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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.02

そこがとっても気になる!! ほんとにそんなにすごいのか? 新型GT-Rに乗れました

猛烈な進化! 0~100加速は3秒ジャスト

ピュアエディション 869万4000円 ブラックエディション 930万3000円 プレミアムエディション 945万円 写真はブラックエディション。エクステリアデザインはピュアエディション、プレミアムエディションともに共通

ピュアエディション 869万4000円 ブラックエディション 930万3000円 プレミアムエディション 945万円 写真はブラックエディション。エクステリアデザインはピュアエディション、プレミアムエディションともに共通

【本記事は2010年12月にベストカーに掲載された記事となります。】詳しくは48ページに譲るが、10月18日に正式発表となったR35GT-Rの第2世代モデルに乗れることになった。その進化を直接、開発責任者の水野和敏氏から説明を受けたので、試乗の前に報告しておこう。すでにリリースではその変更箇所について詳細に書かれているのだが、水野氏の説明のなかで、最も力を入れていたと思われる点が、おそらく今回のGT-R最大の進化のポイントだろう。ひとつはニュルブルクリンクで得られた最高のスペックを、11月から生産が開始されるすべてのニューモデルに反映できることだという。毎年9~10月に行なうニュルブルクリンクのテストによるタイムはその数値が重要なのではなく、そのタイムを出せるダンパーやブレーキなど、最も優れているパーツを生産車にそのまま生かされるように繰り返しテストすることが重要、と説明する。

GT-Rの進化が凄い

工業製品には工作精度に誤差があり、そのなかのどの数値が最もGT-Rを意のままに操れるか探し出す作業がニュルブルクリンクのテストであり、速く走れるところが、走りやすさ、操縦しやすさ、楽しさすべてにきいてくるのだという。パワーを45psアップさせ、530psにして、トルクを62.5kgmと2.5kgm向上させるだけではなく、それに伴いすべての面を進化させないと、総合的な進化はないと断言する。当然、今回の11モデルと呼ばれる新型はパワーの向上、ブレーキ径を360φから390φへ拡大、サスペンションジオメトリーの変更などなど、リリースを見ても驚くほどの箇所に手が入れられ、ハード面、数値面ともに大きく向上していることがわかる。そのなかで水野氏が最も時間をさいて説明したのが発進性能の向上だった。試乗会当日、0~10km/hの加速のテストを行ない、それを日産の公表タイムとするということで、開発ドライバーの松本孝夫氏が実際に行なった。4~5回行なったうち、最良のデータは3秒046。100分の1秒は省略するのが慣例ということで、公表値は3秒ジャスト。マニュアルモードでのスタートだが、一般ドライバーがATモードで発進しても3秒2は可能だった。前モデルに対し、0.6秒の大幅アップ。ちなみに世界最速といわれる1001psのブガッティベイロンは2.5秒で、量産車では世界トップレンジに入ることを証明した。GT-Rの進化はエクステリア、インテリア以上に中身の進歩が凄いのだった。

ラインアップにエゴイストを追加

新型GT-Rのラインアップは、これまでの基準車と呼ばれるベースグレードが、ピュアエディションとなり、そのスポーツ仕様のブラックエディション、上級グレードのプレミアムエディションが用意されるほか、従来同様、昨年加わったスペックVもラインアップされる。そして今回、新たに加わるのがデビュー当時から噂されていた最上級豪華モデル、エゴイスト。ユーザーの希望にすべて応える仕様として設定される。インテリア部品はドイツの「シートンミュルアイム・アン・デア・ルール」に送られ、本革職人が縫製するという豪華仕様だ。

走りはどうか? 5人の識者が判定

エゴイスト 1500万300円:新しく生まれたエゴイスト。ユーザーひとりひとりの希望に添った一台だけのGT-Rを作り上げるという。BOSEオーディオはオーナーのドライビングポジションに合わせ専用セッティングされる。本革内装はドイツに送られ縫製される

エゴイスト 1500万300円:新しく生まれたエゴイスト。ユーザーひとりひとりの希望に添った一台だけのGT-Rを作り上げるという。BOSEオーディオはオーナーのドライビングポジションに合わせ専用セッティングされる。本革内装はドイツに送られ縫製される

続いていよいよ注目の走行性能分析。本誌では5名の有識者に、GT-Rの進化についてインプレッションしていただいた。デビュー3年目にしてビッグチェンジを迎えたGT-R。530馬力となった「走り」はいかほどか!?

