中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.02

ターボ4WDの新潮流だ。国沢、ジュークターボにゾッコン! そこがとっても気になる!! ジュークの直噴ターボは歴代何位だ?

走り始めると「あらま!」久々のスポーツ4WDだった

【本記事は2010年12月にベストカーに掲載された記事となります。】正直なトコロ、試乗するまで大きな期待をしていませんでした。強いていえば後輪の左右トルク配分機能をもつ新しい4WDシステムの味見などしてみようかな、といった感じ。ところが、である。走り始めると「あらま!」久々のスポーツ4WDだったりして。来シーズンからのWRCのレギュレーションは全長3.9mを超えるボディをもつ4WDの1.6Lターボ。しかもWRCは直噴エンジンじゃないとダメ。

もはや立派なスポーツエンジン

ジュークGTならすべての条件が揃う。エンジンも『MR16DDT』で直噴だし。少々車高があるけれど、サスペンションストロークなど考えればむしろ有利かもしれない。という妄想はコッチにおいといて、ジュークGTの4WDである。アクセル全開してみたら、なかなか速い! 1.6Lターボながら、190ps/24.5kgmと2.5L NAと同等の出力を持つ。このままのスペックで排気量アップし、2Lエンジンとすれば238ps/30.6kgmになってしまう。もはや立派なスポーツエンジンといってよかろう。

アンチラグが効いているようなトルク特性

センターパネルにあるドライブモードをSPORTにすることでエンジン回転数が高めになり、過給域を維持できる。ブースト表示も楽しい

センターパネルにあるドライブモードをSPORTにすることでエンジン回転数が高めになり、過給域を維持できる。ブースト表示も楽しい

しかも、面白いのはCVTを採用していること。CVT+ターボの組み合わせ、軽以外の国産車じゃ初めてだと思う。トルク変動の大きいターボは(急激にトルクが立ち上がる)、主として耐久性の点で厳しいといわれているからだ。CVTは一度スリップしたらイッキに壊れてしまう(金属ベルトと金属プーリーが滑ると瞬時に焼きつく)。かといって大きなトルクに耐えるような強いテンション(ベルトを張る力)を常時かけていると、大きな摩擦抵抗になり、巡航状態での燃費を悪化させてしまう。そのいっぽうで、変速特性はターボと相性がいいといわれていた。トルコンATの場合、ギアチェンジの際に回転数が下がってしまうため、ターボとの相性という点でよくない。だからこそスポーツモデルのターボは、変速時のタイムラグが出にくいツインクラッチATを採用する。でもCVTなら前述のとおり、回転落とさずに変速できる。果たしてどうだろうと思ったら、いい意味で驚きましたね。ターボラグを感じさせないのだ。特に『スポーツ』モードを選ぶと、常時高い回転域をキープ。タービンの回転数も落ちず、グループNのラリーカーに付いているアンチラグが効いているようなトルク特性になります。

エンジンパワーもコーナリング性能も充分なほど

3つのモードのうち4WD-Vで後輪左右への自在なトルク配分を体感できる

3つのモードのうち4WD-Vで後輪左右への自在なトルク配分を体感できる

後輪の左右可変トルク配分の4WDも面白い。ハンドル切ってアクセルを踏むと、オン・ザ・レールで曲がってくれる。ハンドル切り込んでアクセル踏むと、パワースライドしてるんじゃないかと思うほどリアが向きを変えてくれちゃう。エンジンパワーもコーナリング性能も、昨今の社会環境を考えれば必要にして充分なほど。WRCと同じく、スポーツ4WDもダウンサイジングすべきだろう。最後に価格だがライバル不在で、たくさん売れるクルマではないとはいえ245万1750円と安くはない。220万円くらいなら買いといえるのに。

歴代ターボと比べるビックリ度

『ビックリ度』で国産ターボモデルのトップ5を選んだ

『ビックリ度』で国産ターボモデルのトップ5を選んだ

性能もあるが意外性や斬新さを含めた歴代国産ターボのビックリ度からすればジュークターボは4番目でしょう。ビックリ度1位は、インプレッサWRXに搭載されている308ps。なんとリッターあたり154馬力! 最大トルクも1Lあたり21.5kgmというスペックをもつ。GT-Rと同じ3.8Lにすれば、585ps&81.7kgmという途方もないパワーユニットになります。現時点で世界最強の市販2Lでもある。2番手はランエボX。300ps/43.0kgmというスペックもさることながら、ツインクラッチと組み合わせているのがすばらしい! マニュアルミッションよりすばやく変速するため、トルクの谷間を感じさせないのだ。Dレンジだと高性能GTカーのように穏やかな変速を行ない、マニュアルモードだとレーシングカーのシーケンシャルミッションのようにワクワクします。乗れば誰でも驚くだろう。3番手にGT-Rの3.8L、530psを挙げておく。インプレッサやランエボXのエンジンよりブースト圧は低いものの、排気量が大きいので絶対的な出力からして大! これまたツインクラッチと組み合わせているため、タイムラグのないシフトを楽しめる。加えてGT-Rのエンジンのポテンシャルは底なしか? 気合い入れれば700ps/80.0kgmも出せるというから凄い! もっと驚かせてほしいです。

やっぱり新しいトライというのは面白い

5番目はスケール小さくなってしまうけれど、絶版車のマーチスーパーターボ。ターボだけでなくスーパーチャージャーも組み合わせたのだからビックリした。そのまま改良を加えていけば、すばらしいパワフル&ECOエンジンになったかもしれない。1Lという小さい排気量ながら、アクセルレスポンスがすばらしかった! 踏んだ瞬間にトルクが出てくる。ぜひともリバイバルさせてほしい。4番手がジュークターボ。1Lあたりのパワーやトルクという点からすれば大いに物足りないものの、CVTとの組み合わせに新しさを感じさせる。やっぱり新しいトライというのは面白いし、驚きだって大きい。CVTとターボの相性がこんなによいとは思いもしなかった。ただ将来性という点では先行き不安。こういった面白いクルマを評価してくれるユーザーは激減しちゃいました。黎明期にはパワーの追求を行なったターボながら、VWのTSIのように燃費とパワーの両立を狙ったターボに進化し始めている。ターボはダウンサイジングにも有効だ。ジュークのターボを試すと、燃費とパワーだけでなく、パワーユニットとしてのバランスを考えるようになってきた感じ。小型軽量のエンジンから、必要な時だけパワーを引き出せるターボは、なるほどECOだ。フーガハイブリッドもこの1.6Lターボエンジンを使ったら絶対面白いと思う。

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