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更新日:2024.04.05 / 掲載日:2024.03.08

どこが違う? どう進化した? 日本車とドイツ車本気の実力

価格が手頃で実用的なモデルは実力伯仲!

メルセデス・ベンツ、BMW、ポルシェ……ドイツのクルマはいつの時代も日本人の憧れだった。しかし、時代は移り変わっていくもの。現在、世界で高い評価を得ている日本車は、はたしてドイツ車の境地に達したといえるのか?日本車とドイツ車、世界一とも言われる2つの国の国民車の魅力をひも解いていく。

構成・文/フォッケウルフ  撮影/木村博道、茂呂幸正、我妻慶一
(掲載されている内容はグー本誌 2024年3月発売号掲載の内容です)

日本の大衆車

トヨタ プリウス(現行型)
市販車としては世界初となるハイブリッド専用車。メカニズム的には常に世界トップクラスの低燃費を実現し、先代型となる4代目モデルまでキープコンセプトで改良され続けてきたが、2023年に発売された現行型は低重心でスポーティなスタイリングへと進化した。
新車価格 320万〜460万円 中古車中心相場 330万〜480万円

ドイツの大衆車

フォルクスワーゲン ゴルフ(現行型)
サイズ感、デザイン、価格、装備、乗りやすさなど、すべての面を高いレベルで揃えた、日本における輸入車の定番モデル。フォルクスワーゲンの世界戦略モデルであり、世界中で高い人気を誇る。現行型はディーゼルエンジンとマイルドハイブリッドをラインアップする。
新車価格 334万2000〜451万4000円 中古車中心相場 230万〜360万円

プリウスとゴルフがいつの時代も大衆車であり続ける理由

「大衆車」という言葉の意味を辿ると、「一般大衆が購入して維持できるような手頃な価格帯のクルマ」となっている。これは「国民車」や「定番車」といってもいい。つまり、それなりに売れて、多くの人に知られていて、よく見かけるクルマのこと。ゴルフは1974年にタイプⅠ(ビートル)の後継的モデルとして発売されて以来、すでに現行型で8代目となったが、ベンツのCクラスやMINIらと「輸入車のスタンダード」の座をかけてしのぎを削ってきた。プリウスは3代目モデルのとき(2009年〜)に普通車の新車販売台数1位の座に輝き、日本を代表する大衆車となった。

1.日本車とドイツ車 比較

日本車はドイツ車に見劣りしない時代になったのか?所有の喜び編

クルマ好きにとって、愛車は自分のアイデンティティを証明するアイテムにもなりうる。ガレージに置いて誰かにその姿を見られるのなら、やっぱりドイツ車のほうが自慢できるというもの?

ドイツ車は今もなお特別な存在! 日本車はまだ敵わないがその差は縮まっている
クルマのプロに聞く 日本車の所有満足度はドイツ車に追いついたか?

 かつて日本では、「ドイツ車は国産車とは格が違う」的な認識が一般的だった。たとえば走りがいいとか、デザインや内装がカッコイイといった理由で、所有満足度は段違いだと思われていた。
 たしかにその通りの面もあった。昔は今よりずっと、「速いクルマ=いいクルマ」と考えられており、速度無制限のアウトバーンで鍛えられたドイツ車は、スペック上の速さは国産車と同じでも、走らせれば安定感が違うといわれていた。実際80年代まではその通りだったし、デザイン力にも差があった。世間的にも「ドイツ車=高級車」だったから、周囲の見る目が全然違う。所有満足度が高いのも当然だった。
 現在はどうかといえば、日独の性能差は縮まっているし、むしろ逆転している部分も多い。日本車は常にドイツ車を目標に性能を磨いてきた。その成果はしっかりと出ている。
 しかしそれでもドイツ車信仰は消えていない。性能は変わりなくても、ドイツ車のブランド力は絶大だ。いまドイツ車に乗っている人の多くは、ブランドを買っている。私もドイツ車に乗っているときは、周囲から「そういう人」と評価してもらえたし、高速道路では前のクルマが勝手に進路を譲ってくれたりした。現在も、「とりあえずドイツ車に乗っていれば間違いない」のである。
 ドイツは自動車発祥の国だ。自動車に関して最も長い歴史や数知れない神話を持ち、それがブランド力を形成している。しかも日本では、国産車が95%を占めている。石を投げれば国産車に当たる。国産車の競争力が高すぎるがゆえに、ドイツ車が特別な存在のままでいるのだ。ブランド力がもたらす所有満足度では、国産車がドイツ車に敵わないのも仕方ないだろう。

TEXT/清水草一

[データで見る「所有の喜び」]現在の愛車のメーカーは?

