中古車購入
更新日:2018.11.22 / 掲載日:2015.12.24
「軽」スポーツで思い切り走りを楽しむ!

ユニット・コンパス/Goo-net編集部
クルマ好きにとって、デザインよりも装備よりも重要なのは「走る歓び」だろう。幅広いレンジで性能を引き出しながら走る楽しさを満喫したければ、排気量の小さいエンジン、小まわりの利く軽量コンパクトボディを選ぶのが正解だ。排気量が大きくトルクフルなエンジンのクルマは、まっすぐな道路をゆったりクルージングするのは快適だが、つづら折りの峠道を駆け上がる快感は味わえないし、サーキットでもなければド級のハイパワーエンジンのすごさを体感する機会は日本ではまずない。となると、「軽自動車のスポーツモデル」という選択肢がひときわ輝き出すのだ。身体を包み込むようなタイトさはまさに「コックピット」の風情があるし、アイポイントの低さもスピード感を大いに高めてくれる。
思い起こせば、かつて「エスロク」の愛称で親しまれたホンダ S600、「ヨタハチ」ことトヨタ スポーツ800など、日本のクルマメーカーが誇ったコンパクトスポーツが、一世を風靡した時代があった。そしていま、当時それらのモデルを羨望の眼差しで見ていた大人たちにこそぜひ乗ってほしい、魅力的な「軽スポーツ」がふたたび熱を帯びているのだ。
現在、ダイハツ「コペン」、ホンダ「S660」、スズキアルトシリーズの「アルトRS」の3車種がリリースされ、ブーム再燃の感がある軽スポーツ。まだデビューして日が浅いが、中古車市場には早くも物件が登場しているので、臆せずにねらってみたい。なお、「コペン」は最近まで販売されていた先代モデルを本命としてねらえる。また、1990年代に一大ブームとなった「ABCトリオ」。オートザム(マツダの別ブランド)「AZ-1」はタマ数が少なく高値が付いているケースが多いが、ホンダ「ビート」とスズキ「カプチーノ」は、しっかり整備しながら大切に乗られていた個体も見つかるので探す価値は十分にある。
■編集部注目のモデルはコレ!
先代ダイハツ コペン ねらい目年式 2007-2012 中古車参考価格帯 80万円~180万円

【時代を超えて愛される個性】
終売から3年の先代(2002-2012)がオススメ。ヘッドライトもテールランプも丸目、ボディも丸っこく、見た目のインパクトの強さはいま見ても秀逸。直4エンジンを搭載した最後の軽自動車でもあり、フロントがやや重いものの吹けあがりの滑らかさがある。駆動方式はFF。中古車なら100万円未満の個体も多い。オープンエアが好きな人は開閉式の「アクティブトップ」(2002-2012)のほうが高年式を狙えるが、ほとんどオープンにはしないという人は脱着可能な樹脂ルーフを採用し約30kgの軽量化した「デタッチャブルトップ」(2002-2007)でいっそう軽快な走りを楽しむのもいい。
いつでも気軽に開閉ができるアクティブトップは軽自動車の枠を超えた快適装備だ。
絶妙なデザインバランスが、長い期間にわたり人気を支え販売されたきた最大のポイントだろう。
【相場の特徴】
軽自動車の中古車とは思えない強気相場だが、コペンの人気であることは間違いない。まだまだ相場は高めだが、アクティブで若々しいデザインを楽しみたい人は現行モデル(2014-)を。「ドレスフォーメーション」という独自のシステムにより、外板パーツを交換してエクステリアデザインを変更できる。ちなみに、搭載エンジンは直3となる。
特別色や質感の高い内装、専用の足まわりなどを誇る限定車は人気が高い。写真は2007年秋に登場した「アルティメットエディションII」。
内外装着脱構造「ドレス フォーメーション」を採用して、アクティブなデザインとオリジナルへのオマージュともいえるふたつの異なるデザインを楽しめる。
ホンダ S660
ねらい目年式 2015-
中古車参考価格帯 200万円~360万円