デートカーにも使える乗り心地のよさ 自動車評論家 片岡英明

530psというパワーを手に入れたが、燃費は10・15モードで8.5km/Lと確実に向上。ターボのブースト圧、バルブタイミング、空燃費の変更など、細部にわたり変わっている。排ガスレベルも★★★★と立派

530psというパワーを手に入れたが、燃費は10・15モードで8.5km/Lと確実に向上。ターボのブースト圧、バルブタイミング、空燃費の変更など、細部にわたり変わっている。排ガスレベルも★★★★と立派

この新型GT-R、公道に乗り出してすぐに驚かされたのは乗り心地だ。これまでのGT-Rは、低速や荒れた路面で乗り心地に難があった。しかし新しいGT-Rはサスペンションがしなやかに動き、段差の乗り越えや荒れた路面でもショックを上手に吸収してくれる。ボディの剛性感、しっかり感もワンランク引き上げられたような印象だ。コンフォートモードではヘタなセダン顔負けの上質な乗り心地を披露した。しかも、このモードでも卓越した路面追従性を身につけている。デートカーとして使っても彼女から不満は出ないはずだ。それくらい乗り心地がよくなっているのである。高速道路のレーンチェンジではステアリングの応答フィールがよくなっていることを実感できた。ステアリングを切ると、素直にクルマの向きが変わる。人工的な操舵フィールだったところがなくなり、一体感が増すとともに的確なインフォメーションも得られるようになった。路面に吸い付いたかのような高速安定性も特筆できるところだ。サーキットでは、V6ターボがパワーアップし、トルクが太ったことがハッキリとわかる。高回転域のパンチ力が増し、レスポンスも鋭さを増した。暴力的な加速を見せるが、トラクション性能はすばらしい。コンパウンドを一新したダンロップタイヤは優れたコントロール性を身につけ、狙ったラインに無理なく乗せることができる。制動性能も向上した。安心感は旧型と比較にならない。

顎どころか首が外れるほどの加速 自動車評論家 西川淳

0~100km/hテストで3秒046をマーク

0~100km/hテストで3秒046をマーク

結論からいおう。ボクは’07モデルの初期型に今も乗っているが、乗り換える価値は充分ある(もちろんお金に余裕があればボクもそうしたいところだが)。愕然とするほど速くなり、しかもいっそう扱いやすくなって、初めて“感情的”なクルマになった。GT-Rは“速いけれどツマラナイ”ではなくなりつつある。まずは0~100km/h加速3秒フラットの“実演”に驚きのあまり顎が外れそうに。試乗会場の仙台ハイランドでは、ついでにボクにも0~100km/h挑戦のお鉢が回ってきたが、オートマチックモードでも3.2秒弱。加速している最中は顎どころか首が外れそうなGを体験した。この速さはもはやポルシェターボを超え、1億円級アルティメイトスーパーカークラスの実力だと言っていい。楽しさは、前アシの当意即妙な動きと、後アシのふんばり具合で実現される、いってみればハンドリングの妙から生まれるもの。年々進化してきたGT-Rは、そのたびに(精神的に)“小さく”なってきたが、MY11(マイチェンした新型)はMY07(初期型)に比べると20%くらい引き締まった印象がある。それだけ、クルマとの一体感が楽しめるというわけだ。大絶賛。だが物足りない面もある。それは60~70km/hあたりの不如意なステアリングフィールと、90~120km/hという日本では最も大事な速度域でのパワートレーンの質感だ。これらを克服すれば、欧州一流ブランドを凌駕するモデルになれる!

アクセルを床踏みしたら頭クラクラ レーシングドライバー 木下隆之

その場で実証! 加速力を示す0~100km/hの発進テストをその場で行なった。サーキットなどで選べる姿勢制御のVDC-RのRモードで発進テストを行なった結果、当日最高のタイムは3秒046。100分の1秒をカットし、3秒ジャストを記録。リアタイヤが半回転ほどスリップし、みるみる加速していく速さは異次元のものだ。これまでよりも0.6秒もアップしたことになる。最強の加速力だ

その場で実証! 加速力を示す0~100km/hの発進テストをその場で行なった。サーキットなどで選べる姿勢制御のVDC-RのRモードで発進テストを行なった結果、当日最高のタイムは3秒046。100分の1秒をカットし、3秒ジャストを記録。リアタイヤが半回転ほどスリップし、みるみる加速していく速さは異次元のものだ。これまでよりも0.6秒もアップしたことになる。最強の加速力だ

