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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.29
SUVのスポーツカー、レンジローバーイヴォーク長崎を300㎞走ってわかったタダ者じゃない部分
スポーツカールックの新世代のSUV。

イヴォークの独特のデザインをもってしても長崎名所の眼鏡橋の人気にはかなわず、子供たちの視線は得られなかった。大浦天主堂や軍艦島、ハウステンボスにも行った
【本記事は2013年8月にベストカーに掲載された記事となります。】長崎に行ってきた。ローバーの新しいラインアップ試乗会が行なわれ、そこに参加させていただいたわけだが、ベストカーに用意されていたのはSUVのスポーツカーともいえるレンジローバーイヴォーク。顔つきももちろんだが、ルーフ後端に向かって下がっていくラインは、広い室内を特徴とするSUVとは180度異なり、まさにスポーツカールックの新世代のSUV。’08年1月のデトロイトショーでプロトタイプ、ランドローバーLRXが出展された時、このまま市販されるとは思わなかったが、’10年11月にイギリスで発表。日本でも’11年の東京モーターショーで公開、昨年3月から導入されている。
スポーツ志向

エンジンは1998ccターボで240ps、34.0kgmを発生する。これでJC08モードは9.0km/L。プレステージには本革シートが標準。インテリアはさすがに豪華。クーペのリアシートはやや狭い
ランドローバーラインアップのなかではコンパクトな部類に入ること、スポーツ志向が強く、しかもコストパフォーマンスも高いことからベストカー読者にぜひ知ってもらいたい、ということだろうが、実際ベーシックグレードとなる5ドアのピュアは450万円。3ドアのクーペピュアが470万円となり、確かにプレミアムSUVがこの価格というのは魅力的だ。上級グレードはそれぞれ578万円、598万円と一挙に120万円高くなるが、エンジンは共通だし、走ることにウェイトを置くならピュアで充分だといっておこう。今回試乗車として用意されていたのはオプションの20インチホイールを履くクーペダイナミックだったため、タイヤとホイールは派手だったが、基本的な走りはベースも変わらないハズ。逆に乗り心地の面ではベーシックモデルのほうがいいだろう。エンジンは外観の大きさからは想像できない2Lという排気量。今風にいえばダウンサイジングターボといっていいだろうが、これで240ps。トルクは約34.7kgmを1750rpmという低回転で発生する。
低速域から高速域まで極めてワイドレンジで活発

コンパクトといっても、全長4355mm、全幅1900mm、全高1605mm、車重1730kgのボディをこの2Lターボ(現地には2.2Lディーゼルターボがある)でどこまでスポーティに走らせることができるかと思ったが、実際に走ると低速域から高速域まで極めてワイドレンジで活発にこのイヴォークを走らせてくれる。登りのきついワインディングロードでは、本当にスポーツカー並みのハンドリングをみせる。タイヤが20インチということもあって、少し上物のボディが揺すられる感じはあるものの、軽快な身のこなしで駆け抜けてくれるのだ。ブレーキも安定していて不安はない。試乗中、100kmほど高速道路を走ってみたが、ここももちろんヨーロッパ車の水準だ。さすがに高速域での加速は2Lターボと1730kgの車重もあり、おとなしめだが、それでも充分なパフォーマンスを発揮してくれる。これで燃費はJC08で9.0km/L。性能を考えれば妥当な数字といっていい。
イヴォーク独特の存在感

長崎市街の道は狭い。しかし、1900mmもあるイヴォークの使いやすさで大きさを感じさせない
撮影のため長崎市内の細い路地に入り込んでも取り回しはラクだ。ただし、駐車場でのリアの視界は、バックモニターが必要だろう。トータルでみるとこのイヴォークの独特の存在感はSUVにとって貴重な一台。デザインと走る楽しさの両立はスポーツカーと同じで、実用性が求められるクルマが多いなかで、趣味を主張できる貴重なSUVだろう。

今年3月に日本で市販を開始した4代目のオールニューレンジローバー。ヴォーグが1230万円、スーパーチャージドヴォーグが1490万円と価格も立派
ちなみに、今年3月に日本で発表となった4代目レンジローバーも気になる存在だろう。価格は、NA、V8.5Lのヴォーグが1230万円、スーパーチャージャー付きの510ps仕様が1490万円と、さすがに砂漠のロールスロイス並みだが、近年はこのレンジローバーを砂漠が乗るご尽は少ないだろう。短時間、このヴォーグに乗ってみたところ、静かでなめらか。ここまで上質で居心地のいいSUVはさすがに少ない。世界の頂点に立つレンジローバーはやはり別格のモデル。ま、庶民にとっては宝くじが当たったら的なクルマなのかもしれない。