中古車購入
更新日:2018.11.15 / 掲載日:2017.09.20
ONE MAKE MARKET RESEARCH NISSAN FAIRLADY Z
日産 フェアレディZ(6代目) ※写真はフェアレディZ バージョンST(2010年)
初代登場は1969年。フェアレディZは半世紀近い歴史を持つ、日本を代表するスポーツカーだ。現行型の登場は2008年。デビューからやや時間が経過したが、その魅力は衰えていない。
6th(2008年~)
主要諸元 2010年 日産 フェアレディZ バージョンST(6速MT)
中古車参考価格帯:170万円~500万円(08年~17年 ※全グレード)
主要諸元 2010年 日産 フェアレディZ バージョンST(6速MT)
全長×全幅×全高 4250×1845×1315mm
ホイールベース 2550mm
トレッド前/後 1540/1565mm
車両重量 1520kg
総排気量 3696cc
エンジン V6DOHC
最高出力 336ps/7000rpm
最大トルク 37.2kgm/5200rpm
10・15モード燃費 9.5km/L
サスペンション前/後 ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前・後 245/40R19・275/35R19
最新型のZ34は運動性能を磨き上げた
フェアレディZは日本を代表するスポーツカーだ。先々代モデルまでは長距離を快適に移動するグランドツアラー的なキャラクターが強かったものの、2002年に登場したZ33型と呼ばれる5代目モデルからは走りの性能、とくに操縦性の高さが際立つようになった。そして2008年に登場した現行モデルのZ34型はさらにスポーツ性能が磨き上げられている。
じつは、Z33型やZ34型のフェアレディZはスカイラインシリーズのスカイラインクーペとシャシーやエンジンを共用するモデル。しかしスカイラインクーペが後席を備えるのに対してフェアレディZは後席のない2シーターで、車体はひとまわり小さい。そのぶん軽量な設計になっているから、より高い運動性能を身につけている。
クルマはフルモデルチェンジのたびに車体サイズが大きくなるのは世の常だ。しかしフェアレディZの現行モデルは先代よりも車体サイズを小型化。その理由はより高い次元の操縦性を実現するためであり、そんな車体の成り立ちからも日産のフェアレディZに対する意気込みを垣間見ることができる。
開発時に走行性能の仮想ライバルとしたクルマはポルシェ・ケイマン。高価格のスポーツカーに迫る性能を手が届きやすい範囲の価格で実現した、身近な本格スポーツカーなのだ。
INTERIOR インテリア
タイトさを楽しむスポーツカーの空間
※写真はフェアレディZ バージョンST(2010年)
タイトさを楽しむスポーツカーの空間
インテリアも車体同様に走りを楽しむことを最優先に設計されており、運転席に座るとスポーツカーならではの“包まれ感”を楽しむことができる。上級仕様はレザーシートや高音質のBOSEオーディオを備え、快適であると同時に高級スポーツカーであることを実感。荷室は浅いが大型スーツケースも積載可能。
インパネ中央上部に備える3連メーターはフェアレディZの伝統。着座位置は低く、真横から見たときのステアリング取り付け角度はほぼ垂直とスポーツカーならではの運転姿勢で設計されている。
MECHANISM メカニズム
走りの性能を重視した高い技術
走りの性能を重視した高い技術
日産のスポーツカーといえば「GT-R」も存在するが、GT-Rが“絶対的な速さ”を重視しているのに対してフェアレディZは“操る喜び”や“運転する楽しさ”を追求。そのため高価で高性能な部品を惜しみなく採用している。車体を真上や真横から見たときに、車体前後の中心に人が座るパッケージングもスポーツカーならでは。
ENGINE こだわりの自然吸気V6エンジン
絶対的なパワーや低回転域のトルクを引き出すために3.7Lという大排気量ながら、高回転の爽快感を重視してターボではなく自然吸気エンジンを採用。車体の中央に近づけて積む。
TRANSMISSION 確実なシフトダウンを実現
トランスミッションには6速MTと7速ATを採用。前者はシフトダウンをスムーズかつ正確に行えるよう、自動制御でエンジン回転数をあわせる仕掛けを搭載する。
SUSPENSION 軽量化のためアルミニウムを使用
フロントにダブルウィッシュボーン、リヤにマルチリンクを採用。鉄に比べて軽いアルミニウムの採用拡大などによって軽量化も図られ、運動性能アップに貢献している。
PICK UP
“Zカー”の愛称で親しまれた 純国産リアルスポーツの歴史
1960年代、北米日産社長の片山豊氏は北米で販売台数を増やすためには強力なイメージリーダーが必要との考えから、高い走行性能を備えたスポーツカーの開発を求めた。その結果誕生した初代フェアレディZ(S30型)は北米で大ヒット。以後、日産を代表するスポーツカーとして歴史を刻んでいる。
