中古車購入
更新日:2018.11.15 / 掲載日:2017.03.17
ONE MAKE MARKET RESEARCH NISSAN SKYLINE

12代目 日産 スカイライン
12th(2006年~2013年)
中古車参考価格帯:80万円~220万円(06年~13年 ※セダンのみ)
主要諸元
2010年式 日産 スカイライン 370GT タイプSP(7速AT)
全長×全幅×全高:4780×1770×1450mm
ホイールベース:2850mm
トレッド前/後:1520/1520mm
車両重量:1640kg
総排気量:3696cc
エンジン:V6DOHC
最高出力:330ps/7000rpm
最大トルク:36.8kgm/5200rpm
10・15モード燃費:9.7km/L
サスペンション前後:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ前後:Vディスク
タイヤ前・後:225/50R18・245/45R18
走りも仕立てもよくなりプレミアムカーの仲間入り
スカイラインは長らく硬派でスポーティな小型セダンとクーペだったが、今回取り上げた「V36型」と呼ばれる12代目のひとつ前の世代、11代目の「V35」型からキャラクターは大きく変わった。
その理由はアメリカ進出である。それまで基本的には国内専用車だったが、北米で高級ブランドであるインフィニティの「G35」として販売されることになり、新たなる道を歩み出したのだ。それがクルマづくりにも大きく影響している。
最大の変化は、車体サイズと内外装の仕立てである。車体はアメリカで好まれるように車幅が大きくなり、仕立ては内外装ともより上質に。優雅なスポーティセダンに生まれ変わった。
続く12代目はその正常進化である。デザインはより洗練され、インテリアの質感は大幅に向上。しかし、ここで注目したいのは走りの性能である。10代目で極めたステアリングフィールの鋭さはないが、しなやかに動くサスペンションが懐の広い操縦性を実現。ドライバーが気持ちよさを昂らせる、感性に訴えてくる運転感覚の心地よさは走りに定評のあるドイツ車とも互角かそれ以上だ。
大人になったけれど走りの愉しさは忘れない。そんなセダンだ。
INTERIOR インテリア
プレミアムブランドに相応しい上質感
プレミアムブランドに相応しい上質感
北米においてレクサスやメルセデス・ベンツと並ぶ高級ブランドの「インフィニティ」として販売されるだけに、徹底して上質感を高めたインテリアは12代目の自慢でありユーザーにとっても大きな魅力。たとえばインパネは表面素材の仕立てや組み付けの緻密さなどフィニッシングが見事だ。

大人4人が快適に過ごせる居住スペースに9インチのゴルフバッグが4個積める広さのトランクを組み合わせる。「タイプP」には肌触りのいいレザーシートをコーディネート。
MECHANISM メカニズム
上質な走りを求めた贅沢なパワートレイン
加速やコーナリングなど「動的な質感」にも徹底的にこだわっている。エンジンは振動が少なく回転フィーリングも音も心地よいV6だけを搭載。足まわりには世界初となる4輪アクティブステア搭載車(前後タイヤの切れ角を制御する)も設定した。
スカイラインに搭載されるVQエンジン、とくに3.7Lのモデルは極上の回転フィーリングが自慢。中回転域の脈を打つ感覚(ビート感)が心地いい。
V36から新採用されたシンクロレブコントロールとは?
シフトダウン時のショックを最小限にするため、変速時に一瞬エンジン回転数を高めてギヤとエンジン回転数を同期する仕組み。MTのヒール&トゥのようなスムーズなシフトダウンを実現。
HISTORY ヒストリー
2006年11月 セダンをフルモデルチェンジ
11代目の正常進化としてデビュー。エンジンは2.5Lと3.5Lをラインアップするがいずれも上質感にこだわりV6を積む。プラットフォームはエンジン搭載位置が低くなった新世代版を採用。
2007年10月 クーペをフルモデルチェンジ
ひときわワイド&ローの優雅なデザインを身にまとったクーペ。フェアレディZと違い後席も備える。基本メカニズムはセダンと同じだが、排気量を3.7Lとした新世代エンジンを組み合わせた。
2008年12月 一部改良(セダンに3.7Lエンジン搭載)
2009年07月 クロスオーバーを発売
プラットフォームをはじめスカイラインのメカニズムを使って作られた、SUV仕立ての派生モデル。ヘッドライトまわりやインテリアのデザインもスカイラインセダンやクーペと共通の雰囲気。
2010年1月 マイナーチェンジ
フロントバンパーなどエクステリアデザインを変更。また2.5Lエンジンを積む「250GT」系のFR車にも新たに7速AT(3.7Lモデルは従来から採用)が搭載されて走りが進化した。
2012年10月 クロスオーバーを一部改良
MARKET DATA マーケットデータ
100万円前後の予算でねらえるスポーツセダン
現行型は高値安定が続いているが、先代ならば手頃な予算でねらえるのが魅力。排気量は、2.5L、3.5L、3.7Lが存在するが、市場に流通する大半が2.5Lモデル。それ以上の排気量は物件が極端に少なく、相場も高めなので注意。また、全体的に過走行車が目立つようになったので、ほしいひとは早めに決断したい。
グレード×年式別相場(12代目)
2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
250GT | 81万円 | 96万円 | 103万円 | 117万円 | 147万円 | 156万円 | 175万円 | 196万円 |
250GT FOUR | 99万円 | 100万円 | 134万円 | – | 143万円 | 176万円 | 188万円 | – |
350GT | 81万円 | 87万円 | 84万円 | – | – | – | – | – |
370GT | – | – | 157万円 | 143万円 | 157万円 | 182万円 | 157万円 | 239万円 |
走行距離×年式別相場(12代目)
2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3万km未満 | 91万円 | 115万円 | 130万円 | 151万円 | 166万円 | 171万円 | 208万円 | 203万円 |
3万km~5万km | 98万円 | 103万円 | 111万円 | 135万円 | 153万円 | 162万円 | 177万円 | 202万円 |
5万km以上 | 74万円 | 84万円 | 90万円 | 101万円 | 136万円 | 138万円 | 152万円 | 160万円 |
年式
デビュー翌年の2007年式がもっとも多く、全体のおよそ3割。またマイナーチェンジが行われた2010年式も豊富。ただし高年式は少ない。走行距離
デビューから10年以上が経過し、低走行車両がかなり少なくなっている。3万km未満が2割以下。半数近くが5万km以上という状況だ。
グレード
高性能な3.5Lや3.7L車に目が行きがちだが、大半は2.5L車で占められる。2.5Lでも十分な性能なので不満はないはず。4WDも少なめだ。
※すべての価格は参考価格です
※中古車参考価格はすべてグーネット2017年2月調べ。