【軽自動車の域を超えたこだわりの作り】
駆動方式は、「ビート」の流れを汲んだMRは軽快なハンドリングが魅力。ミドシップに搭載されるエンジンは0.66L 直3ターボで、トランスミッションは6速MTと7速パドルシフト付CVTの2種類が用意されている。脱着可能なキャンバス製のルーフを備えたタルガトップで、フルオープンほどの開放感は得られない。2015年4月に発売されたばかりだが、こだわりの作り込みから人気が高く、新車は納車まで数か月から1年以上かかることも。中古車市場に出回っているのは走行3000km以下の個体が大半を占めており、すでに完売の特別仕様車もチラホラ見かける。好みの仕様と巡り合えれば、即納可能な中古車で手に入れるのは賢い選択とも言える。
「走る」ことにドライバーを集中させてくれるストイックなコクピットは、骨太な操作感も魅力だ。
パフォーマンス以外の一切のムダを排したレイアウトはスーパーカーのよう。ラゲッジスペースも最小だ。
【相場の特徴】
最低でも200万円、「すぐほしい!」ユーザー向けに、300万円以上というプレミアが付いた物件も存在する。いずれも相応距離は100km未満の車両がほとんどだ。ボディカラーは「ホワイト」が圧倒的に多いので、ブルーやレッド、イエローなどがほしい場合は、即決の覚悟で臨みたい。
発売を記念した660台限定の「コンセプト エディション」も高い人気を誇っている。将来のプレミアも期待できそうだ。
スズキ アルト ターボ RS ねらい目年式 2015- 中古車参考価格帯 100万円~140万円

【究極の軽さが生み出す痛快な走り】
実用性と走りの楽しさを両立させた5ドアのホットハッチ。2015年3月発売。駆動方式をFFと4WDから選べるのも嬉しい。車両重量はFFモデルで670kg、4WDモデルで720kgと驚異的な軽さで、最高出力64psの直3ターボエンジンをダイレクト感のある5速AMT(5AGS)を組み合わせることで、キュンキュン走る1台に仕上がっている。走行性能、ファントゥドライブ度は申し分なく、また新車価格が安いこともあって、「お手ごろ感」もこのクルマの魅力となっている。
インテリアはスッキリとした印象。あくまで日常での使い勝手も考えられているので、一見してスポーティモデルとは思えないかもしれない。
白地にアナログ、そして大きめの文字で刻まれたメーター類はとても見やすくて好感が持てる。
【相場の特徴】
走行距離500km未満の個体がおおむね100万円代前半で入手可能。2015年の東京モーターショーでは、5速MTを搭載したモデルアルトシリーズの「アルト ワークス」が発表された。MT好きはしばらく待つか、とりあえずターボ RSを駆ってからワークスに乗り換え、「違い」を楽しむのもおもしろいかも。
手頃な価格と普段乗りとしての使い勝手のよさから、台数の増加は今後も期待できるモデルだ。
オートザム AZ-1
ねらい目年式 1992-1995
中古車参考価格帯 100万円~200万円

ミドシップにターボエンジンを搭載する軽スポーツ。ガルウィングを採用しており「世界最小のスポーツカー」と評されたが、販売台数が少なかったため中古車市場でも数は少なく価格も高め。
ホンダ ビート
ねらい目年式 1991-1995
中古車参考価格帯 40万円~130万円

ABCトリオ唯一のNAエンジン車。ゼブラ模様のインテリアは、いまもファンが多い。ソフトトップのオープンモデルで、駆動方式はMR。中古車は走行5万km超えの個体が多いが80万円以下で手に入る。
スズキ カプチーノ
ねらい目年式 1991-1998
中古車参考価格帯 50万円~180万円

FRレイアウトを採用。ロングノーズのフォルムが特徴的で、3分割式のデタッチャブルトップは、クローズド、Tバールーフ、タルガトップ、フルオープンを楽しめる。5万kmオーバー、80万円以下の中古車が多い