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更新日:2018.11.29 / 掲載日:2017.11.28
マイチェンジでエンジン4タイプ ワゴンRはどれがいい?
ワゴンRが大幅改良を実施

ワゴンRスティングレー T スティングレーにはターボ搭載車「T」(159万5160円~)も設定
【本記事は2014年10月にベストカーに掲載された記事となります。】登場から2年目のワゴンRが大幅改良を実施。クラスナンバーワンの燃費32.4km/Lを達成した新しいS-エネチャージ搭載車が設定された。この新型は、そのほか従来のエネチャージ車、ノーマルエンジン車、ターボ車と全部で4タイプが選べるわけだが、おすすめはどれなのか? も気になる。
注目の新しいS-エネチャージ搭載車

燃費向上のためにモーターアシスト!
が、まずは注目の新しいS-エネチャージ搭載車の試乗レポートからスタート!「軽自動車のCMに、ハリウッドスターとなった渡辺謙さんが登場するなんて!」と驚かされてから早2年。スーパーを意味する「S」が冠されたS-エネチャージの登場。しかも、カタログには太字で「ハイブリッド」の文字が躍っている。’03年にツインという名の2名乗りのHVを送り出したスズキのこと、これはとうとうやってくれましたね~! と色めきたったのもつかの間「スズキではこれをハイブリッドとは呼ばないことにしたんです。ハイブリッドって言っちゃうとアルトシリーズのアルトエコで35km/Lですから、40km/Lは超えないと、な~んだって言われちゃうでしょ。これはあくまでエネチャージの進化版。燃費方向へのアシストのみで、加速度などはまったく今までと変わっていないんですよ」と、ノッケから気持ちを制されちゃったんですよね。いやいやそうは言ってもねぇ~、やっぱり乗れば違うんじゃない? なんていう天邪鬼な気持ちで、運転席へ乗り込んでみました。
モーターアシストによる体感的な変化はないが…

S-エネチャージ搭載グレード「FZ」の内装カラーはライトグレーが使われ、とても明るい印象
モーターアシストによる体感的な変化はないが…エクステリアには、ブルーのLEDイルミネーションをはじめ、ヘッドランプやリアコンビランプにもブルーがあしらわれるなど、色で遊び心が加えられていたものの、インテリアは色以外同じ。ちょっとくらい変化が欲しかったかも~、なんてつい贅沢を言いたくなるけれど、もともとワゴンRの内装は、見た目にも使い勝手にも質感にも特に不満はないので、文句はナシ。逆にメーターリングの青みがいい意味で強められて、常に目が行くところが豪華になっていい気分~。そして、その右下に設けられたエネルギーフローインジケーター、これが重要な役割を果たすことになったんです。

エネルギーの使用状況がわかるエネルギーフローインジケーター
というのも「あれ?」と思わず声に出して拍子抜けしちゃったほど、走り出しはこれまでと変わらなかったから。実際エネルギーフローインジケーターを見ても、エンジン側からの出力しか通ってない。ハイブリッドって普通は発進時にアシストするのが常套手段なのでは? なんて、頭を捻りながら徐々に速度を上げていくと、モーターからの出力を示す矢印が登場。「おおっ!」と思ったのもつかの間、矢印は消灯。一定速度で走ってるし、電池残量はまだあるし「なんで?」と思ったら再び矢印登場。してまた消灯。一体全体どうなってるのコレ? しかも、モーターからのアシストを示す矢印が出ていても、体感的にはまったく変化を感じないし……。加速度的にはまったく同じと言ってたのは、このことだったんですね。実はモーターが働くには15~85km/hの範囲内で、エンジン回転数が3500回転以下じゃなきゃ等々いくつか要件があり、6秒アシスト→3秒休憩→6秒アシストというふうに力を出し、しかも燃費向上の目的でアシストするので、エネルギーフローインジケーターを見ない限り、その有難さがわからないということ。これは、ちょっと寂しいかも……。でもなんとなく、全体的な、特にエンジンからのフリクションが取れたように、軽快感が伝わってくるような気がしたのは私だけでしょうか?対照的に体感で「おおっ!」と唸らせてくれたのは、進化したアイドリングストップシステムでした。踏力検知式だったものが、ストローク検知式となったので、カックンブレーキ防止のために停止寸前にフッと踏力を抜くクセがある私でも、不要なエンジン再始動がなくなったんです。さらに、通常いったんストップすると5km/hまで速度を上げないと再ストップしなかったものが、たった1km/h速度が出ればOKとなり、輸入車のアイドリングストップシステムのごとく積極的に止まってくれるようになりました。これなら燃費が伸びること確実です! そして、再始動。コレがスゴイ! ISGを使ってベルト駆動で再始動するので、これまでのセルモーター式に比べると速いし静か。振動もほぼないんですよね。実はアイドリングストップシステムって、意外と切っちゃってる人が多いんですよ。「ブルブルするのが不快。それが続くと、いつか再始動しなくなるんじゃないかと不安になる」という声の多いこと。これなら安心して快適に使ってくれること間違いナシでしょう。
S-エネチャージは一番のおすすめか?

