『流れ』市販化第1弾！　ビッグウェイブ　NEWプレマシー

【本記事は2010年8月にベストカーに掲載された記事となります。】形状的にはウィッシュやストリームと同じ「乗用ミニバン」になるのだが、両側スライドドアを備えている。エンジンは2Lで3列シートで7人乗りという点ではこのクラスに近いのだが、全幅が1750mmあり、5ナンバーサイズを堅持するライバルに対して「ちょっと大きい」印象を持つ人もいるだろう。だからといってエスティマあたりと比較されるサイズではない。このゾーンにはMPVがある。　いっぽうでノア／ヴォクシー、セレナ、ステップワゴンに代表される「BOXミニバン」というのともちょっと違う。サードシートの居住性はあくまでも乗用タイプのもので、BOXタイプほどの広さはない。全高だって1615mmでBOXタイプと比べると20mm程度低くなっているので、これは当然だ。プレマシーは今回のモデルで3代目となるが、2代目以降、独自のポジションを築きつつあるといっていい。

新型プレマシーの価格は179万9000円（20CS）、192万円（20E）、209万9000円（20S）の3段階。価格で見るとウィッシュやストリームの1.8Lモデルに相当する価格帯を2Lモデルで実現としており、割安感が強い。ウィッシュ、ストリームの2Lモデルは220万円以上となっており、同じ値段でワンランク上のエンジンが手に入るという印象。BOX型と価格を比較しても10～20万円安い設定となっており、ちょうど中間的な位置を埋めているのだ。さて、新型プレマシーをひと目見て“ギョッ”とした。フロントマスクはアテンザやアクセラと共通するテイストのいわゆるマツダ顔。バンパーからフロントフェンダーにつながる抑揚感のあるラインも最近のマツダデザインの特徴だ。目を引くのはボディサイドに刻まれたキャラクターライン。これは紛れもなくマツダが提唱する「NAGAREコンセプト」に基づくボディラインにほかならない。「デザインコンセプトは、こんな言い方がふさわしいのかはわかりませんが、エロかっこいい」と田畑孝司チーフデザイナー。一見スポーツカーにこそふさわしいと思われる「流デザイン」をあえてミニバンのプレマシーに盛り込んだのだという。もちろん波打つようなキャラクターラインだけで「流デザイン」を表現したのではなく、ボディサイド全面で表現しているとのこと。タイヤを大きな岩、サイドマーカーを小さな石に見立てて、大きな流を表現しているという。賛否両論あろうが、これは他の乗用ミニバンでは見られない挑戦的デザインだ。

基本的には超がつくほどのキープコンセプトのモデルチェンジといっていいだろう。ボディサイズは全長4585mm、全幅1750mm、全高1615mm。2代目に対して全長は20mm伸び、全幅は5mm拡大しているが全高は変わらず。ほぼ同サイズといっていいだろう。シートは2-3-2の3列シート7人乗りで、2列目はセンター部が出し入れ可能なからくりシートを採用するのも2代目譲り。6人乗りで使う時は2列目センターシートを収納すれば左右独立シートとなり居住性がグンとアップする。3列目については大人が長時間乗るのはちょっと辛いかな、という広さだが、これはウィッシュやストリームもほぼ同等で、このクラスであればやむを得ないところ。3列目シートの座面はそこそこクッションの厚みがあるのだが、背もたれの高さが低く、落ち着かない。ただ、両側スライドドアのメリットは大きく、686mmのドア開口は3列目への乗り降り時に特に余裕を感じる。エンジンは2Lのみで20CS以外ではi-stopが装備され10・15モード燃費は16.0km／Lを達成。エコカー減税50％の対象となっているのも嬉しい。さらにオプションで電動スライドドアを選択すると、重量増により燃費は15.0km／Lに落ちるものの、燃費基準が変わり75％減税対象となるのも見逃せない。

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