スカイライン クーペ(2007年~2014年)
優雅さを求めるならクーペを選んでみたい
息をのむほどの美しさ。そして優雅な雰囲気。スカイラインシリーズのスカイラインクーペの真骨頂はそこにある。
エンジンをはじめメカニズムは基本的に後期型のセダンと共通だが、ヘッドライトまわりからテールランプまで(ミラーやドアノブといった細部を除き)外装にセダンとの共通部品はなし。セダンよりも低くてワイドなプロポーションだけでなく、細部までとことんこだわったデザインに「カッコよく美しいクルマを作ろう」という意気込みが感じられる。
セダンに比べると後席居住性に割り切っているが、いっぽうでハンドリングはセダンよりもシャープに鍛え上げられていてスポーティさが色濃い。セダンにはないMTの用意があるのも、走り好きには見逃せないポイントだ。
SKYLINE COUPE スカイライン クーペ
中古車参考価格帯:120万円~290万円(07年~14年 ※クーペ)
主要諸元
2010年式 日産 スカイラインクーペ 370GT タイプSP(6速MT)
全長×全幅×全高 4655×1820×1390mm
ホイールベース 2850mm
トレッド前/後 1545/1560mm
車両重量 1660kg
総排気量 3696cc
エンジン V6DOHC
最高出力 333ps/7000rpm
最大トルク 37.0kgm/5200rpm
10・15モード燃費 9.4km/L
サスペンション前後 ダブルウィッシュボーン
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前・後 225/45R19・245/45R19

