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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.06
SI-DRIVEで燃費が10%以上向上する……!? レガシィ燃費TEST NEWスバル レガシィ徹底テスト
SI-DRIVEシステム

SI-DRIVEのモード切り替えはシフトノブ後方のダイヤルスイッチで行なう。電気的なスイッチなのでもちろん走行中でも自由自在に切り替えOK。ボタンをプッシュすればIモードに切り替わる
【本記事は2006年7月にベストカーに掲載された記事となります。】5月24日にマイチェンされたレガシィの気になる装備がSI-DRIVEと呼ばれるシステム。これは、2.0GTと3.0Rに搭載されるシステムで、エンジンマネジメントユニット、ATマネジメントユニットを統合制御し、3段階の出力特性をドライバの任意に設定できるシステムだ。各モードの特徴は後で詳しく解説するが、Iモードでは出力を抑えることで燃費を平均10%程度向上することができるという。確かに面白い考え方ではあるが、しかし、理想ではあったがいまではすたれてしまった“3段階減衰力調整つきショックアブソーバー”のような感じがするという声もある。実際のところしょっちゅうモードを切り替えて走るものだろうか!? なんか、走りがチマチマしやしないか!? ホントに言うほどの燃費向上効果はあるのか!? いろいろ気になる部分も出てきた。まずはIモードで燃費がホントによくなるのか!? 走りはかったるくないのか!? 徹底的に走ってテストした。テストに先立って、まずはSI-DRIVEについてざっとおさらいをしておこう。シフトノブ後方に設置されたダイヤルスイッチでモード選択を行なう。電気的なスイッチなので、もちろん走行中、いつでも好きな時にモード変更可能。
Iモード

Iモードでは最高出力200馬力、最大トルク20kgm程度に抑えられ、明らかに動力性能は低くなる
・Iモードインテリジェントの頭文字をとってIモード。これがいわば省燃費モードということになる。スバル開発陣の説明では「Iモードで走ると、平均して従来の10%程度、場合によっては15%以上実用燃費がよくなってます。でも、Iモードは単なるエコモードではありませんよ」とのこと。ゆったりした走りを狙っており、最高出力200馬力、最大トルク20kgm程度に抑える半面、低回転からフラットにトルクが立ち上がる特性なので、走っていて「かったるい」と感じることはなかった。・Sモードレガシィの標準的モードがこのSモード。「SI-DRIVEがなければ、このSモードに近い出力特性をマイチェンレガシィのセッティングにしたでしょう」と開発担当者は言う。・S♯ワインディングカッ飛びモードとでもいいましょうか。Sモードをベースにアクセル開度に対するスロットルバルブのレスポンスを高めた制御をすることで、シャープで気持ちのいい走りを狙っている。また、ATも統合制御され、キックダウンのタイミングを早めたり、シフトアップのタイミングを遅らせて高いエンジン回転を維持するような制御としている。
ホントに10%も燃費がよくなるのか!?

燃費テストコースは都内から東名高速~R138籠坂峠越え~中央高速というルートで約250km。休日のワンデードライブをイメージしたルートと思っていただければいいだろう。流れに乗って自然に走るよう心がけた
・ホントに10%も燃費がよくなるのか!?ということで、さっそく燃費テストに出撃しよう。テスト車両はツーリングワゴン2.0GTスペックBの5AT車。走行ルートはBC最新版燃費テストルートの富士河口湖周回ルートで行なった。都内から首都高3号線経由で東名高速。御殿場で降りて国道138号線で籠坂峠を越えて山中湖から河口湖を目指し、河口湖インターから中央高速で都内に戻ってくる約250kmのルート。走り方は普通に流れに乗った走りを心がけるというのはいつものとおりだ。このコースを最初はIモードで1周走り、引き続きSモードでもう1周走ることにした。もちろん同じドライバーがテストを担当。深夜の時間帯だったので、途中に渋滞などはなく、走行条件はほぼ同一といってよかろう。また、テスト当日は大雨が降っていたのだが、開始から終了までずうっと雨は降り続いたので、雨による燃費への影響も同一条件だった。
テストの結果

