車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2019.06.28 / 掲載日:2017.12.21
第1回目 JAGUAR&LAND ROVER ジャガー&ランドローバーまるごと。

ジャガー&ランドローバー 写真●グーワールド
英国を代表する2大ブランドはどっちを選んでもまさに大人のテイスト
スポーツモデルを手がけ、レースでも華々しい活躍をしてきたジャガー。軍用車をはじめ過酷な環境で高い走破性を誇るオフロードモデルを作り続けるランドローバー。このふたつのまったく趣の異なるブランドの共通項は、ともに長年にわたって英国の自動車文化を担ってきたという事実にほかならない。今回は、スポーツモデルであれ、オフローダーであれ、すべてのモデルにそこはかとないジェントルなスピリットを感じさせる英国の2大ブランド。この格調高い魅力に迫ります!
JAGUAR 「野性」に目覚めたジャガーの攻撃がはじまる
拡大策に打って出る老舗スポーツブランド

このところ若干地味な印象のジャガーだが、じつはマーケットに向かってアグレッシブに活動している。ラインアップの増加プランがそうで、発売前からイベントを通して広くアピールしているのが現状だ。
たとえば、Fペイスの弟分にあたる「Eペイス」のロンドンでの発表会や、コンセプトカーとして高い評価を得たEVモデルのSUV「iペイス」のショー出品、新型XFスポーツブレイクという名のステーションワゴンの追加だったりする。iペイスはコンセプトカーとして北米モーターショーで賞を獲得している。
さらに6月には、XE SVプロジェクト8なんてのも立ち上げ話題となった。エントリーモデルのセダンに600馬力のV8エンジンを載せたクルマだ。ジャガーの特別モデルを手がけるSVOの作品である。
つまり、トレンドのSUVラインアップを充実させながらEVでしっかり次世代動力を示唆し、さらにはジャガー本来の姿であるハイパフォーマンスモデルの分野でも開発を進めている。小規模メーカーであってかなり積極的なのだ。
そしてあらためてラインアップを眺めてみると、これがかなり豊富な選択肢を取りそろえている。XJ、XF、XEといったサイズ選びの自由度はもちろんのこと、ガソリンとディーゼルエンジン、それとガソリンエンジンの豊富なバリエーションが用意されているのだ。2Lの4気筒から5L V8までじつに幅広く。
となると、前述したモデルが加わればさらに多くのユーザーニーズに応えるということになる。つまりジャガーが多くのクルマ好きを囲い込む日は意外に近いかもしれない。
文●九島辰也 写真●内藤敬仁、グーワールド
PROFILE
自動車ジャーナリスト 九島辰也
●長年にわたり男性ファッション誌や一般誌などで活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも各国のクルマを乗り継ぐ。
F-PACE
ジャガーが考えるSUVのあるべき姿がコレ!
セダンのXFとXEに使われるアーキテクチャーをSUVとして流用したのがこのFペイス。そんなことから、シルエットはスポーティでFRスポーツを感じさせる。パワートレーンもそれらと共有しており、走りのテイストもスポーツセダンに近い。背の高いSUVを走らせている感覚は薄いのだ。グレードは5種類で、600万円台からとなる。
ジャガー Fペイス
分厚いセンターコンソールがFRスポーツを感じさせる車内。セダンとの共有パーツが多いのがわかる。
ガソリンとディーゼルの2L 4気筒から3L V6SCまでを用意する。
40対20対40の分割式リヤシートとカーゴは見た目以上の容量を持つ。
ジャガー Fペイス 20d プレステージ(8速AT)
全長×全幅×全高 | 4740×1935×1665mm |
---|---|
車両重量 | 1920kg |
エンジン | 直4DOHCディーゼルターボ |
総排気量 | 1999cc |
最高出力 | 180ps/4000rpm |
最大トルク | 43.9kg m/1750-2500rpm |
サスペンション前/後 | ダブルウィッシュボーン/インテグラルリンク |
新車価格 | 640万円~982万円(全グレード) |
XF
鮮明さを一段と増したブランドのアイデンティティ
2007年に本国で登場した従来型がフルモデルチェンジし、昨年日本上陸したXF。新世代デザインではXJからの流れをくみ、XEを含む三兄弟らしい共通したイメージとなった。特徴はデビュー以来の凛としたフォルム。スポーツセダンの草分け的存在の初代を継承する。また、高剛性&軽量ボディがウリで、全体の75%にアルミを採用するのもポイントだ。そして、それがそのまま軽快なハンドリングに結びついているのは言わずもがなである。
ジャガー XF
シンプルだが高級感のある内装。レザーの使い方などは、やはりひとつ上のクラスだ。
トップエンドにFタイプSと同じ380馬力の3L V6をラインアップするXFシリーズ。180馬力の2Lのクリーンディーゼルも見逃せない。
ジャガー XF プレステージ(8速AT)
全長×全幅×全高 | 4965×1880×1455mm |
---|---|
車両重量 | 1760kg |
エンジン | 直4DOHCディーゼルターボ |
総排気量 | 1999cc |
最高出力 | 180ps/4000rpm |
最大トルク | 43.8kg m/1750-2500rpm |
サスペンション前/後 | ダブルウィッシュボーン/インテグラルリンク |
新車価格 | 615万円~1147万円(全グレード) |
NEW COMER
XFに新しい個性XFスポーツブレイクが登場。美しいデザインはそのままに、さらなる実用性と多用途性を与えたニューモデルで、日本への導入も決定した。
XE
ドイツ勢と向き合い個性を大いにアピール
XEは2015年にジャガーが日本に送り込んだDセグメントのスポーツセダン。Xタイプ以来のメルセデスやBMW、アウディなどドイツ車勢が得意とするカテゴリーへの挑戦となる。なので、値段もジャガーとしては手頃な400万円中盤から。またこちらもXF同様軽量アルミニウム構造で、かつ前後重量バランス50対50にこだわっている。走りの上でのジャガーネスを再現するためで、それは見事に実践される。
ジャガー XE
リヤにかけて上昇するボディラインは躍動感があって若々しい印象で、質感の高さも伝わる造形だ。
このクラスでも高級感のあるインテリアはさすがジャガーだ。レザーのこだわりはライバルとは違う。
2Lのガソリン&ディーゼル、3L V6というエンジンラインアップ。ディーゼルが人気だ。
2Lで43.8kg mという大トルクを生むディーゼルターボは強烈。大きなアドバンテージとなる。
ジャガー XE 20d Rスポーツ(8速AT)
全長×全幅×全高 | 4680×1850×1415mm |
---|---|
車両重量 | 1660kg |
エンジン | 直4DOHCディーゼルターボ |
総排気量 | 1999cc |
最高出力 | 180ps/4000rpm |
最大トルク | 43.8kg m/1750-2500rpm |
サスペンション前/後 | ダブルウィッシュボーン/インテグラルリンク |
新車価格 | 451万円~839万円(全グレード) |
※ナンバープレートは、はめ込み合成です。