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更新日:2018.11.29 / 掲載日:2014.10.10

TOYOTA LAND CRUISER 世界で愛され続ける信頼のオフローダー

TOYOTA LAND CRUISER 世界で愛され続ける信頼のオフローダー

トヨタブランドの最上級SUVに位置づけられるのがランドクルーザー。乗り心地がよく壊れにくいと、発展途上国をはじめとする世界各国から絶大な支持を獲得している、日の丸印のオフローダーだ。200系も中古車ではお買い得度が高く、いま注目の1台である。

トヨタ ランドクルーザーはこんなクルマ!

トヨタ ランドクルーザー

新車価格帯 452万5714~653万1429円(※200系の全グレード) ※写真は平成24年時のモデルです。

通称「ランクル」。道なき道を行く圧倒的走破性、過酷な条件下でも壊れない耐久性の高さによって、世界中から「キングオブ4WD 」「SUV の王者」と呼ばれる。乗用車なみの快適性・利便性も魅力。

世界から尊敬を集めるオールローダー

灯台もと暗し、というわけでもないだろうが、ランドクルーザーの偉大さはお膝元の日本で意外と知られていない。
まず、トヨタ車でもっとも長い歴史を誇る。初代クラウンの登場は昭和30年だが、ランクルの祖が世に初めて出たのは前年の昭和26年だ。
そして、いつしか「4WDの王者」と呼ばれ、SUVユーザー憧れの存在であること。舗装路が非常に発達した日本では実感しにくいが、本格SUVでなければ生活や仕事が成り立たない地域は世界中に多くある。急勾配の山道、岩場、がれき路、泥濘地、川、砂漠・・・。過酷な大自然の中で求められるのは、そのような条件下も走りきる悪路走破性、壊れない耐久性、そして故障しない信頼性である。場合によっては乗員の生命を左右するだけに、妥協は許されない。その理想にもっとも近い1台として、絶大な支持を集め続けているのがランドクルーザーなのだ。いや、唯一無二の存在と言っていいかもしれない。
先代の100系からは、最高級サルーンにひけをとらないオンロードの走り、快適性も獲得。舗装路においても犠牲にするものはなく、重厚かつ洗練されたドライブを堪能させる。SUVに興味を持っているなら、一度ランクルに乗って4WDの神髄を体験するのも悪くない。

HISTORY ヒストリー

ランクルとひと口に言っても、歴史をひもといてみるとその変遷は複雑なものとなる。ここでは、3つの系譜に分類し、半世紀以上にも及ぶ歴史を振り返ってみよう。

ランドクルーザー ヒストリー

始祖はトヨタ・ジープBJ型で、デビュー1年で改名。3代目40系の大成功により、ランクルの名は世界で認知された。55型は北米市場を意識した4ドアロングモデルで、現在の200系はここから発展。70系はバンで登場後、メカをハイラックス系と共用するワゴン、4ドアセミロングのプラドを追加した。

世代別中古車物件比率

世代別中古車物件比率

市場には今でも旧世代のモデルが数多く流通。右のグラフはステーションワゴン系のみの調査だが、一番多いのが100系という結果に。80系も豊富。

200Series 販売期間:平成19年~

新時代のニーズに応えるべくメカニズムを一新した200系

旧態化しつつあったシャシーを一新し、洗練された走りを身につけた200系ランドクルーザー。
モダンになったルックスも21世紀のプレミアムオフローダーとしての魅力に一役買っている。

  • トヨタ ランドクルーザー ZX(6速AT)

    中古車参考価格帯 360万~790万(平成19年~平成26年) ※写真は平成24年時のモデルです。

  • トヨタ ランドクルーザー ZX(6速AT)
    主要諸元
    平成24年式
    全長×全幅×全高:4950×1970×1870mm
    車両重量:2690kg
    排気量:4608cc
    エンジン:V8 DOHC
    最高出力/最大トルク:318ps/46.9kgm
    燃費:6.7km/L(JC08モード)
    サスペンション前:ダブルウィッシュボーン
    サスペンション後:トレーリングリンク
    ブレーキ前後:Vディスク
    タイヤ前後:285/50R20