Iモードでの結果 255.6km走行給油22.75L 11.23km/L
結論から言ってしまおう。確かに燃費に差は出た。満タン法による燃費データではIモードの11.23km/Lに対してSモードでは10.21km/L。スバルのデータとほぼ同じ、約10%の差がつく結果となった。ちなみに給油量でみるとIモードの22.75Lに対しSモード時は25.03Lで約2.5Lの差。同じ255.6kmのコースを走って余計に2.5L消費してしまったのだから、100kmあたり1Lの差ということになる。年間1万km走るとしたら、100Lの差ということになるから、ハイオク仕様で約1万4000円の差なので、この差は小さくはない。
でも我慢の走りだったら意味がない……

もー、ガソリンスタンドは素通りですよ!?
・でも我慢の走りだったら意味がない……ここで重要なのは、Iモードで走ることで我慢の走りを強いられるのでは!? ということ。確かにパワー、トルクを抑える設定となっているので動力性能的には低下しているのだが、街中や高速道路で特にパワー不足を感じることはなかった。高回転域での「余裕」の部分を押さえ込んでいるため、普段使う2000~3000回転あたりでのトルクはSモードと大きな差はないのであった。追い越し車線をかっ飛ばすような状況ではIモードだともの足りないかもしれないが、普通に流れに乗って走り、たまに遅いトラックを抜かすような走り方なら、Iモードで充分だな、と思いましたね。いやいやむしろ、Iモードだとフラットなトルク特性となることもあり、ロングドライブでは疲れが小さかった。燃費もグンとよくなるし、Iモード、積極的に使うことをおすすめいたします。
緊急TEST 3つの走りを持つレガシィ SI-DRIVEで走りはこう変わる!!

ステアリングのスイッチで瞬時にS♯に切り替え可能。まるでオーバーテイクスイッチだ。もう一度押すと元のモードに戻る
緊急TEST 3つの走りを持つレガシィ SI-DRIVEで走りはこう変わる!!さて、SI-DRIVEだが、燃費差10%はテストで実証された。街中を普通に走る場合や、高速道路をロングドライブする時などはIモードで充分な動力性能を発揮することも燃費テストでの運転を通じて体感。しかし、Iモードはパワー&トルクを絞っているわけで、SやS♯モードに対して動力性能は間違いなく低下している。どの程度動力性能に差が生じているのか、各モードでの加速タイムを比較した。「Iモードでは2Lターボと3Lともにほぼ同じ出力特性になるようにチューニングしているんです」というのは、車両実験主査の行木氏。最高出力約200馬力、最大トルク約20kgmというのがIモードでの出力となるのだが、トルクの出方やピークパワーの発生回転などの特性を2Lターボと6気筒3Lでほぼ同じにしているというのだ。「さまざまなテストから、レガシィを気持ちよく走らせるのに必要なトルクがだいたい20kgmだったということなんです」と行木氏。なるほど、2L NAの2.0Rの最大トルクは20.0kgm、2L SOHCの2.0iの最大トルクは19.0kgmだ。加速テストはゼロ発進から60km/hと40→60km/hの中間加速タイムを計測した。結果は表にまとめたとおりだが、0→60km/hでは2Lターボでは実に3秒以上、3Lでも2秒以上の差がついている。これは圧倒的な差だ。アクセルを踏み込んだ瞬間からのトルクの立ち上がり、エンジン回転の吹け上がりに明確な差がつけられているだけではなく、Iモード時はアクセルベタ踏みで加速しても5000回転でシフトアップしてしまう。Sモードでは6500回転までキッチリ引っ張るので差がつく。Iモード時に5000回転でシフトアップしてしまうのは、これ以上回しても意味がないから。マニュアルモードで5000回転以上まで引っ張ってみたが、吹けが鈍く、トルクも落ち込んでしまっている。40→60km/hの中間加速でも明確な差が現われた。Dレンジキープで定速走行。この状態からアクセルを床まで踏み込み加速態制に入るのだが、Sモード時のほうがキックダウンのタイミングが早く、しかもキッチリ6500回転まで引っ張るため中間加速も速い。2Lターボ、3Lともに1秒以上のタイム差が生じている。S♯モードはというと、このようなアクセル全開での加速タイムはSモードとほぼ同じだった。S♯はアクセル操作に対するスロットルのレスポンスをシャープにする制御が盛り込まれており、アクセル全開時ではSモードとの差はないのであった。したがって、全開加速では差が生じないのだ。S♯の本領は、山道などを小気味よく走りたい時などに発揮されるのだ。同じアクセルペダルの操作をしても、S♯だとスロットルが速く、大きく動くのでレスポンスがシャープになり、実際のトルクの立ち上がりもシャープになる、というわけだ。正直、S♯だとアクセル操作に対するクルマの動きが敏感すぎて街乗りでは疲れてしまう。S♯はあくまでも山道を気持ちよく走るための専用モードといってよかろう。普段の街乗りではゆったり走れるIモードにしておくのがベストだな、と思いました。アクセルの踏み方でIとSを自動で切り替えるモードがあればより便利だな。でも、率直な意見として、試乗担当者はSI-DRIVEをなかなか有効だな、と思いました。
結論 NEWレガシィはズバリ、買いなのか?