前席まわりは基本的にセダンと共通だが、先代に比べて着座位置が27mm低くなったこともありスポーティな雰囲気を味わえる。またセダンにはないMTの設定も運転好きにはありがたい。トランクは床が浅く、ゴルフバッグ積載数はふたつだ。
SKYLINE CROSSOVER スカイライン クロスオーバー
中古車参考価格帯:140万円~260万円(09年~14年 ※クロスオーバー)
SUVブームを背景に誕生した突然変異種的モデル。実用性を重視したキャラクターではなく、後席の広さは「クーペ以上セダン未満」で荷室もセダンよりゴルフバッグひとつぶん狭い。背の高いクーペのような感覚だ。
中古車参考価格帯:140万円~260万円(09年~14年 ※クロスオーバー)
MARKET DATA マーケットデータ
状態のよい個体はまだ高値
セダンとは異なり、クーペは中古車相場があまり下がっておらず、全体的に物件数も控えめ。3万km未満の個体は10年落ちで190万、5年落ちで290万円という高値。走行距離やコンディションを重視するなら、最低200万円の予算は確保しておきたい。また排気量は3.7Lモデルのみで、自動車税が割高なのでじっくり検討しよう。
グレード×年式別相場(クーペ)
2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
370GT | 158万円 | 157万円 | 172万円 | 220万円 | 257万円 | 255万円 | 257万円 |
走行距離×年式別相場(クーペ)
2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
3万km未満 | 190万円 | 166万円 | 200万円 | 271万円 | 297万円 | 290万円 | 286万円 |
3万km~5万km | 182万円 | 171万円 | 178万円 | 211万円 | 271万円 | 248万円 | 285万円 |
5万km以上 | 153万円 | 149万円 | 162万円 | 193万円 | 213万円 | 184万円 | 209万円 |
1st:1957年~1963年
2nd:1963年~1968年
3rd:1968年~1972年 PICK UP
ハコスカの愛称で知られる3代目
4th:1972年~1977年
5th:1977年~1981年
6th:1981年~1985年
7th:1985年~1989年
8th:1989年~1993年 PICK UP
GT-R復活の狼煙をあげたR32型
9th:1993年~1998年
10th:1998年~2002年
11th:2001年~2006年 PICK UP
インフィニティとして海外でも販売される
12th:2006年~2013年
13th:2014年~ PICK UP
中古車価格帯:230万円~480万円(14年~16年 ※全グレード)
ハイブリッドも設定しさらにモダンに進化
中古車価格帯:230万円~480万円(14年~16年 ※全グレード)
COLUMN コラム
いつの時代も輝いていたスカイラインヒストリー
ボンネットを伸ばした車体に大きなエンジンを無理やり詰め込んだ「GT」を開発してレースに出場。ポルシェを追い抜き「羊の皮を被った狼」の称号を得たのが2代目の逸話だ。それ以降、スカイラインは日本を代表するスポーツセダンとして父親たちのあこがれに。専用の高出力エンジンで走りを極めた「GT-R」を用意するいっぽう、比較的安価な仕様も用意して身近な存在でもあり、またケン&メリーなどCMも頻繁に話題となった。
はじめてGT-Rが設定された3代目で販売台数は一気に増加。
過去にはワゴンやハッチバックなども設定されていた。
5代目はサイドの「サーフィンライン」が話題に。
6代目は直線的デザインが人気。
8代目ではレースを前提にしたRB26DETTを搭載した「GT-R」が復活。
IMPRESSION インプレッション
ユーザー口コミレビュー
出足の加速力は普通だが、ある程度走ってからはトルクの太さを十分に感じさせる。プレミアムスポーツの名に恥じないクルマ。落ち着いた内外装のデザインは好みだが、高級感はあまり感じない。
総合評価:4.3/5.0(12代目セダン)
ドライバー歴:不明
グレード:250GT タイプS
見た目がシンプルなデザインですが、飽きることがありません。室内もゴージャスで、静粛性もかなり高いです。気になる点は小物入れの少なさ。家族で乗る機会が多い方は、チェックしたほうがよいです。
総合評価:4.1/5.0(12代目セダン)
ドライバー歴:不明
グレード:不明
スタイリッシュで個性的なフロントフェイスが印象的。ハイパフォーマンスを発揮するエンジンを搭載し、素晴らしい走りを実現しています。落ち着きある室内空間も見事。ただし燃費が悪いのがマイナスです。
総合評価:4.3/5.0(12代目クーペ)
ドライバー歴:不明
グレード:370GT
※口コミレビューは、グーネットに投稿されたものを一部抜粋・改変して記載しています。総合評価は5点満点。

自動車ジャーナリスト工藤貴宏の○と×
GOOD
上質な内装と心に響く走り
11代目からのプレミアム化で得たものはなんといっても上質なインテリア。12代目はプレミアムな雰囲気が飛躍的に向上し、所有の満足感をさらに高めてくれる。そして走りも好印象。かつてのように締め上げたサスペンションのいかにもスポーティな操縦性ではないが、ドライバーの意図を忠実に守るハンドリングと躍動感あふれるエンジンの爽快感は欧州プレミアムカーに匹敵する。
BAD
価格の上昇で手が届きにくい
10代目までのスカイラインと明確に異なるのが車両価格。プレミアムブランドにふさわしいコストをかけた贅沢なつくりとなったことで、新車価格が大幅に上昇し手の届きにくい存在になってしまったのは否定できない。北米では高級ブランドで、トヨタの「レクサス」のポジショニングなのだ。中古車として購入するのであれば高いクオリティを比較的割安に手に入れられる面もある。
※すべての価格は参考価格です
※中古車参考価格はすべてグーネット2017年2月調べ。