 2023年に行った全国の男女約4000人へのアンケート調査では、「現在所有する愛車のメーカー」のトップはトヨタで、全体の22.0%を占めた。一方、輸入車が入る「その他」はわずか10.6%でしかない。ドイツ車を所有して車庫に置けば、きっと気分があがることだろう。しかし、日本車もこれだけ多くのメーカーや車種のなかから選べるのだから、所有して見栄を張れるモデルが必ず存在するはず。購入資金と相談して選ぶべきだろう。

近年、輸入車で新車販売台数トップを獲得することが多いMINI。日本車にはないヒストリーを持っている。
所有満足度で言うならアルファードもレベルが高い。現代ではこのクルマを目指しているという人も多い。
日本車・ドイツ車、ダブル所有オーナーの声 「どう使い分けてどう乗った?」

 以前、BMWと国産車(アクアやシエンタ等)の日独2台持ちをしていたが、使い分けは明確だった。長距離用がBMWで、短距離用が国産車である。国産車にもロングドライブが得意なモデルはたくさんあるが、どちらかというと、混雑した街中を燃費よく走るのが得意中の得意。それが日本の交通事情の特色なのだから当然だ。
 一方ドイツ車は、ロングドライブは得意だが、ゴー・ストップの多い短距離利用は決して得意とはいえない。ヨーロッパは日本に比べるとはるかに道路条件がよく、渋滞も信号も断然少ない。地方では信号のかわりにラウンドアバウト(円形交差点)が使われているから、一般道でも完全停止せずに延々と走ることができる。そんな環境で育ったクルマは、自然とロングドライブが得意になり、逆に、ゴー・ストップの多い街中ばかり走っていると、燃費はまるで伸びず、エンジンが不調になることも絶無じゃない。最新のドイツ車は日本の過酷な道路環境にも十分対応しているが、ロングドライブ中心に使ってやったほうが気持ちいいし、クルマも喜んでいるように感じられるってわけだ。

自動車評論家 清水草一
軽自動車からフェラーリまで、ありとあらゆるクルマを試乗し、購入してきたベテラン自動車評論家。現在の愛車はタントとフェラーリ328とプジョー508。

2.日本車とドイツ車 比較

一般的速度域で走って気持ちのいいクルマとは? 快適移動編

ドイツ車をはじめとした欧州車の限界性能の高さはよく知られているが、実用域ではどうなのか? 日本の道路を走る日本人だからこそ知りたい、日本の道路事情を考えた走行快適性とは?

安心して走れるドイツ車に対し、日本車は瞬発力の部分が進化している!

走りの特徴
世界のスタンダードカーだけに、走りはどこにも破綻がない。加速もハンドリングも乗り心地もすべてバランスがよく、誰もが納得する。今回試乗したディーゼルモデルはトルク感もすばらしい。

日産 エクストレイル(現行型)

日本のSUVブームの火付け役となったミドルサイズSUVで、現行型で4代目。初代モデルで強調されていたオフロード志向に都会っぽさをミックスし、海外でも高い人気を誇るモデルだ。 新車価格 351万100〜532万9500円 中古車中心相場 330万〜480万円

走りの特徴
エンジンで発電し、その電力でモーターを回す「シリーズハイブリッド」方式を採用。電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」で、カーブもグイグイ曲がる。

走りの特徴
従来のプリウスのイメージとは一転して、軽快な加速とハンドリングが特長。乗り心地も適度に引き締まっていて快適だ。加速がいいぶん、燃費は思ったほど伸びないが、走りのよさがカバーしてくれる。

BMW X1(現行型)

BMWのSUVフルラインアップのなかでは最もスモールサイズなモデルだが、日本の道路ではちょうどいい。現行型は3代目となり、EV仕様の「iX1」もラインアップされている。 新車価格 604万〜786万円 中古車中心相場 460万〜540万円

走りの特徴
BMWの新世代FFプラットフォームは、すばらしく出来がいい。空に浮かんでいるように滑らかに走り、2.0ℓディーゼルエンジンは力強く加速する。

クルマのプロが語る 日本車とドイツ車の乗り味はどう違うのか?

