当たりしていきます! プロトコーポレーション 執行役員/2026-2027 日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。