初代(S30型)
4代目(Z32型)
MODEL HISTORY モデルヒストリー
(1)2008年12月 フルモデルチェンジ
車体は先代に対してホイールベースを100mm短縮し小型化。一方エンジンは、排気量を200cc増やした3.7Lとしてより力強い走りを手に入れた。トランスミッションは7速ATと6速MTを選べる。
(2)2009年6月 「バージョンNISMO」を追加
専用チューニングによって355馬力にまで最高出力を高めた「バージョンNISMO」はフェアレディZのトップモデル。より高い旋回性能を実現する専用サスペンションや車体の浮き上がりを防ぐ専用エアロも採用する。
(3)2009年10月 ロードスターを追加
電動開閉式のルーフを組み合わせた「ロードスター」を日本にも投入。高級クーペでは定番化している開閉式ハードトップではなく伝統的な幌としているのは、軽量化や低重心といった走りの要素を重視したためだ。
(4)2010年11月 一部改良
車体色に「ダークメタルグレー」を追加したほか、バックモニターを設定。エアコンのダイヤルスイッチの文字位置を変更して操作時の視認性を向上。AT車には新たにシフトアップインジケーターを採用した。
(5)2012年7月 マイナーチェンジ
新形状のフロントバンパーや新デザインのアルミホイールを採用。バンパーにはLEDデイライトが組み込まれた。ユーロチューンサスペンションや耐フェード性を高めたブレーキパッドの採用で走りも高性能化。
(6)2013年6月 「NISMO」を追加
ブランド戦略の変更に伴って頂点となる「バージョンNISMO」を「NISMO」へと名称変更。ただしスタイリングやメカニズムなどハード面に関しては従来の「バージョンNISMO」を引き継いでいる。
(7)2014年7月 一部改良/NISMOをマイナーチェンジ
「NISMO」がマイナーチェンジを受け、エクステリアデザインを刷新。レカロ社製のスポーツシートも採用した。それ以外の標準車はリヤサスペンションやステアリングを変更し操縦性を向上。静粛性も高めた。
(8)2015年7月 一部改良
ボディカラーに「オーロラフレアブルーパール」を新採用。BOSEサウンドシステム搭載車にはアクティブサウンドコントロールとアクティブノイズコントロールを採用し、力強いエンジン音を実現した。
(9)2016年8月 一部改良
34型フェアレディZ発売時に設定されていた車体色「プレミアムアルティメイトイエロー」が再登場。「バージョンST」と「NISMO」にはカーウイングスナビゲーションやBOSEサウンドシステムを標準化した。
(10)2017年7月 一部改良
外観はヘッドランプやリヤコンビランプの輪郭をブラックハウジングで強調。また新型の高効率クラッチの採用により、クラッチペダルの踏力を軽くするとともに、半クラッチの操作性を高めている。また新色も追加された。
※すべての価格は参考価格です。
※中古車参考価格はすべてグーネット2017年8月調べ
MARKET DATA マーケットデータ
200万円台の予算からねらえる
スポーツカーとしては物件がそれなりに豊富なので、どの年式でもターゲットになりうる。前期型と後期型の価格差はあまり大きくなく、全体で250万円前後が相場。ただし後期のNISMOは価格が別格なので、注意しておこう。
年式
どの年式も流通しているが、物件が多いのは圧倒的に前期型(2008年~2012年)。このあたりは価格も手ごろなので、買いやすい。走行距離
登場から9年が経過し、走行距離が伸びた個体もそれなりに目立つ。しかし、価格はやや高めだが低走行で高年式の中古車も十分ねらえる。
グレード
ロードスターの割合が低く、探しにくいので注意。クーペは最上級の「バージョンST」が目立つ。一方「NISMO」もそれなりの数が流通している。
グレード×年式別相場(現行 フェアレディZ)
2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
クーペ | 182万円 | 196万円 | 192万円 | 210万円 | 248万円 | 237万円 | 325万円 | 312万円 | 404万円 |
クーペ バージョンT | 189万円 | 191万円 | 232万円 | 226万円 | 243万円 | 279万円 | – | 330万円 | 363万円 |
クーペ バージョンS | 213万円 | 223万円 | 214万円 | 316万円 | 262万円 | 276万円 | – | 334万円 | – |
クーペ バージョンST | 223万円 | 230万円 | 210万円 | 247万円 | 274万円 | 280万円 | 296万円 | 287万円 | 393万円 |