他の追随を許さない先進メカを満載

200系の現行ランクルは、先代が打ち出したプレミアム性を発展させながらメカニズムを大幅に進化させ平成19年に登場。国内はガソリン・ワゴンのみとなった。
ラダーフレームを軽量化と高剛性化のため新設計。ダブルウィッシュボーンサスもトーションバーからついにコイルスプリング式へと一新した。AX ”Gセレクション”には、オン/オフロードに応じて前後スタビライザーを最適にコントロールするKDSSを装備。V8エンジンには2UZ-FE型4.7Lを踏襲したが、悪路の走破性能にはクロールコントロールを新搭載した。
平成21年には最上級グレードのZXを追加し、同時にパワートレーンを新世代1UR-FE型4.6Lと6速ATに換装。平成20年には5人乗りのGXを追加。翌年のマイナーチェンジでは、マルチテレインセレクトやマルチテレインモニターの採用、上級車の装備追加などが行われた。

INTERIOR インテリア

ランドクルーザー インテリア

雰囲気はまるで最高級サルーン豪華装備も王者にふさわしい

3列目はプラス2という感じだが、室内は3列シートにも十分な広さ。AX “Gセレクション”以上はステアリングなどが木目調+本革巻きで、シートは本革。ZXは1列目シートベンチレーション、2列目パワースライドなどさらに豪華装備が満載だ。

UTILITY ユーティリティ

ランドクルーザー ユーティリティ

ミニバンなみの多彩な使い勝手を実現

3列目はヴォクシーノアでおなじみスペースアップシート。レバーを解除すればスプリング機構でサイドに跳ね上がり、格納は簡単だ。ZXはセミパワーが標準。前後パーソナルランプもZXは先進的なLED。オーバーヘッドコンソールは全車に設定。

MECHANISM メカニズム

ランドクルーザー メカニズム

ランドクルーザー メカニズム

4WDのセンターデフにはトルセンLSD付きトランスファーを採用。通常のトルク配分は前40対後60。

堅牢なフレームボディに数々の先進メカを搭載

伝統のラダーフレームは新開発。現行はレクサスLSで定評ある1UR型V8ガソリンを搭載する。マルチテレインセレクトは路面モード選択で4WDの駆動力を最適に制御。ZXは車高調整可能な減衰力可変サスが標準装備だ。

SAFETY セーフティ

ランドクルーザー セーフティ

オフロードの安全性も世界最高レベルを誇る

エアバッグは計10個と万全。ボディ前面の歩行者障害軽減にももちろん配慮している。マルチテレインABSはさまざまなオフロードでも優れた制動性能を実現。4つのカメラで死角をカバーするマルチテレインモニターもあらゆる路面で威力を発揮。

70系の生誕30周年を記念してランクル70がリバイバル発売

ランドクルーザー70

70は平成19年に国内販売を終了したが、海外では現在も販売を継続。そして、国内でも平成27年6月生産分までの期間限定で復活を遂げた。4Lガソリン搭載でバンとピックアップを設定。

MARKET REPORT 市場レポート

先代モデルに比べるとボリュームは少なく相場も高め
200系ランドクルーザーは、燃費競争の激しい昨今では、かつてのような勢いは見られない。中古車市場にもそれが表れており、登場から今年で8年目となるが物件数はやや控えめ。ただし根強いファンは依然多く、決して値崩れはしていない。低走行な物件は700万円以上の値が付けられるが、トータルの平均価格はおよそ500万円だ。

走行距離×年式別相場

平成19年平成20年平成21年平成22年平成23年平成24年平成25年平成26年
1万km未満561万円708万円765万円717万円
1万~3万km459万円470万円589万円690万円838万円709万円
3万~5万km484万円459万円599万円557万円592万円574万円707万円
5万km以上402万円423万円588万円641万円

