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更新日:2021.09.28 / 掲載日:2021.09.28
フォードが大規模バッテリー工場を建設 EV生産強化へ

フォードモーターカンパニーは現地時間の9月27日、テネシー州とケンタッキー州に環境に配慮した2つの大規模なキャンパスを新設すると発表した。次世代の電気自動車Fシリーズトラックと、フォードおよびリンカーン用のバッテリーを生産する計画。
テネシー州とケンタッキー州に大規模製造施設
ブルーオーバルシティ コンセプトデザイン ブルーオーバルSKバッテリーパーク コンセプトデザイン
フォードは、米国の自動車メーカーとしては最大規模の電気自動車への投資を計画しており、パートナーであるSKイノベーション社とともに114億ドルを投資。テネシー州とケンタッキー州のメガサイトで約11,000人の新規雇用を創出し、地元の雇用創出にも貢献する考え。
テネシー州スタントンで56億ドルを投じた全く新しいメガキャンパス「ブルーオーバルシティ」では、約6,000人の新規雇用を創出し、自動車やバッテリーの製造方法を刷新する。ブルーオーバルシティは、フォードが電気自動車Fシリーズのラインナップを拡充するための垂直統合型エコシステムとなり、ブルーオーバルSKバッテリー工場、主要サプライヤー、リサイクルを含む。テネシー州の新組立工場は、完全に稼働すると埋立て地への廃棄物をゼロにするカーボンニュートラルな工場として設計されている。
ケンタッキー州中央部では、フォードがSKイノベーション社と共同で、58億ドルを投じて電池製造専用の複合施設「ブルーオーバルSK バッテリーパーク」を建設し、5,000人の雇用を創出する予定。2つのバッテリー工場は、次世代の電気自動車であるフォードとリンカーンの動力源となるバッテリーを、フォードの北米の組立工場に供給することを目的とする。
Fシリーズトラック製造拠点「ブルーオーバルシティ」

3,600エーカー(約1457ha)のブルーオーバルシティには、車両の組み立て、バッテリーの生産、サプライヤーパークが垂直統合されたシステムで配置される。製造工程での二酸化炭素排出量を最小限に抑えるため、地熱、太陽光、風力などの地域の再生可能エネルギーが利用される予定。そして約6,000人の雇用が創出され、次世代電動Fシリーズトラックを製造するための技術革新の拠点となる。
この工場は大規模ながら周辺環境への影響をできる限り少なくし、さらにはプラスの影響を与えるように設計されており、2025年の生産開始から、フォードはこの組立工場をカーボンニュートラルにすることを目標としている。
フォードは、バッテリー素材のリーディングカンパニーであるレッドウッドマテリアルズと協力し、廃車や使用済み自動車のリサイクル、リチウムイオンのリサイクルを強化することで、電気自動車をより持続可能な手の届くものにすることを目指す。そして、これが使用済みバッテリーのリサイクル問題の解決に役立つだけでなく、大きな経済的利益をもたらす可能性を期待している。
次世代電気自動車のバッテリー生産施設「ブルーオーバルSKバッテリーパーク」

また、米国カリフォルニア州グレンデールには58億ドルを投じて「ブルーオーバルSKバッテリーパーク」が建設され、2025年のオープンが計画されている。併設される2つの工場で生産するバッテリーは、フォードやリンカーンの次世代電気自動車に搭載される。
技術者育成へ今後5年間で総額5億2500万ドルの投資
フォードは、米国の自動車技術者育成のために、今後5年間で全米で総額5億2500万ドルの投資を行う一環として、テキサス州だけで9000万ドルの投資を行う。この投資は、現在および次世代の技術者のための職業訓練などの取り組みに充てられる。これらのプログラムは、高度に熟練した技術者を育成することを目的としており、フォードの今後の電気自動車生産を強化するねらい。
SKイノベーションとバッテリー事業について
1962年に韓国初の石油精製会社として設立されたSKイノベーションは、探鉱・生産(E&P)、バッテリー、情報・電子材料など、多様な事業を展開。韓国No.1の石油精製会社であるSKエナジー、国内石油化学業界のリーダーであるSKグローバルケミカル、世界的な潤滑油会社であるSKルブリカンツ、石油精製・化学会社であるSK仁川ペトロケム、原油・石油化学製品の貿易会社であるSKトレーディング・インターナショナル、世界的な情報・電子材料ソリューション会社であるSK IEテクノロジーを所有する。SKイノベーションは、10月1日にバッテリー事業を100%子会社として分割し、事業成長の加速を図る。