 ドイツの「アウトバーン」には有名な速度無制限区間があるが、他のエリアでは、ここは160㎞/h、ここは100㎞/hと、制限速度がコロコロ変わる。さらに一般道も、それ以上出すと怖いくらい制限速度の高い道路が多い。
 そういった道路でも安心して走れるよう、ドイツ車はハンドリングが正確で手応えがあり、4輪がしっかり路面を捉えて、速度を上げても不安なく走れるよう味付けされている。直進安定性や操縦安定性も総じて高い。日本車もがんばっているので、その差は年々縮まっており、なかにはドイツ車に匹敵する車種も一部あるが、全体の傾向としてはまだまだ及んでいない。
 加速性能についても、ドイツ車は高速走行への対応と、車速を落としても素早くもとの車速に復帰できるよう瞬発力が高められていて、ダイレクト感のある走りが好まれる。小排気量ターボ+DCTが多いのはそのためだ。かたや日本車は、発進や停止の多い交通事情を考慮して、スムーズに走れるCVTやハイブリッドが積極的に進化し、用いられてきた。繊細な人が多いので、静粛性に配慮されたクルマが多いのも、日本車の特徴となっている。

自動車評論家 岡本幸一郎
20代から自動車メディアで仕事を始め、若くしてフリーの自動車評論家に。スポーツカー界隈に詳しく、チューニングやメンテナンス関連も得意。現役の日本カーオブ・ザ・イヤー選考委員。

3.日本車とドイツ車 比較

日常使いの便利さや楽しさは乗る人の使い方次第? 楽しさと使い勝手編

よりドライブを楽しく快適にする機能や装備は日本車にもドイツ車にも揃っている。必要な道具を積むためのポケットや収納、ACCのような運転支援装置、もちろん運転のしやすさだって重要だ!

日本車のおもてなし装備に対してドイツ車もユーザーライクな装備を揃える!

日独の最新SUVが持つ使いやすい機能と装備
 普段から愛車に乗っていて、クルマの魅力や楽しさ、便利さを体感させられるのが、さまざまな機能や装備の存在だ。そういった部分では、ミニバンや軽自動車などクセの強いジャンルを生み出した日本車には一日の長があるかもしれないが、ドイツ車だってACCのような運転支援装備の部分では侮れない。
 今回用意したのは、日産エクストレイルとBMWのX1。エクストレイルは言わずと知れた日本を代表するクロスオーバーSUVだし、X1は、昨年のインポート・カー・オブ・ザ・イヤーを獲得した実力派モデル。どちらも手頃なサイズが日本では扱いやすいと評判のSUVだ。
 あらゆるところまで行き届いた日本車の「おもてなし」装備は便利だし、素の部分を磨いたドイツ車の質実剛健な基本性能はドライブを楽しくする。どちらもクルマの魅力を引き出すために重要なものだ。

取りまわし性と視認性を比較

エクストレイル
意外にもピラーが細く、フロントウインドウもだいぶ寝ているが上方までガラスが広がっているので視認性は高い。ダッシュボードは高すぎず、左右ドアのウエストラインもあまり高くないので、運転席に座ると開放感がある。

エクストレイル
ACCの操作ボタンはステアリングの右側。プロパイロットは日産車を選ぶ理由になっているほど優秀で、当然操作性も磨かれている。

BMW X1
中央ディスプレイはメーターディスプレイとつながっているのが特徴。ステアリングは太く、操作感は少しずっしりしているが重くはない。ダッシュボードはなだらかに手前側へ傾斜しているので視界が広く感じられる。

BMW X1
左スポークに配置されるACCの操作ボタン。輸入車らしく速度制限モードも備える。ボタンが少なく感じるが、慣れれば問題ない。

リラックス装備を比較

エクストレイル

エクストレイル伝統の防水ラゲッジルーム。最新型ではオプションパーツのトレイになったが、アウトドアライフへのこだわりだ。
最近スイッチ式パーキングブレーキが増えたが、慣れない人には、ボタン式より、押し引きできるこのタイプのほうが使いやすい。
リアドアの開き具合は、やはりエクストレイルに軍配! ホイールベースが長いこともあるが、開口部も広く、子どもでも乗りやすい。

BMW X1

BMWはセンターコンソールに操作スイッチ類を置くのが慣例化。X1も同じで、慣れれば手元を見ずとも感覚的に操作できる。
ドアの開閉角度は、従来日本車に一日の長があった。エクストレイルも90°近く開くが、なんとX1もほぼ遜色ないくらい開いた。

フランス車で味わう驚きのパッケージング力!!