アルトエコと同じR06A型エンジンの改良型にモーター機能付き発電機のISGを搭載。658ccの直3 エンジンは52ps/6.4kgmを発揮し、モーター出力は2.2psと小さめ
最新のS-エネチャージは一番のおすすめか?さて、このS-エネチャージ買いか否か……。というのも、グレード展開を見てみると、これまでのエネチャージもラインアップされているんです。というよりも、ノーマル、エネチャージ、S-エネチャージ、ターボと、運動性能的に見て4つのパターンが存在してるんですよね。2WD・NA・CVT同士の価格で比べるとノーマルに対しそれぞれ6万5880円高、22万7880円高。とはいえ、グレードにより装備類も違ってくるので、エネチャージとS-エネチャージで大体10万円前後の差になる計算です。対して燃費の差が2.4km/Lですから、純粋な価格的なものだけで言うと、いわゆる元は取れないでしょうね。でも毎日乗る乗り物だけに、あの進化したアイドリングストップシステムだけでも、S-エネチャージが個人的には買い! 快適度がはるかに違いますから。
ターボはかなりパワフル

スティングレーにも32.4km/Lの燃費性能を発揮するS-エネチャージ搭載グレードが設定される
ターボはスティングレーにしか存在しないので高価になりますが、スズキのターボはかなりパワフル。通勤が高速使うくらい距離がある、山を越えていくという方にはストレスフリーを考慮してもオススメです。
ライバル3車と比較

eKワゴン 108万~159万840円
自動車販売台数の約4割を占める軽のなかでも、最量販車となるだけに、各メーカーの考え方や特徴がギュギュッと詰まったハイトワゴンカテゴリー。あいうえお順でトップバッターのeKワゴン&デイズの特徴は、デザインでしょうね。どちらもこれまでの軽にはない顔つき。インテリアも静電タッチ式のエアコンを採用するなど、スマホっぽい雰囲気でイマドキです。凸凹が少ないから、お掃除簡単で女性には嬉しいポイント。そして、アシストバッテリーの採用で、ワゴンRに次ぐ30.0km/Lを達成しつつ、走りのパワフルさを増すことで、スタート時などのカッタルさがなくなり、本当に乗りやすくなったというのもかなりの魅力。乗り心地のよさとハンドリングのよさは抜群なので、毎日気を使わずに付き合える相棒度は非常に高いですね。
最大の特徴

N-WGN 116万3314~167万6571円
続いてN-WGN。最大の特徴はエンジンでしょう。さすがはホンダだよね~、と言いたくなるほどパワフルさが違います。そしてセンタータンクレイアウトという特徴を生かし、室内が広いのも特徴。特に荷室の広さは圧巻なうえ、アンダーボックスも深いので使いでがあるんですよね。さらには座面一体型スライドの後部座席のシート下に、傘などを入れられるスペースまで設けられているなど、工夫もいっぱいなんです。ただし乗り味は、衝突安全テテストで軽自動車唯一の5つ☆を獲得したという割には、もう少ししっかり感が欲しいボディと、少々跳ね感強い乗り心地が気にかかります。たっぷり荷物を積みこめば少々収まりますが、それだけ積むとなるとN-BOXを選ぶでしょうし……。ここが悩みどころでしょうね。さてお次はムーヴ。ワゴンRと双璧を成して来た最大のライバルですが、目指している方向が違うんですよね。ムーヴが目指しているのは、コンパクトカー。なので走り出した瞬間から質感が違います。軽っぽさを限りなく消して、どっしり感をアピール。そのぶん、クルマの動きは穏やか傾向です。限界付近でも安定度は高い代わりに、小さなクルマに求められるキビキビ感は薄まっている感じです。また、乗員の肌に当たる部分、シートクッションに厚みを持たせるなど、体感的にもひとクラス上感を訴えてきますが、特徴的な横開きのバックドアを除き、残念ながらデザインなども少々古く、全体的にコンサバティブなんですよね。逆にワゴンRは、軽らしいチャレンジ精神で一歩先のものをガンガン取り入れてくるところに魅力があります。今回も駐車時に役立つ、軽初採用の後退時左右確認サポート機能や、自動俯瞰機能など、一見オーバースペックに見えても、実は毎日使う軽だからこそ必要な機能を投入。とにかく、軽であることを追求している姿勢が伝わってくるんですよね。走り味も低中速域でのキビキビ感を追求したもの。限界域ではややピーキーさも顔を出しますが、軽常用域での使いやすさにこだわりを持っているのがわかります。新しモノ好きには、やっぱりワゴンRが魅力的に映ることでしょうね。