グレード×年式別相場

平成19年平成20年平成21年平成22年平成23年平成24年平成25年平成26年
GX428万円
AX425万円442万円470万円512万円554万円547万円539万円560万円
ZX594万円648万円638万円763万円808万円787万円

走行距離別に見ると、1万km以上の物件は平成23年式以降の物件に多く見られる。しかし、まだ相場は高水準をキープしておりお買い得感は少ない。グレードは、最上級の「ZX」と標準の「AX」では相場価格の差が20万円以上にもなる。グレードの違いの事前チェックが必要だ。

  • 年式

    年式
    200系は登場してから今年で8年目。中古車は決して多くはないものの、各年式の物件がしっかりと流通している。なかでもデビュー翌年の平成20年式、改良後の平成23年式が多い傾向。

  • 走行距離

    走行距離
    走行距離は全体的に低め。1万km未満の物件が40%も存在。ただしこれらの相場はまだまだ高めという印象。走行距離と物件数は反比例しており、5万km以上の物件は15%程度ほどだ。

グレード

グレード
下から「GX」、「AX」、「ZX」の順番に豪華になるランクル200。装備が簡素化される「GX」はほとんど流通していない。もっとも多いのが標準グレード「AX」。同Gセレクションも豊富。

※すべての価格は参考価格です。

100Series 販売期間:平成10年~

モダン化されたエクステリアと強化されたシャシーが魅力

90年代後半になると、SUVにも快適な乗り心地とスタイリッシュなフォルムが求められた。
100系のランクルは、そんな時代のニーズをしっかりと汲み上げ、完成度が大幅に高められた。

  • トヨタ ランドクルーザー VXリミテッド Gセレクション(5速AT)

    中古車参考価格帯 100万~550万円(平成10年~平成19年)

  • トヨタ ランドクルーザー VXリミテッド
    Gセレクション(5速AT)

    主要諸元
    平成17年式
    全長×全幅×全高:4890×1940×1890mm
    車両重量:2430kg
    排気量:4663cc
    エンジン:V8 DOHC
    最高出力/最大トルク:235ps/43.0kgm
    燃費:6.5km/L(10・15 モード)
    サスペンション前:ダブルウィッシュボーン
    サスペンション後:トレーリングリンク
    タイヤ前後:275/65R17

大きく飛躍したクロカンのセルシオ

ランクルが高級指向やオンロード性能を一気に高めたのは、平成10年1月にデビューした先代の100系からだ。ガソリンエンジンは80系の4.5L直6から4.7L V8に換装し、シャシーも乗用車に近い形式に一新。内外装や装備も豪華で、”クロカンのセルシオ”と呼ばれた。平成16年から自動車NOx・PM法が施行されたが、80系から進化した4.2L直6ディーゼルターボ搭載のバンもラインアップした。
平成11年にトップモデルのシグナスを追加。平成14年のマイナーチェンジでは、4速だったATの5速化やVGRS(ギヤ比可変ステアリング)採用などメカも進化を遂げた。排ガス対策強化、燃費改良も実施。盗難防止装置の採用も見逃せない。
平成17年には2度目のマイナーチェンジを行い、フェイスリフトとともにヘッドライト光軸調整機構やLEDリヤコンビランプを採用した。ガソリンは燃費が向上している。

INTERIOR インテリア

ランドクルーザー インテリア

電動チルトステアリングや本革シートも設定。トランスファーはレバー操作だ。3列目はサイドへの跳ね上げ格納と取り外しが可能。

高級感を一気に高めたラグジュアリーな室内

ボディのサイズアップで室内空間は80系から大幅に拡大。3列シート車は後席の居住性が向上した。オプティトロンメーター、木目調パネルなどでインテリアの質感も格段にアップ。コックピットは最高級サルーンと見紛う仕上がりだ。

MECHANISM メカニズム

ランドクルーザー メカニズム

ワゴンのガソリンエンジンはアメリカ市場を重視して開発された2UZ-FE型4.7L V8。バンは4.2Lディーゼルターボを搭載した。

ガソリンエンジンは直6からV8へ進化

オンロード性能も高めるべく、フロントサスをリンク式固定からダブルウィッシュボーン独立に、ステアリングもボールナットからラック&ピニオンに一新。車高調整可能なAHCと減衰力可変のスカイフックTEMSも設定。