 商用車ベースのハイトワゴンとして日本でも人気が高いのが、ルノー・カングーだ。インパネ下部に設置されたシフトレバーや、オーバーヘッドコンソール、観音開きのリアゲートなど、このあたりの洒脱な作りはいかにもフランス車。装備や機能は、お国柄が出る部分でもある。

車高が高いことで、運転席頭上にできたスペースを、収納「オーバーヘッドコンソール」として使える。
スクエアなボディ形状により、荷室は凸凹の少ない広大な空間に。専用ボードで上下に仕切って使える。

4.日本車とドイツ車 比較

シミュレーションでは日本車が経済的だと予想されるが? コストパフォーマンス編

燃料価格は高騰しているけど、できることなら安く済ませたい。車検だって安い店に任せたいし、定期メンテナンスも同様だ。毎日のランニングコスト、国産車が有利なように思われがちだが、はたして?

中古車相場は330万〜480万円(プリウス)vs 230万〜360万円(ゴルフ)だが、ランニングコストはほぼ変わらず!

「外車は金がかかる」のは今となっては古いイメージ
 昭和の時代から、日本では「お金持ちは外車に乗っている」というイメージがある。つまり、外車(ドイツ車)は金がかかるという固定観念が今も国民の間に定着している。関税がかかるので新車価格に関してはたしかに事実といってもいいだろう。だが、ランニングコストに関してはどうだろうか?
 まず自動車税の税額は、排気量ごとなので日本車やドイツ車であることはあまり関係ない。任意保険料も、これは事故実績に基づいて算出されるものなので、一概にドイツ車のほうが高いとは言い切れないだろう。車検費用は故障するパーツが多いかどうかで変わってくるところもある。日本で故障しやすいドイツ車は少し高くなるかもしれない。
 そんなことを考えていると、案外ドイツ車だから高いとは完全には言い切れず、むしろ、排気量やパワーユニットの種類などのほうが強く影響するものと思われる。
 とにかくランニングコストを安く抑えたければ、エコカーを買うのがいい。毎月の燃料代が変わるので、その影響力は大きいと実感するに違いない。メンテナンスだってサボってはいけない。転ばぬ先の杖というやつで、定期的なメンテが故障の防止につながり、結果的に節約することになる。

データで見る「コストパフォーマンス」

愛車の支払総額は?
「人生で家の次に高い買い物」と言われるクルマだが、アンケートで「現在の愛車の支払総額」を調べると、トップは「100万円以上〜200万円未満」の31.5%、次点は「50万円未満」の28.2%となった。平均金額は「155.9万円」ということで、比較的金額を抑えている人が多いように見受けられる。とにかく節約を考えているなら、購入後のランニングコストについても考えてみよう。

ハイブリッドかディーゼルか?

 エコカーの王者的存在であるハイブリッドカーのプリウスと、燃料が軽油で燃料代が安く済むクリーンディーゼルエンジン搭載のゴルフ。両車のランニングコストを比較してみた。なお年間走行距離は1万㎞とし、レギュラーガソリン175円/ℓ、軽油154円/ℓ(2024年2月の全国平均)で計算している。このほか、消耗品代や修理代、駐車場代、高速料金などもかかるが、これらは地域や個人によっても異なり平均値が出しづらいので、抜いて計算した。
 結果、年間維持費はプリウスで約23万9189円、ゴルフで約23万3617円に。ドイツ車と日本車ではその差が開くと思われていたが、1万円にも満たないとは予想外の結果となった。

日本車・ドイツ車、ダブル所有オーナーの声「やはりドイツ車のほうがお金かかるんですか?」

 ドイツ車はお金がかかるのかと問われれば、「国産車よりはかかる」と考えておくべきだろう。ただしドイツ車も、新しいうちはあまりお金はかからない。たとえば5年落ち・走行5万㎞以内なら、故障したり、大きなパーツ交換が発生することは稀だ。それくらいの期間は新車保証もついているから、たとえ故障しても出費はほとんどない。
 ところがこのラインを過ぎると、ねらいすましたように(?)出費が発生する。あくまで可能性レベルの話で、タイマーみたいに壊れるわけじゃないが、覚悟する必要は出てくる。ドイツ車はパーツも工賃も国産車よりかなり高い。大きなパーツは目ん玉が飛び出るほど高かったりする。だから中古ドイツ車を買うなら、できれば3年・走行3万㎞以内にしたいところだ。それくらいの時期が一番値落ちが大きいし、最もお買い得に感じられる。
 国産車にはそういう心配はほとんどない。どこも壊れずに元気に長生きしてくれる。呆れるほど丈夫なのである。そのせいもあって、国産車は中古車相場が高い。だから3年落ちのドイツ車がお買い得に感じられたりする。そこがドイツ車の勝機である。