ロードスター | – | 279万円 | – | – | 254万円 | – | – | – | – |
ロードスター バージョンT | – | 252万円 | 272万円 | 260万円 | – | 319万円 | – | – | – |
ロードスター バージョンST | – | 252万円 | 311万円 | 285万円 | 318万円 | – | – | – | – |
NISMO系 | – | 274万円 | 271万円 | 286万円 | 316万円 | 386万円 | 441万円 | 505万円 | 503万円 |
走行距離×年式別相場(現行 フェアレディZ)
2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3万km未満 | 237万円 | 232万円 | 252万円 | 265万円 | 272万円 | 331万円 | 410万円 | 383万円 | 417万円 |
3万km~5万km | 220万円 | 234万円 | 236万円 | 247万円 | 271万円 | 305万円 | 284万円 | 349万円 | – |
5万km以上 | 199万円 | 206万円 | 203万円 | 260万円 | 230万円 | 246万円 | 293万円 | – | – |
NISMO ニスモ
最高の走りを手に入れたい人のための走りを磨いた高性能仕様
モータースポーツなどで活躍する日産のスポーツブランド「NISMO」。レースなどで養ったNISMOの高いテクノロジーを搭載した仕様がより運動性能を高めたモデルとして設定されている。当初は「バージョンNISMO」としてラインアップされ、現在は「フェアレディZ NISMO」として選ぶことが可能だ。
専用表皮のシート(現行仕様はレカロ製シートを設定)やバックスキン風の素材を張ったステアリングでスポーティなイメージ。
高速走行時の車体の浮き上がりを押さえるエアロパーツは、速度を高めれば高めるほどその効果を実感できる。
FAIRLADY Z 5th(2002年~ 2008年)
走りはいまだに魅力的 中古車は気軽な価格
新世代スポーツカーとして復活を果たした先代のZ33型。もっとも新しい個体でも10年近く前の車両となってしまうが、FRスポーツカーならではの走りの爽快感は十分に楽しむことができる。オープンモデルも選択可能だ。
編集部イチオシ! 買いのグレードはどれ?
硬派スポーツカーの世界を味わいたいひとは・・・ →クーペ バージョンST
NISMOという選択肢もあるが、あちらは本気度も価格も高く、やや敷居が高い。公道走行メインなら豊富に流通している最上級仕様「バージョンST」がオススメ。豪華な本革シートが与えられ、レイズ製19インチホイールが装着される。
優雅なドライブを楽しみたいひとは・・・ →ロードスター バージョンST
現行型のフェアレディZは、Z32型以前とは異なり走りは本格的な味付け。しかし、ロードスターなら開放感があり肩の力を抜いた走りも楽しめそう。グレードは、もっとも物件が多い「バージョンST」が探しやすいだろう。
IMPRESSION インプレッション
ユーザー口コミレビュー
ミュージックプレイヤーとの接続がUSB式になり、機種変更しても継続して使えそう。現行型になり車検証入れが設定されたが、車検証しか入らない大きさ。サングラス入れもなくなりました。
総合評価:3.6/5.0(6代目ロードスター)
ドライバー歴:不明
グレード:バージョンST
シャープでスタイリッシュ。国産車のなかでは1、2位を争う個性的なデザインだと思います。加速性能は申し分なく、気持ちよい。気になる点は燃費。アクセルを踏み込むと一気に悪くなります。
総合評価:4.4/5.0(6代目クーペ)
ドライバー歴:不明
グレード:NISMO
乗ってよし、眺めてよしの大排気量FR 2シータースポーツです。走りはよいですが、左後ろが見えにくいのが難点。とくに左折時は巻き込みに注意が必要です。あと乗降性もよくありません。
総合評価:4.5/5.0(6代目クーペ)
ドライバー歴:31年
グレード:バージョンT
※口コミレビューは、グーネットに投稿されたものを一部抜粋・改変して記載しています。総合評価は5点満点。
自動車ジャーナリスト工藤貴宏の○と×
GOOD
BAD
先代より小さいとはいえ車体に絶対的軽さはない
運動性能を徹底追求して作られており車体は先代より小さいものの、「GOOD」で挙げた小型スポーツカーに比べると車体は重くて運転していて軽快感は劣る。ダイナミックな加速と引き換えに、狭い峠道でひらひらと舞うような感覚は薄い。所有するうえでネガなのは、搭載するエンジンが大排気量で燃費が悪く、自動車税も高額なこと。
※すべての価格は参考価格です。
※中古車参考価格はすべてグーネット2017年8月調べ。