B4はツーリングワゴンよりもシャープでキビキビしたフットワークが気持ちいい。特にスペックBはスポーティなハンドリングだ
結論 NEWレガシィはズバリ、買いなのか?SI-DRIVEに話が集中してしまったが、もちろんレガシィのマイチェン、そればかりではない。走り出してすぐに気づくのだが、乗り心地がよくなっている。これは17インチを履くGTや3.0Rでも感じるのだが、最も明確に感じるのは18インチタイヤのスペックBだ。試乗会場周辺には荒れた路面の場所もあったのだが、補強されたボディ、サス取り付け部が効果を発揮し、サスペンションがキッチリ動いている感じ。昨年5月の改良時にも、ストラットタワーのボディ鉄板の肉厚を厚くするなどの改良で、サスの動きは初期モデルと比べて断然スムーズになっていたが、今回の改良でさらによくなっていることを実感した。これらの改良により、乗り心地だけではなくハンドリング性能もレベルアップ。特にフロント回りの剛性が高まったことでステア操作に対する挙動変化のレスポンスが高まっており、キビキビしたフットワークに磨きがかかっている。
大幅に改良されたエンジン

エンジンはカムプロファイルの変更やバルタイの変更、ターボ形状変更などで新たに生まれかわっている
また、エンジンも大幅に改良されていて2Lターボではタービン形状が変更されているのであった。これにより低中速でのトルクの立ち上がりがシャープになり、ドライバビリティが向上。3Lもカムプロファイル、バルタイの変更などにより2000~3000回転域でのトルクが1kgm程度大きくなっており、これは実質的なパワーアップ。特に街中を普通に走った時の気持ちのよさがワンランクアップしている印象だ。特に変更はアナウンスされていないが、2L NAエンジン(DOHC、SOHCとも)も細部のリファインが施されており、フィーリングがよくなっていることから、こちらも注目だ。価格アップは2.0GT、3.0Rともに4万2000円のアップ。これはお買い得!!価格がアップするのはうれしくはないが、SI-DRIVEの採用やエンジン、シャシーの大幅改良などといった手の込んだ改良の内容を考えれば、充分納得できる価格アップだ。従来車を100点とするとマイチェン車は125点だな。
負け惜しみコラム 旧型レガシィオーナー本誌古川の新型評

愛車には満足しているとはいうものの、やっぱり新型はいい
負け惜しみコラム 旧型レガシィオーナー本誌古川の新型評マイチェン直前の今年3月にレガシィワゴンを購入した自分が、旧型オーナーの目で新型をチェックさせていただきます。実際に乗ってみてまず「変わったなぁ」と感じたのがシート。座面左右端のサポート部分が低くなって、乗り降りがしやすくなっているのだ。それに、シートの堅さがすこし固めになった。堅さは好みもあると思うけれどマイチェン後のシートのほうが、しっかり感があって「いい」と思う。長時間を乗った時の疲労感までは今回わからなかったけど、きっとよくなっているのではないだろうか。それとステアフィールにこれまたしっかり感が増したのもいい。いろいろ細かい部分まで改良されていて新型はいいですね。でも、自分の愛車には満足してますよ。