TEXT/清水草一
日本車はもちろん、世界中のクルマの購入経験がある筆者だが、イタリア車やフランス車と比べても、ドイツ車の修理代は高いと感じた。

5.日本車とドイツ車 比較

番外(燃費実走テスト)編

当特集最後のコンテンツとして、日本車とドイツ車の経済性を試すため、実燃費測定テストを実施。その結果をこちらでレポートする。クリーンディーゼルとハイブリッド、日本の道路と相性がいいのは?

カタログ燃費20㎞/ℓ前後の日独車、実際の燃費はどうだったか?
フォルクスワーゲン ゴルフ TDI Rライン
カタログ燃費 20.1㎞/ℓ
日産 エクストレイル G e-4ORCE
カタログ燃費 18.4㎞/ℓ

日独両車が進化を果たした最新パワーユニットを搭載
 実燃費測定テストを実施するにあたり、テスト車両として、ここまで取材してきた日本車とドイツ車のなかから、それぞれ1台ずつクルマを選んだ。日本車は日産エクストレイル、ドイツ車はフォルクスワーゲンゴルフだ。
 エクストレイルもすでに4代目となり、今やその存在感は、日本だけでなく、北米や欧州、中国でも通用するものにまで成長した(北米版の車名は「ローグ」)。日本代表としても誰も異論はないだろう。ゴルフに関しては、誰もが認めるドイツ代表。ビートルが日本市場のラインアップからなくなり、もはやその歴史に並ぶものはいなくなった。
 走行したのは、高速道路と一般道のどちらも走行できるコース。東京湾アクアラインや千葉県の湾側エリアということで、混雑する可能性もあったが、もし渋滞すれば渋滞時の実燃費が測れるということで、恐れずにスタートした。
 横浜の日産本社をスタートして、すぐ高速道路に乗る。高速を走っていて主張を感じたのが、ゴルフのクリーンディーゼルエンジンだった。グッとアクセルを踏み込んだときのパワフルさとエンジン音が気持ちいい。現在、欧州メーカーはこぞってEVの開発に専念しているようだが、こうやって欧州伝統のディーゼルに乗ると、やはりモーターとエンジンは別物。長くエンジン車を作り続ければいいのにと思ってしまう。それくらい欧州車、ドイツ車のディーゼルはいい!
 対照的にエクストレイルのパワートレインは、e-POWERである。エンジンで発電した電気を使って、モーターで駆動する、シリーズ式ハイブリッドの一種である。エンジンは回っているのに、モーターで走っている新感覚。見ている人にはわからないがこれはこれで楽しい。日本車で最初に実用化されたハイブリッドは、現在も進化をやめていないのだ。

今回のコースはこちら

横浜の日産グローバル本社ギャラリーをスタートして、すぐ高速道路へ乗り、東京湾アクアラインを通って千葉県へ。木更津からは高速道路を降りて、千葉市を経由しながらひたすら一般道を東京へ向かう。約120㎞の、高速も一般道も試せる複合コースとした。実燃費は、燃料消費量で計算する。

今回のシチュエーションではクリーンディーゼルの優秀さが浮き彫りに!