SAFETY セーフティ

ランドクルーザー セーフティ

充実のエアバッグなどで安全性もSUV最高峰

衝撃が小さい場合に2段階で展開し、顔面などへの衝撃をやわらげる前席デュアルステージエアバッグを標準装備。車両横転時に乗員の車外放出防止にも効果的なカーテンシールドエアバッグもオプション設定した。

レクサスLXのルックスを持つランクルシグナスも設定

ランクルシグナス

シリーズ最高峰としてワゴンに追加設定されたシグナスも100系のトピックだ。特徴は北米向けレクサス版のLX470と同じフロントフェイス。近赤外線を使って夜間の視界をサポートするナイトビューの設定など、豪華装備も魅力。

MARKET REPORT 市場レポート

200万円台まで相場が下がった100系
Goo-netで調査してみると、100系ランクルの数は非常に豊富。それでいながら、価格もかなり値下がりしてきたので、いま買い時のモデルである。ただし全体的に走行距離がかなり伸びている。頑丈さがウリでもあるランクルにとって5万km、10万kmは当たり前・・・ではあるが、機関系の整備がしっかりされている物件を選びたい。

走行距離×年式別相場

平成10年平成11年平成12年平成13年平成14年平成15年平成16年平成17年平成18年
5万km未満190万円261万円196万円218万円198万円158万円290万円333万円361万円
5万~8万km233万円185万円194万円186万円216万円255万円290万円293万円297万円
8万~10万km184万円176万円172万円194万円221万円240万円257万円296万円343万円
10万km以上184万円199万円195万円192万円222万円245万円240万円280万円343万円

グレード×年式別相場

平成10年平成11年平成12年平成13年平成14年平成15年平成16年平成17年平成18年
VX246万円187万円204万円186万円200万円190万円258万円
VXリミテッド192万円190万円177万円181万円217万円236万円240万円286万円320万円
シグナス197万円225万円236万円237万円292万円302万円335万円330万円

中古車の大半は5万km以上。走行距離による相場の差はあまり大きくなく、相場はグレードや装備内容、コンディションで決まる傾向にある。グレード別に見ると、たとえば平成17年式では「VX」が190万円なのに対し、「シグナス」は335万円と大きな差が見られる。

戸田治宏

IMPRESSION
戸田治宏の歴代モデルインプレッション

ここでは200系、100系ランドクルーザーのインプレッションを紹介。
どちらも時代のニーズに応えた完成度の高いモデルであることがわかるだろう。

200 Series

無敵の悪路走破性操作性と安心感も向上
エンジンは前期型の4.7L V8でも先代から50馬力以上アップしており、パワーの伸びが大幅に向上。後期型の4.6L+6速ATなら、レクサスLSばりの加速性能と高級なフィーリングが手に入る。
KDSSはスタビライザーの効力が悪路の凹凸でキャンセルされ、オン/オフロードの走りをより高次元に両立する。クロールコントロールは難しい速度調整が必要な極悪路で約1~5km/hを自動的に維持してくれ、ドライバーはステアリング操作に集中できる。その走破力と安心感は驚異的のひと言だ。

100 Series

  • 100 Series

  • 高級でたくましいV8VGRSの威力も絶大
    エンジンは先代80系から20馬力向上しているが、それ以上に頼もしいのが5kgmのトルクアップ。さらに、V8が味わわせる滑らかさと静粛性は、従来の国産SUVとは比較にならないレベルの高さだ。
    シャシーはオンロードでステアリングの切れ味やサスの接地性が格段に向上。AHC&スカイフックTEMSはよりフラットで快適な乗り心地を堪能させる。
    後期型は5速ATで加速性と滑らかさがさらに向上。VGRSはセダンなみの応答性と、操舵量の少ない取り回しをともに実現した。

    ※すべての価格は参考価格です。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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