まずは、そのパワーに驚かないわけにはいかないだろう。480馬力が530馬力にアップしたのだからそれもそのはず。朝イチにいきなり床踏みしてみたら、頭がクラクラした。本当です。もっとも、その反動で走りが荒くなるのが世の常。だがしかし、GT-Rはしなやかさすら手に入れているのだから驚かされる。まずは、パワースライド。こいつはやや強くなったような気がするが、コントロール性が増したのが好感触。スライドはするのだが、滑り出しが予測しやすくなったし、収束も早い。だからむしろ、積極的に振り回したくなるのだ。もちろんタイムは悪化するけどね。例の閉口するようなアンダーステアが格段に抑えられたのも嬉しいことだ。特に、舵角を増やしていってもグリップ低下がないことには感心させられる。勢いにまかせてコーナーに飛び込んでもなんとかなるのである。ボディ剛性感は一気に増した。だが足はしなやかに動く。剛性アップといなしのバランスが理想に近づいたのである。そんなだから、ラップタイムは向上しているはずである。しかもそのタイムは、これまでのようにごくひと握りのプロドライバーだけが叩き出せるという神経質なタイプではなく、誰もがその領域を覗くことができそうな気がするのだ。あっ、これはウソ。こんな速さで、誰もが走れるわけないよな!

タイムが上がるからすべて上がる…… GT-R開発ドライバー 鈴木利男

GT-R開発ドライバーとして活躍する鈴木利男氏

GT-R開発ドライバーとして活躍する鈴木利男氏

乗ってすぐに感じられることは剛性感だろう。そのために中高速のスタビリティも大きく向上し、サーキットなどのレーシングスピードはもちろん、走り出しても全体のフィーリングでよくわかるはずだ。この理由のひとつがサスペンションのジオメトリーの変更で、これにより、サスペンションの動きが変わるから、フィーリングも変わり、従来モデルよりもよくなっている。乗り心地にも効いていて、初期の衝撃吸収がよくなった。ゴツゴツ感も少なく、最後のピッチバランスがとれて全体的にしなやかさが上がった。これはダンパーの変更が大きく貢献しているし、フロントサスペンション取り付け位置のレバー比の変更もある。入力が早く効き始めて、ゆっくり効くという感じで、フロントサスの動きがおだやかになっているのだ。これにより安定感は向上し、路面の変化による落ち着きのなさがなくなった。しかし、そのぶんスポーティさがなくなったという印象を受けるかもしれない。注目のパワー感だが、トルクがやはり効いていて、ボディを軽く感じる。アクセルの動きに軽やかに反応してくれ、なめらかに動くから全体的に底上げされているし、下からトルクが出るため、以前よりもパワーを感じることができるのだ。390φに大径化されたブレーキは急制動時、ブレーキから足を離す直前のコントロール性がポイントで、今回のブレーキの最大の進化だろう。特にサーキットなどでこの変化はドライバーにとって安心感がある。大きくなり熱分散がよくなっている点も特筆すべきことだ。ニュルを走って感じることだが、クルマの能力が上がるからタイムも上がる。もちろんタイヤの進歩も大きいのだけど、そうすると、すべてのパフォーマンスがバランスよく上がる。新しいGT-Rはその証明だ。

2年ぶりのGT-Rは相変わらずすごい ベストカー編集局長 宇井弘明

いや~、久しぶりのGT-Rだった。デビュー直後、取材で座間に行った時以来2度目のGT-R体験。今回のニューモデルの進化、中身はプロの皆さんにまかせるとして、新しいGT-Rに乗って、何が凄いかを素人目線でお伝えしよう。まずは’07年モデルを確認のために乗ってみた。もちろん充分速いし、ゆっくり走っても、これから何かが始まるようなワクワク感もある。これがスポーツカーのひとつの醍醐味でもあるわけだが、やはり乗り心地はかなりハードであった。’07年モデルでもアクセルを踏み込めば、驚くほどの加速をみせる。おそらく、一般路ではあまり試せないだろうが、ハッキリいって危険。それ以上に新型GT-Rは速いのだから驚く。実際に一般路ではその加速の一部を試すにしても、ほんの1~2秒アクセルを踏み続けるだけで制限速度を軽く超えてしまう。そうした一般路で明らかに新しいGT-Rのよさは誰もが指摘する乗り心地。それも速度が上がれば上がるほど滑らかになるのだ。滑らかといえば、エンジンの回り方も滑らかで、ストレスなく回る様は本当に感心する。ただし、シルキーに回るのだけど、少し無機質な感じというか、エンジンの粘りというか、クセがないので、このあたりの味けはひとつの課題かもしれないと思った。サーキットではすべての限界が高く、GT-Rの本当の魅力を知るには、鈴木利男さんの特訓を2日ほど受ける必要があるだろうが、とにかく日本が世界に誇れる一台であるのは評価したい。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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