実走テスト燃費:16.1㎞/ℓ エクストレイル

実走テスト燃費:29.1㎞/ℓ ゴルフ

ストップ&ゴーの一般道で燃費数値はどうなった?
 横浜から高速道路を乗り継ぎ、約40㎞。この日はアクアラインで渋滞に巻き込まれることもなく、無事に千葉の木更津に到着した。ここまで走って、ゴルフは約23㎞/ℓ、エクストレイルは18.5㎞/ℓ(どちらもメーター上の数値)だった。ゴルフのディーゼルの優秀さが光っている。高速道路でこれだけパワフルに走れてこの燃費、やはりドイツのディーゼルはタダモノではない。
 ここからは千葉県の西側を東京湾に沿って、ひたすら一般道を走り続けるコースだ。エクストレイルとゴルフを交互に乗りかえてみると、やはりエクストレイルの視界の高さが好ましく感じられる。通常、一般道では他車によって視界を遮られることもあるが、SUVのように着座位置が高ければ、周囲が見渡せて運転しやすい。日本車でもドイツ車でも、SUVがトレンドとなり、販売の中心になるのは当たり前だ。
 もちろん、ゴルフの視界は当然ながらスタンダードな世界だが、不便というほどではない。逆に気になったのはボディカラーが見ての通りイエローだったこと。街中を走っていると、近くを歩いている歩行者からとにかく見られる。逆に言えば、目立ちたいならこのゴルフのカラーはベストな選択である。最近は日本車でもハッピーなボディカラーを選択できる車種が増えてきたので、ドイツ車をはじめとした輸入車が好きな人も注目してみてほしい。
 そして有明にあるガソリンスタンドで実燃費テストはフィニッシュ。給油して燃料の量を測定する。ちなみに、ゴール時のメーター表示では、ゴルフは約21㎞/ℓから減らず、エクストレイルは17.8㎞/ℓということで、ゴルフの燃費数値に驚愕させられた。
 では実測値はどうか? ここまで高速道路と一般道、合わせて約116㎞を走行したが、ゴルフの給油量は3.99ℓ、エクストレイルは、7.20ℓだった。クリーンディーゼルの低燃費はやはりすばらしかった。もちろん日本のe-POWERだってすばらしい。1200円程度で100㎞以上走破したのだから。

東京湾アクアラインを降りて、木更津で高速走行は終了(写真は木更津港)。ディーゼルの力強さが光った。
千葉県内の一般道をしばらくあり、東京に入ってすぐの葛西臨海公園にて休憩。広大な駐車場内でもゴルフは目立つ。
海ほたるPAは、東京湾アクアラインの中間点。この日は平日だったにもかかわらず、多くのクルマが見られた。
一般道の途中、千葉ポートタワーで、ゴルフは約21㎞/ℓ、エクストレイルは17.7㎞/ℓ。

結果発表

財布に優しいドイツ車とメーターが減らなかった日本車
 パワーユニットの種類が違うので正々堂々の対決ではないが、今回はディーゼルを積むゴルフが29.1㎞/ℓ、e-POWERのエクストレイルは16.1㎞/ℓという結果になった。なんと言ってもゴルフは軽油である、お財布にも優しい。しかしエクストレイルに関しても驚くべきことを報告しておく。100㎞程度では燃料メーターはひとメモリも減らなかった!

日独関係なし! 燃費がよくなる走り方

「無駄なアクセル操作」をしないため、常に交通の先を読むことが大切だ

 燃費のいい走り方の基本は、日独やパワーユニットの種類を問わず、基本的に同じだ。最も重要なのは「なるべく無駄な加速をしないこと」。これに尽きる。
 無駄な加速は、ズボラなアクセル操作によって生まれる。ズボラとは、アクセルの踏み込みが急すぎること。その瞬間が一番ガソリンを食う。発進のたびにアクセルをズボラにグイグイ踏み込み、前のクルマに詰まってブレーキ、離れたらまたグイッ……。こういう運転が最も燃費に悪い。
 決して「アクセルを全開にするな」というのではない。高速道路への合流時など、加速が必要なときはしっかりアクセルを踏むべきだ。ただそういう機会はそうそうあるもんじゃない。1日数回全開にしたって、燃費にはほとんど影響せず、逆にエンジンの調子がよくなったりするが、延々とズボラなアクセル操作を続ければ、確実に燃費は悪化する。
 無駄な加速は、無駄な急減速に現れる。急減速しても燃費は悪化しないが、急減速しなきゃならないような加速をしたことで、すでに燃費は悪化している。交通の先を読んで、前方の信号が黄色や赤になったら即座にアクセルオフ。なるべく惰性で走るようにしよう。
 ただし、加速の際、アクセルをフンワリ踏めばいいというものでもない。あまりにもフンワリすぎて、いつまでたっても速度が上がらないのもかえって燃費に悪い。クルマ(EVを除く)は70㎞/hくらいの一定速で走っているときが最も燃費効率がいい。それより低い速度では、その分効率が落ちる。速度が乗るまでは燃費が悪いのだから、ある程度素早く効率のいい速度まで加速することも重要だ。ただノロノロ走れば燃費がアップするわけでもない。

アクセル操作は時に大胆さが必要。加速すべきときは一気に加速して、加速する必要がないときは惰性で走るようにすると効率がいい。
運転時は常に前のクルマだけでなくその前まで注視する。次の信号なども確認し、停車することが予想されるならアクセルを踏み足さない。
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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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